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ミステリの祭典

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くたばれ健康法!
アーサー・ハッチ&ジョン・ヒューゴー/別題『ボディを見てから驚け』『健康法教祖の死』

作家 アラン・グリーン
出版日1961年01月
平均点5.92点
書評数12人

No.12 6点 メルカトル
(2024/04/11 22:23登録)
全米に五千万人の信者をもつ健康法の教祖様が、鍵のかかった部屋のなかで死んでいた。背中を撃たれ、それからパジャマを着せられたらしい。この風変わりな密室殺人をキリキリ舞いしながら捜査するのは、頭はあまりよくないが、正直者で強情な警部殿――!?アメリカ探偵作家クラブ最優秀新人賞に輝く、型破りなユーモア本格ミステリの名作。
Amazon内容紹介より。

読みましたよ、レッドキングさん。これで一方通行ではありますが、約束を果たしましたね。
ユーモアミステリと聞いていたので、さぞ笑えるのかと思いきや冒頭2、3ページは確かに、これはとグッとくるものがありましたが、それ以降は一言で表せば混沌としていて一筋縄でいかないという印象でした。事件と関係あるのかないのか判然としない出来事が起こる中、何処に伏線が隠されているのかが解らない上、原文のせいか翻訳のせいか、いささか読み難いと言わざるを得ません。人物の描き分けも出来ていないので、何度も登場人物一覧を繰り返し見直すことになりました。

しかし、それらを一掃したのは、やはり突出した解決編でしょう。まさにバカミスの見本の様な、しかし見事に理論的な真相解明で、それまでの疲労が一気に吹っ飛びました。確かなカタルシスの手応えを感じましたよ。この部分だけを切り取れば8点でしたね。それまでが読みづらさと退屈さで二重苦だったのがどうにも悔やまれます。

No.11 7点 レッドキング
(2018/05/24 21:29登録)
おお!なんと見事な不可能犯罪トリック!

※2024/4/12 追記。メルカトルさん(ネーム、あの銘探偵ちなみですよね?)仰る通り、ユーモア小説としては、表紙イラスト程は面白くないですな (^^)

No.10 4点 文生
(2015/10/18 05:46登録)
不可能犯罪のトリックはユニークだったが、それだけで全編を覆うユーモアというやつが全く理解できず、退屈な作品でした。

No.9 5点 蟷螂の斧
(2015/07/27 21:05登録)
ユーモアミステリーで、馬鹿笑いを望むほうが無理なのか?。なかなかぶち当たりませんね。出だしでは壺にはまるユーモア表現があり期待したのですが尻すぼみでした。しかし、トリックは楽しめました。警部が、事件解明より恋に現を抜かすという構造があるので、それを前面に出せばもっと楽しめたのではという気がします。

No.8 6点 E-BANKER
(2015/07/18 19:34登録)
1949年発表。
ユーモアミステリーとしてJ.Dカーの「盲目の理髪師」と並び称される長編作品。

~全米に5,000万人の信者を持つ健康法教祖が死んだ。鍵のかかった部屋で背中を撃たれて、撃たれてからパジャマを着せられたらしい。この風変わりな密室殺人をキリキリ舞いしながら捜査するのは、頭はあまり良くないが純正直者で、人はいいが強情な警部殿。当然初めから終わりまでユーモラスなお笑いが続々・・・~

大筋は世評どおりの面白さ・・・だった。
紹介文のとおり、本作のテーマはズバリ王道の「密室殺人」。
鍵のかかった部屋で銃殺された健康法のカリスマ。彼は銃殺されたばかりか、なぜか撃たれてからパジャマを着せられていることが判明する・・・
かなり難度の高い密室だし、謎の提示だけ見れば実に魅力的だ。
どんなトリックが用意されているのかと期待してしまう。

密室トリックの解法は実に明快で合点がいく。
被害者の“人となり”、キャラクターがトリックと有機的に結びついているし、ビジュアル的にも納得感が高い。
(バカミス的ではあるが・・・)
ただ、「なぜパジャマを着せられたか」については、確かにこういう落とし所にはなるのだろうが、もうちょっとアクロバティックな解法が用意してあってもよかったかなぁと感じた。

ということで、本格ミステリーとしてはまずまず十分な面白さを備えた作品だろう。
ただし難をいえば中盤の冗長さ。
議員同士のやり取りや被害者の後継者の話など、本筋とほぼ無関係の話が続いて、焦点がボケてしまっている。
まっ、でも水準級+αの評価はできる作品。
ユーモア(死語?)についてはそれほどでもない気が・・・

No.7 6点 ボナンザ
(2014/09/25 13:36登録)
ユーモラスな展開にアクロバットな殺し方の良作。
馬鹿ミスでもあるとは思うが。

No.6 2点 mini
(2013/05/30 09:56登録)
発売中の早川ミステリマガジンの7月号の特集は、”翻案の魅力 「二流小説家」”
ええ?”翻案”と「二流小説家」の間に何か関連あるの?意味分からねえ企画だなぁ、単に2つの別々の企画って事?
ただ「二流小説家」の特集の意図は分かる、実は俳優上川隆也主演で日本で映画化されており来月6月に公開予定なのでその連動企画だろうね、例の死刑囚役は武田真治

さてデイヴィッド・ゴードン「二流小説家」は既に読了しているのだが、書評書くのはちょっとだけ延期したい
理由はきっとバレバレでしょうけどね(冷汗)

そんなわけで「二流小説家」の書評の代役として何か二流作品を既読の中から探したらこれが思い浮かんだ
アラン・グリーン「くたばれ健康法!」はユーモアミステリーの名作みたいに言われているようだが、これがつまらなくてなぁ
なんと言ってもユーモアの質と言うのが、ただ大袈裟に煽り立てる文章だけで成立させようってのが気に入らねえんだよなぁ、この手のユーモアには全然笑えなかったぜ
登場人物も割り振られた駒みたいでさぁ印象に残らねえしさ
とにかく大袈裟な文章で演出しようという手法は、地味好きな私にとって最も嫌いなタイプのユーモアミステリーだね

No.5 9点 あい
(2013/03/17 07:19登録)
密室の謎とパジャマの謎がうまく解決されていて良かった。伏線がたくさんあって、読み返すと感心させられた。

No.4 7点
(2011/08/23 22:06登録)
バウチャーはユーモア小説でありながら本格的な謎解きになっているミステリにもなっているのは、カーの『盲目の理髪師』と本作だけだと1950年台に書いたことがあるそうです。しかし、謎解きの出来栄えということなら、本作の方がはるかに上だと思います。
密室トリックの原理だけは読む前から知っていたのですが、スリッパやパジャマに関する謎、拳銃の発射音の問題など、解決にうまく結びついています。今回読み返してみて、ミステリとは関係なさそうな恋愛話や新教祖の登場も、伏線や証拠の発見などとからめた構成になっていることに気づきました。
ただ、ユーモア小説ということでは、訳者あとがきでは「ハリウッド型ユーモア映画的な大仕掛けな笑い」としていますが、疑問を感じました。死体発見シーンの「りっぱな死体となって死んでいるのだった」といったような大げさな表現と、酔っ払いギャグの組み合わせが主な笑わせネタですが、カーのような「ばか騒ぎに終始」したもの(表現云々でなく予想外の滑稽な出来事が起こるタイプ)の方が好みですね。

No.3 4点 kanamori
(2010/08/03 21:19登録)
密室殺人を扱ったユーモア・ミステリということで、「衣裳戸棚の女」を想起したが、たしかに密室を構成するある要素がバカミス的で共通するかもしれません。
しかし、本書のユーモアは日本の読者にはどうかなと思いますし、中盤の展開があまりにも退屈に感じてしまいました。

No.2 9点 nukkam
(2009/01/26 16:58登録)
(ネタバレなしです) 米国のアラン・グリーン(1906-1975)の1949年発表のデビュー作である本格派推理小説です。派手なスラプスティック(どたばた劇)は好き嫌いが分かれるかもしれませんが、たかがユーモア本格派推理小説と侮ってはいけません。ギャグ漫画的なノリの中にもしっかりと手掛かりを潜ませ、全盛期のエラリー・クイーンに匹敵するほど論理的な推理による説得力ある謎解きが用意されているのですから。密室トリックもよく考えられています。

No.1 6点 こう
(2008/05/06 22:53登録)
 トリックに感心するかで採点は大きく変わってくるタイプの作品だと思います。設定、ストーリーはリアリティを感じにくく恐らくミステリのパロディなんだと思いますがさほど笑えません。期待したほどの感動は得られなかったです。

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