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ミステリの祭典

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犯罪ホロスコープⅠ 六人の女王の問題
法月綸太郎シリーズ

作家 法月綸太郎
出版日2008年01月
平均点5.82点
書評数17人

No.17 6点 虫暮部
(2020/07/17 15:14登録)
 作者がわざわざ“プロフェッショナルな仕事”“娯楽奉仕に徹したミステリー集”と謳っているのは、“議論を巻き起こす問題作”ではないことに対する引け目のようで痛々しい。それなりに出来の良い作品集だし堂々としていいのに。
 “双子ネタ”や“コラムで暗号を用いた理由付け”がナイス。
 揚げ足取りをすると、「ゼウスの息子たち」の犯人は、余計な偽装工作をしたせいで捕まってしまうけれど、警察ではなく綸太郎に対してその証言をしたのは何故? 恰も“探偵役はこの人”と言うメタ的な御約束に合わせたかのように。

No.16 5点 ボナンザ
(2020/07/13 22:43登録)
ミステリ面は流石なのだが、文章とストーリーに魅力がないのが残念。

No.15 7点 ねここねこ男爵
(2017/11/09 17:20登録)
『冒険』や『功績』などと比べるとやや落ちますが、それでも相変わらずの巧さと構造転換の妙味を味わえます。

一話目:そんなこと考える人間はいないと思うが、親からそう聞かされて育ったならまぁ…分からんこともない行動か
二話目:ミステリと暗号って相性よさそうで実はかなり悪い

が正直微妙でどうなることかと思いましたか後半から本気出します。
らしさを感じられたのでちょっと甘めの採点で。

No.14 7点 青い車
(2016/02/16 23:35登録)
『法月綸太郎の功績』など他の短篇集と比べると小粒なのは否めませんが、キレのあるトリックはちゃんと堪能できます。個人的ベストは『冥府に囚われた娘』です。
以下、各話の感想です。
①『ギリシャ羊の秘密』 メインの仕掛けは他愛のない言葉遊びですが、それを成立させたアイテムや、「犯人が勝手に」メッセージとして受け取ったというひねりも面白いところ。
②『六人の女王の問題』 読者に推理できない難解な暗号ですが、これを作成した作者の労力は凄かったことでしょう。暗号を作った動機や事件の真相など、異色な要素が目を引きます。
③『ゼウスの息子たち』 ①②で今ひとつだったプロットと神話の関係性が一番強い作品です。疑似餌の配置が巧妙で、意外な犯人を導き出す推理が華麗に決まった秀作。
④『ヒュドラ第十の首』 ゴム手袋の凝った推理がよくできています。しかしそれだけに終わらず、さらに突っ込んだ推理をすることで犯人を炙り出す二段構えの造りが魅力です。
⑤『鏡の中のライオン』 鍵となるピアスの扱いは非常に面白いです。伏線の弱さを除けば、意外な方向からひっくり返る事件の構図が楽しめる好編といっていいでしょう。
⑥『冥府に囚われた娘』 練られたプロットの見事さで読ませる作品。ドラッグが事件に関与しているという点は作者のあとがきでも触れられているとおり『都市伝説パズル』と共通していますが、似て非なるアプローチです。

No.13 5点 まさむね
(2014/12/30 10:00登録)
 法月綸太郎・星座シリーズの短編集。
 牡羊座から乙女座までの各星座をモチーフにした企画モノなので,やむを得ない面はあると思うのですが,ちょっとコトバ遊びに傾注しすぎてはいないかなぁ…と。勿論,提示される謎自体は興味深く,流石と思わされるのですが。
 初出が犯人当て小説の2作品,「(双子座)ゼウスの息子達」と「(蟹座)ヒュドラの第十の首」がベストかな。作者の名短編「都市伝説パズル」を想起させる「(乙女座)冥府に囚われた娘」がその後に続く感じかな。

No.12 5点 江守森江
(2011/01/31 07:58登録)
悩める名探偵・法月綸太郎も短編ではウジウジと悩まず、私好みな推理クイズ小説になっていて楽しめるので本来ならもっと高評価でもよい。
最近では、シリーズ短編は纏まって一冊になってから読む方が楽しみが大きいとの自説に変化があり、物凄く好きなシリーズ以外は年間ベスト級な作品をアンソロジー等で読み、他をスルーする方が楽チンだと思えてきた。
その意味で、発表時期が何年かに跨り各種アンソロジーに収録され先に3編を読んでいた本短編集は、残りの平凡な作品をスルーで良かった事になる。
息子の受験対策(息子と同様に自分も我慢が親としての務め)で読書時間削減中な私の現状では、読むべき作品を極力厳選すべきなのでスルー出来なかった自分への戒めとして1点減点して自省する。

No.11 6点 E-BANKER
(2011/01/28 21:45登録)
法月綸太郎シリーズの短編集。
相変わらず「短編はウマイ!」
①「ギリシャ羊の秘密」=「要は漢字の読み方かよっ!」という感じ。タイトルは当然E.クイーンの名作のもじりですが、どっかカブってますかねぇ?
②「六人の女王の問題」=途中出てくる「6クイーンの問題」は面白かった。要はそうゆうパズルなんだね。
③「ゼウスの息子たち」=ふたご座の話らしいネタ。読者をミスリードさせる手練手管は「流石!」と思わせます。
④「ヒュドラ第十の首」=これもミスリードさせる手口ですが、ここまで単純化させられると、だいたい予想はつきますねぇ・・・
⑤「鏡の中のライオン」=あまりパッとしない作品。
⑥「冥府に囚われた娘」=これも今ひとつな感じ。ちょっとネタが尽きたか?
以上6編。
十二星座の順に、星座にちなんだ短編を書くという趣向は非常に面白いと思いますし、ギリシャ神話に少し詳しくなったような気がします。
ただ、他の方と同様、これまでの短編集に比べれば一枚落ちるかなぁという感想になっちゃいますねぇ・・・
(個人的には③がベスト。①⑤⑥辺りはやや落ちる印象)

No.10 4点 simo10
(2010/10/19 21:20登録)
探偵法月綸太郎シリーズの短編集です。
十二星座の各星座をテーマに十二作の短編があり、そのうち6つを収録したものが本作の様です。

①「牡羊座:ギリシャ羊の謎」:晴良さん酷すぎますよ。真相はチープ。
②「牡牛座:六人の女王の問題」:パズルというかクイズというか…終始読んでいてイライラしました。
③「双子座:ゼウスの息子達」:フーダニットもの。支配人のおっちゃんの話し振りが絶妙(確かに嘘は言っていない)。ラストが決まり過ぎ。
④「蟹座:ヒュドラの第十の首」:ちょっとしたフーダニットもの。最後のどんでんが読めてしまうタイトルの付け方が軽率。
⑤「獅子座:鏡の中のライオン」:作中作が非常に面白そうだったが、本編は…
⑥「乙女座:冥府に囚われた娘」:ドラッグの横行、熱中症といった社会現象をベースにしたフーダニットもの。後味が悪いが締めは決まった。

作品ごとの出来がかなりばらついている印象です。③、④、⑥は良いのですが①、②、⑤は読んでいてイラつきました。これまでの短編集の出来からは大分落ちます。

No.9 7点 monya
(2010/09/11 19:42登録)
意外と採点きつめのご様子

確かに一つ一つの事件の論理は冒険、新冒険、功績の三冊から見れば少し落ちるかもしれませんが、短編集としてのまとまりとしては一貫性があって(多少結びつけが無理やりな点もありますが)良いと思います。
そして中身はただの本格ミステリ、パズルとしてもかなり上質かと
サラっと推理しながら読めてとりあえず手元に置いておきたい短編集じゃないでしょうか

No.8 5点 いけお
(2010/09/11 10:19登録)
佳作だと思うが他の法月短編と比較するちょっと物足りない。

No.7 6点 あるびれお
(2009/06/23 05:33登録)
正直な感想として、ちょっと物足りない。確かに、謎解きの王道ではあるのだが、講談社ノベルスのシリーズのような研ぎ澄まされたような切れ味はあまり感じられなかった。まあ、どれも及第点なのだが、論理の飛躍が小さい、いや、飛形点が低いというべきか。次はやはりガチガチの本格ミステリを期待したい。

No.6 7点 ロビン
(2008/10/24 23:48登録)
「ゼウス」と「ヒュドラ」がベスト。特に後者が好き。シンプルなフーダニットものだけど、一つ先に真相が置かれている。手袋のロジックも、クイーンっぽくって素敵。それ以外はどれも少し小粒な印象。長編ではヘマをしまくりの綸太郎も、短編での有能な安楽椅子探偵ぶりは健在。
ちなみに「ライオン」での作中の脚本が以外とツボ。けっこう面白そうな作りになっているのでは?(もしかして前例あり?)

No.5 6点 こう
(2008/10/14 01:17登録)
 あとがきにも書いてありますが、十二星座とギリシャ神話をテーマにというコンセプトありきで「功績」までの出来と比べると落ちるかなと思います。テーマに縛られない作品集の方が数段面白いと思われ残念です。六人の女王の問題はそもそもミステリなのかどうか。個人的には「ゼウスの息子たち」、「ヒュドラ第十の首」は単純なつくりに一ひねりがあってよかったと思います。全体としては及第点だとは思いますが法月氏の短編集としてはまあまあといった所でしょうか。

No.4 6点 シーマスター
(2008/10/06 23:12登録)
これは、カバーの「著者のことば」の一文がそのまま書評になる・・・・・曰く「気楽に読んで愉しめる、そして後にはいっさい何も残さない、そんな娯楽奉仕に徹したミステリー集・・」

ノリリンらしい骨っぽいロジックや反転トリックも見られるが、テーマである星座、ギリシャ神話との関連づけの苦しさが随所に滲み出ているのは如何ともし難い。
まあ、この方それほどこの分野に造詣が深いわけではなさそうだから、命題が与えられたものだとしたら努力賞兼敢闘賞モノ。

No.3 6点 dei
(2008/06/22 22:36登録)
上質な作品を書く氏にしては・・・
というものではあるが水準作
犯人あての2作が良かった

No.2 5点 CATS
(2008/05/15 16:39登録)
いたって普通でした。従来に比べ質は落ちていると思う。

No.1 6点 おしょわ
(2008/02/24 20:14登録)
うまく言えないけど「パズル」というより「クイズ」と言う感じでした。
法月氏の短編としてはちょっと落ちます。

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