home

ミステリの祭典

login
toukoさんの登録情報
平均点:6.16点 書評数:241件

プロフィール| 書評

No.81 6点 白夜行
東野圭吾
(2009/08/19 21:15登録)
火車とマークスの山とよくあるピカレスクロマンとACものと社会派ものとはやりの昭和史ものを混ぜたって感じで、超売れ線なのはわかるし、文章・展開は非常にあっさりとしていてテンポがよく、長いのに1晩で読めるし、読んでいる間はつまらなくはなかったんですが、設定、各人物造形とも類型的すぎて、新鮮味がまったくなくて……。
うまい作家だとは思うんですが、これはちょっとあざとすぎて、げんなりした部分も。。


No.80 5点 『アリス・ミラー城』殺人事件
北山猛邦
(2009/08/07 01:26登録)
登場人物の1人が『華麗なスクエアダンス』(って還暦の母も習っているフォークダンス!?)を踊る場面で、個人的に図を想像して、なんじゃそりゃ、と作者の意図とはおそらく違うところで激しくひっかかり、後はなし崩しに叙述トリックに関してはわかってしまいました。

登場人物全員の集まってきた動機や心理や行動が不自然すぎるので、犯人の動機はぶっ飛んではいるけど、まだマシ。
それにしたって物理トリック以外の部分がひどすぎるので、こういう話やトリックを成立させるための仕込みの部分ももうちょっと頑張って欲しかったなあ。
これならクイズで読んだ方が楽しめそう、小説にする必要もないんじゃないかとすら……。


No.79 7点 探偵ガリレオ
東野圭吾
(2009/08/07 01:18登録)
文系女ですが、なぜかハードSFもブルーバックスも好きなので、こういうの大好きです。
ちなみに、「トリック」も「カダラの豚」の前半も「特命リサーチ2000」も好きでした♪


No.78 7点 手紙
東野圭吾
(2009/08/07 01:10登録)
このサイトで取り上げている人数が多かったし点数もよかったので、てっきりミステリだと思って読んでしまいました。この設定だと、追い詰められた犯人の弟も犯罪者になるのだろうか……うわあ、やりきれない話だなあ……などとずっとハラハラしてたのですが、杞憂に終わってよかった……のかな!?
内容は普通によかったので、いずれにしても、読んで損はなかったのですが。


No.77 6点 ウルチモ・トルッコ 犯人はあなただ!
深水黎一郎
(2009/07/30 23:52登録)
無理目な設定ですが、楽しく読めました。
文章は端整でとても読みやすいのですが、お涙ちょうだいのラストにやや唐突感があったので、手紙を送ってくる人物の造形をもう少し親しみやすいものにして、タイトルもキャッチャーなものにしていたら、もっと一般受けする作品になっていそう。
ミステリとしての評価と関係なく、作品(商品)として売れ線になったかもしれないのに、惜しい気が。


No.76 6点 どちらかが彼女を殺した
東野圭吾
(2009/07/28 23:14登録)
こんなしょぼいトリックで、短編ならいざ知らず、この枚数を読ませてしまうのは、さすが人気作家。2時間サスペンス+古畑任三郎みたいでした。


No.75 5点 百蛇堂―怪談作家の語る話
三津田信三
(2009/07/28 23:09登録)
前作の蛇棺葬の謎が解けるとのことでしたので、今度はミステリのつもりで読んでしまい、失敗。
最初からミステリ要素も多少あるホラーだと思って読んでいれば、もっと楽しめたと思うんですが、拍子抜けしてしまいました。
あと序盤の舞台裏話というか楽屋落ちネタは、一般読者が読んで面白いものなのでしょうか? 無意味な枚数稼ぎにしか思えませんでした。


No.74 6点 蛇棺葬
三津田信三
(2009/07/28 23:04登録)
純然たるホラーだと思って読んでいたので、それなりに楽しめました。


No.73 6点 月光ゲーム
有栖川有栖
(2009/07/28 23:01登録)
主人公がウザすぎて感情移入が出来ない、登場人物が無駄に多い、不思議ちゃんキャラも多すぎ、動機が弱すぎる……等問題点は多いですが、犯人当てだけは面白かったので、まあ楽しめました。


No.72 7点 人格転移の殺人
西澤保彦
(2009/07/18 01:46登録)
SFというよりシチュエーションコメディ。
ミステリとしては、真犯人の設定に不満が残るものの、読み物として楽しめたのでOK


No.71 7点 シャドウ
道尾秀介
(2009/07/12 16:21登録)
向日葵の~を先に読んでいたので、子供でも怪しいし、誰が本当のことを言っているかわからない……と疑心暗鬼になりながら読んでいたのですが、意外と普通のいい話(?)でオチがついて安心というか物足りないというか!?
これもまた、ストーリーを楽しみつつ、細かいことは気にせず、騙されるのを楽しむための作品でした。


No.70 7点 密室の如き籠るもの
三津田信三
(2009/07/09 23:24登録)
短編集だからあまり期待してなかったんですが、どれもそれなりに怖く、ホラーミステリ好きな私は楽しめました。
表題作は真相がわかると印象が変わってしまう話ですね。


No.69 7点 姑獲鳥の夏
京極夏彦
(2009/07/09 23:16登録)
すみません、細かい内容までは覚えていないんですが、ブームの頃にノリノリで読みました。
ポストモダン的なアプローチを専門用語を一切使わず、妖怪やオカルト等に絡めて読み解くというのが、とにかく斬新で、今風なエンタメだなあと感心した記憶が。
(適当とはいえ最新の科学的知識で面白おかしく特撮やアニメを解釈する「空想科学読本」の人文系版のようなノリといいますか)。
今思うと、そういうのって、とーっても90年代風だったりするので、今から読む人には、当時ほどのトレンド感(死語)はないとは思いますが、それでももちろん楽しめるはず。


No.68 7点 過ぎ行く風はみどり色
倉知淳
(2009/07/09 22:39登録)
陰惨な設定なのに、読後感のよさは特筆もの。
なんというかバランスがいいですね。
猫丸先輩の主人公への痛罵の数々と発掘が意味なかった際のバガヤロ様!(いがらしみきを?)に笑えたりと、ユーモラスなところもよかったです。

他のことはともかく、ちょっと、各登場人物の視点の切り替え時の記述バランスが悪かった気がします。そこまでトリックバレを恐れなくても、ストーリーテーリングの巧みさで楽しませてくれる作品だと思うので、惜しい気がしました。


No.67 6点 龍臥亭幻想
島田荘司
(2009/07/06 21:41登録)
前作の「龍臥亭事件」はずいぶん前に読んで、うろ覚えの状態だったのですが、舞台・登場人物はかぶるものの、独立した話なので、大丈夫でした。

伝説、次々起こる奇奇怪怪な事件など、読んでいる間は大変、楽しかったのですが、肝心の謎解きが無理がありすぎでは……絵の謎が放置されたままとか、偶然が多いとかはともかく、犯人を誤認させるメイントリックにそりゃないだろうと。
……このあたり、男女で感覚違うかもですが;


No.66 5点 赤朽葉家の伝説
桜庭一樹
(2009/07/01 21:33登録)
日本版「百年の孤独」だと前評判が高かったので、期待しすぎてしまったようです。

確かに百年の孤独をまんま元ネタにしているし(同じ百年の孤独元ネタ作品でも寺山修司の「さらば箱舟」のようにひねりもなくストレートに)、日本人には読みやすくなっているのはいいんですが、ちょっと軽すぎ、説明調に傾きすぎではないかと。
週刊誌や新聞の社説のような、あまりにも俗っぽい類型的な解釈とラノベ調の文体等が、個人的には辛かったです。
フェミニズム版プロジェクトXみたいで(笑)、ウケそうではあるし、企画もの商品としてすぐれているのはわかるんですが、電通みたいで、G・マルケス好きだった身としてははなんだかなあ、と。

(……ところで、不良少女伝説は花のあすか組や下妻物語あたりとして、ビューティフルワールドはもしかして山田ないとが元ネタ!?)

ラストにミステリ要素も出てきますが、これも別にあってもなくてもって感じでした。


No.65 6点 孤島パズル
有栖川有栖
(2009/07/01 21:23登録)
学生アリスシリーズの続編の「双頭の悪魔」の方を先に読んでいたこともあり、犯人が丸わかりでしたが; それでも楽しめました。
マリアの言動の謎も解けて、個人的によかったです(笑)。


No.64 9点 人形はなぜ殺される
高木彬光
(2009/06/25 02:06登録)
タイトルが秀逸すぎます。
本当に人形がなぜ殺されるのかわかれば、すべてがわかってしまうんだからスゴイ!

マイナス1点は、流石に今読むと、大時代的な設定を古臭く感じてしまったのと探偵側のキャラが弱いので。

でもこのトリックと構成は本当に素晴らしいです。


No.63 5点 十三の呪
三津田信三
(2009/06/19 22:28登録)
超常現象は当たり前の世界です。
超常現象そのものにロジックを追求していて、それがうまくはまると、恐怖がいや増すものなのに(個人的に)、この作品は全然怖くないのが難点かなあ。
あ、つまらなくはないんですが。。。


No.62 7点 独白するユニバーサル横メルカトル
平山夢明
(2009/06/19 22:17登録)
エッセイでしか知らなかった作者の短編集。
とても面白かったんですが、ミステリ要素はほとんどないです。

初期のクライヴ・バーカー的でもあり、小林泰三とか乙一のダーク系作品とか遠藤徹等も思い起こさせる、今はやりのグロ鬼畜系ホラーでもあります。この手の作品の中でも出来もいいでしょう。
個人的には好きなんですが、人は選ぶでしょう。

241中の書評を表示しています 161 - 180