home

ミステリの祭典

login
揺籠のアディポクル

作家 市川憂人
出版日2020年10月
平均点6.67点
書評数9人

No.9 5点 mozart
(2023/10/16 11:33登録)
主人公目線で進む本編(特に事件が起こってからの展開)はなかなか緊張感があって読み応えがありました。映画的とも言える情景の描写の中で主人公の感情もしっかり吐露されていて感情移入しやすくなっていました。

(ややネタバレぎみ)
ただ、事件の直前で主人公が見た「夢」の中で「顔を恐怖に染めながら、必死に叫ぶコノハ」とあるのはいくら後ろめたい気持ちがあったとしてもちょっとあざとい(ミスリードを誘う)表現かな、と。実際は「タケルへ.txt」の通りだったんだろうから。

No.8 8点 みりん
(2023/06/04 22:39登録)
いや〜良かった〜久しぶりに傍点でゾワゾワした。ジェリーフィッシュやブルーローズも面白いが本作品が今の所市川憂人先生のベストだ。まだまだ未読作品あるので読んでいきたい。

青春、悲劇、謎解きそしてラストはロマンス。少し涙が出た。

No.7 5点 じきる
(2023/02/12 21:23登録)
真相は中々に強烈でよく出来ているんですが、都合の良過ぎる設定ゆえ乗り切れなかったです。

No.6 5点 蟷螂の斧
(2021/06/08 17:13登録)
青春ものとして6点、ミステリーとしては4点といったところ。前半はまだるっこしい展開でしたが、プチサプライズが2回ほど用意されていたので、後半に期待!・・・。ところが真相は脱力系で好みではなかった。またご都合主義的なとことが多分にあり残念。

No.5 7点 HORNET
(2021/04/25 19:23登録)
 タケルは、病原体に極度に弱い病気になり、「クレイドル」と呼ばれる無菌病棟で生活する。クレイドルには同じ年頃の女の子、コノハがいた。毎日顔を合わせるのは医師と看護師だけの隔絶された毎日。ある日、台風により病棟が孤立し、タケルはコノハと二人だけに。そこで、コノハが何者かに刺殺された―
 意を決して、「クレイドル」の外にタケルが出てから、怒涛の展開が。よくここまで考えて仕掛けたものだと唸らされる。
 面白い!

No.4 5点 yoshi
(2021/01/03 21:28登録)
なかなか面白く読めて真相も強烈なのに、何故か物足りなく感じた。
今村某の『屍人荘』でも思ったことだが、クローズド・サークルの外側で起きている事件が大きすぎて、サークル内で起きた事件の重要性が相対的に薄れてしまうのだ。極端なことを言えば、「今さら殺人事件の真相なんかどうでもいいじゃん」と感じてしまうのだ。

No.3 8点 まさむね
(2020/12/21 21:33登録)
 グイグイ読まされました。ミステリとしては様々な評価があり得そうですが、そういった視点では語れない部分が大きいような気がします。敢えて多くは書きませんが、何よりも最終盤が印象的。何とも言えない切なさ。
 ちなみに、この作者さんは「閉鎖空間モノ」で強みを発揮しますねぇ。

No.2 8点 sophia
(2020/12/08 19:07登録)
事件を契機に隔離病棟の主人公が動き始め、外界を知ることで真実が明らかになる構成です。引き込まれます。M・ナイト・シャマラン監督の映画のようです。殺人事件の真相は読者が色々考える内の一つでしょう。何せ登場人物が四人しかいませんから。しかしこの作品の肝は犯人当てではありません。嵐のせいで何が起こったのか、そのせいで登場人物の運命がどう変わったのか、そして何を考えたのかです。初めは9点ぐらい付けようかと思ったのですが、マイナス1点したのは、主人公の××××がちょっと都合よすぎるかなと思ったからです。それでも退廃的な世界観においてのラストは切なく美しいです。美しすぎました。

No.1 9点 虫暮部
(2020/11/23 12:46登録)
 ホームランを狙って打って狙い通りに場外。見事です。ここまでやるとは。
 アプローチは違うけど似たコンセプトの作品が乙一にあったかな。
 訴求力に富むとは言いがたい題名は損。鳥頭には『揺籠のなんとか』との認識しか出来ないよ。

9レコード表示中です 書評