山魔の如き嗤うもの 刀城言耶シリーズ |
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作家 | 三津田信三 |
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出版日 | 2008年04月 |
平均点 | 7.20点 |
書評数 | 35人 |
No.15 | 7点 | スパイラルライフ | |
(2012/02/08 09:26登録) まさに現代の金田一シリーズ。横溝作品の世界観を味わえます。万人受けする文体ではなく、語られる時代も戦後頃なので、慣れるのに時間がかかるかもしれません。 シリーズ各作品は、メイントリック一本を中心に展開されます。怪奇や民間伝承を世界観に据えているため未解決な伏線も多数。個人的には、本シリーズの世界観を徹底すれば説明困難な箇所はむしろあって当然なので気にはなりません。 本作品は見立て殺人と消失した謎の家族を主人公が追います。 |
No.14 | 7点 | E-BANKER | |
(2011/06/18 14:12登録) 刀城言耶シリーズ4作目。 ホラーと本格物が見事に融合した意欲作です。 ~忌み山で人目を避けるように暮らしていた一家が忽然と消えた。「しろじぞうさま、のーぼる」一人目の犠牲者が出た。「くろじぞさま、さーぐる」二人目の犠牲者。村に残る六地蔵の見立て殺人なのか、ならばどうして? そして・・・。六地蔵に纏わる奇妙な童唄、消失と惨劇の忌み山。そこで、刀城言耶が見たものは何か?~ 相変わらず見事な本格ミステリー。まさに、現代に甦った「横溝」・「金田一耕助」といった雰囲気。 今回のテーマは「見立て殺人」。 途中、「見立て殺人」の分類を試みるなど、本格ファンの心理をくすぐってくれますよねぇ・・・ そして、本シリーズ最大の特徴とも言える、真相解明前の「疑問点の列挙」とドンデン返しの連続。 こうやって書いていると、本当にすごいミステリーに思えてしまいます。 ただ、「首無」と比べると、やはり1枚落ちるかなという印象はやむなしでしょうか。 「首無」のトリックには相当サプライズを感じましたが、今回は「そこまで」ではなかった。 (確かに、「一家の○れ○○り」にはアッと思わされたが、「見立て」についてはちょっと弱いか?) それにしても、「顔を焼かれた死体」とか「旅芸人一座」というのは、まさに「金田一シリーズ」を思い起こさせますねぇ・・・(よく出てきたギミックです) トータルでは、読む価値十分の力作という評価でよいでしょう。 |
No.13 | 8点 | 好兵衛 | |
(2011/06/14 01:06登録) シリーズ中読みやすさ随一だとおもいます。 文庫がでていなかったので、新書で読みましたが 地図がない…全部地図をつけてほしいです。 恒例の「はじめに」、手記から入り ホラー的な要素でどんどん読み進められます。 肝心なトリックは、私は好きですが 一作一作の色というものは控えめです。 悪く言えば小出し感があり 統一感にかけるです。 ですが、三津田氏特有のサービス精神はやはり満点。 驚き要素は沢山散らばっています。 この作品が一番「怖い」かな。 7点でもいいのですが、個人的に好みなので+1です。 ****ここからネタバレ**** 蝦蟇油の件は、私は純粋なロジックでとても好きです。 最後の叙述はいらなかったかな?やりすぎなのでは? と思います。 |
No.12 | 7点 | makomako | |
(2011/01/07 19:41登録) 相変わらず雰囲気は好きです。こんな世界は三津田氏の独壇場でしょう。ただ最後の場面で二転三転する推理は意外性もあるが一度決め付けておいて次々と裏返すような展開はあまり好みではない。とても注目している作家ではあるがこれほど背負い投げを食らわせられるとちょっとね。こんなことなら違う推理を主張するワトソンのような存在があったほうが自然に思うけど。しかも最後に何となくぼんやりした結果となるのが消化不良の感を抱くところです。これだと犯人が結局誰でも成り立つのではないかといった感じがするのだが。 |
No.11 | 7点 | まさむね | |
(2010/06/29 23:02登録) 純粋に,面白かった。 しかし,どうしても「首無~」と比べてしまいますね。 雰囲気や最終局面での「どんでん返し連発」など,両作品には類似点が多い(地図ほしい~感まで類似してる…)ですが,当該作品の方が全体的に「弱い」印象を受けますね。 もちろん,「首無~」よりも良い点もありますが。この作品は刀城言耶が「主体的に」登場するし,何よりも読み進めやすくなっています。 「首無~」との相対評価っぽくなってしまいましたが,絶対評価として「良作」であることは間違いないと思います。 |
No.10 | 6点 | 江守森江 | |
(2009/09/27 04:22登録) 刀城言耶シリーズ第四弾。 紛らわし過ぎ読者に混乱を齎す懸念があるので主要登場人物表は付されるのに、地図を添付せず相変わらず不親切な設計。 しかも、今回は地図添付でトリックを察せそうなだけに作者(編集者)のあざとさが垣間見える。 賛否両論あるが、残り少ないページ数で何度も推理を捻る所がシリーズのお約束で読み所(短編では、これが無く物足りなさを感じる) 全編にさり気なく潜ませた伏線の回収は毎度お見事と賞賛したい。 見立て殺人の理由は、本格ミステリから逸れるが、考察を逆手に取りホラー色を出している。 終わり方もホラーとして上手い。 ※ここから激しくネタバレ注意!! よもや、このシリーズで「アクロイド」の技法が使用されるとは(手記で始まった時点で、横溝「蝶々」が即浮び構えた)・・・残念でならない。 しかも、結末のチープなアリバイトリックまで「アクロイド」だった。 更に‘はじめに’の記述で倉知「星降り~」を彷彿させ再度構えた。 最後の捻りは「禁忌」だった。 上記の理由でシリーズで初めて採点を6点に抑えた。 |
No.9 | 7点 | あびびび | |
(2009/08/13 18:17登録) 独特の世界。 日本にもまだこんな土地があるのだろうか?(あると思う) 殺人が始まると凄い緊張感が続き、一気に読まされた。 犯人は意外かも知れないが、そこへ持って行ってこその 物語。横溝正史のような読後感だ。 |
No.8 | 6点 | abc1 | |
(2009/04/27 04:42登録) 昨年度本ミス第一位。当然面白い。 だが、読み終えてこのモヤモヤ感はなんだろう? 一つには探偵のダミー推理がしつこすぎること。結局否定するなら初めから言うなよ、とツッコミを入れたくなる。自分で言って自分で否定するのはどんでん返しとは言えないと思う。 それから現場の地図は必須ではないのだろうか? 地図があると、かなり犯人がミエミエになってしまうので、作者がわざと載せなかったのだろうか。 だったらちょっとあざとい。 |
No.7 | 5点 | だい様 | |
(2009/03/12 09:20登録) 刀城言耶シリーズ第4弾 最後のたたみかけ部分での二転三転は相変わらず健在。 前作より読みやすくなりましたね。 |
No.6 | 8点 | touko | |
(2009/02/22 13:28登録) 厭魅や首無に比べると軽いタッチでホラー分は控えめなので、怖がりの人も大丈夫そう。 金田一っぽいレトロな設定が、なんともなつかしかったです。 冒頭の超自然的な手記を合理的に解釈するところなぞは、島田の眩暈を思い出したりと、本格探偵小説のいいとこ取りって感じ。 謎解き自体は、設定の複雑さにも関わらず、非常にすっきりしていたんですが、今回のどんでん返しはちょっとくどすぎたかな。 |
No.5 | 8点 | おしょわ | |
(2008/09/14 20:24登録) 「首無~」と比べるとあっさりしてますが、そのくらいがちょうど良い塩梅でした。 こっちのほうがまだ違和感少ないし。 |
No.4 | 8点 | マニア | |
(2008/07/13 00:37登録) 今、最も注目している作家、三津田信三の「刀城言耶シリーズ」の最新作。 人々から忌み山と呼ばれ、恐れられる山に隣接する集落が舞台。その忌み山での怪奇現象を全面に押し出した導入部分と、それに続いて起こる童唄に見立てられたおぞましい連続殺人劇。しかも今回は忌み山に纏わる金山伝説を巡って、登場人物の思惑が左右して・・・衝撃の結末に・・・。 読みごたえはあるが、謎解きはゴテゴテしすぎで分かりづらいかな。ホラー分もこれまでと比べるとやや影を潜めがち。 前作『首無の如き祟るもの』よりはパワーダウンしたきらいはあるが、近年出版されているミステリの標準は遙かに超越していると思う。 |
No.3 | 8点 | dei | |
(2008/06/11 21:56登録) 前作並み・・・とまではいかないまでもかなり充実した作品。 トリック一つ一つは古典的なんだけど組み合わせ方が秀逸。 地図つけてほしかった |
No.2 | 7点 | シーマスター | |
(2008/06/09 21:22登録) 民俗系はあまり得意ではないが、「首無に劣らず・・・」などという巷の書評を目にして衝動的にアマゾン1クリ。 ちょっと評判がいいとすぐに過大な期待をしてしまうのが自分の悪い癖だが、本作に掛けたエクスペクティドハードルはちょっと高すぎたようだ。 いやー、かなりの作品だとは思いますよ。 特に一家消失のトリックは素晴らしい。(似た感じの前例がないこともないが) ただ、その他の密室やら山女郎の消失やら犯人に迫るロジックやらは、どうにもチマチマセコセコしたものがギッシリであまり好みではない。 怪奇現象も「ふーん」ですね。(最後はホラーだけどね) いい素材に、欲張ってゴテゴテといろんな装飾をくっつけたため全体としては何となくモニョモニョした仕上がりになってしまった感じ。 前作を読んでいたので謎解きの二転三転も予想通りで、かませ犬もお約束感が強く、驚愕度もあまり高くない。 そうは言っても、「本格ミステリー」として標準を遥かに凌駕するものであることは間違いないだろう。 P.S. 表紙のイラストは山女郎クン?それともその・・・かな? |
No.1 | 8点 | 猫こねこね | |
(2008/05/19 17:52登録) 刀城シリーズ第三弾(正確には第四弾) 前三作に比べると、トリックや複線の回収がすっきりしていて、読みやすかったです。 三津田作品の入門作としてはとてもいいですが、怪奇性は少し低めです。 Ps:表紙の女性が謎?誰?月子さん? |