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ミステリの祭典

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そして誰もいなくなった

作家 アガサ・クリスティー
出版日1955年06月
平均点8.67点
書評数91人

No.71 9点 クリスティ再読
(2015/08/16 20:51登録)
みんな大好き大古典をやっつけることにする。まあ、これ「オリエント急行」のペア作品なことは言うまでもない(共通項がすごく多いよ。互いに見知らぬ人々が閉鎖空間に集められるとか、裁判のメタファーとか)のだが、退屈なオリエント急行と違って、生々しい迫力が今でも失せていない。

考えてみれば、これ以外の真相はすべてアンフェアなものしかないんじゃないだろうか。論理的に考えれば真相とかなり高い確率で犯人も指摘できるのでは...と思うが、ほとんどの読者は迫力に呑まれてしまって、犯人推理しようなんて考えるよりも、一刻も早く真相が知りたくてエピローグを読んじゃうと思う。

この迫力の由来を考えてみると、誰もいなくなる不可能興味以上に、サバイバルと謎解きを結び合わせたアイデアにあるのだろう。そういう意味では冒険小説的な興味に近いかもしれない。で、こういうサバイバルと謎解きの結びつき、という面では、実は「そして誰もいなくなった」は「汝は人狼なりや?」に今では転生してしまっているのではと評者は思うのだ。「議論を仕切りたがるキャラの○●は?」とか、経験的な人狼セオリーベースの推論も可能なんだろうね。

というわけで、これは今でも十分生命力のある古典だ。すばらしい。第1章の描写は結構ギリギリで読みようによってはアンフェアかも...

No.70 9点 CHABI
(2015/08/14 23:15登録)
一気に読めてしまう面白さ。
何年経っても、いいものはいい。

No.69 10点 Izumi
(2015/07/16 00:10登録)
ミステリの女王アガサ・クリスティのノンシリーズ。
年齢も職業も異なる見ず知らずの十人の男女がある孤島に招待された。しかし招待主であるU・N・オーエンは姿を見せず、夕食の席で彼らの過去の罪を告発する声が響いた。そして不気味な童謡の歌詞どおりに招待客は一人ずつ殺されていく――。

説明不要の超有名作であり、各国のミステリベストでも常に上位にランクインされている。典型的なクローズド・サークルであり見立て殺人。そのため本格推理であると同時に一級品のサスペンスとしても楽しめる。そして待っているのは驚愕の結末である。

クリスティは以後のミステリに多大な影響を与えた作家であるが、その作風はロジックの構築よりはアイディア一発の傾向が強い。当然ながら後の作家はそれにインスパイアされるし、本作も数々のオマージュ作品が書かれている。そしてどんな世界でもそうだが技術というのは時を重ねるごとに洗練されていくが、発想は先んじた人間のモノである。
何が言いたいのかというと「この作品を超えるミステリ小説はなく、今後も現れない」ということだ。

No.68 8点 虫暮部
(2014/07/02 20:13登録)
 20年ぶりくらいに再読。おおまかな流れは覚えていたけれど、しっかり楽しめた。
 気になったのは、彼等の“罪状”である。私見を述べると、少なくともミス・ブレント(使用人を解雇しただけでしょう?)、マッカーサー将軍(私情を挿んだのは褒められたことではないが、戦争中であり誰かが死を覚悟で危険な任務に就かねばならなかったのでは)、マーストン(彼の事例はあくまで事故。道徳心に乏しいという理由で罰を上乗せするのが公正だとは言いがたい)を死刑に値すると見做すのは厳し過ぎる、と思う。他の者もそんな極悪人揃いというわけではないし。

No.67 10点 sophia
(2014/05/30 22:24登録)
10数年ぶりに再読したついでにコメント。
この作品を面白いと思えない人はミステリー適性がないと言っても過言ではないのではないでしょうか。
初読時、ゆっくり読むタイプの私がついつい一晩で一気に読んでしまったことを覚えています。
このような作品は他に綾辻行人「時計館の殺人」と東野圭吾「白夜行」だけです。

No.66 10点 ボナンザ
(2014/04/08 17:38登録)
私がミステリに求めるものがすべてここにある。
これを読まずにミステリを語ることはできない。

No.65 9点 とあるミステリマニア
(2014/02/27 20:15登録)
ストーリー展開も良く、楽しんで読めました。
世界に認められ、傑作と呼ばれるこの作品。確かに
『傑作』ですね!

No.64 9点 バード
(2013/08/05 17:18登録)
個人的にはこれがクリスティの代表作だと思っている、多数の登場人物が全員死んだあと明かされる衝撃の真実。古典ミステリをオマージュしてある新本格ミステリが読まれるようになった現在において古典物は若干物足りなさを感じる場合もあるのだがそれでもこの作品は十分衝撃的だった。

これを基盤としてる綾辻さんの十角館の後に読んだがすっかりしてやられた思い出深い作品。

No.63 10点 mic
(2013/07/25 18:50登録)
もう10回近く再読しているが、初読の時の驚愕は今でも覚えている。不可能を可能にするというのはこういうのを指すのだろう。
作者に完全に手玉に取られた。

No.62 10点 ミステリーオタク
(2013/07/25 00:10登録)
小人が何をほざいても世界的な評価は微動もしない

No.61 4点 mini
(2013/06/21 09:55登録)
本日21日に創元文庫からエリック・キースの「ムーンズエンド荘の殺人」が刊行される
創元では28日にも「幽霊が多すぎる」のポール・ギャリコの珍しいミステリー作品の刊行が予定されており、一部の同じ読者が両方買うんだろうな
エリック・キースという作家名は初耳だが、内容からして本格マニアが高じて書いたって感じの新人アメリカ作家かも知れない、少なくとも埋もれてた幻の古い作とかでは無く現代作家な事は間違い無いようだ
創元の紹介サイトの要約だと、探偵学校の卒業生数名の元に校長の別荘での同窓会への招待状が届く、舞台は雪の山荘、唯一の外部との連絡通路は吊り橋のみ
そして読者の期待通り?に吊り橋が何者かに爆破されクローズドサークルに、お約束の密室や不可能状況での連続殺人発生という内容らしい
うひゃ~、絵に描いたような”雪の山荘テーマ”だぁ~
売れてない日本の新本格作家のゴーストライトの英訳じゃないかと疑いたくなるような展開だ~(笑)
きっとこういうの待ってました、って読者が多いんだろうな
何しろ私はクローズドサークルとか館ものお屋敷ものという舞台設定に全く魅力を感じない読者なので、当分は手を出す気持ちは無い
そりゃブックオフで100円になったら購入してもいいが、それまで積読どころか多分入手すらしないと思う
ところで原題は『9人の男達の殺人』である、9人という人数に何か仕掛けが有るのかは分からないが、人数が9人と10人という違いは有るにしても、「ムーンズエンド荘」は「そして誰もいなくなった」を念頭に書かれているのは間違いないと思われる
創元サイトの紹介では、”雪の山荘版「そして誰もいなくなった」”とのことだ

その本家「そして誰もいなくなった」を読んだのはずっと前だが、私にとっては何の思い入れもない作なので積評(造語です、はい)のままだったのでこの機会に
この作は1939年だから古典としては案外と決して古くない、既に本格黄金時代は衰退してサスペンス風に移行しつつあった時代である、このような作品が書かれる土壌は出来ていたという事なのだろう

No.60 9点 メルカトル
(2013/02/28 22:17登録)
今更私ごときが書評を書くのもおこがましい、世界的な名作。
今読んでみたら、もしかしたら古臭さを感じてしまうかもしれないが、やはり書かれた年代を考えると素晴らしいと言わざるを得ないだろう。
現在巷にあふれるミステリ小説とは、同じ土俵で語られるべきではない作品じゃないかな、というのが個人的に思うところ。
後世に大いなる影響を与えた稀有な名作として、低い評価は付けられない。
当時でこの全員が探偵で、全員が被害者、全員が容疑者というアイディアは凄いと思う。
孤島物というジャンルを確立した、記念すべき作品でもある。

No.59 6点 バックスクリーン三連発
(2013/01/31 13:29登録)
このサイトで書評を見て読んでみました
久々に犯人探しをしながら読み進めましたその意味では面白かったですが最後の一人が、ちょっと動機が薄い

No.58 9点 TON2
(2012/11/04 02:56登録)
傑作です。まるで伝奇小説のような恐ろしさを感じました。

No.57 8点 ミステリ初心者
(2012/06/20 10:33登録)
ネタバレあります


 この作品が自分の初ミステリでした。これを機にハマったので、大変感謝してます。本を読むのが得意ではない自分でも一瞬で読み終わりました。ただ、古いほうでは訳が古く少しだけ違和感があるため、新訳のかっこいい表紙のほうがお勧めです。
 
 この設定は凄いですね。かなりの作品で嵐の孤島を目にします。登場人物がすべて死ぬのも衝撃。じゃあ犯人は??って感じで…

 今、思い出してみると、犯人当ては難しすぎるかなぁ?と思います。動機もあまりよくないですが、まあ動機はどうでもいいです。

※印象が変わり再評価

No.56 6点 NAP
(2012/02/13 22:22登録)
もともと海外の作品が苦手なのもあるんですが、登場人物がいっぱいで名前がカタカナだし入り込めなかったけど、サラサラっと読めた。ラストは「ほう。。」って感じでした。

No.55 10点 nukkam
(2011/08/23 17:41登録)
(ネタバレなしです) 1939年発表のクリスティーの傑作中の傑作。何度も映画化されています。孤島ミステリーの先駆としてはアントニイ・バークリーの「パニック・パーティ」(1934年)よりも後発ですけどそんなことは本書の評価に影響しません。全員が探偵で、全員が容疑者で、全員が被害者(になるかも)という大胆極まりない設定を見事に描いています。推理物としては伏線が十分でないとか粗(あら)もいくつかありますが完成度を超越した面白さがあります。後世への影響も大きく、まさに古典的名作です。

No.54 10点 蟷螂の斧
(2011/08/19 10:58登録)
私には、この作品を超えるものがまだ出てきておりません。学生当時、海外ミステリーをかなり読みましたが、現在、覚えているのは、本作品と「オリエント急行の殺人」だけです。「Xの悲劇」や「Yの悲劇」は内容すら忘れています。やはり、発想の大胆さや素晴らしさが特筆ものなのでしょうか。

No.53 9点 take5
(2011/08/11 00:29登録)
文学として人のいる世界が描かれているということに尽きるのでしょう。
翻訳家の方の力量もあるのだと思います。
いつか原作にあたって、言葉遊びをゆっくり読み解きたいです。
追記…このサイトでこの作品を大人になってから読んだとかトリックを知ってから読んだとかいう方が多い事にびっくりしました。学生時代って程度の差はあれど何か誰かのきっかけで読書位するものではなくなっているのでしょうか。大抵はクリスティーやドイルやクイーンに出会うのではないのでしょうか。高飛車な言い方ですが不幸だと思いました。

No.52 10点 つよ
(2011/05/01 22:24登録)
高校生のときに読んで、衝撃でした。

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