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ミステリの祭典

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あびびびさんの登録情報
平均点:6.33点 書評数:669件

プロフィール| 書評

No.189 9点 容疑者Xの献身
東野圭吾
(2011/04/25 02:35登録)
友人に勧められて始めて知った東野圭吾。長らく読書を忘れていたが、日本にもこんな作家がいるんだ…と感心し、東野さんの作品ははもちろんのこと、その他の作家の作品にも手を出すようになった、記念すべき物語。

ある意味世捨て人になっていた犯人のせつない生き方にほろりとさせられたが、その心情は、ある程度年を取ると沁み入るように分かってくるのではないか?


No.188 5点 笑う男
ヘニング・マンケル
(2011/04/25 02:21登録)
正当防衛とはいえ、人を殺して警官退職に悩むヴァランダー警部が、友人二人をが殺された事件で甦る。

相手はスウェーデンでも指折りの投資家で、慈善事業でも有名な名城に住む男。その男の余裕の笑い顔にひびを入れたいーその一心で巨大な壁に挑む。

まあありがちな設定であり、ミステリ的な楽しみはないが、舞台がスウェーデン警察というのが興味深かった。


No.187 4点 復讐の女神
アガサ・クリスティー
(2011/04/23 11:00登録)
久しぶりにクリスティを読んだ。さて、どんなどんでん返しが…と期待していたが、「この人が犯人では…」と、想像したままであり、動機も物語の流れそのままだった。

あるお金持ちから遺言書が届き、旅行が手配され、なんのヒントも与えられず、事件に対処するといった設定はさすがだと思ったが、それほど深い謎はなかった。


No.186 3点 黒と青
イアン・ランキン
(2011/04/20 12:13登録)
リーバス警部は、ミステリチャンネルで放送していたのを何度も見たことがあるが、この作品が放送されたかどうかは覚えていない。

これはいろいろな賞を獲得した氏の代表作らしいが、スコットランドの石油事業に絡んだ事件と、伝説の殺人鬼と、その模倣犯が絡んで話を興味深くしている。

ただ、テレビ放送と同じで展開が遅く、退屈な表現が多いような気がした。


No.185 6点 女王国の城
有栖川有栖
(2011/04/12 23:38登録)
エラりィ・クイーン「ドルリイ・レーン最後の事件」を読んだ後が悪かったのか?妙に物語が淡々として、犯人告知の時も、「はあ?」となってしまった。

個人的には双頭の悪魔の方がかなり好みで、まだ先があるのか…と残りページを疎ましく思った時もあった。

次のシリーズ最終に期待します。


No.184 8点 エンプティー・チェア
ジェフリー・ディーヴァー
(2011/04/08 10:50登録)
4肢麻痺のリンカーン・ライムが手術のため、ノースカロライナ州の小さな町に、アメリア・サックス、介護士のトムとともに訪れる。

その町には「昆虫少年」による殺人事件が頻発しており、これに手を焼いていた地元警察がライムに協力を依頼する。その地は広大な湿地帯があり、、ライムは苦難の末、その少年を逮捕するが、あろうことか、片腕のサックスがその少年とともに逃亡し、しかも追跡の地元捜査官を誤射で死亡させてしまった。

サックスの「死刑…」が見え隠れする中で、ライムはどう戦うのか?最後は例によって、どんでん返しの連発!


No.183 8点 戻り川心中
連城三紀彦
(2011/04/03 19:36登録)
題名に、ロマンより古臭さを感じてずっと読まなかったが、確かに怪しげな世界。しかし、そこにミステリが絡んで、物語が余計に沈んでいくような感覚はこの作家ならではないか。

ずっとモノクロの映画を見てきたようで、作風はまったくちがうが、阿佐田哲也の麻雀放浪記を思い出した。


No.182 9点 レーン最後の事件
エラリイ・クイーン
(2011/04/02 12:34登録)
前半はめまぐるしい登場人物の入れ替わりに頭を整理するのに大変。なかなか殺人事件が起きないのでいらいら?したが、結末は衝撃だった。

シェークスピアを扱った題材だけに納得はできるが、最後の事件であることはまちがいなかった…。


No.181 3点 殺人にうってつけの日
ブライアン・フリーマントル
(2011/03/28 13:46登録)
元CIAにいた男が、逆スパイをした罪で収監される。その男は自分を売った元妻とKGBの男(その男もソ連を売った)が夫婦として生活していることが許せず、復讐を誓う。

その設定に最初はわくわくしたが、途中から手が込みすぎてなかなか物語が進行せず、放り出したい気持になった。


No.180 7点 再び消されかけた男
ブライアン・フリーマントル
(2011/03/23 16:02登録)
図書館で、「消されかけた男」を予約したつもりだったが、係員の入力ミスか?こちらが届けられた。

それまでのスパイ小説を変えた?と言われるだけあって、主人公・チャーリーマフィンの深層心理、行動力は興味深い。最後までおもしろく読めたが、完結的?なムードがあり、この作品以上に評価の高い前作が読めないのはつらい。


No.179 8点 本陣殺人事件
横溝正史
(2011/03/23 15:45登録)
20歳のころ、友人に「おもしろい本がたくさんある」と、書店へ連れて行かれた。当時、角川文庫の「横溝正史フェア」が大盛況で、それまで見たことのないおどろおどろとした怪奇的な表紙に目を奪われた。

そして最初に手にした本がこの本陣殺人事件である。ほとんど読書をしたことがない人間だったが、それからむさぼるように横溝正史を読んだ。

思えばあれがミステリ入門だった。


No.178 7点 時間の砂
シドニー・シェルダン
(2011/03/23 15:39登録)
最近長編が多く、少し疲れ気味だったので、展開が急で、飽きがこない本をということで読んだ。

この作家はミステリ色の作品もあるが、これはミステリではないと思った。そうかと思えば普通の物語でもない。その日に読み切りたいという流れは、さすが一世を風靡したベストセラー作家だけのことはあると思った。

今回はスペインの内乱がテーマだったが、主人公の4人の尼僧の人生がいろいろ比較されておもしろい。


No.177 7点 黒いトランク
鮎川哲也
(2011/03/21 01:20登録)
北九州あたりを舞台にした松本清張の本もあったなあ…と考えながら読んだ。昭和の時代が色濃く出て、どちらかといえば地味なアリバイトリックに手に汗を握る。

自分の中では相当におもしろいミステリという評価だったが、火曜サスペンスで鬼貫刑事役の大地康雄が終始頭に浮かんだ。あれはなかなかの名演だったのではないかと、彼の存在感に改めて敬礼…。


No.176 6点 殺しの双曲線
西村京太郎
(2011/03/21 01:12登録)
動機が弱すぎるような感じがした。連続して起きる殺人事件にしても淡々…という感じでもうひとつ緊迫感が足りなかったのではないか。

ただ、ミステリとしては本格的ではないかと思った。一気に読める構成ではある。


No.175 7点 魔術師
ジェフリー・ディーヴァー
(2011/03/21 01:06登録)
犯人は熟練の魔術師で、いろいろな危機をマジックで切り抜ける。これに対し、リンカーンもマジシャン修行中の若い女性のアドバイスをもとに対抗する訳だが、小道具が多すぎる。

その分ページ数も多くなり、読者はある程度の根気が必要だ。しかし、さすがにどんでん返しは超一流。最後の最後で『さすがにこれはないだろう?」と思った推理がリンカーンの遊び心でほっとした。

シリーズの中では中の上といった評価ではないか。


No.174 3点 神津恭介の復活
高木彬光
(2011/03/10 14:27登録)
おそらく50歳を超えているだろう神津恭介。伊東に暮らして、直接は事件に関わらず、女性新聞記者らの情報だけで推理する。

最後の推理、回想シーンではなるほど的確な視点で事件の謎を解いていくが、さすがの切れ味と言う印象はない。全体的な内容も厚みがなく、どうにでも推理できる感じで、真相も嘘っぽい。

やはり全盛期の作品と比べると緊迫感が足りなかった。


No.173 5点 訣別の海
ロバート・B・パーカー
(2011/03/08 18:10登録)
マサーチューセッツ州パラダイスはヨットのメッカ。そこで毎年一度ヨットレースが開催されるが、そのためパラダイスは治安、風紀が悪くなる。

特に地元の若い女性がその雰囲気にのまれて起こるレイプ、殺人。ある女性が海岸に死体で打ち上げられたが、その謎はマイアミまで持ち込まれた。警察署長が自ら事件解決に奔走する。


No.172 6点 ユダの山羊
ロバート・B・パーカー
(2011/03/08 17:58登録)
ロンドンで家族をテロリストの爆弾で殺された財産家が、「警察の捜査は生ぬるい。私は金はあるが希望がない」と、犯人探しをスペンサーに依頼する。

捜査を引き受け、ロンドンに飛んだスペンサーは独自の捜査でテログループに接近し、相棒のホークも呼び寄せてグループの壊滅を図る。

ただ、物語的にはおもしろかったが、これだけスケールの大きい事件になると、ハードボイルドではなくなってしまうなあ。


No.171 8点 人形はなぜ殺される
高木彬光
(2011/03/07 16:55登録)
高校のころ?刺青殺人事件や、白昼の死角(内容はまったく忘れた)を読んだ記憶ありで、この本は知らなかった。

あまりに評判がいいので、図書館でボロボロになった本を借りてきて読むと、なるほど当時の雰囲気というか、高木彬光の世界がいきなり拡がってきた。

しかしどういうわけか、動機はまだ分からなかったが、第二章で犯人とトリックはすぐに頭に浮かんだ。興味深く読んだが、これほど探偵がボロボロになるのは珍しい。

ほとんど他の人のヒントでやっと解明?名探偵・神津恭介もこの事件に関してはとても頭脳明晰と言えないのでは…。


No.170 7点 悪党
ロバート・B・パーカー
(2011/02/28 12:14登録)
ふだつきの悪がレイプ殺人の容疑者として逮捕されて数年。その時の若き女性弁護士が、「あの時は私のキャリア不足で、彼は犯人ではない」と再調査の依頼。

スペンサーが立ち向かうのは、警察署員を巻き込んだ巨大悪だった…。

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