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ミステリの祭典

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時間の砂

作家 シドニー・シェルダン
出版日1989年10月
平均点6.00点
書評数3人

No.3 3点 ムラ
(2012/11/13 20:45登録)
歴史小説としてみるならありだけど、サスペンスとしてみるとちょっと物足りなかった。
4人のシスター達の人生をそれぞれ比較して読むような話ではあるが、前半に一気に自己紹介に使った所為で話の進みがちとのろくなった感がある。
メーガン、ルチアは必要なシスターであったし、テレサも発狂の理由が長く書かれていたから説得力もあったが、グラシエラだけはいらなかったような気がする
しかし、三点を付けた自分が言うのもあれだが、スペインの歴史に触れる小説としては文章も読みやすく、オススメな作品ではあります。

No.2 7点 あびびび
(2011/03/23 15:39登録)
最近長編が多く、少し疲れ気味だったので、展開が急で、飽きがこない本をということで読んだ。

この作家はミステリ色の作品もあるが、これはミステリではないと思った。そうかと思えば普通の物語でもない。その日に読み切りたいという流れは、さすが一世を風靡したベストセラー作家だけのことはあると思った。

今回はスペインの内乱がテーマだったが、主人公の4人の尼僧の人生がいろいろ比較されておもしろい。

No.1 8点 Tetchy
(2010/07/25 21:52登録)
シドニー・シェルダンはアメリカの作家でありながら、作中の舞台をアメリカに固定せず、南アフリカやスペイン、ヨーロッパ諸国と実に多彩だったように思う。当時はアメリカでさえ小説の舞台として馴染みの薄い国だったので気にならなかったが、数多の海外作品を読んだ今振り返ってみると再認識させられる。

前にも述べたがシドニー・シェルダンの描く世界は当時高校生の私には全てが未知であり、全てが新鮮に映った。冒頭の牛追い祭の荒々しい始まりから、静謐な修道院での生活へと動から静へ移る物語の運び方は話の抑揚のつけ方としては抜群であるし、今読んでも引っ張り込まれるだろう。
本作でスペインの複雑な民族事情を知ったのはまさに幸運だったと云える。その後の人生で折に触れ、このバスク地方とスペイン政府との抗争に触れる機会があり、この本を読んだことが予備知識となり、理解が早かったからだ。知的好奇心に満ちていた高校生の頃に読んだというのもまた最良の時期だったと思う。

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