皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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弾十六さん |
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平均点: 6.14点 | 書評数: 483件 |
No.3 | 8点 | プレーグ・コートの殺人- カーター・ディクスン | 2018/10/27 20:06 |
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JDC/CDファン評価★★★★★
H.M.卿第1作目 1934年出版 今回読んだのは2012年の新訳 40年前ハヤカワ文庫(仁賀訳)で読んでいるのですが、H.M.が被害者の部屋を調べるシーンを朧げに記憶していた以外、ほぼ全部忘却の彼方。印象的な殺人方法も犯人もすっかり忘れていました。 注釈が読みずらい(是非同じページ内で処理して欲しい)のを除くと新訳は非常に良質。そして肝心の内容も抜群です。不可能犯罪はこのくらい設定に凝らないとリアルにならないよ、とJDC/CDがニヤついています。ただしいつもの通り2回目の犯行が雑。そして生きている時の被害者が描かれていないのが残念。マリオンや偏屈婆さんの描き方も物足りないです。小説的に良いネタをぶん投げてしまうJDC/CDの悪い癖ですね。 本作のマスターズの設定を読んでJDC/CDの怪奇趣味の正体がわかりました。オカルト・バスターズなんですね。ユリ ゲラーに対するランディの立場です。もし本物の不可能犯罪が存在したら超自然現象を肯定せざるを得ないのです。そこら辺も本作では明快に描かれていてJDC/CD入門に最適かつ最高傑作ではないか、と思いました。 |
No.2 | 7点 | ビロードの爪- E・S・ガードナー | 2018/10/27 11:22 |
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ペリーファン評価★★★★☆
1933年3月出版。ペリー メイスン第1話。 弁護士が行動派探偵という設定は先行例があったのでしょうか?開始早々にパンチを繰り出す荒ぶる弁護士、それが初期ペリーです。デラはapproximately twenty sevenで、シリーズ唯一ちょっとだけ生い立ちが語られます。デラのセリフでI've known you [Mason] for five years (...) Some of your clients got hung. ということはメイスンは無敗ではなかった?今作ではメイスンの無茶な行動は控えめですが、依頼人に翻弄されながらも上手く切り抜ける姿が見もの。法廷場面はありません。ところで私が見た原文では、デラの人物紹介がDella Street – who was a faithful Girl Friday (also Sunday and Monday, if not quite always).となっていました。(正しい意味がよく判りません…) 銃は32口径コルト・オートマチック、シリアル127337が登場。シリアルから判断すると1912年製のM1903 Pocket Hammerless, Type IIIだと思われます。 ところで原文にはロサンジェルスもカリフォルニアも出てきません。(いつ明示されたかは、その作品の評に書くことにします) |
No.1 | 4点 | 黒い塔の恐怖- ジョン・ディクスン・カー | 2018/10/27 09:37 |
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JDC/CDファン評価★★★☆☆
ダグラス グリーン編の埋もれたカー作品集(1980)の翻訳後半(前半はカー短編全集4) 本書の目玉は「史上最高のゲーム」(1946) 探偵小説の理想を述べたエッセイ(幻のアンソロジーの序文)で、これを読むとJDC/CDは「小説なんてどーでも良い」と考えていたことが判ります。あくまでも作者と読者の対決が主眼なんですね。でも「お前が言うな」と言いたくなることも平気で書いてます。まぁ理想論ですから… この中で触れられているキャロライン ウェルズのThe Technique of the Mystery Stories(1913)はGutenbergに無料版あり。JDCのラジオドラマも無料公開のものがあるので、英語が得意ならさぞ面白いんだろうなぁと思います。収録作品には傑作はありません。でも1935年の筆力旺盛な時期に何故パルプマガジン?ある程度売れてきたので昔好きだった雑誌に売り込むか!ということだったのでしょうか。買った当時(1983)は巻末のカー書誌が便利でしたが、今は随分新しい翻訳が出ているので改訂が必要ですね。 なおp43の詩はBartholomew Dowling作The Revel(East India)、使われた銃は1917年の事件なのでM1911でしょうか。 |