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ミステリの祭典

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幻獣遁走曲 猫丸先輩のアルバイト探偵ノート
猫丸先輩シリーズ

作家 倉知淳
出版日1999年10月
平均点6.00点
書評数12人

No.12 6点 メルカトル
(2020/02/27 22:34登録)
ある時は幻の珍獣アカマダラタガマモドキの捜索隊員、ある時は松茸狩りの案内人、そしてある時は戦隊ショーの怪人役と、いっぷう変わったアルバイトに明け暮れる神出鬼没の名探偵・猫丸先輩が遭遇した五つの事件。猫コンテスト会場での指輪盗難事件を描いた「猫の日の事件」、意外な真相が爽やかな余韻を呼ぶ「たたかえ、よりきり仮面」ほか三編を収録した、愉快な連作短編集。
『BOOK』データベースより。

これは面白い。相変わらずの猫丸先輩、毎回怪しげなアルバイトで登場しています。本シリーズの中で一番笑わせてもらいました。いずれも日常の謎は魅力的ながら、謎解きが終わった後には脱力するみたいな作品です。しかし、猫丸先輩の慧眼は鋭く、見た目はのほほんとしていたり躁病の気があるような不思議な人ですが、真相を暴く時の立て板に水の推理は素晴らしいですね。絶対的な根拠がある訳でもないとは思います。でもまあそうなんだろうな、それで良いんじゃないの?と何となく納得させられる思いがします。

大抵、短編集で書下ろしが混じっているとそれは他と比較してイマイチな場合が多い気がしますが、本作品集ではそんなこともなく、平均して状況がいかにも不可思議で、一種の不可能趣味が堪能できます。心情的には7点付けたいところですが、手品の種明かしの様なガッカリ感が少なからずあったので6点にしました。

No.11 5点 ボナンザ
(2019/10/29 22:55登録)
地味な話が多いが、ユーモアにあふれている。真相はけっこう無理やり感が強いが。

No.10 6点 sophia
(2019/07/30 22:54登録)
●猫の日の事件 5点
●寝ていてください 5点
●幻獣遁走曲 7点
●たたかえ、よりきり仮面 7点
●トレジャーハント・トラップ・トリップ 6点

初めの2話をその後の3話で取り返した感じです。「日曜の夜は出たくない」は割と硬派な本格ミステリー短編集でしたが、本作は誰も死にませんしプロットも複雑なものはなく、ライトな味わいの短編集となっています。アメトークの読書芸人の回でとある芸人さんが本作をお薦めしたそうですが、そういう観点からだと思われます。まあ時にはこういうのも悪くないんじゃないでしょうか。余談ですが、創元推理文庫新版のあとがきによりますと、本作のジャンルは日常の謎ではなく「非日常の謎」なのだそうです。何はともあれ、次作「猫丸先輩の推測」に期待しておきます。

No.9 5点 まさむね
(2019/06/16 16:38登録)
 アルバイト中の猫丸先輩が遭遇した5つの事件を扱った短編集で、脱力系ネタが多めの仕上がりです。一方、猫丸先輩のコミカルさは相変わらずで、このバランスを楽しめるか否かがポイント。好き嫌いは分かれそうだけれども、全体的に作者の優しさが現われた短編集とは言えそうです。
 マイベストは、これも脱力系だけれども、何気に爽やかな「たたかえ、よりきり仮面」でしょうか。

No.8 6点 青い車
(2018/11/29 21:19登録)
 他の猫丸先輩短編集と比べるともう一つなのは否めないものの、嫌みのない文体とユーモア、そして魅力的なキャラで十分読ませる本になっています。『たたかえ、よりきり仮面』をはじめ、ほのぼのしたオチが多めで好き。

No.7 4点 いいちこ
(2018/03/16 10:33登録)
著者の日常の謎系作品は、真相が飛躍する衝撃とリアリティの絶妙なバランス、それを解明するプロセスの論理性の高さが特色であるが、そのいずれにおいても「猫丸先輩の推測」はもちろん、「猫丸先輩の空論」にも遠く及んでおらず、4点の下位

No.6 6点 測量ボ-イ
(2017/07/10 19:10登録)
短編集。確かに脱力系のオチもありますが、猫丸先輩のキャラでそれを
許してしまう(?)、そんな感じです。

No.5 6点 mohicant
(2013/08/03 22:47登録)
猫丸先輩のキャラクターが全て。

No.4 6点 E-BANKER
(2011/08/20 16:57登録)
猫丸先輩シリーズ。
サブタイトル(「猫丸先輩のアルバイト探偵ノート」)どおり、猫丸先輩がアルバイト先で様々な事件に巻き込まれます。
(っていうか、積極的に飛び込んでいく)
①「猫の目事件」=猫の品評会会場が舞台。子供だましの密室が舞台。真相も子供だましみたいなやつ。
②「寝ていてください」=学生時代によく聞いた「割のいいバイト」の1つ・・・それが新薬の治験バイト。しかし、このオチはなぁ・・・脱力感を覚える。
③「幻獣遁走曲」=幻の生き物「アカマダラタガマモドキ」を探すバイトって・・・(何だその動物!) オチはなかなか心温まるもの。
④「たたかえ、よりきり仮面」=今回のバイト先はデパートの屋上でのヒーローショウ。猫丸先輩が着ぐるみ着て、大活躍。これはもう大爆笑・・・特に、怪人!
「スーパーマルエー北船橋店を乗っ取る」悪の怪人って・・・
⑤「トレジャーハント・トラップ・トリップ」=取り放題の松茸ってスゴイ! ただ、このオチはいくらなでもヒドイんじゃない?
以上5編。
まぁ、いつもどおりの「猫丸先輩シリーズ」です。
いわゆる「日常の謎」系ではありますが、真相はどれも脱力系・・・
ただ、何となく許して受け入れてしまうのが、本シリーズと作者のスゴイところかもしれません。
(どれも似たようなものだが、あえていえばやっぱり④かな。大爆笑必死!)

No.3 7点
(2009/09/08 10:30登録)
猫丸先輩のドタバタぶりにクスクス笑いながらページを読み進めました。
いずれの短編も読後は、ほのぼのとした気分になります。

No.2 7点 江守森江
(2009/05/22 15:35登録)
相変わらず猫丸先輩は神出鬼没。
着ぐるみ着て汗みどろな作品が妙に印象深い。
新薬の治験話も体験者である私にはリアルだった。

No.1 8点 なの
(2004/09/19 16:33登録)
今回は刑事事件は一本だけ、『日常の謎』作品集です。
どこに行っても猫丸空間を作り上げてしまうのは流石。
『トレジャーハント・トラップ・トリップ』のドタバタっぷりがお気に入りです。

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