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ミステリの祭典

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網走発遙かなり

作家 島田荘司
出版日1987年04月
平均点6.36点
書評数11人

No.11 4点 虫暮部
(2024/03/09 13:54登録)
 二回読んだがピンと来ない。登場人物達の素性・つながりが少しずつ明らかになって、しかしだからと言って各話の謎に深く関わるわけではなく、それで? と言う感じ。謎そのものもあまり面白いとは思えなかった。
 悪戯で玩具の銃で、結果として人が死んだのに、当事者が平然としているあの場面は何なのだろう。起訴するなら何罪?

No.10 7点 HORNET
(2024/02/25 19:30登録)
 このたび刊行された完全改訂版。
 連作短編として共通した登場人物が出てくるとはいえ、それぞれが独立した一編であり、作品の毛色も違う。どの作品も、昭和の香りが色濃く出ており、興趣をそそった。
 経済的成功者と平凡な家庭を隔てる格差から武器な老人の話へと展開する「丘の上」、都会の喧騒にまぎれて怪しげに動き回るピエロの動きから謎解きが始まる「化石の街」、乱歩に耽溺した女性の行き過ぎた詮索が疑惑をもたらす「乱歩の幻影」、四十年前に殺された父の真相に迫るタイトル作。
 本当に、四者四様の面白さで、非常にお得な短編集だと感じる。 

No.9 5点 ボナンザ
(2019/05/21 22:15登録)
島田荘司らしいのは最終章のみ。奇想、天を動かすを彷彿とさせる。
全体としては読み物としてはまずまずか。

No.8 6点 パメル
(2017/04/18 01:03登録)
ある人物の半生が各編の所々から浮かび上がる仕組みになっている連作短編集
幻想的な雰囲気を漂わせながらそれぞれの章で繋がれてきた謎が最終章で収束し真相が明らかになる
ストーリー自体は面白いし上手くまとまっているがミステリとして起伏が少なく謎自体も小さいため物足りなさを感じてしまった

No.7 9点 斎藤警部
(2015/08/27 20:10登録)
この連作集が描く人間ドラマの深さには唸る。 「奇想、天を動かす」終了後の長い長いアンコール・ピースと言った趣がある。 「奇想」が社会派と新本格の奇蹟の融合だとしたら、そこにサスペンスの冷風を強く吹き込ませたのが本作であろうか。 

「奇想」があれ程の人気なら、「網走発」の方ももう少しばかり愛されて欲しいなあ、と切に思います。
(短篇集としてでなく、四つのパートに分断された長篇だと思って読むのが趣深くて良いのではないかと)

No.6 5点 yoneppi
(2012/06/17 15:52登録)
メイントリックが大技じゃなかったのが残念。

No.5 7点 seiryuu
(2010/07/16 17:51登録)
前話の登場人物がリンクしてくるので、ストーリーに深みが出て面白い。
もの悲しい最終章もいいですね。
前3話をうまく包み込んでいると思います。
ただ 第三章の「乱歩の幻影」はくどくてあまり好きではありません。

No.4 9点 E-BANKER
(2010/01/11 23:43登録)
シリーズ外の作品。作者には珍しい連作短編集。
「丘の上」「化石の街」「乱歩の幻影」そして表題作の全4作の構成。
久々に再読して、地味ですが味わいのある「名作」だという思いを新たにしました。
それぞれは独立した短編ですが、ある人物とある一家が共通して登場しており、途中まではそれがどういう関係を持っているのかが謎になっています。そして、最終作ですべての関係・謎が明らかになり、感動・・・
全体的には、「都市論」や「徐々に狂気に支配される女性」といった島田氏らしいテイストも盛り込まれており、特に最終作は、名作「奇想、天を動かす」を思い起こさせます。
氏の作品に関しては、派手なものより、本作のような”しみじみ系”の方にむしろ良作が多いと思いますね・・・

No.3 5点 simo10
(2009/05/30 12:36登録)
病院の待ち時間が長いのでその暇つぶしに買いました。
長編かと思いきや、4つの短編だった。と思いきや連作短編で1つのまとまったお話でした。

①「丘の上」:奇妙な行動を取る隣人の老人を観察する主婦視点のお話。次第に狂気に駆られていく様は「毒を売る女」に近い印象を受けました。
②「化石の街」:踊りながら都市を徘徊するピエロ。このリアルに不気味な設定はまさに島田荘司っぽい感じがしました。
③「乱歩の幻影」:乱歩を知らない私にとっては少々苦痛。一番ページ数多いし。
④「網走発遥かなり」:列車内で起きた殺人事件と死体消失トリック。種明かしを見ると「なあんだ」という感じ。

前半二作は楽しめたのですが、後半二作はイマイチでした。

No.2 7点 Tetchy
(2008/11/06 20:57登録)
連作短編集と思いきや、最後にそれらが有機的に関係しあって1つの長編になる、一種独特の味わいのある作品。
内容は後の『奇想、天を動かす』を想起させる物もある。
元々初期の島田氏は各作品において登場人物がカメオ出演する、作品世界を形成していたのだが、これはそれを1冊の本で実践したということか。

No.1 6点 こう
(2008/11/05 22:33登録)
 かなり前の作品ですが何故か登録されていなかったので入れてみました。
 島田作品でも珍しい連作短編集で4つの独立した作品が最後につながっていくスタイルでした。シリーズキャラクターもおらず地味な作品ですがまあまあ楽しめた記憶があります。列車のトリックは「奇想・天を動かす」の方が上でしょう。
 一つ一つの事件、真相が小振りのため初期の島田作品らしくはないですがまあまあ楽しめた覚えがあります。 

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