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ミステリの祭典

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百蛇堂―怪談作家の語る話
作家三部作

作家 三津田信三
出版日2003年12月
平均点6.00点
書評数4人

No.4 7点 みりん
(2023/07/06 20:20登録)
久しぶりに1000ページを超える超大作を読んで疲れました。
上巻ともいえる「蛇棺葬」は純然たるホラーで「百蛇堂」はミステリ的解釈も楽しめるホラーといった感じでした。名探偵ジャパンさんのおっしゃる「ホラー対ミステリ」が言い得て妙。
旧家の因襲が生んだ怪奇小説としても面白かったし、ラストに謎が解かれてから現れる恐怖が一番ゾッとしました。

作家シリーズはこれでおしまいか。まだまだあのキャラ達を読みたかった。

No.3 8点 名探偵ジャパン
(2016/09/24 09:23登録)
前作「蛇棺葬」の解説で作家の柴田よしきは、この二冊は「決して前編後編や上下巻というだけの関係ではない」と書いていました。
では何なのかというと、前作(という言い方は的を射ていないのですが)「蛇棺葬」は、本作「百蛇堂」のあまりに長大な作中作なのです。

前作と雰囲気は打って変わって、本作はいつものおなじみの「作家三津田信三シリーズ」の軽快な一人称の語りから始まります。この「作家三津田」の一人称の文は読みやすく、まるで目の前で語ってもらっているかのような分かりやすさで、すっと頭に入ってきて、私は大好きな文章です。
とある出版社のパーティーで三津田は、ある男を紹介され、彼の体験した恐ろしい話を聞くことになります。それが「蛇棺葬」で、この話は後に男の手により実際に原稿に書かれることとなります。この男こそ、「蛇棺葬」の主人公であった「私」です。

本作は「作家三津田シリーズ」の集大成といえる内容で、本作のテーマは「ホラー対ミステリ」です。「ホラー&ミステリ」は、まさに他の追随を許さない三津田の得意分野ですが、その二つの武器を打ち合わせてしまおうという、何とも贅沢な試みです。「マジンガーZ対デビルマン」です。

「ホラー対ミステリ」「因習対論理」「怪異対推理」この戦いに挑むのは、このシリーズで探偵役を務める飛鳥信一郎です。(三津田やもうひとりの友人、祖父江耕助も当然戦いに加わりますが)信一郎は密室からの人間消失の謎に明快な回答を披露しますが……

もうひとつ本作のテーマとなっているのは、「小説におけるホラー」です。
圧倒的に文章よりも映像のほうに分があるジャンルというものはあります。俳優が実際に五体を駆使するアクションだったり、空想ロボットなどのビジュアルが売りになるSFだったり、怪異を視覚的に見せられたり音で驚かせたり出来るホラーもそのひとつでしょう。
ここに三津田は「文章だけによるホラー」しかも「他の媒体では決して真似の出来ない形での怖さ」を見せて(読ませて)きます。

現実と虚構が折り重なった本作の拘りは徹底しており、それは最後の「主な参考文献」にまで及びます。
だからこそ、どうしても作中を跳び越えたメタ視点にならざるを得ない「解説」は本作には不要だったかなー? などとまで思ってしまうのです。(本作も担当した柴田よしきは、非常に楽しい解説を書いてくれたのですが)

No.2 5点 touko
(2009/07/28 23:09登録)
前作の蛇棺葬の謎が解けるとのことでしたので、今度はミステリのつもりで読んでしまい、失敗。
最初からミステリ要素も多少あるホラーだと思って読んでいれば、もっと楽しめたと思うんですが、拍子抜けしてしまいました。
あと序盤の舞台裏話というか楽屋落ちネタは、一般読者が読んで面白いものなのでしょうか? 無意味な枚数稼ぎにしか思えませんでした。

No.1 4点 おしょわ
(2009/07/04 15:18登録)
前作「蛇棺葬」からの続きのような作品です。
途中まで期待したんですけど十分に謎を回収し切れないまま無理やり終わってしまった感じが強く、非常に残念でした。

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