皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
◇・・さん |
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平均点: 6.04点 | 書評数: 206件 |
No.6 | 4点 | 運命のチェスボード- ルース・レンデル | 2020/03/02 18:17 |
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思わせぶりな書き出しから、どうやら殺人が起こったらしいというサスペンスだけで引っ張っていく。人間が描けていても事件が抜けているというか、真相はあっても謎はないという感じ。ウェクスフォードもやたら高圧的なだけだし。 |
No.5 | 5点 | アクロイド殺し- アガサ・クリスティー | 2020/03/01 16:06 |
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面白いが大きな不満があるのも確か。
いきなり私という人物の言行になっていて、その言行が客観的に正しいかどうかという前提が明確になっていない。 手記を書くという動機づけが曖昧なのが弱い。 |
No.4 | 6点 | ABC殺人事件- アガサ・クリスティー | 2020/03/01 16:03 |
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ABCという法則にのっとって殺人が行われる。でもそこには別の意味があったという答えを聞いてみると、やはり不自然すぎる。
面白いけれど不自然だと考えた推理作家達が、後々このパターンを改良していった。自分ならこうする、という風に創作意欲をかき立てる部分をミステリ・シーンに投げ込んだという意味では重要な作品だと思う。 |
No.3 | 7点 | Yの悲劇- エラリイ・クイーン | 2020/02/29 10:55 |
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ドルリー・レーンという探偵の造形が古臭い。一番特徴的なのは、ラスト少し前に変装して、犯人をおびき出す場面。
確かに、純粋な謎解き脳内ゲームとしては良く出来ているし、面白い。ただクイーンの代表作と言われていることには違和感がある。 この作品は、中学生くらいの時に読むべき作品だと考えれば、最高の作品。その年代なら文句なく、語りで読者をミスリードしていくスタイルの面白さに驚くと思う。 |
No.2 | 8点 | シャイニング- スティーヴン・キング | 2020/02/22 11:09 |
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徹底した描写力とキャラクター造形の妙。それから、お決まりを少しずつ少しずつ、ずらしていくプロットの巧さ。それほど突飛なことが起きなくても、小さなことの繰り返しでどんどん思いがけない方向に物語が導かれていく。絵空事じゃない深層心理に訴えるリアルな恐怖。
雪に閉ざされたホテルという一種の密室モノだけど、ホテルがとてつもなく広い。その広い中に三人きりという、空間恐怖症的な手触りがある。もちろんいろんなものが潜んではいるし、逃げ場のあること自体が恐怖という発想も新しかった。 |
No.1 | 9点 | ブラウン神父の童心- G・K・チェスタトン | 2020/02/15 17:44 |
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警句と逆説を縦横に駆使して、才気あふれる鋭利な文芸評論や小説を書いていったチェスタトンが、まさしく少年の心を持ったブラウン神父を探偵に捉え、彼だからこそ気付けた異常な事件の驚きの真相を解明していく本格ミステリ。
短い一篇、一篇の中で世界の見え方が変わってしまう思考の転回点みたいなものが提示できるのは凄い。しかも語り口が巧くて、どのページにも自分で使ってみたくなるような気の利いたフレーズが散りばめられている。 |