皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
Tetchyさん |
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平均点: 6.73点 | 書評数: 1601件 |
No.27 | 7点 | むかし僕が死んだ家- 東野圭吾 | 2011/03/24 21:50 |
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(若干ネタバレあり)
ある家で何が起きたのかを残された手がかりで解き明かす男女2人の物語。その過程は非常にスリリングだ。 特に家=墓という発想はなかなか面白いものだと思った。特にコテコテの本格ミステリの体裁でなかっただけに意外なところからのパンチという感じがした。さらに家中の部屋が背広の海中時計に至るまで全て11時10分を指し示して止まっていたこと、家の中には明らかに生活をしていた形跡があり、飲みかけのコーヒー、勉強途中の開かれたノートなど、何かの事情で中断されたような様子だったこと、そして残された名前御厨佑介君の使っていた教科書は23年前の物だったこと、誰かが住んでいた形跡があるのにもかかわらず、冷蔵庫以外の家電が見当たらないこと、などの謎がその設定で全て納得できてしまう。 本書を読み終わったとき、結城昌治氏の『幻の殺意』を思い浮かべた。今まで生きてきた人生とはなんとも危ういバランスで成り立っており、それは一種の幻のようなものなのかもしれないとその作品では語られているが、本書の底に流れるメッセージも共通している。今までの作品でも東野氏の作品は読後何か苦いものを残していたが、本書ではそれがいっそう濃く感じた。感情の層のもっと深いところにある部分をテーマに持ち出した作品、そんな風に感じた。 300ページ足らずの佳作だが、心に残る思いは思いの外、苦かった。 |
No.26 | 7点 | 怪しい人びと- 東野圭吾 | 2011/02/25 22:43 |
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個人的ベストは「灯台にて」。このブラックなテイストと読後感はなかなかいい。なんと経験談でしたか。迫真性があるわけだ。
そして工場勤めの経験ある私の主観を交えて「死んだら働けない」が次点となる。また「甘いはずなのに」も印象に残った。 しかし軽めの短編集であることには間違いなく、加えて東野の読みやすい文体もあって、印象に残りにくい作品になっている。物語の世界に引き込む着想と展開は素晴らしく完成度が高いだけになんともその辺が惜しいと思う。 出張の新幹線の車中で暇つぶしに読むのにもってこいのキオスクミステリだ。 |
No.25 | 7点 | 分身- 東野圭吾 | 2010/12/29 20:06 |
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『宿命』、『変身』に連なる作品。
これら医学的ミステリの主眼が人間ドラマにあるように本書で描かれるのは母性。特に事件の発端となった、頑なに禁じていた我が子のTV出演を叱りつける事無く、受け流した小林志保の母性が印象に強く残った。 それだけに最後は駆け足で過ぎた感じがするのが残念。あのラストシーンが作者のやりたかったことなのは判るが、それゆえなんとも尻切れトンボのような結末に感じてならない。 |
No.24 | 7点 | 浪花少年探偵団2- 東野圭吾 | 2010/10/07 21:33 |
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シリーズ1作目同様、肩の力を抜いて楽しく読めるキャラクター小説である。こちらの独断かもしれないが、物語の構成が手がかりを提示した本格ミステリの風合いから次々と事件が起きて読者を愉しませるストーリー重視の犯罪物に変わっているように思う。
しかしあとがきにも作者自身が作風の変化を自覚していることを述べているからこの推察は間違いないだろう。読者の推理の余地がないので、本格ミステリ度は薄いが、逆に東野のストーリーテリングの上手さと、関係のないと思われた事象がどのように繋がっていくのかを愉しんで読める作品になっている。 大阪弁を前面に出した軽妙なストーリー運びと下町の姉ちゃんと呼べる威勢のいい女教師のこのシリーズ、シリアスな作品が多い東野作品の中でも異色のシリーズだっただけにたった2冊でシリーズを終えるのは惜しいものだ。現在押しも押されぬ国民的人気作家となった東野圭吾がこのシリーズを再開するのは限りなく0%に近いだろうけど、執筆活動の気晴らしとしてまたぼつぼつと書いて欲しいものだ。 |
No.23 | 7点 | 同級生- 東野圭吾 | 2010/09/02 21:45 |
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てっきり学園青春ミステリとは縁を切ったと思っていた東野圭吾が久々に学生、しかも高校生を主人公にして書いたミステリ。
ただ非常に危うい設定の作品であると云わざるを得ない。主人公の行動に矛盾がありすぎる。 しかしこれらは推理小説として捉えればの話であり、青春小説として捉えれば、この主人公の行動も理解が出来る。 しかし毎回思うがこの作者の筆致の淀みの無さはいったい何なんだろう?全く退屈を感じさせること無く最後まで読ませる。しかも巧みに物語に謎を溶け込ませ、読者に推理を容易にさせない。推理するためにページを繰る手を止めるよりもストーリーが気になって先に進めることを選択せざるを得ないのだ。そして最後の一行のカッコ良さ。青臭さを感じる生意気な高校球児である主人公西原荘一のお株をグンと挙げるキメ台詞だ。 成熟の域に達した東野が久々に放った青春学園ミステリは、やはり上手さの光る逸品であった。 |
No.22 | 7点 | 美しき凶器- 東野圭吾 | 2010/07/03 01:30 |
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とにかくまず東野圭吾がまさかこのようなモンスター小説を書いているとは思わなかった。殺し屋タランチュラは狂えるスポーツドクター仙道之則が生み出した七種競技の選手。より高く跳び、より速く走り、より遠く投げ、より長く走れる万能選手のみが出場できる陸上界至高の競技。この競技を制するものはクイーン・オヴ・クイーンズとまで称される。まずその選手を殺人鬼に仕立てたのが東野のアイデアの秀逸さ。
通常このような殺人鬼物ならばスプラッターホラーに代表されるようにとにかく凄惨な虐殺シーンを強調するだけに留まり、なぜ彼が無差別に人を殺すのかなどはありきたりの設定で流し、アクションシーンのみを強調するのだが、東野の優れた点は彼らがタランチュラに襲われることになった原因があり、しかも彼らにはその殺人鬼から逃げてはならない理由があるところ。 スポーツ界の歪んだ競争意識やもはや人体実験の領域まで及んだ肉体改造など重いテーマを含んでいるが、疾走感を重視したためか物語、人物設定に膨らみが感じられなかった。 しかしそれでもタランチュラの最後の台詞にこの作家のセンスが光る。 |
No.21 | 7点 | ある閉ざされた雪の山荘で- 東野圭吾 | 2010/06/05 23:12 |
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「嵐の山荘」でありながらも、実際は雪は降っていないし、殺人も遺体が残らず、事件がどのように起きたかを知らせるメモが残されているのみ。しかし舞台劇を想定しながらその実、劇団員が1人、また1人と消えていくうちに団員たちの中に不信感が生まれ、疑心暗鬼に陥る。これは芝居なのか現実なのか?この辺のフィクションと現実との境が解らなくなっていく展開が非常に上手い。
これを実際に舞台劇として演じられると非常に面白いかもしれない。劇中劇という設定で劇の中の演者がさらに演技を要求され、それが観客に虚実を混同させる効果を生み出し、どこまでが演技でどこからが素なのか解らなくなりそうだ。いや実際既にどこかの劇団で公演されたのかも。 最後はなんだか作者自身が気恥ずかしくなったかのようで、ちょっと拍子抜けしてしまった。 さて皆さん感想で『仮面山荘殺人事件』に触れているので逆にそちらを未読の方は先に『仮面山荘~』を読んだ方がネタバレにならなくていいかも。 |
No.20 | 7点 | 天使の耳- 東野圭吾 | 2010/05/11 21:53 |
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交通事故という、通常のミステリで起こる殺人事件よりも読者にとって非常に身近な事件にクローズアップしており、それが非常に新鮮だった。従って諸作品で起こる事故が読者にとっても起こりうる可能性が高く感じ、私を含め特に車を運転する人々には他人事とは思えないほどのリアルさがある。
個人的に好きな作品は「分離帯」、「通りゃんせ」、「捨てないで」の3編。特に「捨てないで」は先が読めないだけに最後の皮肉な結末にニヤリとしてしまった。 いやあ、しかし交通事故だけに絞ってもこれほどの作品が書けるのかとひたすら感服。その読みやすさゆえに物語のフックが効きにくく、平凡さを感じてしまうが、実は完成度は非常に高い。この人はどれだけ引き出しがあるのだろうと、途方に暮れてしまう。この軽い読後感が私を含め本書の評価をさほど高くしていないのがこの作家の功罪か。 |
No.19 | 7点 | 回廊亭の殺人- 東野圭吾 | 2010/04/02 22:14 |
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読んでいる最中、どうにか作者の術中に嵌らないことを念頭に読んでいたが、今回もすんなりと騙されてしまった。
叙述トリックはさりげなく物語に溶け込まされているので、最初はそれがトリックだと気付かないほどだった。逆にアンフェアだと思ったくらいだ。しかし読み返してみると、作者の種明しには嘘はなく、実に上手いミスディレクションを仕掛けているのが解る。 しかしそれを加味しても本書は佳作に位置する作品であろう。実業家一族が遺産を巡り、殺人事件を画策するというのはミステリで使い古された設定だ。叙述トリックや犯人の側から描いた倒叙物に犯人探しという趣向を盛り込む、こう書くと非常に贅沢な作品だと思うが、題材から来る俗物性からは免れなかった。 |
No.18 | 8点 | 変身- 東野圭吾 | 2010/03/04 22:09 |
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切ない。なんとも切ない物語だ。
脳を移植された男が次第に移植された脳に支配され、性格を変貌させていく。 プロットを説明するとたったこの一行で済んでしまうシンプルさだ。しかしこのシンプルさが実に読ませる。この魅力的なワンアイデアの勝利もあるだろうが、やはり名手東野のストーリーテラーの巧さあっての面白さであろう。 確かに科学的根拠としてこんな事が起きるのかという疑問はあるだろう。出来すぎな漫画のようなプロットだと思うかもしれない。しかしそんな猜疑心を持たずに本書に当って欲しい。 自己のアイデンティティへの問い掛けから最後は人生について考えさせられる本書。物語の閉じられ方がそれまでの過程に比べ、拙速すぎた感が否めないが、ワンアイデアをここまで胸を打つ物語に結実させる東野の物語巧者ぶりに改めて畏れ入った。 |
No.17 | 8点 | 仮面山荘殺人事件- 東野圭吾 | 2009/10/21 20:55 |
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嵐の山荘物東野風変奏曲。
まず表向きの事件についてはなんとか犯人は解った。東野氏の文章はあまりに自然すぎてなかなか手掛かりが掴めにくいのだが、これはどうにか真相解明前に解った。 が、しかし本作の肝はそのあとですな。 いやあ、見事騙された! ひょっとして・・・というのはあったけど、プロローグ読み直していやそれはないだろうと確信したんだけどね。 しかし朋美は可哀想だな~。 ※以下大いにネタバレ よくよく考えるとこの真相にはちょっと無理も感じずに入られない。 24時間、2日間も一つの館で役者といえども芝居を続けられるのかという素朴な疑問だ。しかもその中には素人が4人。どこかで必ずボロが出そうな気がする。その辺をちらりと匂わせるような描写がまたあれば更にこの作品はより現実味を増しただろう。 まあ、この手の趣向の作品は「夢オチ」とほとんど同義なので、読んだ後に裏切られ感が強いのだが、全然そんなことはなかった。お見事! |
No.16 | 7点 | 犯人のいない殺人の夜- 東野圭吾 | 2009/09/27 00:57 |
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東野氏の短編集はこれまでにも『浪花少年探偵団』、『犯行現場は雲の上』、『探偵倶楽部』などが発表されていたが、それらは全て連作短編集で意外にもノンシリーズの短編集はこれが初である。
統一キャラクターで繰り広げられる連作短編集はキャラクター偏重の趣きが強いが、本作ではそれらを排し、トリックよりもロジック、さらに理論よりも理屈では割り切れない感情、人間の心が生み出す動機について焦点を当てているように感じた。 「小さな故意の物語」では嫉妬心から来る悪戯心と与えられる愛情に対する疲労感を、「闇の中の二人」では思春期にありがちな欲望と嫉妬心を、「踊り子」では淡い恋心を、「エンドレス・ナイト」はトラウマを、「白い凶器」は現実逃避から来る狂気を、「さよならコーチ」は人生を捧げたよすがを失った女性の絶望を描く。 唯一表題作が実にトリッキーな作品で動機も今までの東野ミステリにありがちな天才肌の犯罪者による、利己心だ。 個人的良作は「小さな故意の物語」と「さよならコーチ」。 次点で表題作となるが、後日思い起こして話題に出るほどではない。技巧の冴えが目立つ故に軽く感じてしまう諸刃の剣のような短編集だ。 |
No.15 | 8点 | 宿命- 東野圭吾 | 2009/01/25 00:42 |
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本作は三角関係という恋愛小説の色も持ちながら、青春小説の側面もあり、なおかつ明かされる三人の過去には科学が生んだ悲劇という通常相反する情理が渾然一体となって物語を形作っているのが特徴的だ。
この絶妙なバランスは非常に素晴らしい。特に科学の側面を全面的に押し出さず、あくまで人間ドラマの側面を押し出して物語を形成したのは正解だろう。 そして登場人物3人、特に主人公晃彦と勇作2人に纏わる濃い相関関係は、昨今のお昼のメロドラマのような作りすぎた内容なのだが、東野氏のあっさり味の文体がくどさを解消している。 これがこの作者の最大の長所ですな。 開巻前、なんとも思わなかった表紙絵(文庫版)が読後では印象がかなり違って見え、味わい深い。 |
No.14 | 5点 | 依頼人の娘- 東野圭吾 | 2008/12/30 23:04 |
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内容は基本的にオーソドックスで2時間サスペンスドラマ用のストーリーとも云える。私は特に政財界のVIPのみを会員とする調査機関ということで、『家政婦は見た!』シリーズのようなテイストを感じた。
この頃の東野は『鳥人計画』以降、『殺人現場は雲の上』、『ブルータスの心臓』、そして本作とノベルスで上梓されたミステリが連続して刊行されており、逆に東野氏はキオスクミステリに徹して軽めの作品を書くことを意識していたようだ。 生活の糧を得るためとしてこういうライトミステリに手を出さざるを得ないのが当時の新進作家の状況であったのは十分理解できることだ。 したがってこの手のミステリに読書を趣味とする人間やミステリ愛好者があれこれいちゃもんを付けるというのは全く筋違いという物だろう。 が、あえてその愚を犯すならば、やはりもう少しミステリとしての熱が欲しかったなぁと思う短編集だ。 |
No.13 | 7点 | ブルータスの心臓−完全犯罪殺人リレー- 東野圭吾 | 2008/12/08 23:31 |
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普通、倒叙物であれば、作品の主眼というのは完全犯罪を目論む側に不測の事態が起きて、果たして成功するか否かに終始する。
つまりこの作品で云えば死体移動中に事故が起きたり、共犯者がいなかったりと殺人リレーが成立か否かに焦点を当てて、スリルを描く事も出来るのだが、それを東野はそこをさらりと流す。 特に本作では運んだ死体が犯行の主謀者だったというのがミソ。 なんともまあ、物語のツイストが効いていることよ。 これにより、警察側のみならぬ共犯者側でも犯人捜しが重奏的に行われるようになるのだから。 なんでもないように書いて、実はかなり凝った構成の作品である。 ただ真犯人は相変わらず推理して判明するような物ではない。これは単純に物語に身を委ねるのがいいだろう。 |
No.12 | 3点 | 殺人現場は雲の上- 東野圭吾 | 2008/09/23 20:17 |
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スチュワーデス(今ならキャビン・アテンダントだから、この辺は次回重版時に改訂しないのだろうか)の凸凹コンビという主人公と内容の軽さゆえに数日経ったら忘れてしまいそうなキオスクミステリ。
ライトミステリながらもそつの無さを発揮している短編集だが、しかしやはり今までの東野氏の同傾向の作品に比べるといささか軽い感じがするし、スチュワーデスという職業柄、空港や機内と場所が限定されるせいか、場面のヴァリエーションに乏しく、それがためが総体的に小手先ミステリのような感じが否めない。 |
No.11 | 7点 | 鳥人計画- 東野圭吾 | 2008/04/17 22:33 |
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本格スポーツミステリ『魔球』をさらに発展させたような内容。
この中に出てくる「サイバード・システム」を読んだとき、頭の中に映画『ロッキー4』が浮かんだ。 個人的にはこの中に出てくる天才ジャンパー楡井の造形が素晴らしいと思った。 実際、天才って云われる人たちってこんな感じなんだよね。 競技を離れると変に無邪気で、イメージ先行で物事を説明する。 だから凡人には理解できない。 こういうところが東野氏は上手いね。 |
No.10 | 10点 | 眠りの森- 東野圭吾 | 2008/04/16 13:58 |
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不意打ち食らいました。
ミステリとしては普通なんだけど、最後の方に出てくる “君だけのために、俺はいくらでも語りかけるだろう―。” この一文にガツーンと来ました。 ああ、なんて最近涙もろいのだろう。 |
No.9 | 7点 | 十字屋敷のピエロ- 東野圭吾 | 2008/04/13 14:42 |
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正直今回の内容は小粒だと思っていたが、ただでは終わりませんね、この作家。
ピエロの人形の一人称という奇抜な設定も、この企みがきちんと成功していると思う。 |
No.8 | 7点 | 浪花少年探偵団- 東野圭吾 | 2008/04/12 23:57 |
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大阪弁が軽快に飛び交うライトミステリだけど、扱われている事件はけっこう深刻な物もあるので、高校生以上になってから読む方がいいかも。
「しのぶセンセのクリスマス」が個人的にはベスト。 でも『浪花少年探偵団』といっても活躍する少年はせいぜい2人なんだよなぁ。 |