皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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ミステリ初心者さん |
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| 平均点: 6.16点 | 書評数: 435件 |
| No.435 | 5点 | 演じられた白い夜- 近藤史恵 | 2026/05/02 00:35 |
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| ネタバレをしております
役者たちが集まるクローズドサークル…しかも、その演目どおりに殺されていく…とても惹きつけられる設定で購入しましたw 非常に読みやすく、すぐに読了できました。役者たちもそれほど人数がいるわけではなく、作中作の劇のストーリーもシンプルです。あまり覚える必要はありません。 ややテンポやサスペンス性には欠けるものの、割と早い段階で雪密室事件が起こります。 主観の人物は女性であり、匠や水上との微妙な感情や関係が描かれます。それがラストシーンや真相にも活きている気がします。 以下、難癖ポイント。 役者が集まるクローズドサークルという魅力的な設定をみせられると、そこになにか特別なトリックやドンデン返しを期待してしまうのですが、特にそういうこともなく、普通のクローズドサークルのようでした。 推理小説的要素は第一事件である自殺に見せかけた雪密室が最も大きな部分です。しかし、そのトリックはヒント不足な感じがあり、また成功するのかどうか疑問に思ってしまいました。カメラを使って被害者をコントロールした点には感心しました。 総じて、読みやすさはあったものの本格度が低い作品でした。また、この本ならではの個性も薄かったように思えます。 |
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| No.434 | 7点 | 僕を殺した女- 北川歩実 | 2026/04/27 19:11 |
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| ネタバレをしております。
ある日目覚めた”僕”こと篠井有一は5年後にタイムスリップし、かつ女性の体になっていた…という、SFチックな特殊な設定でのミステリです。設定に惹かれて買いました。 ドラマ調のミステリでありドンデン返しが持ち味なタイプです。中盤までは話が進むスピードが遅いと思うことがありましたが、ヒロヤマトモコ・智明・有一のパーソナルデータが明らかになるにつれて加速度的に物語が進行し、そこからは一気に読むことが出来ました。 物語が綺麗にまとまっているのも良かったです。非常に特殊な設定で、偶然に偶然が絡みはしますが、真相には説得力があり納得感があります。また、読後感が良いのもいいですね。 本格推理小説ではいので、推理小説的な評価は決められません。読みやすさとドンデン返しと読後感の良さを評価したいと思います。 ただ、名作になるにはもっととびきり驚かせてほしかったところで、佳作というイメージです。自身の記憶がが信用できなくなったり、誰が嘘をついているのかわからない状態というようなミステリは結構あり、また名作も多いです。それらの作品よりかはやや淡泊な感じがします。 |
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| No.433 | 6点 | 奇岩館の殺人- 高野結史 | 2026/04/16 00:04 |
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| ネタバレをしております。
クローズドサークルが大好きな私は、クローズドサークルものと聞いただけで買いです! 本作もクローズドサークルだったため買ってしまいましたw しかし、やや思っていたのとは違いましたけどw 非常に特殊な状況でのミステリです。 本作は登場人物のほとんどが作られたミステリの中にいて役を演じているのに、実際に人が死ぬという体験型マーダーミステリのような作品です。殺人劇がテーマな作品はわりと読んできました。殺人が実際に起こらない小説内の人物たちが役者だったりカメラが回っていたりするもの。実際に殺人が起こっていて登場人物の限られた人しか劇と認知していないもの。様々なものを読みました。しかし、本作のようなものは初めてですw そのため、クローズドサークル特有の緊張感みたいなものはありませんでした。主人公格の一人の"佐藤"に関してだけ、自分が殺されるかもしれないという緊張感は存在しましたがw そのかわり、倒叙ミステリのような趣と、アクシデントによる運営側のどたばた苦労が書かれており、やっていることはえげつないのに喜劇のような楽しみ方ができましたw 特に小園間と香坂については、やっていることは大悪党にもかかわらず、どこか応援してしまっている自分がいましたw 推理小説的部分に関して。 楽しく読めた一方、本格度は低かったと思います。クローズドサークルをテーマにした2時間ドラマに近いような気がしました。ドンデン返しと予想がつかないラストがあるのは良いものの、読者が推理をして真相を解くといったものではなかった気がします。 総じて、本格推理小説としてではなく、広義のミステリーとして読めば大変楽しく読める一冊でした! 格キャラクターのキャラもかき分けができており、かつ本筋以外の無駄な文があまりなかったです。ただ、小園間には死んでほしくないのですが…どうなっちゃったんでしょうかね。最後少しだけ女上司がデレ(?)、スタッフからの信望が厚く、優秀な脚本担当を入手した小園間は出世する香りがするのですが…。 |
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| No.432 | 6点 | 太鼓叩きはなぜ笑う- 鮎川哲也 | 2026/04/07 19:00 |
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| ネタバレをしております。
シリーズ短編集とは知らずに購入w 私立探偵の”わたし”が弁護士から依頼されて、被疑者の無罪を立証するために捜査を行うも行き詰まる。しかしバー『三番館』のマスターのバーテンダーさんがたちどころに謎を解いてしまう…という安楽椅子探偵もののシリーズです。そういえば主人公のわたし、弁護士、バーテンダーさんは名前が表記されておりませんね(多分)。 基本的には鮎川さんの他の警察小説と同じ流れを踏襲しております。ただ、白い手黒い手など、警察では出来ないような犯人へのハメ手を取っており楽しめます。また、"わたし"のパーソナルデータが出るたびに少しずつ人となりが明らかになっていき、他の作品よりもキャラクター味が出ている気がします。 以下、ひとこと感想を書いていきます。 ・春の驟雨 この本では最も気に入りました。タイトル通り驟雨でアリバイが崩れるのもいいし、最後に犯人を追い詰める”わたし”の論理はバーテンダーさんに頼りっきりではない感じなのも良かったですw ・新ファントム・レディ タイトル通り幻の女を意識した作品ですが、知らなくても楽しめると思います。犯人はかなり大胆な行動をとっており、蓋然性に疑問がありますが面白かったです。ただ、犯人の行動が事実だとすると、守るべき被疑者の時間的なアリバイもなくなってしまうような? ・竜王氏の不吉な旅 これのみ、序盤から仕掛けがわかりましたw まあ、電車周りのトラベルミステリっぽい仕掛けはわかりませんでしたがw ラストの切れ味も良かったですね。 ・白い手黒い手 言われてみればなるほどなと思いますが、本全体では謎が小粒であり、個人的には微妙でした…。 ・太鼓叩きはなぜ笑う 犯人のトリックを立証するために"わたし"を利用するバーテンダーさんは面白かったですが、やはりこれも蓋然性の問題が気になっちゃいました; そんなに上手くいくかな…? 犯人はそうとう危険な橋をわたっているきがしますが。しかし、短編なのであまり口うるさくは言いませんw 総じて、稀代のアリバイトリックメーカーによる短編集はやっぱり楽しかったです。個人的には鮎川さんは短編に向いている作家さんだと思います。 ピンタンフールーとバイオレットフィズが気になります。ピンタン~はともかく、バイオレットフィズはスーパーに売ってないかなぁ? |
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| No.431 | 7点 | 変な地図- 雨穴 | 2026/03/24 21:46 |
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| ネタバレをしております。また、一部過去の変なシリーズのネタバレもしております。
おそらく世界一読みやすいホラーミステリのシリーズ、変なシリーズの最新作です! 丁寧に挿入される絵や図や説明、伏線回収のさいの元となる文章の挿入など、もう作者の特徴のひとつとなりましたね。流石にこれは必要ないだろう…と思われるものもありますがその効果は絶大で、頭の中で人・場所・時間を整理する必要がなく、読書の難易度が圧倒的に簡単になります。内容はホラーミステリなため万人に勧めづらいのですが、活字離れしている人にこそ読んでほしい作品です。もうベストセラーになっているということは、きっと読書が習慣化されてない人にまで売れていることでしょうw 本作はこれまでとは違い、探偵役だった栗原の事件簿となります。これまで謎だった栗原のパーソナルデータが大量に手に入りますw 栗原の過去が明らかになることにより、探偵役としての魅力も増すでしょうね。とはいえ、私が思っていたよりも冷笑眼鏡クイッ系(なにそれ?)だったのは衝撃でした! 変な地図だけあり、全編を通して地図がテーマになります。一つの不気味な地図が謎の発端であり、ミステリで言うところのトリック部分にも測量の要素が使われております。また、すべてを読み終えたときには、実はその地図が描かれる理由には人の温かみがあり、読者は初見とはまるで180度違う絵に見えるところも素晴らしい構成だと思います。 推理小説部分について。 ホラーミステリ(個人的にはサスペンスミステリだと思うが)のジャンルであるため、あまり本格推理小説の尺度で評価するのは無粋ではありますがw 私が最も感心したのは、やはりキミコら意図的に起こした事故でした。三角点という測量に関するものが関わっておりテーマに沿っておりますし、ミステリ的にも面白かったです。難癖をつけるとすれば、やはり実際に三角点を動かせば気づかれてしまうだろうことですねw 過去作はホラー小説によくある小説内の謎をすべては提示しなかったり、最後にはカオスに終わる展開もありました。しかし、今作はすべての謎に合理的な答えが提示され、それが過去作よりもミステリ的だと感じました。また、大団円で終わるのも読後感がよくていいです。 総じて、ホラーやサスペンス的要素は過去作よりも薄めであり、恐怖という意味ではシリーズ一番軽いかもしれません。ただ、ミステリとして見た場合、最も綺麗にまとまった作品だと思いました。私はミステリ党なため、変な地図が一番面白かったです。 |
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| No.430 | 7点 | ママは何でも知っている- ジェームズ・ヤッフェ | 2026/03/12 02:40 |
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| ネタバレをしております。
表紙とタイトルから、ユーモアミステリかコージーを予想しましたが、論理的かつ驚きがある極めて端正な本格推理小説でびっくりしました! しかも警官のボク・ときに皮肉屋、ときに心優しい安楽椅子探偵ママ・ママの鼻を明かそうとして失敗しづつけるシャーリィ・ママと同年代の心優しいミルナー警部らの掛け合いが面白く、ユーモアミステリ並の読みやすさを誇ります。 論理的に楽しめる短編が多かったですが、後半に行くほど徐々にドンデン返しの趣向が強くなり、最終話の中編はすこし日本人の私には難しい内容となってしまいました; 前半の感じが全て続いていたら8点でも良かったと思いますが、7点としておきます! |
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| No.429 | 6点 | そして誰かがいなくなる- 下村敦史 | 2026/02/21 02:32 |
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| ネタバレをしております。
クローズドサークルに目がない私は、それだけで買ってしまいますw 買ってから帯の文を読んで初めて気づきましたが、作者の実際の自宅がモデルになっているのですね(というか写真まで出てきて、そのままそっくり登場)。とんでもなく高額になったようで、かなり多額のローンを組まれているんだそうです。作者の本格推理小説愛には脱帽ですね。 この作品も典型的なクローズドサークルの流れを踏襲しております。ただ、冒頭で御津島?が建築会社の人と館の建設について打ち合わせをしているシーンが書かれており、それが今までにない雰囲気です。また、フェアさにも寄与しております。 一般的なクローズドサークルと同じく、非常に読みやすかったです。登場人物も適度で覚えやすく、また本筋とは関係ない文章も最低限になっています。しかし、起こった殺人は結局一件であり、事件に思えたものが犯人以外の行動だったので、それほど緊迫感には欠けたかもしれません; 推理小説的要素について。 多くのクローズドサークル作品と同じく、緻密なロジックで犯人を一人に断定するとう趣向ではありませんでした。人物の入れ替わりなどによるプロットで驚かせるドンデン返しタイプでした。ただ、そのドンデン返しも既視感があり、どこか他の名作と似ているようにも思えてしまいます。私は推理できませんでしたがw また、上にも書きましたが、登場人物の多くが何らかの思惑で犯人っぽいことをしてしまっております。なので、推理は非常に難しく紛らわしいですw まあ、ロジックが魅力の作品ではないと思いますが。 総じて、作者の本格愛の感じる作品でした。また、読書する際のストレスがなく、作者の文の上手さも感じました。一方で、近年では名作が多く世に出る推理小説界ですので、24年出版の本にしてはオリジナリティに乏しいと感じました! |
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| No.428 | 6点 | 公爵さま、それは誤解です- リン・メッシーナ | 2026/02/16 18:25 |
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| ネタバレをしております。
非常に読みやすいミステリとして重宝しているシリーズですw 3作目にもなると重要登場人物と役割が固まってきた感じがあり、その読みやすさはもはや漫画の域です。 今作は、タイトルや帯のアオリ文がやや不穏。ふたりの気持ちはすれ違いーーとあり、表紙の絵もお互いに違う人とダンスしております。なので、内容を見るまではベアトリスと公爵が仲違いをする展開が書かれると思いました。しかし、公爵との恋を諦めて公爵を避けるベアトリスという感じで、それほど気持ちのすれ違いって感じでもなかったです。ベアトリスが公爵との恋を諦めるきっかけになった公爵の婚約候補って、一体何者でどこへ行ったのでしょうかw そのへんは4作目で書かれるのでしょうか? 3作目にしてベアトリスの恋が成就したのですが、もう少しシリーズ数を重ねてからそうなっても良かったかもしれませんね。アマゾンレビューで言及していた方もいましたが、恋になりそうでならない関係がもう2~3作品あっても良さそうですね。このへんは意見が分かれるところでしょうねw 推理小説的要素について。 2作目よりも本格色はあると思います。解決編を聞いたときはなるほどと思いました。少しヒントもありますしね。 とはいえ、最後の展開は犯人がちょっとアホでしたねw 犯人は”ベアトリスがみんなに真相を話しても信じる人などいない”というスタンスでべらべら自白したというのに、なぜか焦ってベアトリスを襲って自滅しますw まあ、このあたりはラストの大団円での引き立て役になったのでしょうねw 総じて、一瞬で読み終えられるほどの読みやすさと、薄味とはいえ推理小説要素もあってバランスが良い作品でした。今作で公爵とベアトリスの関係性が激変するので、次回作はどういった感じになるのかが気になるところです。 |
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| No.427 | 6点 | アルファベット荘事件- 北山猛邦 | 2026/02/14 19:57 |
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| ネタバレをしております。また、若干の同作者の城シリーズのネタバレにもなってしまっているかもしれません。
北山猛邦のクローズドサークルと聞いて、それだけで買ってしまいましたw クローズドサークル特有の緊張感やサスペンス感やスピード感はあまりなく、そこを期待すると肩透かしを食らうかもしれません。ただ、キャラクターと雰囲気に北山猛邦の城シリーズっぽさを感じました。物理トリック、ちょっと幻想的な雰囲気、ほのかな恋愛要素などです。終盤になるとどこか本が終わってほしくない不思議な感覚になります。登場人物も最低限であり、美久月やディなど魅力的な人物もあってか、すぐに読了できました。 また、複数探偵?による多重解決シーンも書かれておりました。ただ、その反証がすぐに行われ、バチバチの推理合戦とまではいかなかったです。 推理小説部分について。 この作者といえば大掛かりな物理トリックが魅力です。今回もらしさがありました。とはいえ、ちょっと難点もおおいですw まず、西ドイツでの呪いの箱に死体が出現する話ですが、残念ながら私にはピンときませんでしたw たしかに文中にヒントがあったのかもしれませんが、種明かしを聞いたときには「箱ってそんなにでかいんだ?」としか感じず、いまいちトリックを明かされたときの快感を感じませんでした; メインの”どうやって箱を本館へ運んだか?”という問題も、そこまで心に響かなかったです。これは私が悪いのかもしれませんが、種明かしを聞いた第一の感想が「アルファベットオブジェってそんなにでかいんだ?」でしたw ”A”に関してはとてもでかいことは分かっておりましたが、その他もそれほどデカかったのですねw とはいえ、ある程度推理小説を読んでいる読者ならば、見取り図をみた段階で”アルファベットをつかってなんやかんやしたんだな”というのは想像できるし、真相がわからなかったとしても大きな驚きにはならないと思います。 総じて、個人的にはそれほど悪くないと思いましたw ちょっとバカミスとも思えるほどの大掛かりな物理トリックはあまり見られない昨今の推理小説界ですので希少価値を感じます。また、始まりと終わりが割ときれいに決まっているのも良かったです。甘めかもしれませんが6としておきました。 |
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| No.426 | 6点 | ≠の殺人- 石崎幸二 | 2026/01/21 18:01 |
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| ネタバレをしております。また、少し過去作のネタバレもしております。
読みやすいユーモアミステリとして重宝しているシリーズですが、プレミア価格がついていて手が出せませんでした。先日、偶然値が下がっているのに気づいて急いで買いましたw 前作あたりからメンバーが固定化されてきた感があり、キャラクターの役割分担も決まってきた感じあります。ちょっとシリーズを読む時間があいたせいか(当サイトをみるとほぼ1年前!?)、またミリアとユリがどっちがどっちだか忘れかけていましたw よりボケが強くが芯を食う推理をするのがミリアなんでしたっけw 本作はゆるいシリーズのわりにやや感傷的なラストだったり、傷つけられた死体の理由から真犯人を推理したり、良い意味でも悪い意味でも本格推理小説な仕上がりになっております。 殺人が起こらなかったこともあるほど緩い作品や大団円な作品もあるシリーズなのですが、今回はやや後味の悪いラストになってしまいました。とはいえ、この程度は普通の推理小説では日常茶飯事であり、ミリア&ユリシリーズだからそう思えるかもしれません。 そっくりな双子→入れ替わりというのは鉄板ネタであって新鮮味がありませんが、切られた死体の推理はなかなか良かったですw こう言っては何ですが、ミリア&ユリシリーズらしからぬ本格ぶりでしたw 生理関連での犯人にとっての不利な偶然が起こり、そのごまかしをしなければならなかったというアイディア自体は他の作品でも見られるものですが。 今回も読みやすくていい作品でしたが、変わっている建物の中でのクローズドサークルの割にはすぐに帰ってしまった点と、ネタがわからない話があったのだけ残念でしたw なんとなく、変わった館などでの生活の描写や見取り図などを眺めて、なんだかそこに住んでいるような感覚になるのが好きですが、今回はそれを感じませんでした。 また、ガンダムと麻雀のネタが多く入っておりましたが、私はどちらも無知なのでついていけずに悲しかったです; |
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| No.425 | 7点 | 私雨邸の殺人に関する各人の視点- 渡辺優 | 2026/01/15 00:50 |
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| ネタバレをしております。また、この作品は、アガサ・クリスティーのある作品のネタバレがされています。
クローズドサークルに惹かれて購入しましたw また、興味が湧くタイトルですね! そのタイトル通り主に3人の主観文章で進みます。しかし、ごくごく一般的なクローズドサークル作品です。そのため、非常に読みやすく、あまり時間をかけずに解決篇前まで読むことが出来ました。曰く付き物件を改装した別荘ではあるものの、過去の事件はあまり絡まず、オカルト的なものもないです。事件発生前日ぐらいから文章が始まり、ほぼ私雨邸で完結します。最近のクローズドサークル作品にしては珍しく本格推理小説に徹している感じがします。 登場人物を見るとかなり珍しい苗字の名前が出てきます。そのため、私はライトノベル的な作風を予感しましたが、ほとんど逆で、端正な推理小説でした。端正すぎて最近の作品にしては遊びが少ないと感じるぐらいでしたw 少しユニークな要素としては、クローズドサークルを体験して歓喜するミステリマニアの二ノ宮ですw 人が殺されているのに不謹慎に喜びまくりますw ミステリファンのステレオタイプみたいなキャラです。ただ、牧が毒を飲んだ際に、毒を大麻と予想したのは流石にアホ過ぎる気がします…。ミステリファンなら(でなくてもですが)先にタバコを疑いませんかねw 推理小説要素について。 非常にレベルが高くて満足しました! 多重解決系であり、さらに1つ1つの説の否定も論理的だし、細かいながら読者にも推理できるヒントもあります。さらにやや既視感があるものの密室トリックがあり、また指紋をつけないために犯人が取った行動は独創的でした(これは難癖点もあるので後記w)。ラストの田中による推理も納得感が高いものでした! 難癖ポイント。 手に糊を付けて固めることでコーティング。それをして犯行し指紋を残さないトリックは見たことがなく、感心しました。しかし、糊といっても色々あり、あまり想像できませんでした。また、手形が残らなくても凶器に糊が残ってしまわないのか疑問です。科学捜査の精度もすごいでしょうしね。そうでなくても、手についた直後の血は温かいだろうし、少量でも糊が溶けてしまわないのでしょうかね? ピンときませんw 過去の有名作品でも、ネタが割れてしまうようなネタバレは書かないほうが良いと思います;; 難易度の高さを感じましたが、その一端は探偵不在のためかもしれません。探偵役は読者からすると絶対に間違わない・嘘を言わない(嘘をいう探偵もいるけどw)ヒント提供役の役割もあると思いますので。 総じて、読みやすく真面目で完成度の高い推理小説で満足しました。挑戦状こそ無いものの、読み返すべきポイントでそれをほのめかす文章が書かれており、作者の心遣いに痛み入りますw 私はもう一度読み直しましたが、当てることは出来ませんでした…。鍵のトリックを見た時、あまりの自分の馬鹿さに頭を抱えました;; |
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| No.424 | 6点 | 公爵さま、いい質問です- リン・メッシーナ | 2025/12/26 23:47 |
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| ネタバレをしております。また、前作のネタバレになってしまっているかもしれません。
前作がかなり読みやすいコージーミステリだったため、設定を忘れないうちに2作目を買いましたw 今作も非常に読みやすいです。 私は海外ミステリアレルギーのきらいがあり、カタカナの名前の登場人物を覚えるのは苦手です。この作品も多くの登場人物が出ます。にもかかわらず、非常に早く読了できました。作者の文の上手さか、訳者の上手さか、そのどちらもかw ただ、事件にかかわっている人物は少なめなので、覚えやすいというのはあると思います。 今回もベアトリスの成長と変化が楽しめます。 前作で事件を解決し、探偵として覚醒したベアトリスは、事件の謎を目の前にすると大胆な行動をとって捜査をするようになります。前回も他人の部屋に潜入をしていたりしてましたがw また、レディ・アバクロンビーに気に入られ、その助けもあってか、それまで社交界で全く存在感がなかったベアトリスがヌニートンと楽しくおしゃべりしたりするようになれました。ただ、個人的には、普段は全く存在感がなく事件の前だけ名探偵になるベアトリスのほうが、どこかシンデレラ的な魅力があってよかったかもしれませんw さらに、前作ではケスグレイブに対してそこまで大きな恋愛感情を持っていなかった印象でしたが、本作ではもうはっきり好きになっているような気がします。また、ケスグレイブもベアトリスとヌニートンがおしゃべりをしているときに苛立っているような感じもあり、ケスグレイブ側も憎からず想っているのでしょうね(勘違いでなければ)。 推理小説的部分について。 読みやすいコージーミステリに本格推理小説を求めてはいけませんが(?)、前作よりさらに推理小説っぽさが薄くなった感じが否めませんw アリバイ検証やトリックの検証などはなく、ただ動機面から犯人を捜していく流れになります。真犯人にいきつくヒントはかなり小さく、また日本人の私からすれば全く予想できないものでしたw 今作はさらにミステリっぽい恋愛小説のようになりましたw しかし、非常に読みやすく後味の良いあまり考えることなく読める本は、自分にとっては良い本格推理小説と同等に貴重ですw |
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| No.423 | 7点 | 名探偵のはらわた- 白井智之 | 2025/12/22 19:01 |
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| ネタバレをしております。
同作者の名探偵のいけにえが超高評価作品なため、そのシリーズ前作の名探偵のはらわたを読もう! …と思って読んだのですが、実はシリーズものではなかったのでしょうかねw 早とちりしました…。 多分、実際の事件がモチーフとなっている連作短編です。また、現実ではありえない超常現象を利用したトリックもあります。過去の事件を起こした死者が鬼となって蘇る展開です。超常現象にはルールが有り、通常では起こり得ないことではありますが論理的に解決が可能になっております。 推理小説部分だけでなく、本作の主人公の原田亘あだ名がはらわたのストーリーも必見です。現代の名探偵浦野に助けられたとこに始まり、推理をミスしてしまったことや、浦野の防刃ベストを貸してもらったことによって結果的に浦野が死んでしまったこと、憧れの名探偵古城の助手になること、みよ子とその父のヤクザや抗争相手などの関わりなど濃厚に書かれます。そしてそれらがはらわたを成長させ、最終盤で覚醒。けして他人を認めなかった古城に同僚と言わしめます。主人公の成長と覚醒、割と大団円なラストは爽やかで読後感が良かったです。 読みやすさは抜群でした。連作短編のため、色々な事件が発生します。また、多くが過去に事件を起こしたものによる犯行のため、それもいれるとすごい数になります。しかし、作者の文のうまさか、あまり苦なく読めることが出来ます。ただ、難癖点もあるのでそれは後記しますw この作者には珍しく、グロ表現が控えめだったのもプラスですw グロいから低評価!とはしませんが、できればグロくないほうがありがたいですね。 推理小説部分について。 裏表紙には”二度見必至な伏線回収・緻密なロジック・多重解決”と書かれておりますが、本当にそのとおりです。ページ数が少なく感じるほどの多くの伏線と回収とミスリードが盛り込まれ、ほぼ無駄な文が無いような気さえします。多重解決ものはあまり論理的ではなかったり、後出しの情報で説の否定が行われるものもありますが、この作品の説の否定は論理的で納得感があります。 とはいえ、真相以外の説の否定の論理も、真相の説も、あまりに細かすぎる点の積み重ねが論理の元になっており、読んでいて当てられる気が全くしませんでした;; ほとんど一瞬一文にしかかかれないことが重要だったりしますし、思考するよりもまず文を覚えていることのほうが難しいきがしましたw また、読みやすくはあっても作中に登場する事件の数が多すぎます。登場人物も多いですし、いつ誰がどこで何をした?というのを頭に入れるだけで精一杯です。これは、私の頭の性能が低いせいかもしれませんが。 実は私は、最後あたりまでみよ子を疑っておりましたw 論理的なことはさておき、出生やヤクザの娘である事など、なにか怪しいバックボーンが多かったですw しかしそれは作者のまいた餌だったようですw 総じて、読みやすい文に緻密な論理、多重解決によるドンデン返しと爽やかなラストで高評価です。短編の最後の真相を提示する前に、挑戦状でなくても、いまから真相を言うよ~のような匂わせ文を挿入してくれれば、もう少し時間をかけて考えたいところですw まあでも、難易度が高すぎて無理でしょうね。 |
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| No.422 | 5点 | 氷菓- 米澤穂信 | 2025/12/07 20:00 |
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| ネタバレをしております。
この間、古典部シリーズとは知らずに愚者のエンドロールを呼んでしまいましたw なので、今回はシリーズ第一作の氷菓です。話題になっていた(?)のか、なんとなく名前だけは知っておりましたが、今まで読んだことがなかったんですよね。 文章が非常に読みやすく、すぐ読了できましたw すこしライトノベルや漫画のようなノリがあり、キャラクターがセリフ調です。主人公の折木が一番その傾向があるきがしますw ただ、過剰に現実離れしているわけではなく、そういうのが苦手な人でもそれほど違和感がないと思います。 連作短編的な趣向で、千反田の幼少期の謎をメインに、その他小さな謎が3つほどあります。日常の謎なので、大トリックや緻密なロジックではなく、少し考えるとわかりそうな頭の体操的な問題です。 とはいえ、本格推理小説とくらべるとやはりパンチ力不足な感じが否めません。私は日常の謎は嫌いではないはずですが、本作の謎はそれほど興味も引かれず、また解決を見ても面白味に欠けたような印象を持ちました。 総じて、読みやすくて爽やかなミステリ風青春ライドのベルっぽい感じでした。個人的には愚者のエンドロールのほうが好きですが。読みやすい本は重宝するので、また第三作目を買いたいと思います。 |
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| No.421 | 6点 | 煙の殺意- 泡坂妻夫 | 2025/12/03 17:48 |
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| ネタバレをしております。
バリエーション豊かな短編集で飽きが来ない良い作品でした。ちょっとセンチなものだったり、美しいものだったり、ホラーだったり、意表を突く動機だったり、舞台マジック的だったり、日常の謎的だったり…。共通して、ラストには驚きの要素が入っていて満足度が高かったです。 ただ、なぜかこの本の文章と私の相性が悪く、すこし読みづらさを感じて目が滑ってしまいました;; なぜでしょうね?? |
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| No.420 | 5点 | がらくた少女と人喰い煙突- 矢樹純 | 2025/10/11 02:53 |
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| ネタバレをしております。
クローズドサークルかつ、読みやすい推理小説を求めて購入しました。表紙や煽り文もすこしライトノベルようなイメージを持ちました。しかし、ちょっと狙いとは違っていて、テーマは重く文章は硬め(?)でした。 たしかにクローズドサークルで、収集癖のある少女と覗き魔な男性が登場する作品です。ただし、クローズドサークル特有のサスペンス感や緊迫感はなく、連続殺人も2人まででした。収集癖や覗きもあくまでユーモアではなく真面目に書かれております。どちらかというとやや社会派な感じもありました。 とはいえ、軽いから良いとか重いから悪いというわけではなく、推理小説として評価したいと思います。ただ、すこしだけ読みづらかったのは事実ですw 推理小説的要素について。 提示される大きな謎は2つ(多分)。第一の殺人の不可能犯罪と頭部の消失。あとは動機さがしです。また、ラストにはやや叙述トリックめいた仕掛けがあり、アクセントになっていました。 第一の殺人の謎については、犯人が狙い通りに実行したアリバイトリックではなく、強い偶然が絡むものでした。また、真相が明かされてもいまいちイメージができず、本当にそうなるものなのかな?と疑問に思ってしまいました。ちょっとピンときません。 意外な動機・意外な犯人は私の想像を超えていて楽しめましたし、ヒントも与えられていました。しかし、これまたすこしピンときませんでしたw やや相性の悪い小説だったようです…。 ラストの陶子の隠されていた秘密についてですが、ほんとうにうっすらですがちょっとだけ予感しました。やたら仁菜に似ている似ているという描写があり、両親からみの秘密があるのかな?とか…。 総じて、表紙と煽り文のイメージよりも硬派で色々なことを考えさせられる小説でした。一方で、論理的な犯人当てやアリバイトリックが好みの私からすると、すこし薄味な推理小説でした。陶子と桜木の個性的な特徴がもっと活きるようならもう少しよかったかもしれません。 |
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| No.419 | 6点 | 公爵さまが、あやしいです- リン・メッシーナ | 2025/09/27 01:26 |
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| ネタバレをしております。
読みやすい海外翻訳物を探していきつきましたw コージーミステリと冠している小説を読むのは初めてかもしれませんが、ユーモアミステリとは何が違うのかよくわかっておりませんw この作品も非常に読みやすい作品でした。内気だった行き遅れ令嬢ベアトリスが、公爵との出会いで大胆でキレる探偵へと変貌したのが印象的でした。ただ、尊大な公爵は私にはけっこう良いやつに見えて没個性でしたw てっきり、ベアトリスの推理が外れ、公爵が真犯人を指摘するという多重解決ものかと思いましたw 公爵はキャラも探偵度も普通でしたねw 推理小説的にもなかなか楽しめました。 本格推理小説におけるアリバイトリックや緻密なロジックのようなものはないですが、ベアトリスの調査が進むにつれて徐々に犯人の条件とヒントが明らかになっていき、解決シーンでは楽しめました。 端正な推理小説とおなじく、雰囲気が明るく読みやすい推理小説もまた貴重な存在です。この行き遅れ令嬢シリーズや、この本に挿入されていたコージーミステリ紹介パンフの本は重宝しそうですw |
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| No.418 | 6点 | 放浪探偵と七つの殺人- 歌野晶午 | 2025/09/11 20:03 |
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| ネタバレをしています。
ヒッピーっぽい格好の探偵・信濃譲二が活躍する短編集です。久しぶりに信濃譲二ものを読みましたが、記憶していたイメージより普通の真人間でしたw 推理小説界の探偵といえば変人が多いので、相対的に普通に見えてるだけかもしれません。 非常に読みやすい小説を書く印象のある作者の短編で、本作もかなり早く読めました。全体的にページ数は控えめにもかかわらず、しっかりヒントも伏線もミスリードもあり、本格度が高く楽しめます。また、倒叙もの、論理的な犯人当て、トリック、大規模物理トリック、バカミステイストのものもあり、バリエーション豊かで飽きも来ないです。 以下、長くならないように努めつつ、各話の感想を書きます。 ・ドア←→ドア 本当は矢印二本で一文字だったのですが、どうやって出したら良いのかわからないので勘弁してくださいw 鍵を閉めてしまったのはアホだなぁと思いましたw 信濃がドアの交換に気づいたきっかけである清掃局のお知らせが私にはピンときませんでした; 私が集合住宅に住んだ経験がないためでしょうか? ・幽霊病棟 病院の特殊な立地に関する勘違いで起こる謎ですが、深夜とはいえ、犯人はこれに気づかないものなのでしょうかね? いまいちでした。 ・鳥勧請 犯人の男が、関係が破綻していた妻の死体の手を擦りながら泣くところをみて違和感を感じましたが、真相にたどり着けませんでした; そこが最大のヒントだったように思えます。 死体を埋めた庭を隠すようにゴミ屋敷を仕立てるのは大掛かりだと思いましたが、トリック的にも小説的にも面白いアイディアだと思いました。 ・有罪としての不在 冒頭の文章がミスリードにもなり、ヒントにもなる面白い趣向でした。たとえ本編の犯人を論理的に当てたとしても、冒頭と矛盾してしまうので頭を抱えることでしょうねw 私はその域まで行けず、まるで推理できませんでした; この本の中では一番面白かったです。 ・水難の夜 シンプルながら盲点であり、かつ納得感の高い短編でしたw 犯人や信濃の行動の中にもちゃんとヒントが忍ばされていて、フェア度も高かったです。 とはいえ、あまりにも計画性のない犯人だと推理は難しくなりますね; ・W=mgh この本で最もバカミスのノリですw 登場人物もやや明るめな気がしますし、ユーモアミステリとして読める気がします。 私は冒頭でキャスター付き椅子が登場してるのを見て、若干嫌な予感がしたのですが、それが当たった感じでしたw ・阿闍梨天空死譚 有名な短編に似たようなものがあります。ただ、被害者のあがきによって不可能犯罪っぽくなってしまい、それが崇拝の対象にまでなってしまったオチがなんだか笑いを誘いますw ・マルムシ あとがきによると、先例のあるトリックみたいですね。たしかに、考えてみるとこの組み合わせの文字列でしか無理な気がします。 読んでいる最中は関心しましたが、推理小説というよりかは頭の体操やIQサプリ的な面白さでした。 いろいろなタイプの推理小説が読めてお得感の強い短編集でした。丁寧にヒントが出されているのも好感がもてます。 個人的には、有罪としての不在と水難の夜が好みです。 |
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| No.417 | 7点 | 中途半端な密室- 東川篤哉 | 2025/08/28 19:28 |
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| ネタバレをしております。
ユーモラスな作風で抜群の読みやすさを誇る東川篤哉さんの短編集です。 不可能犯罪系やトリック系がおおく、物理トリックから叙述トリックの香りがするものまでざまざまなものがあって楽しめました。ちょっと考えただけではわからないが、解決編をみると納得感のあるのも良かったです。 以下、長くならないようになるべく短く各話の感想を書きます。 ・中途半端な密室 テニスコートは屋根がないため、たしかに中途半端。論点はなぜ内側から鍵を閉めたかですが、非常に納得の行く結末でした。ヒントも多く出ておりましたね。このオチでは殺人ではなく事故なので本来は私の好みではないのですが、短編では長編ほど本格度にこだわりすぎないようにしていますw ・南の島の殺人 アホな私でも、警察が容疑者を通訳にする訳はないと気づきました。しかし、そこから推理は全く進みませんでしたw 通訳関連の違和感も納得のオチで良かったです。 ・竹と死体と 竹といえばしなって曲がる…までは予想できましたが、私の住む地域が全く雪が降らないためか、そこから先は止まってしまいました; 新聞の一面が無くなっていることがアクセントになってますが、本書の中では小粒な印象です。 ・十年の密室・十分の消失 10年前の密室事件と、10分間の館の消失とい大掛かりなマジックのようなトリックです。 10年前の密室については、会話の一文から仮説を立てて広がっていく推理ですが、関係者の記憶もあやふやであり、仮説に仮説が乗っかているような感じで、読者が解くのは難しかったと思います; 館消失トリックですが、マジックのような、秀吉の一夜城のような趣があります。それ自体よりも、なぜそれをしたかのほうがよい謎かもしれません。事実の究明よりも実際的な平和を優先するような、どこかバークリー的(?)なラストも良かったです。 ・有馬記念の冒険 犯人にとってはただの偶然のアリバイトリックなのですっかり騙されましたw テレビを録画しつつ追っかけ再生でタイムラグを利用するトリックは、おもわずなるほどと膝を打ちました。私も利用したことのある機能で、そこからトリックにするミステリ作家の妙を味わいました。 総じて、作者の明るい作風と高い本格度が味わえる優秀な短編集でした。5年10年忘れずに心に残る大トリック!・・・というわけではありませんが、ちょっと考えてもわからないがオチをみると納得できる水準以上の出来だと思います。 |
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| No.416 | 6点 | ずうのめ人形- 澤村伊智 | 2025/08/20 17:18 |
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| ネタバレをしております。私はほぎわんが来るを読んではおりませんが、そのネタバレもしてしまっているかもしれません。
偶然なのですが、ちょうどお盆ぐらいに読了したホラーですw 非常に読みやすい文であり、特に後輩の岩田の死のシーンぐらいからホラー的な面白さが加速していき、そこからはほぼ一気に読めました。 また、巫女のような?霊能力を持つ人物が登場しますが、変にアニメや漫画的やライトノベル的ではなく、その能力も限定的なので、割と硬派だと思います。そういうキャラクターが苦手な人でも抵抗はないと思います。 ホラーなので通常の推理小説のように評価してはいけないかもしれませんが、推理小説によくある手法が使われており、ミステリ党な人でも楽しめる出来になっております。 手記的な作中作と現実世界とが交互に書かれております。推理小説ファンとしては、作中作はどこまで本当なのかとか、作中作の登場人物と現実世界の登場人物に同一人物はいるのか?とか気になるところでした。 主には、りぃこと里穂の残虐な性格が作中作では隠され(しかし伏線は張ってあり)、現実世界の戸波は作中作のゆかりの母でした。戸波については、男性的に書かれているが女性だという、叙述トリック的なテクニックが使用されていました。今思えば、登場人物紹介ページがなく、キャラクターが名字だけとか、注意しなければならない点が多々ありましたが、またも騙されてしまいましたw 以下難癖点。 作中作を使ったドンデン返しは好ましい点ですが、里穂のイメージの違いや戸波の性別の違いを含めても、ホラー的な怖さとは結び付いてない感じがしました。 また、ずうのめの呪いによって下の階の住民100人の死んだことについては、数がでかすぎて怖さよりなぜか笑いが起こってしまいましたw こち亀やドリフの音楽が脳内に流れてしまいました。 総じて、読みやすくきれいに纏まったホラーミステリだと思いました。人間の狂気的怖さはあまりないですが、スピード感のある怖さ(?)が良かったです。 |
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