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ミステリの祭典

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悪魔の百唇譜
金田一耕助シリーズ

作家 横溝正史
出版日1962年01月
平均点4.29点
書評数7人

No.7 4点 ボナンザ
(2021/08/19 15:02登録)
ややインパクトに欠ける。タイトルの百唇譜がそこまで大きな役割がないのもイマイチ。
後半は何とかひねった結末にしようという努力の跡が見受けられるのだが・・・。

No.6 5点
(2021/06/27 00:13登録)
これも久々の再読ですが、タイトルの意味と自動車が停められていた場所からの推理以外は、全く記憶に残っていませんでした。最初の被害者の夫として中国人の実業家が登場しますが、むろんフー・マンチュー的なところは全くなく、性格的に若干問題点はあっても、温厚な紳士です。
以前読んだ時はあまり感心せず、本サイトでも評判の良くない作品ですが、再読してみると、事件の全体構造は意外に複雑でしっかりできていると思いました。ただ後半、収束の仕方が雑で、最後の金田一耕助の推理も、全然盛り上がらないのです。ある人物の証言の中に出てくる伏線も、推理の中では言及されません。「いまわしい」とか「まがまがしさ」とかいった言葉も、確かに事件の裏にある百唇譜(実際には36枚)は不快なものなのですが、実感を伴いません。そのあたりはもっとさらりと書いて、真相解明部分を工夫すれば、いい作品になったのではないかと思えました。

No.5 3点 HORNET
(2017/10/08 07:56登録)
 イマイチ。
 トランクに詰められた死体、トランプのカードに刺し貫かれた凶器と、謎の提示は魅力的なのだが、前の皆さんの書評にもあるように、とりたてて印象に残らない凡庸な登場人物が多く出てきて、誰が誰だったか思い返しながら読み進めるのが苦痛だった。
 推理も精緻さがなく、飛びが多い気がするし、犯人も「怪しんで当たってみたら、ビンゴだった」というような印象。推理の中に「いったんどこかに隠しておいて…」とか「おそらく〇〇から聞いて知っていたのだろう」というような、大雑把なあて推量が散見していて、何だか・・・。後半は「とりあえず読了だけはしよう」という思いで読んでいた。

No.4 4点 谷山
(2014/09/14 11:59登録)
百唇譜って何だろうと思い読み進めましたが、関係した女性の唇紋集ですか。でもこれって恐喝の道具に使えるんだろうか。
金田一の朝食風景は楽しかったですが、事件の関係者が何の魅力もない人物ばかりな上にやたらと多く、事件の謎も大して盛り上がらないので微妙な作品かな。

No.3 6点 大泉耕作
(2011/04/13 15:27登録)
横溝ファンでありながら言うことだがあまり、面白いとは思えなかった。本格的なアリバイ崩しで、金田一も飄々としていて等々力警部の出て来るぼくにとっては初めて作品ではありましたが、なんだかトリックが複雑で途中で読んでいてもよく入らない。
その上犯人逮捕までの捜査過程が題材になっているような気がして、探偵小説的なものがないような・・・? 
しかし、一度だけトランプを刺しておいたナイフで殺人を起こした。という推理が当たったのはたまらなくうれしかった、単純ですよね。
アパートや、スパイ活動、竹やぶの怪しい自動車。しかし、この自動車の鍵の部分はとても気に入りました。

No.2 4点 マニア
(2008/12/20 02:24登録)
ドロドロした人間の、どす黒い部分をベースとした猟奇犯罪を描く横溝ワールドはこの作品でも楽しめる。
現在進行の2重殺人事件と1年前の殺人事件の関係やそれに関して暗躍する脅迫者、そして事件の真相と、これらの問題を解決する終盤の金田一の推理には勢いがあって良かった。

しかし、警察関係者の登場人物が多すぎて把握しきれないのと、それにより重要な容疑者の影が薄くなっているような感じがして読みづらかった・・・。なので、犯人も意外と言えば意外だが、「ふ~ん」という感想に止まってしまった。

短いが、結構退屈な作品だった。

No.1 4点 シュウ
(2008/12/01 01:10登録)
うーん、正直今まで読んだ横溝長編作品で一番つまらないです。
あまり興味が持てない事件、悪趣味なのはいつものことだけどなんか直接的で投げやりなエログロ、影が薄すぎる犯人など作品に精彩が感じられません。
短編版の方がまだ話がまとまっていたような・・・金田一の朝食風景が楽しめるのが唯一のとりえかも。

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