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バードさん
平均点: 6.14点 書評数: 324件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.104 6点 本格推理①新しい挑戦者たち- アンソロジー(国内編集者) 2018/11/10 13:28
一話が約50ページという制約のもとで書かれているので、謎の大きさは小粒なものが多いが、作者の各々のセンスが出ていて良かった。一冊で何人分もの作品が読めるというお得感もある。

個人的に好きな話
・藁麦米単九 作「鳥」
図面も多く事件の全体像がつかみやすかった。私はトリックを外してしまったが、謎のレベルは程よく、挑戦しがいがある。

・村瀬継弥  作「藤田先生と人間消失」
殺伐とした話が多いミステリの枠内でほっこりするいい話。この時点で印象にも残るし、話も面白かった。人間消失の謎の解明は外しました。

・山沢春雄  作「砧未発表の事件」
簡単な叙述要素があり印象に残った。そして見事に引っ掛けられた。鮎川編集者のお言葉通り、丹念に読むほど味がわかる構成だった。

・二階堂黎人 作「赤死荘の殺人」
実は謎の7割くらいは当てられた。だからといって作品のレベルが低いとはならない。むしろ、二階堂さんの力量が高いから謎をしっかり理解できたのだと思う。

こうしてみると全体的に引っ掛けられてばかり。もう少し鋭い読者を目指さねば(汗)。

No.103 6点 アルキメデスは手を汚さない- 小峰元 2018/11/06 11:37
まあまあ楽しめた。
良かった点といまいちと感じた点を挙げると、

良かった点
・流れるようなテンポ。非常に読みやすい。
・タイトル回収をきちんとした。
いまいち点
・柳生を中心に起こる三つの事件の関連性が薄い。加えて重さも一つだけ殺人で、後は大した事無いというバランスの悪さが気になった。
・タイトルが分かりやすすぎるかな?このタイトルで普通に読んでりゃ結末が予想できるので、その点はマイナスとも感じる。
・謎のレベルが小粒。
・姉の自殺のくだりとか、要所で雑な展開も気になった。

このように列挙するとマイナス点が多いな(笑)。特に二つ目のタイトルによるネタバレはミステリとしては致命的かも。でもつまらないとは思わなかったよ。あとキャラはいけ好かない奴が多かったね。自分がそう思っただけでマイナス点ではないですが。
あと小説の感想ではないけども、ここの書評では、思ったより皆さん辛口評価なのね(笑)。

No.102 6点 ドグラ・マグラ- 夢野久作 2018/11/04 21:12
評価に困る、の一言。
読後の感覚の似てる作品が無い。他の人の感想をぜひ聞きたいものものである。
中身については理解できたようでさっぱりわからなかったという感じ。(本当に読んだのか?とつっこまれそう。)

個人的な感想を述べると、前半の正木博士の遺書パートが読みにくくその部分が辛い反面、後半で問題がぼんやり見えてきたところから一気にのめりこめた。ただし最後まで読んでも何を読ませられたのかが判然としない。
一応点数の付け方は、前半2点、後半8点で平均5点。それに加えてこれまで味わったことの無いオリジナリティの高さを評価して6点とした。しかし、この評価が妥当かどうか私本人にも良くわからない。

No.101 8点 笑わない数学者- 森博嗣 2018/10/20 22:18
三冊目の森さんの本。
久しぶりにミステリを読んだが、メインのしかけはとても簡単という印象。トリック、犯人共に当てられて、にんまり。ということで読んだ後の感想は、簡単すぎるしS&Mの掛け合いの面白さでなんとか6点くらいかな~と思っていた。

しかし、森さんいわくこの本のトリックはあえて簡単にしたとのこと。その理由をみて非常に納得。自分はまた作者の手の上で踊らされておったのか、といい意味で悔しく思えた。狙った難易度調整、そして見事に踊らされた点を踏まえて8点!

No.100 7点 Another- 綾辻行人 2018/10/20 21:16
別の作品で取り上げられていたので、気になりこの機会に読んでみた。
ミステリ要素は思っていたよりは少な目と感じた。後半の展開は強引な感じも受けたが、最後まで根本的には呪いの問題を解決できていない点が安易なエンドでなく好印象である。

また、例のしかけは綾辻さんの得意なやり方という印象。彼の作品を何冊も読んでるとさすがに耐性がついているみたい(笑)。嬉しくもあり、悲しくもある。

No.99 7点 白昼の悪魔- アガサ・クリスティー 2014/11/09 14:26
クリスティ作品の標準やや上くらい。最後の最後まで裏のある構成、完璧に当てるのはできなかった。最初の日焼けのくだりとか伏線はあっただけに悔しい。

登場キャラもかぶっている人が少なく読んでて混乱しにくかったのも好印象。比較的コンパクトにまとまっている良作。

No.98 2点 白ゆき姫殺人事件- 湊かなえ 2014/08/15 10:46
湊さんの作品を読むのは初めてだったがこれはあわなかった。

なんというか人の浅はかさを書きたかったのだとは思ったけどこれだけ浅いと読んでても全然面白くない。借りて読んだ本なので最後まで読んだけど途中でなげたくなった。

内容については最後の当事者の章だけは良かったのでその部分で最低点は避けた、他はどうでもいい内容の垂れ流し、最後の犯人についてはもはや興味を持てなかった。ただ一冊じゃ作者との相性はわからないので「告白」は読もうと思う。

No.97 6点 出雲伝説7/8の殺人- 島田荘司 2014/08/07 17:46
しばらくミステリから離れていたのでリハビリとしてこの本をチョイスした。結論から言ってしまえばリハビリとして調度よかった、難しい謎過ぎずまたかといって複雑すぎないいい塩梅だったと思う。

しかし派手な事件の始まりに対してトリックは地味目というか良くも悪くも及第点といった感じ。出雲の言い伝えの部分に関しては深追いしすぎず小説への取り入れ方としては良かった。(最近の御手洗シリーズなどでは余計な話にページをさきすぎてる気がするので。)

No.96 8点 ゴールデンスランバー- 伊坂幸太郎 2014/03/29 11:59
長い話だが一気に読めた。結末に近づくにつれなんとなくこの場面見たことあるな~と感じたので、おそらくもうほとんど記憶にないが昔映画を見たことがあったのだろう。

途中からは主人公の青柳に完全に感情移入してしまいなんとか逃げ延びてくれという思いだった。巻末の作者の言葉によるとあえて風呂敷をたたまなかった作品らしいがそれでも小説としての面白さが損なわれていないのが凄い。(普通はきれいにたたんでないと消化不良なのだから)これぞまさに小説はエンターテイメントといえる作品。

No.95 4点 名探偵の呪縛- 東野圭吾 2014/03/25 10:18
前作の「名探偵の掟」が自分のどストライクだったので期待して読んだら・・・、う~ん。

前作の方が面白かった、はい。

No.94 6点 冷たい密室と博士たち- 森博嗣 2014/03/25 08:19
2冊目のS&Mシリーズ、今回は舞台がN大学ということで前回よりも登場キャラや設定が自分に身近だったのでけっこう引き込まれた。前回が大掛かりなトリックによるある種のびっくり箱型の内容だったのに対し今回はかなり作中内のヒントから殺害方法や犯人を推理させるいわゆる本格であった。

正直共犯による殺害方法も犯人もそこまで難易度は高くない、だから物足りないと感じる方もいると思う。しかしこの話は第1作目の「すべてがFになる」とはかなり方向性を変えてきているので前作が合わなかったと感じた方もこちらは楽しめるかもしれない。

No.93 4点 殺人の門- 東野圭吾 2014/03/19 08:49
タイトルにつられてずいぶん昔に読んだのだがミステリではなかった。
こういうのもありなのかもしれないけど暗すぎる話は個人的にあまり好きじゃないので印象はよくない。(あとちょっと長すぎた。)ただこの長さが殺人の門を開けるのがいかに重大なことかも表現できてて上手いとは思わされた。

No.92 8点 R.P.G.- 宮部みゆき 2014/03/19 08:25
スピード感があったというかなんというか、一気に読めてかつ長さがそれほど無いので中だるみもせず最後までいけた。動機は今まで読んだものの中でも個性があってある程度納得させられた(普段は動機なんてほとんど気にしないのだが)。意外な犯人ではないけど見せ方が上手と感じる、宮部さんの作品と自分の相性を考えると絶妙な長さだったのかもしれない。

まぁ、地の文で虚偽の記述というのに反感を覚える人がいるとも思うので自分のこの採点は甘めかもしれないが。

No.91 5点 英国庭園の謎- 有栖川有栖 2014/03/16 16:51
有栖川さんの国名シリーズも4冊目だが短編集の出来としてはなんとなく1冊目の「ロシア紅茶の謎」を超えられてない気がする。今回はオチが投げっぱなしというか、そんな印象を与える話が多かった。

火村シリーズは好きなので楽しめたけどNonシリーズ物でこの内容だったらやや不満、同じ5点でも「ブラジル蝶の謎」よりも評価は下、表題作の暗号は解きたかったなぁ(ついつい話が気になって我慢できずに先を読んでしまった。)

No.90 7点 霧越邸殺人事件- 綾辻行人 2014/03/07 22:38
前評判が高かったので期待して読んだがそれにこたえてくれたとは思う。読んだのは割と前なのだが劇団暗色テントは中々にインパクトのあるネーミングで嫌いじゃない、迷路館に出てくるキャラの名前が出てきたりとリンクしてる感じも良いと思う。

内容も古典ミステリによくあるドロドロした雰囲気を出しつつ暗くなりすぎてなく素晴らしい、トリックも叙述じゃないというのも館シリーズと差別化できてていい。
ただ槍中のうんちくはちょっとしつこい気がする、更に槍中さんあの失言はいくらなんでも初歩的なミスすぎるでしょ。

No.89 7点 寝台特急「はやぶさ」1/60秒の壁- 島田荘司 2014/03/07 22:04
初吉敷シリーズ、御手洗シリーズを読むのは一端休みでしばらくはこのシリーズを読みたくなった。
ガチガチのアリバイものではなく時刻表とにらめっこしなくてよいので時刻表アレルギーの人でも読めると思われる良作、トリックはシンプルながらも上手いと思う。

ただ一つある部分で納得いかないというかアンフェアと感じる部分があったので一点減点して7点。あと最後、結局警察の罠だったわけだが九条千鶴子が実は生きていて更に凄いトリックを使っていたという場合も読んでみたい気もした。

No.88 10点 Yの悲劇- エラリイ・クイーン 2014/03/04 00:45
おそらく自分のなかでこれを超えるものは出てこないかと。これ以上書くことはない。

No.87 9点 すべてがFになる- 森博嗣 2014/03/04 00:14
自分はボトルシップのくだりと真賀田女史と未来の見た目から真相は推理できたが実際は流石に子供が生まれれば気づかれちゃうからまぁミステリ用の設定と言わざるをえない。更に残されたすべてがFになるというメッセージから一応レッドマジックが初めからトロイの木馬というのは伏線としてあるがこれを読んでる途中で推理で当てるのはちょっと厳しいかな。

このように突っ込みをたくなる点は他にも多々あるがそれでも面白かった、綾辻さんの「十角館の殺人」もそうだがどうも自分はアクロバットな技には甘めにつける傾向があるようだ。

シリーズもののようなので以降のシリーズも読んでみたくなった、ただどうにも主人公の萌絵は苦手なタイプのキャラで真賀田女史がとてもいいキャラだったので以降のシリーズには出ないのが残念。

No.86 6点 暗黒星- 江戸川乱歩 2014/02/24 22:51
面白かった、暗い雰囲気がひしひしと伝わってきてはらはらした。ただ全体的に突っ込みどころは少ないけど現代ミステリがあふれてる現代の人の目線からすると少しストレートすぎるかな、ということで点数は伸び悩んだ。

でもこれがでた当時だったら全体的にハイレベルな水準の作品だと思う。

No.85 6点 屋根裏の散歩者- 江戸川乱歩 2014/02/24 22:40
とても有名な古典ミステリなのではや読んでおきたかったので少しハードルが上がっていたかもしれない。まぁ犯人の動機はだいぶ適当だと思ったけど乱歩さんの作品はこのくらい動機に対してドライでもあまり気にならない文体なのがいい。探偵が証拠をでっち上げて自白させるのは今現在ではいい手とはいえないが当時としては斬新だったのだろうか。

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バードさん
ひとこと
ミステリ好きを自称してるもののまだ超有名な名作ですら未読のものが多いにわかファンなのでご容赦ください。あと感想の文体に丁寧語を用いないため生意気な批評と感じる方もいらっしゃるかもしれません、もし不快に感...
好きな作家
(海外)エラリー・クイーン アガサ・クリスティ (国内)江戸川乱歩 島田荘司 綾辻...
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平均点: 6.14点   採点数: 324件
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