皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1669件 |
No.289 | 8点 | 彼女が追ってくる- 石持浅海 | 2012/09/23 14:06 |
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倒叙ミステリーです。中条夏子は、愛した男の命を奪ったかつての同僚黒羽姫乃を刺殺した。証拠隠滅を謀ったつもりであったが、死体はなぜかカフスボタンを握っていた。これはいったい何を意味するのだろう。この真相には、かなりの高評価をつけたいと思います。探偵役の碓氷優佳も、クールでなかなかいい味を出しています。特にラストシーン。だだし、犯人の「眠たくなって部屋に戻り、30分後に月を見たくなって外へ出た。」という言葉を「はい、終了」(名セリフ?)として嘘と決めつけてしまうのは、かなり強引ではないでしょうか(笑)。 |
No.288 | 4点 | そして今はだれも- 青井夏海 | 2012/09/22 21:05 |
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名門学園で相次いで退学者が出る。その退学に関し、謎の教師Xが関係しているらしい。ミステリーとしては、そのXを探すのですが、割合簡単に判明しちょっと拍子抜けがします。作者としては、青春物としてのラストに一工夫したと思うのですが、それもあまり響いてきませんでした。読者には、あることを期待させるのですが、当事者にとっては当たり前のことであるので、読者にとっては期待を裏切られたことにはならないのです。 |
No.287 | 6点 | 螺旋館の殺人- 折原一 | 2012/09/19 08:41 |
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作中作ではなく、もっと凝った構成(綾辻行人氏の館物1988.08と同様の構成を意識した?)。著者自身の「倒錯のロンド」をパロディ化した感じがします。二重のどんでん返しがありますが、最後のどんでん返しはほほえましいものです。叙述のお手本みたいな作品でした。 |
No.286 | 5点 | 黒白の囮- 高木彬光 | 2012/09/18 13:15 |
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アリバイトリックなど途中までは大変面白かったのですが、ラスト(犯人像)が好みではありませんのでこの評価。動機についてはあまり気にしないのですが、計画犯罪の場合はしっかりした動機の説明があって欲しいと思います。解決編で動機、方法、証拠などが不明のままでスッキリしませんでした。 |
No.285 | 8点 | 誘拐- 高木彬光 | 2012/09/16 15:00 |
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誘拐された子供の生死を確認しようとしないで、身代金を渡してしまうのは誘拐物語としてどうなのか?そして金銭の授受方法も、完全犯罪を狙う犯人としてはズボラでありすぎるのでは?と疑問だらけでしたが・・・。裏があったのですね。やられました。犯人逮捕へ向けて、弁護士の妻の仕掛けにはビックリ(賛否分かれる?)。まあ、妻は「投機の鬼」なのでいいのでしょう。そして、犯人にとっての意外な法律の罠(落とし穴)が用意されたり、また犯人は犯人で逮捕された時の準備を怠りない(前半の法廷場面が以外と長い~伏線)など楽しめました。 |
No.284 | 8点 | 透明人間の納屋- 島田荘司 | 2012/09/15 14:30 |
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(ミステリーランド)もはや子供向けではないと思います。ミステリーランドの主だった作品の11冊目ですが、さすが島荘という感じですね。抜きん出ています。透明人間のオチをどうつけてくれるのか?一応、子供向けなのでSFチックで終了?と思いきや、キッチリと処理されています。アメリカを批判している意味もラストで解明。スッキリした読後感です。 |
No.283 | 5点 | 私の愛した悪党- 多岐川恭 | 2012/09/14 16:35 |
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「変人島風物詩」とカップリング。プロローグで誘拐事件が起こり、引き続きエピローグ(20年後)となる。そしてエピローグに至る経過が描かれるという構成です。ミステリー度は高くはないのですが、ユーモア(オチャラケ系ではない)があり楽しめました。 |
No.282 | 6点 | 変人島風物誌- 多岐川恭 | 2012/09/13 16:00 |
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変人達が住む島での殺人事件が、のんびりした独自の雰囲気で描かれています。トリックは若干無理があるように思いますが、伏線はきっちりとありますので許容範囲でしょう。語り手(主人公)の飄々として、かつ助平で罪悪感を持っていない性格が、ユーモラスな雰囲気をかもち出しています。 |
No.281 | 4点 | 庭師(ブラック・ガーデナー)- 高瀬美恵 | 2012/09/12 07:15 |
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「マンションに引っ越してきた女主人公が目にしたものは怪しげなHP。異臭騒ぎ、ペット惨殺、子供の転落死と続き、それがリアルタイムでHPに掲載される。掲載者(庭師)は誰なのか。住人は疑心暗鬼にとらわれ、そして狂気が徐々に・・・」と途中まで、サイコホラー系でミステリアスな感じが良く出ていて楽しめたのですが・・・・・。 (以下ネタばれ)裏表紙には「パニック・ホラー」とあり、ホラー系特有の「オチ」があるのではと懸念していたのですが、やはりそのとおりとなってしまいました。残念です。 |
No.280 | 8点 | ナイルに死す- アガサ・クリスティー | 2012/09/11 15:23 |
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この物語の展開であれば、○○が犯人であろうと予想しながら読みましたが、最後までトリックは見破ることはできませんでした。長編ではありますが、登場人物はそれぞれ個性があり、飽きずに楽しく読むことができました。海外ものは、姓で呼んだり名で呼んだりするので、名前が覚えきれないのが難点です。 |
No.279 | 7点 | 五匹の子豚- アガサ・クリスティー | 2012/09/07 18:16 |
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夫を毒殺した罪で捕らえられ、獄中で亡くなった妻。その行動(毒を盗んだ)、言動、動機などにより、どうしても妻が犯人としか考えられない。そして当事者5人の証言は、いずれも食い違いがない。しかし、その証言を繋ぎ合わせていくと、ひとつの絵が浮かび上がってくるというもの。解説にある「ダリのだまし絵のように」は言い得て妙です。妻の毒を盗んだ動機が、死亡しているため不明のままなのが残念です。 |
No.278 | 6点 | キングを探せ- 法月綸太郎 | 2012/09/05 17:32 |
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物語の展開など、よく練られているのですが、パンチをもうひとつ食らわして欲しかったという感じです。犯人が以外とあっさり落ちてしまったのが原因かもしれません。警察側の仕掛けに、もう少し反抗し、粘ってほしかったですね。 |
No.277 | 4点 | 眠り姫とバンパイア- 我孫子武丸 | 2012/09/04 19:19 |
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(ミステリーランド)家庭教師の荻野は、優希(小学5年生)から、死んだはずの父親と3年ぶりに会ったと告白される。優希は「父親はバンパイアだ」と言いだしたりし、夢と現実とが区別がつかなくなっているのでは、と荻野は疑い始める・・・・・。幻想的な雰囲気もあり、途中までは中々いい展開なのですが、解決編が今一つはっきりしない点があること、また、嫌いな「見えるものが見えない」フレーズがあったことなどにより、少し辛めの採点としました。 |
No.276 | 3点 | あなたがいない島- 石崎幸二 | 2012/09/04 14:14 |
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裏表紙「無人島で精神的サバイバル生活が始まる。ここは本格の”約束の地”だった。」に魅かれたのですが、内容はずいぶん、かけ離れたものでした。「日曜日の沈黙」と同様、オチャラケ系でした。作者の意図がよく解らないので、この評価となりました。 |
No.275 | 4点 | 完全犯罪の女- 青柳友子 | 2012/09/02 21:39 |
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資産家に係る3人の女性(妻、娘、長男の妻)が相続を狙う。惨劇が起こり、長男が犯人として捕らえられる・・・。題名から、犯人は女性であると推定され、叙述(ある人物と思わせる)により、それなりに騙されるのですが、意外性があまり感じれれないのです。物語の構成の問題?かもしれません。警察の捜査は甘いと思うし、長男が犯人となった証拠や行動(真犯人が仕掛けたはず?)も、うやむやです。登場人物の強欲さは、うまく表現されていると思いました。 |
No.274 | 9点 | 刺青殺人事件- 高木彬光 | 2012/08/31 17:37 |
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(再読)高評価の「人形はなぜ殺される」より本作の方が、やはり良い(好み)ですね。トリックはこれしかないと読者に思わせるのですが、その真相がなかなか解らない。これこそ心理トリックの醍醐味だと思います。再読なので、伏線もしっかり張ってあることを確認しながら読むことができました。解説(小泉喜美子氏)にある「日本推理小説史上に燦として妖しき光芒を放つ作品」ということでしょう。 |
No.273 | 5点 | スタイルズ荘の怪事件- アガサ・クリスティー | 2012/08/30 11:00 |
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前書き「スタイルズ荘の怪事件」によせては”ネタばれしている”ので先に読まない方が良いと思います。読後(意外な犯人)の印象はだいぶ違ってくると思いますので、前書きがない方がよかったのでは?とつくづく思う次第です。犯人の狙い(仕掛け)は非常に面白いもの(高評価)でしたが、ひとつ好みでない点(私的に大きな減点対象)があり、この評価となりました。ポアロの目的が犯人逮捕以外にもあったりして凝っています。これがデビュー作とは思えませんでしたね。 |
No.272 | 6点 | 夜の熱気の中で- ジョン・ボール | 2012/08/28 22:32 |
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書評を読んで、これは映画「夜の大捜査線」(1967年・主演シドニー・ポワチエ氏)では?と思い手に取りました。黒人の犯罪捜査官が人種差別と闘いながら事件を解決してゆくものです。ミステリー度はそれほどではありませんが、当時の人種差別がよく描かれています。映画では警察署長役のロッド・スタイガー氏(白人)がどういうわけかアカデミー主演男優賞を受賞しています。どう見たって助演だろう!これこそ人種差別ではないかと、当時憤慨したことを思い出しました。 |
No.271 | 6点 | 私が彼を殺した- 東野圭吾 | 2012/08/27 18:36 |
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毒入りカプセルの数だけを追って読んでいたので、3点(バック、瓶、ピルケース)はスルーしてしまいました。判るわけないです(笑)。「流星の絆」の兄妹愛が良かっただけに、本作の兄妹愛は受け入れがたいものでした。 |
No.270 | 4点 | どちらかが彼女を殺した- 東野圭吾 | 2012/08/24 17:26 |
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(ネタばれあり) 設定(犯人が不明のまま。犯人の偽装+兄(警察署勤務)の偽装。兄と加賀刑事との対決)は非常に面白いと思います。しかし、犯人特定については、何人かの方が指摘しているよう納得はできませんでした。利き手を睡眠薬の袋の破れ方から推理(読者)するものですが、これは不可能でしょう?犯人がすべての袋を同じ面、同じ方向から破っているのなら理解できますが、裏にして破ったかもしれないし、上下左右逆にして破ったかもしれないし、左手または右手を手前に引いたかもしれないし・・・・・・この推理自体が誤り?(笑) |