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ミステリの祭典

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シュウさんの登録情報
平均点:6.78点 書評数:141件

プロフィール| 書評

No.121 8点 倫敦時計の謎
太田忠司
(2008/12/08 02:15登録)
前作と同様、クイーンのような論理的な作風なのですが、今作はそれに加えて見立て殺人、3人の女性被害者、真犯人像など横溝正史の獄門島の
要素が入っているように思われます。クイーン+横溝ならつまらない訳がありません。前作では少し軽すぎると思った作風も今作は気になりませんでした。
あと今作のラストから犬のダミアンがレギュラーに加わりましたが、狩野俊介シリーズの猫のジャンヌといい太田さん動物好きですね。
まだどういうポジションになるのか分かりませんがその辺もこれからの続編に期待してます。


No.120 6点 上海香炉の謎
太田忠司
(2008/12/08 02:01登録)
ちょっと軽い作風だなあと思って読んでたのですが、中盤に登場した三条刑事のキャラクターに惚れてしまいました。
なんて親近感が持てる奴なんだろうかと。丁度その辺から物語も重厚感が増し、読み終わる頃にはすっかりこのシリーズが好きになっていました。
あと国名(都市名?)シリーズというだけあり、クイーンのような論理的な展開が印象に残りました。
そして解説がすがやみつる氏!ゲームセンターあらしの単行本全巻持ってます。関係ないですねすみません。


No.119 5点 雪密室
法月綸太郎
(2008/12/06 13:42登録)
まあ様々な欠点があるのは確かですが、法月ファンになってから読んでるので話の面白さもあって読んでいる間はあまり気にならなかったです。
読み終わったら色々不満点が出てきましたがまあいいや(笑)法月警視の活躍が読めたのも嬉しいですし。
この頃からのりりんは人生に疲れた人物を書くのが上手いです。


No.118 5点 探偵宣言
芦辺拓
(2008/12/05 20:38登録)
初期の作品を集めた連作短編集ということで全体的に小粒な内容ではあったのですが、
特に「殺人喜劇のXY」が最初期の作品ということもあってか、とんでもなく読みにくく、内容が頭に入ってこない上に分量があり、
解決編も面白くないので非常に退屈でした。最後の「殺人喜劇の森江春策」もそれほど大した仕掛けがなくちょっと期待はずれだったかな。
やはり芦辺拓は2000年前後あたりから急成長した作家だったんだなと再確認しました。

しかし毒入りチョコレート事件のパロディで芦辺オールスター総出演の「殺人喜劇のC6H5NO2」や、バカミス寸前な真相が楽しい「殺人喜劇の鳥人伝説」など
読んで損はない作品もありますし、「殺人喜劇の迷い家伝説」の駄洒落刑事にも楽しませてもらいました。
つくづく「殺人喜劇のXY」さえもっと読みやすく書き直してくれれば読後の印象が変わったのにと思わずにはいられません。


No.117 9点 夜叉沼事件
太田忠司
(2008/12/04 23:13登録)
横溝作品を思わせるような重厚で陰鬱で哀しい話に夢中になって読みました。前作までのトリック中心の館ミステリよりもこういう話の方が好きだな。
登場人物たちもどんどん魅力的になり、ますますこの世界が好きになりました。
そういえばピアノ教室の久野君が思わせぶりに登場したわりにその後出番が無かったのだけれども、これからの作品でフォローされるのだろうか。
その辺含めて続編を読むのが楽しみです。


No.116 9点 切り裂きジャック・百年の孤独
島田荘司
(2008/12/03 00:03登録)
正直僕は切り裂きジャックに関してはほとんど知識を持っていないのでこの本で語られていることが実際の真相なのかは想像もつかないのですが、
魅力的な解決に納得しました。かなりありそうな動機だと思いますし。でも謎解きよりも雰囲気を味わう作品ですね。
前半の退廃的で陰惨でロックな雰囲気がクリーン氏の登場でいきなりコメディになってしまうのでそのギャップに笑えました。
ラストは現代のベルリンが舞台なのにまるでシャーロックホームズ譚を読んでるような気分になりました。


No.115 5点 猫は手がかりを読む
リリアン・J・ブラウン
(2008/12/02 23:42登録)
猫につられて表紙買いしました。
ミステリとしては微妙ですが愛らしいシャム猫ココをはじめとして個性的な登場人物が多く登場するので物語として楽しめました。
ただこの犯人はちょっと・・・


No.114 4点 悪魔の百唇譜
横溝正史
(2008/12/01 01:10登録)
うーん、正直今まで読んだ横溝長編作品で一番つまらないです。
あまり興味が持てない事件、悪趣味なのはいつものことだけどなんか直接的で投げやりなエログロ、影が薄すぎる犯人など作品に精彩が感じられません。
短編版の方がまだ話がまとまっていたような・・・金田一の朝食風景が楽しめるのが唯一のとりえかも。


No.113 5点 金田一耕助の新冒険
横溝正史
(2008/12/01 01:08登録)
後に長編化や中篇化されることになる短編ばかりを集めた「金田一耕助の帰還」の続編です。
これを先に読むと後で長編版を読む気が失せるので、長編版を全部読んだ後で本書を読んだ方がいいです。
正直「帰還」よりも小粒な作品が多く、一番面白かった「悪魔の降誕祭」も後の中篇版とほとんど展開が変わらなかったりするので新鮮味がなく
全体的にあまり楽しめませんでした。


No.112 7点 金田一耕助の帰還
横溝正史
(2008/12/01 01:06登録)
後に長編化や中篇化されることになる短編ばかりを集めた作品集です。基本的に長編の方を先に読めば本書はいらないとも言えるのですが、
現在角川書店版では「白と黒」と「迷路荘の惨劇」以外は絶版ですし、古本屋で売ってる旧版はビビリの僕には
あの妖気溢れる表紙の本を買って本棚に置く勇気が無いので本書は中々重宝してたりします。
基本的に小品が多いのですが、「毒の矢」はヒロインのボンちゃんが可愛いのでお気に入りです。
「迷路荘の怪人」も長編版とは犯人が違うので新たな気分で犯人当てを楽しめますし、グロい場面も出てこないので爽やかに楽しめました。


No.111 6点 そして誰かいなくなった
夏樹静子
(2008/11/30 10:11登録)
タイトル通り「そして誰もいなくなった」のパロディです。社会派の要素が色濃いのでそういうのが好きな人にはより楽しめるかも知れません。
似たモチーフを持つ「十角館の殺人」と同じようにこの作品にも最後にどんでん返しが待っているのですが、「十角館」に比べるとかなり分かりやすいです。
「十角館」が無ければこれはこれで上手いと思えるのですが、「十角館」より後発なことを思うとちょっと物足りないと思ってしまいます。


No.110 6点 そして誰もいなくなった
アガサ・クリスティー
(2008/11/30 10:09登録)
見立て殺人の傑作です。最初の方に掲載されている10人のインディアンの童謡を見ながら次は誰がどんな風に殺されるんだろうとわくわくしながら読みました。
ただ、犯人によると罪が軽い順に殺したということなんだけど、最初の被害者が一番罪が軽くて最後の被害者が一番罪が重いというのに違和感がありました。


No.109 7点 緋色の研究
アーサー・コナン・ドイル
(2008/11/28 23:41登録)
あれ?ワトスンが軍人時代に怪我したのって足じゃなかったっけ?
等と疑問に思う所もありますが第一作のこの時点でホームズとワトスンの楽しい掛け合いは健在でした。出会ってすぐ打ち解けたんですねこの二人。
第二部でいきなり西部劇が始まってびっくりでした。これも救いが無い話ではあるけれども面白いです。


No.108 4点 探偵ガリレオ
東野圭吾
(2008/11/27 21:05登録)
以前読んだ「嘘をもうひとつだけ」もあまり面白く感じなかったので、この作者の短編とは相性が良くない気がします。
どうも事件の解決までの流れがスムーズすぎてあまりカタルシスを感じられないんですよね。登場人物に魅力も感じないし。
特にこの作品集の場合ただでさえ1話ごとのページ数が少ないのに実験や科学理論みたいなのが結構な割合を占めるのでミステリとして
スカスカに感じるというか・・・僕が文系だからそう思うのかも知れませんが読者が推理できる部分もほとんどないし読んでて退屈でした。


No.107 8点 時計館の殺人
綾辻行人
(2008/11/25 23:00登録)
どんどんと人が殺されてゆき、この人まで死んじゃうのか?と思わせるのは「殺人鬼」を連想しました。
少年時代の罪が関わってくるのは「人形館」もだし、トリックには「十角館」を思わせるものもあります。
この時点での綾辻さんの集大成といえる作品ですね。おかげで完成度の高さもあって綾辻作品のスタンダードとして
安心して読める作品だと思いますが、あえていえば綾辻さん特有の最後のどんでん返しが薄いのがちょっと弱いかな。


No.106 5点 ファンレター
折原一
(2008/11/25 22:58登録)
こんな後味が悪い日常の謎系の話というのは初めて読みました。
最初の2話くらいまではまともな人物が登場しない狂った展開が気持ち悪かったんですが、慣れてきたらこれはこれで面白いかもと思えてきました。
個人的に北村薫はなんか合わないのでほとんど未読状態なのでその辺のパロディはよく分からなかったのですが、
北村ファンならもっと高評価なのかな?むしろ怒るかw


No.105 7点 陰獣
江戸川乱歩
(2008/11/25 22:57登録)
乱歩作品や当時の乱歩に対する噂のパロディが楽しい作品です。
最後を曖昧にしたことで当時かなり批判を受けたらしいですが、確かにこれは蛇足だと思います。
でもネタバレになるので詳しくは言えませんが、曖昧な真相で主人公をネチネチ苦しめる方が女版乱歩として「らしい」のでこれはこれでありだと思います。


No.104 7点 コンピュータの熱い罠
岡嶋二人
(2008/11/24 22:25登録)
子供の頃コロコロコミック等に掲載されていたマイコン漫画に憧れていたこともあってとてもワクワクしながら読みました。
80年代のコンピュータ関係の話は職人的な雰囲気があってなんだか凄く格好いいです。
ミステリ的には主要登場人物の少なさもあって犯人当てが容易なのが難ですが、サスペンスとして楽しく読めました。
あと一人で事件を追って主人公に情報提供をしない古川さんが生き残れるのかにハラハラドキドキしたんだけど・・・やっぱりなあ。


No.103 8点 さらわれたい女
歌野晶午
(2008/11/19 22:48登録)
面白かったです。こんな鮮やかな誘拐トリックは久しぶりに読みました。ちょっとせこいけど。
それなのに真犯人に間抜け扱いされる主人公がなんか可哀想(笑)
ラストも良かったです。最後の1ページは格好良さにしびれました。


No.102 6点 幻惑密室
西澤保彦
(2008/11/19 22:31登録)
キャラも魅力的だしSF的要素も上手くミステリ部分に馴染んでいてとても面白い作品だと思います。
ただ主人公の独白がページ稼ぎなんじゃないかと疑ってしまうほどやたら長くて辟易しました。独白の内容もあまり感心しませんでしたし。
もう少しページ減らしてスマートにした方が読みやすくなったと思います。

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