女王はかえらない |
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作家 | 降田天 |
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出版日 | 2015年01月 |
平均点 | 5.60点 |
書評数 | 10人 |
No.10 | 4点 | mozart | |
(2023/09/11 17:56登録) 第1部は不快感溢れる内容、第2部が違和感ありまくりで、第3部に至ってはやられたというよりなーんだ、やっぱりそういうことか、という感想でした。 この手のものは自分には合わないのだろうと言うことで。 |
No.9 | 4点 | makomako | |
(2022/05/12 21:36登録) このサイトでは比較的高評価のようですが、私にはこの作品は合わなかった。 第1部での陰湿ないじめや、いやになるほどの登場人物のうじうじが我慢できない。 第2部になるとどうもおかしな展開。絶対騙そうとしているのがまるっとわかるので、どうも読み心地が悪い。 第3部、真相では凝ったトリックではあるがこれって小説でしか通用しないでしょ。こういったトリックはほかでも読んだ覚えはありますが、あまり好みではありません。 作者の作品では「すみれ屋敷」は良かったが、これはちょっといただけませんでした。 |
No.8 | 6点 | ぷちレコード | |
(2021/03/27 13:27登録) ある児童が女王のように支配している小学校のクラス。ところが転校生の登場でその勢力図に変化が生じる...。 スクールカーストの陰湿さや小学生同士のパワーゲームの凄まじさを描く筆力が只者ではないし、メインとなる仕掛けも真新しさは乏しくとも、これでもかと言わんばかりの高密度で張り巡らされているので圧倒される。 |
No.7 | 7点 | 虫暮部 | |
(2020/03/06 10:41登録) トリックは見当が付くけれど、それを上手く使いこなせている、と言う意味で楽しめた。群像劇のキャラクターの書き分けや、諸々の状況変化の描き方も堂に入ったものだ。なまじリーダビリティが高いせいで軽めの作品に見てしまうのは不公平かなぁと自戒。 タイトルを使った駄洒落は蛇足。ちょっと余韻が殺がれた。 |
No.6 | 5点 | 猫サーカス | |
(2018/06/12 20:00登録) まずはこの作者について、降田天とは女性二人の作家のユニット名(萩野瑛・鮎川颯)であり、プロット担当の萩野瑛さんが、小説のあらすじとキャラクターを考え、執筆担当の鮎川颯さんが、小説を書くというスタイルだそうです。第13回「このミステリーがすごい」大賞受賞作で、小学4年の教室を舞台にした学園ミステリ。教室の女王と転校生との権力争奪を複数のどんでん返しを通して描いている。読後に細部を確認したくなるほど計算されていて合作の強みを発揮している。 |
No.5 | 6点 | 臣 | |
(2018/01/23 10:12登録) 第13回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作。 前例の有無に関係なく、不自然さが漂っている。第三部のはじめで1つのトリックが明らかにされるが、当たらずといえど遠からず、だった。なんかぎこちないなあ。 第一部と第二部の構成については、とにかく書き方次第でなんとでもなるので、あまり褒められない。とんでもなく乖離したような、していないような2つの話でも、仕掛けをいくつか仕込んでおけば、ミステリーの複数章として成立させることができる、という典型的な手法なのでしょうね。 とはいうものの、最後で明らかにされる真相はすさまじい。その真相開示後、どうやって締めくくるのだろう、とそれを期待(心配)していたら、最後はそれなりに、うまくまとめてあったので、そっちのほうに感心した。 真相や、真相と歌との関係や、子どもどうしの秘めた恋の話のほうが、メイントリックよりもはるかに強烈だった。 |
No.4 | 7点 | パンやん | |
(2016/05/03 13:56登録) スクールカーストやいじめといった新鮮味の無いテーマに、使われ尽くしたトリックを用いて、筆力の良さで押し切った快作。何より第一部が抜群で、キャラ立ち最高の子供たちの魅力にどんどん嵌り、真相に対する描写不足は感じるも、タイトルに帰結する読後感に溺れる事必至! |
No.3 | 5点 | メルカトル | |
(2016/01/21 21:53登録) トリックに関しては第二章の序盤でおおよそ想像がつく。だから最終章で二転三転しても特別驚かないし、上手く読者に驚愕を与えることに成功しているとは言い難い。第二章があまりに違和感があり過ぎて、もっとうまく騙してくれよと心中叫びたくなるのは私だけであるまい。 ただ、小学生女子の実態に関してはまずまずリアリティがあると思う。子供は大人が思っているより残酷なものだし、いじめとかスクールカーストを描いた作品としてはそれなりに評価できるのではないだろうか。 やや厳しいかもしれないが、このミス大賞受賞作としてそれ程突出しているとは思わないし、ミステリとしても詰めが甘いのかなという気がする。 |
No.2 | 5点 | abc1 | |
(2015/10/25 00:30登録) トリックに関しては、まあよくあるパターン。 正直最近この種のトリックには食傷気味なのだが、子供の世界の描き方はなかなか巧いと思った。 |
No.1 | 7点 | HORNET | |
(2015/08/14 11:51登録) 小学校女子のスクール・カーストを題材にした学園ミステリ。何だったか忘れたけど、前にもこういう類を読んだ覚えがある。最近ちょくちょく見られますね、こういうの。子どもの残酷さと、歯止めの利かない怖さがうまく描かれている。 (ネタバレあり) 物語は子ども側からと、教師側から描かれた章で構成されているが、子どもたちがお互いをニックネームで呼び合っていることから仕掛けには薄々気づいていた。まぁ叙述トリックなのだが、それと分かっていても読んでいてストーリー自体が面白かった。このコンビ作家の今後の作品に期待。 |