皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
蟷螂の斧さん |
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平均点: 6.09点 | 書評数: 1668件 |
No.908 | 5点 | 瓦斯灯- 連城三紀彦 | 2016/04/21 20:11 |
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裏表紙には恋愛推理小説とありますが、ミステリー度は薄い。各物語には、それなりの反転がありますが、それよりも男女間の心の機微を楽しむといった作品集ですね。「親愛なるエス君へ」だけ異質な作品です。本作は”食の奇譚”として手に取ったものです。 |
No.907 | 5点 | 100冊の徹夜本- 事典・ガイド | 2016/04/20 18:33 |
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海外ミステリー100冊の選出基準は1980年以降翻訳された作品で(1)こんなに面白いのに、あんまり評判にならなかった40冊(2)これは評判をよぶぞと思ったら、案の定、評判をよんだ38冊(3)すでに名声を確立していたけれど、ついとり上げてしまった22冊で、徹夜本(一気読み可能)ということです。ほとんどが未読でした。既読(10冊程度)の平均点は6点で選者とは、まあまあの相性かもしれません。冒険、スパイ、サイコ系サスペンスが多く選ばれているような気がします。紹介文は、~『読後、「やられた!」と口惜しがる<ひっかけ小説>ナンバーワンはこれだ。』悪夢の五日間~というような感じで煽られます。この関連で「摩天楼の身代金」「キングの身代金」「リリアンと悪党ども」「真夜中の詩人」というように他の作品紹介もあります。煽りの激しい10作品程度は読んでみるつもりです。 |
No.906 | 7点 | 家蝿とカナリア- ヘレン・マクロイ | 2016/04/18 11:28 |
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プロローグにおいて「一匹の家蠅と一羽のカナリアとを仲だちとして、ロイヤルティー劇場の殺人劇は解決を見たのだった。」と大胆なヒントを読者に提示しています。がちがちの本格(トリック、プロット、意外な犯人、フェア)のファン(1942年当時)には解けないだろうという自信の表れでしょう。主人公に精神分析学者(心理分析)を据えたところに著者の心意気を感じることができました。容疑者を絞り込んだ展開も読みやすく好感が持てました。 |
No.905 | 5点 | 眼球綺譚- 綾辻行人 | 2016/04/15 09:37 |
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反転では「再生」と「眼球綺譚」に軍配。「特別料理」は同名(1956)のスタンリイ・エリン氏へのオマージュ作品ですね。最後に”二ひねり”あり楽しめました。食の奇譚ものとしては10作品程度となりましたので、「親愛なるエス君へ」(『瓦斯灯』)連城三紀彦氏で打ち止めとしようと思っています。 |
No.904 | 6点 | お・それ・みを 怪奇探偵小説名作選(3)水谷準集- 水谷準 | 2016/04/12 22:04 |
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大正11年(1922)から昭和28年(1953)までに発表された28篇。センチメンタルでロマンティックな雰囲気の作品が多く、大正・昭和という時代を感じさせてくれます。恋と死をテーマにしたものが多いですね。
お気に入りの作品。 ①「恋人を喰べる話」(1926)・・・カニバリズムではありませんが、恋人を失った男の悲哀を描いた作品。 ②「お・それ・みを」・・・墓場あらしがあり、遺体がなくなった。犯人は恋人で気球の研究者であった。ロマンティックな作品。 ③「胡桃園の青白き番人」・・幼なじみの女の子をを洞窟に閉じ込め死亡させたと思い込む。17年間後、死んだはずの幼なじみは生きており、結婚し子供(女の子)もいる。男のとった行動は。サイコ風作品。 ④「まがまがしい心」・・・自殺した彫刻家から、自宅に「心」と題する作品が届けられた。その理由が分からない。最後の一行的作品。 |
No.903 | 3点 | 異形家の食卓- 田中啓文 | 2016/04/12 22:01 |
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裏表紙より~『国際会議のため来日した、ゾエザル王国の外務大臣・ジュサツ。独裁国家に対する強い風当たりにもめげず、常に笑顔をたやさない彼を癒す、おぞましいストレス解消法。つぶれかけたフレンチ・レストランを救った、魅惑の食材の正体。一家団欒のテーブルで告白される、悪食の数々など、全11篇。異才が贈る、駄洒落×ホラー×グロテスクのフルコースを召し上がれ。』~
”食の奇譚”の日本編として探した一冊。読書Mでは、8割以上の方が、グロではあるが面白かったとの評。しかし、グロのオンパレード(極み?)+SF的要素+ダジャレのオチで好みから遠くかけ離れたものでした。代表作?「新鮮なニグ・ジュギペ・グァのソテー。キウイソース掛け」は題名としては結構洒落ていると思うのですけれども・・・(苦笑)。 |
No.902 | 5点 | 雪の墓標- マーガレット・ミラー | 2016/04/11 09:46 |
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主人公の弁護士の行動は、事件の真相を暴こうとしているのかどうか疑問を持ってしまいます。そこが謎でした(笑)。容疑者を弁護しようとすると、犯人と名乗る男が現れてしまうので、展開上やむを得ないか?。結末からすれば、ミステリーというよりも様々な愛の形を描いた作品ということになるのかもしれません。残念ながらラストは伏線が弱ので、ミニ・サプライズに終わってしまいました。 |
No.901 | 6点 | マネキンさん今晩は- コーネル・ウールリッチ | 2016/04/09 16:18 |
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アイリッシュ氏名義でなく、ウールリッチ氏名義の本短篇集に「裏窓」があり手に取りました。ミステリー・サスペンス洋画ベストでは第4位、言わずと知れたヒッチコック監督作品。原作ではグレース・ケリーさん演じた恋人役の登場はありませんでした(残念)。著者らしい作品は、ノンストップ、タイムリミットものの「毒食らわば皿」です。短篇らしい短篇といえるでしょう。オチもいいです。らしくないのは、「爪」で「奇妙な味」系の作品。1940年でこの手の作品を書いていたのは驚きでした。
お気に入りの4作品。 ①「毒食わば皿まで」・・・男は未払い給与を取りに行く。先客がおり金庫を開けるときダイヤル番号を見てしまう。 ②「爪」・・・強盗殺人犯は金の入った箱を開けるとき爪を剝がし現場に残してしまう。犯人は厨房で働く者で警察が来ると証拠を隠そうと爪のない指を ③「裏窓」・・・アパートの裏窓をのぞいていると、長患いしているらしい夫人が突然いなくなってしまう。その夫の行動がおかしい。 ④「睡眠口座」・・・睡眠口座の金をだまし取ることに成功するも、それが大金で新聞沙汰に。 |
No.900 | 8点 | サンタ・ヴィットリアの秘密- ロバート・クライトン | 2016/04/09 08:20 |
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900冊目の書評。主人公が危機を克服してゆくという意味から、広義の冒険小説として本作をとりあげてみました。あらすじ~『イタリアの山奥に住む飲んだくれで恐妻家のボンボリーニという男が主人公です。前市長が退陣し、ひょんなことから彼は新市長になってしまいます。マキャヴェリの「君主論」を柄にもなく何回も読み、そして「信義と自らの利益とが背反する場合、君主は決して信義を守ってはいけない」という一節を口癖とし、徐々に”ずるがしこい人物”へと変貌してゆきます。不信任の危機に際しては、村人機嫌を取るため、ただでワインをふるまうなどしてその危機を乗り越えます。しかし、過去最大の危機を迎えます。ドイツ軍がサンタ・ヴィットリアのワインを接収するというのです。村人にとって命同様の100万本のワインを彼と村人はどうようにして守るのか?相手はエリート将校、強敵です。』~駄目市長とエリート将校との対決・駆け引きが読みどころです。本作は1969年アンソニー・クイン氏主演で映画化され、ゴールデン・グローブ作品賞を受賞しています。アンソニー・クイン氏の名演技と、ラストでのドイツ将校とのやり取りが何とも言えませんでした。映画はマイベスト10の一本です。 |
No.899 | 6点 | コレクター- ジョン・ファウルズ | 2016/04/07 20:29 |
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(英国推理作家協会ベスト100の86位、ミステリー・サスペンス映画ベストの28位)あらすじ~『市役所に勤め、蝶の採集を趣味とする孤独な若い男フレデリック。彼は美術学生のミランダに惹かれるも、社交的な性格ではないため、ただ遠くから観察しているだけであった。しかし彼はサッカーくじに当たり大金を手にした。そして人里離れたところにある地下室付きの屋敷を手に入れ、彼女をそこに監禁してしまうのであった。』~
「コレクター」の視点、「被害者」の視点から描かれており、サスペンスというより文学的要素の強い作品でした。もしかして、「模倣犯」(宮部みゆき氏)は本作を意識して書かれたのでは?と思うようなところもありました。「ローマの休日」のW・ワイラー監督により映画化(1965)されています。特異な恋愛風作品(サイコ・サスペンス)となっており異色作(傑作)といえると思います。原作にあるミランダ視点(日記)による回想部分(年配の画家への思いなど)はなかったと記憶しています。 |
No.898 | 6点 | 特別料理- スタンリイ・エリン | 2016/04/05 20:28 |
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裏表紙より~『まったく何ともいいようのないうまさだった――隠れ家レストラン〈スピローズ〉で供される料理はどれもが絶品ばかり。雇い主ラフラーとともに店の常連となったコステインは、滅多に出ないという「特別料理」に焦がれるようになるが……。エラリイ・クイーンが絶賛した戦慄を呼ぶ表題作をはじめ、アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作「パーティーの夜」など、語りの妙と優れた心理描写を堪能できる十篇を収録した傑作短篇集』~
10篇それぞれ趣の違った作品です。そのうちのお気に入りの数点。 ①特別料理(1947)・・・「奇妙な味」系、内容は前記のとおり。 ②君にそっくり(1952)・・・リプリー(太陽がいっぱい)(1955)の原形とも思える作品。 ③パーティの夜(1954)・・・劇団俳優であるマイルスは、今夜のパーティも、ロングランの劇を続けることも嫌になっていた。しかし、やめることの出来ない理由があった。 ④決断の時(1955)・・・リドル・ストーリー。何かにつけ自信家のヒューは元奇術師のレイモンドと賭けをした。レイモンドが死にそうになる。さてどうする?。 ロアルド・ダール氏とともに「奇妙な味」の短篇の名手であるという紹介が多いのですが、実は表題作以外「奇妙な味」系はほとんどないようですね。”食の奇譚”ものとしてダール氏、ダンセーニ氏、エリン氏の3氏の作品を読んできましたので、国内作家の作品もと思っています。 |
No.897 | 5点 | あなたは誰?- ヘレン・マクロイ | 2016/04/03 12:44 |
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裏表紙より~『「ウィロウ・スプリングには行くな」匿名の電話の警告を無視して、フリーダは婚約者の実家へ向かったが、到着早々、何者かが彼女の部屋を荒らす事件が起きる。不穏な空気の中、隣人の上院議員邸で開かれたパーティーでついに殺人事件が…。検事局顧問の精神科医ウィリング博士は、一連の事件にはポルターガイストの行動の特徴が見られると指摘する。本格ミステリの巨匠マクロイの初期傑作。』~
脅迫されたヒロイン役(20歳)の言動が可愛くない(笑)。そのようにした作者の意図(理由)は理解できるのですが、読者にとって感情移入できないようなヒロインの設定は失敗だったのかも。また、ヒロインの視点で、脅迫の候補者(容疑者)から、ある人物を除外している点はアンフェアではないでしょうか?。 当時(1942)としては先駆的なテーマで、その点は評価したいと思います。そして後発の著者のサスペンス作品にそのテーマが発展的に繋がっていきます。後発作品はその取扱いが非常に巧いと思いましたが、本作についてはまだ初期段階でフェア感でどうかな?といった感じです。 |
No.896 | 5点 | 二壜の調味料- ロード・ダンセイニ | 2016/04/01 09:34 |
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乱歩氏が「奇妙な味」の代表作として絶賛とのことで拝読。当時(1952年の作品)としては、そのような評価が妥当だったのかもしれません。今では判り易い内容ですね。表題作以外は「奇妙な味」とは言えないのでは?と思います。リドル・ストーリー的な作品が多かったです。26作品のうち数点だけ内容紹介。
①二壜の調味料・・・男と同棲の女が行方不明に。男はひたすら薪を作っている。しかし薪を使う様子はない。 ②手がかり・・・犯人によって残された解き賭けのクロスワード・パズルから犯人をどうやって絞り込むのか。 ③一度でたくさん・・・犯人は整形、身長も変えている。見つける方法は駅で待ち続けるだけ。その方法は? ④演説・・・首相候補の演説を中止するよう要求があった。警察は本人を警固するも、その父親が殺害された。その理由は?。 ⑤稲妻の殺人・・・何年も稲妻の落ちるのを待ち続ける男がいたという。 ⑥ネザビー・ガーデンズの殺人・・・殺害現場を目撃、犯人に追われ戸棚に隠れた。やがて警察がやって来て思いもよらないことに。 |
No.895 | 6点 | 不愉快犯- 木内一裕 | 2016/03/30 17:08 |
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題名は「愉快犯」の否定語でもないだろうし、どういう意味なのかと思いましたが、読者や警察・マスコミにとって「不愉快な犯人」というそのままの意味でした(苦笑)。司法・マスコミに対し、完全犯罪を実行してみせるという挑戦の物語です。犯人のいう完全犯罪とは、完全犯罪を達成した事実を世の中に知らしめることができてこそ完全なる犯罪だということです。警察の知恵を試されたような作品でした。ラスト、犯罪とは関係ないのですが、ほのぼの感もあり予想以上に楽しめました。 |
No.894 | 6点 | 追憶の殺意- 中町信 | 2016/03/30 16:55 |
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旧題(徳間文庫)にて。自動車教習生の特性をうまく扱った作品ですね。二重アリバイトリックも良くできていると思います。 |
No.893 | 6点 | ローズマリーの赤ちゃん- アイラ・レヴィン | 2016/03/28 18:27 |
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裏表紙より~『おぞましい悪夢にうなされた夜、ローズマリーは身ごもった。そのときから、彼女の平穏な日々は奇怪な様相を呈し始める。しきりに襲う腹部の異常な激痛と生肉への執着、そして医師や隣人や夫の不審な言動。そのうえ、彼女に何かを知らせようとした友人は怪死を遂げた。だがそれさえも彼女に迫り来る恐怖のほんの序章にすぎなかったのだ! サスペンスの鬼才が大都会に住む現代人の狂気と孤独を描いたモダンホラーの金字塔』~
話は単純で読みやすい。ローズマリーの心理の変化や、恐怖心がよく伝わってきます。米ベスト100位、ミステリー映画ベスト20位。 |
No.892 | 8点 | インフェルノ- ダン・ブラウン | 2016/03/23 20:01 |
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裏表紙より~「(略)ダンテの<地獄篇>の影響を受け描かれた絵には、暗号が隠されているのか?追っ手を逃れヴェッキオ宮殿に向かった二人を次々と危機が襲う!」~
「ダ・ヴィンチ・コード」では、「~に関する記述は、すべて事実に基づいている。」本作では、「~に関する記述は、すべて現実のものである。」としています。この辺はあくまでも”フィクション”なので目くじらを立てることではないでしょう(笑)。上巻は「ダ・ヴィンチ・コード」と同じような進行で、新鮮さはあまり感じられませんでしたが、下巻は、展開にかなりひねりが加えられており、結末も衝撃的なものでした。精神医学での「否○」という概念が結構ポイントになっているように思います。読み終えた後に、この言葉を思い起こさせるのが著者の狙いか?・・・。2016.10映画公開予定みたいです。本作では、フィレンツェ・ヴェッキオ宮殿内のヴァザーリ作「マルチャーの戦い」の壁画に書かれた文字「探せ、さすれば見つかる」がヒントになって登場します。おお!、この壁画の裏に隠されたダ・ヴィンチの幻の壁画のことか?と思いきや話は別の方向へ(涙)。観光案内を兼ねたエンターテイメント作品です。イタリア旅行がしたくなりますね(笑)。 |
No.891 | 5点 | 64(ロクヨン)- 横山秀夫 | 2016/03/22 09:34 |
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前半は、マスコミ対策、内部権力闘争、家庭問題に割かれ、求めているもの(期待したもの)と違っていました。後半は、やっと誘拐事件になり緊迫感は十分伝わってきましたが、肝心の犯人特定の手段(誉めている人が多い)がどうも?・・・という感じです。ラストで、登場人物のその後の動向をもう少しきっちりした形であらわしてほしかったです。 |
No.890 | 3点 | 相互確証破壊- 石持浅海 | 2016/03/20 07:39 |
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ロアルド・ダール氏の「来訪者」はオブラートにくるんだ艶笑譚で思わずニヤニヤ。本作はセックスシーンがストレートで18歳未満禁ですね。ミステリー作家が描くとこうなってしまうのかというほどワンパターンです(大笑)。ミステリー<エロ描写であり、評価はできません。官能ミステリーを書いてほしいと○○○讀物の編集部から依頼されたみたいです。作家もつらいよということでしょうか。 |
No.889 | 7点 | 神坂四郎の犯罪- 石川達三 | 2016/03/19 14:58 |
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(再読)1950年の作品(中編)でミステリーとして書かれたものではありません。形式・内容は「藪の中」(芥川龍之介氏・1921)と似ています。ミステリー要素の強い作品なのでとりあげてみました。森繁久彌氏主演で映画化もされています。「五匹の子豚」(アガサ・クリスティー氏・1943)は5人の証言から真相を導き出すものですが、本作はミステリーではないので、そこまではいきません。事件は、横領と心中幇助です。構成は4人の陳述、被害者の手記、被告・神坂四郎の陳述のみで、裁判の様子は描かれません。ミステリーファンの1人として読んでも、ラストの被告の含蓄ある言葉は印象的なものでした。 |