海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

蟷螂の斧さん
平均点: 6.09点 書評数: 1667件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.1427 5点 犯罪乱歩幻想- 三津田信三 2021/05/15 17:12
歌野晶午氏の「Dの殺人事件、まことに恐ろしきは」とのオマージュ競演は②③⑤、さて、軍配は?
①屋根裏の同居者 4点 同居者の正体、動機はまあまあ。しかし日めくりカレンダーの謎はそっち系かい
②赤過ぎる部屋 6点 衝動殺人者の告白。部屋に入った時にはどうだったの?との疑問は残る
③G坂の殺人事件 5点 物理的トリックはプロバビリティの犯罪?さてどうなんでしょう
④夢遊病者の手 7点 夢遊病者の告白。その後のどんでん返しは著者らしいテイスト(ホラー系)とのこと。乱歩愛が感じられる作品
⑤魔鏡と旅する男 5点 鏡に映る自分が別の動きをする?この真相はうーんどうなんだろう
以上が乱歩氏へのオマージュ作品
⑥骸骨坊主の話 6点 「リング」へのトリビュート。でも怖くはなかった(笑)
⑦影が来る 5点 ドッペルゲンガー現象。その原因は?

No.1426 5点 レディに捧げる殺人物語- フランシス・アイルズ 2021/05/12 17:09
裏表紙より~『リナ・アスガースは、八年近くも夫と暮らしてから、やっと自分が殺人者と結婚したことをさとった……ショッキングな書き出しで始まる本書は、妻を愛し、歓心を得ようとしながら、妻の心とはうらはらな言動をする異常性格の夫に献身的につくす健気な女の不可解な性と、その内心の葛藤を描いて新生面を切り開いた犯罪心理畢生の大作。』~

「エラリー・クイーンの黄金の20(長編10)」とのことで拝読。競馬の資金を妻から引き出そうとする男。それをなんだかんだ都合の良い方に考え許してしまう妻。その心理は到底理解不能。よって感情移入が出来ず、イライラが募るばかりの読書でした(苦笑)。ある読者の方が「愛しすぎ症候群」と評していたのが妙を得ているような。なんとも救いようのない二人の物語でした。

①1866 「ルルージュ事件」 エミール・ガボリオー 7点
②1868 「月長石」 ウィルキー・コリンズ 7点
③1878 「リーヴェンワース事件」 アンナ・キャザリン・グリーン 6点
④1887 「緋色の研究」 アーサー・コナン・ドイル 5点
⑤1913 「トレント最後の事件」 E・C・ベントリー 9点
⑥1920 「樽」 F・W・クロフツ 6点
⑦1925 「アクロイド殺し」 アガサ・クリスティー 10点
⑧1926 「ベンスン殺人事件」 S・S・ヴァン・ダイン 5点
⑨1930 「マルタの鷹」 ダシール・ハメット 7点
⑩1932 「レディに捧げる殺人物語」 フランシス・アイルズ 5点

No.1425 5点 ベンスン殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン 2021/05/09 15:46
「エラリー・クイーンの黄金の20(長編10)」とのことで拝読。心理的推理を強調し過ぎです(笑)。5分で犯人が判ったと言わしめたものは、心理的推理とは言い難いですね。結局、現場の状況の分析からの推理に他ならないわけですから。特に身長などの分析や犯人像などは・・・。まあ、美術の例(誰が作者か?)での心理的推理は分かりやすかったのですが、それが事件にすべて当てはまるわけでもないし・・・。5人以上の容疑者を一人一人潰していく読書は疲れました。

No.1424 9点 クリスマス・プレゼント- ジェフリー・ディーヴァー 2021/05/07 18:06
どんでん返しの連続
①ジョナサンがいない 9点 題名にしてやられました。巧い
②ウィークエンダー 6点 強盗と人質との攻防が楽しめる
③サービス料として 8点 夫が幽霊の真似をして妻を精神異常者にしようとたくらんでいるらしい。その相談を受けたセラピストは・・・
④ビューティフル 5点 スーパーモデルがストーカー被害に・・・
⑤身代わり 8点 人妻は前科のあるという男に夫殺しを依頼するが・・・
⑥見解 7点 犯人を目撃しているはずの人物は見ていないと主張する。何故?
⑦三角関係 10点 注意深く読んで一点おやっ?と思った。やはりそれが伏線だった(笑)。完敗です
⑧この世はすべてひとつの舞台 7点 復讐もの。シェークスピアが登場。当然お芝居はうまい
⑨釣り日和 8点 家ではいいパパ。でもストレス発散のため釣りに行くのが唯一の愉しみ・・・ブラック!!
⑩ノクターン 7点 バイオリンを奪った少年。いい話系でホッとする
⑪被包含犯罪 8点 検事は証人全員を買収している殺人者を有罪にできるのか?
⑫宛名のないカード 6点 妻の浮気を疑う夫はやがて殺意を・・・
⑬クリスマスプレゼント 9点 母親が行方不明。娘は母と離婚している父親を呼ぶ。二人がよりを戻してけれればと願うが・・・物語自体がツイストしている
⑭超越した愛 8点 男は彼女との愛について友に語る。それは超越した愛なのか?!
⑮パインクリートの未亡人 6点 会社を引き継いだ未亡人に男が近寄ってきた・・・
⑯ひざまずく兵士 8点 箱入り娘がストーカーされた。娘の父親は殺意を抱くのだが・・・

No.1423 7点 世界推理短編傑作集5【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2021/05/05 11:23
①「ボーダー・ライン事件」マージェリー・アリンガム 5点 世界短編傑作集3で書評済
②「好打」E・C・ベントリー 5点 ゴルフ場で変死体。落雷とされたが・・・
③「いかさま賭博」レスリー・チャーテリス 6点 いかさまポーカーの勝負。セイントがやはり上手?
④「クリスマスに帰る」ジョン・コリアー 8点 妻を殺害。ショートショートらしいオチ
⑤「爪」ウィリアム・アイリッシュ 8点 マネキンさん今晩は―コーネル・ウールリッチ傑作短篇集〈4〉で書評済
⑥「ある殺人者の肖像」パトリック・クェンティン 9点 昔、友人の父親が自殺。今思えば・・・。モチーフは「わが子は殺人者」に繋がっている
⑦「十五人の殺人者たち」ベン・ヘクト 8点 医者の告白。ミステリーの逆ヴァージョンで珍しい作品
⑧「危険な連中」フレデリック・ブラウン 7点 「さあ、気ちがいになりなさい」(ぶっそうなやつら)で書評済
⑨「証拠のかわりに」レックス・スタウト 5点 プロットは分りやすい。語り口を楽しむ作品
⑩「妖魔の森の家」ジョン・ディクスン・カー 9点 「妖魔の森の家」で書評済
⑪「悪夢」デイヴィッド・C・クック 4点 一人で夫を待つ妻の恐怖。オチはありません(苦笑)

No.1422 7点 世界推理短編傑作集4【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2021/05/02 19:05
①「オッターモール氏の手」トマス・バーク 8点 この時代(1929)サイコパスという概念はなかったはず。動機のない殺人を不気味に演出している
②「信・望・愛」アーヴィン・S・コップ  8点 脱走犯3人の運命は?皮肉に満ちている
③「密室の行者」ロナルド・ノックス 8点 「世界短編傑作集3」(旧版)で書評済
④「スペードという男」ダシール・ハメット 6点 謎解きとはビックリ(笑)。ただ、犯人の工作(マークなど)はちょっぴりあざとい感じがする
⑤「二壜のソース」ロード・ダンセイニ 7点 「世界短編傑作集3」(旧版)で書評済
⑥「銀の仮面」ヒュー・ウォルポール 7点 他人の生活の中に侵入してくる不気味さ
⑦「疑惑」ドロシー・L・セイヤーズ 5点 新しい家政婦は毒殺魔?王道です(苦笑)
⑧「いかれたお茶会の冒険」エラリー・クイーン 5点 著者のお気に入りらしい。クイーンによる演出は余計だったかなあ
⑨「黄色いなめくじ」H・C・ベイリー 5点 子供を絡めた点がいただけない

No.1421 6点 世界推理短編傑作集2【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2021/04/30 18:19
8点、9点ものがないのが寂しい。
①「放心家組合」ロバート・バー 5点 「奇妙な味」との謳い文句ですが、そのイメージとは違うような。詐欺グループと自惚れ探偵の騙し合いのような話。高評価のようですが、どこがいいのか分かりません
②「奇妙な跡」バルドゥイン・グロラー 5点 探偵の切れ味なんでしょう。古典の評価は難しい
③「奇妙な足音」G・K・チェスタトン 5点 「ブラウン神父の童心」で書評済
④「赤い絹の肩かけ」モーリス・ルブラン 7点 ルパンシリーズを代表する短篇とのこと。ルパンものの短篇はまったく未読なので新鮮でした
⑤「オスカー・ブロズキー事件」オースチン・フリーマン 6点 倒叙小説の嚆矢とのこと。当時としては科学的分析が特徴ですね
⑥「ギルバート・マレル卿の絵」V・L・ホワイトチャーチ 5点 貨車の真ん中の一両が消える。まあ子供騙しのような
⑦「ブルックベンド荘の悲劇」アーネスト・ブラマ 6点 有名物理トリックのお手本
⑧「ズームドルフ事件」M・D・ポースト 7点 こちらも有名物理トリックのお手本
⑨「急行列車内の謎」F・W・クロフツ 4点 列車内の密室。このトリックはよくわからん

No.1420 7点 世界推理短編傑作集1【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2021/04/29 17:51
①「盗まれた手紙」エドガー・アラン・ポーポー 8点 「ポオ小説全集4」で書評済
②「人を呪わば」ウィルキー・コリンズ 6点 1858年の作品 「月長石」の作者がこのようなユーモア系の作品を書くとは。笑えます
③「安全マッチ」アントン・チェーホフ 6点 マッチを持っている人物が犯人?。この人物がおとぼけで笑ってしまう
④「赤毛組合」アーサー・コナン・ドイル 6点「シャーロック・ホームズの冒険」で書評済
⑤「レントン館盗難事件」アーサー・モリスン 5点 何故高価な宝石を盗まずに安物を選んだか?当然そうなるよね
⑥「医師とその妻と時計」アンナ・キャサリン・グリーン 8点 盲目の医師が自分が犯人という。しかし、動機を言わない。短篇なのに重厚。悲しい人間ドラマ
⑦「ダブリン事件」バロネス・オルツィ 7点 遺言書の真贋。これが「隅の老人」という安楽椅子探偵の作品だったのですね。お初でした
⑧「十三号独房の問題」ジャック・フットレル 9点 独房からの脱出もの。題名はよく目にしていました。なるほど傑作

No.1419 7点 世界推理短編傑作集3【新版】- アンソロジー(国内編集者) 2021/04/28 17:29
新版(世界推理短篇傑作集)と旧版(世界短編傑作集)とでは、3編が入れ替わっています。④~⑩は旧版で評価済み。
①「三死人」イーデン・フィルポッツ 9点 三人が殺されたが動機が見当たらない。証拠を積み上げて謎を解くものではなく、状況証拠から心理を読み解くもので感心感心(笑)
②「殺人者」アーネスト・ヘミングウェイ 3点 題名は「殺し屋」が妥当でしょうね。二人の殺し屋が町の食堂にやって来て、ある人物を殺そうとする。絶品であるらしいが、短編としてのオチもなくよくわかりません
③「窓のふくろう」G・D・H&M・コール 7点 ラッパ銃(散弾)で撃たれた死体。犯人はどこから撃ったのか?部屋にはそれらしい場所がない。血痕から思わぬ展開
④「キプロスの蜂」アントニー・ウイン 7点
⑤「堕天使の冒険」パーシヴァル・ワイルド 6点
⑥「茶の葉」エドガー・ジェプスン& ロバート・ユーステス 7点
⑦「偶然の審判」アントニイ・バークリー 9点
⑧「イギリス製濾過器」C・E・ベチョファー・ロバーツ 4点
⑨「夜鶯荘」アガサ・クリスティー 6点
⑩「完全犯罪」ベン・レイ・レドマン 6点 

No.1418 7点 一ダースなら怖くなる- 阿刀田高 2021/04/27 17:45
(再読)著者らしいブラックユーモアが堪能できました。
①妖虫 7点 合成樹脂を食べる虫を発見、金もうけを夢見るが・・・。発表当時はインパクトがあった。しかし今ではオチはすぐわかってしまう
②スリランカ気質 3点 その意味の説明だけかい?
③友を裏切るなかれ 9点 友と買った宝くじが当たり、友を殺してしまう。やがて刑事が来て・・・これぞ短篇のどんでん返し
④進化論ブルース 6点 結婚まじかの二人。お互い告白することが・・・思わず噴き出した。SF風
⑤結婚嫌い 7点 結婚を考えている若者に、離婚経験者が語る。結婚なんて止めた方がいいと。ほんとに「余計な」お節介をしてしまったものだ
⑥湖畔の女 6点 生き血を吸う代わりに夢を与えてくれるという謎の女性。私は血を吸われた?
⑦閉じた窓 8点 窓の外の庭に幽霊が現れる?ブラック系ホラー
⑧雪うぶめ 8点 少年期のあやまりが20年後に・・・陰鬱で重い。幻想ホラー系
⑨格子模様の夜 7点 主人公(作家)が小説の中から現実の世界へ抜け出すと・・・小説へ戻ってからのオチ
⑩女難 6点 女運のない男。死ぬときも運がない
⑪背後の女 5点 心中の片割れが幽霊に?
⑫青い瞳 6点 戦後、不明となったダイヤを探す旅へ。欲をかくと・・・

No.1417 7点 異常の太陽- 森村誠一 2021/04/26 18:43
①鳩の目 6点 銀行員の富枝は愛人のため小切手詐欺を手伝う。愛人から民芸品鳩車を土産にもらったが鳩の目が欠けていた・・・
②異常の太陽 5点 子供の描いた絵がヒントというが、その説(心理分析)にはリアリティがない
③赤い蜂は帰った 8点 実験で放った赤い蜂が一匹だけ別の場所で発見された・・・結末(刑事の推理)と地の文で矛盾があると思って読み直したら、ちゃんと書いてありました。完全に引っかかりました。よって+2点(笑)
④残酷な視界 5点 「裏窓遊び」と称して覗きするOL。殺人現場を目撃してしまう・・・彼女の運命は?
⑤肉食の食客 7点 私の母と関係を持ち、更に妻にまで色目を使う叔父に、私は殺意を抱く。古典にあるパターンですが「蟻」をうまく使っています
⑥奔放の宴 8点 妻が結婚前、友人に騙され乱交パーティに参加していることを知った夫は・・・殺人事件が絡むどんでん返し
⑦七日間の休暇 7点 父なし子のたどる半世紀。ひき逃げされ記憶を失った女性と旅をするが・・・社会派風。むなしいラスト

No.1416 8点 密閉山脈- 森村誠一 2021/04/25 17:30
このトリックは自分にとって初出であり、皆さんと違いポイントは非常に高いです(笑)。山での荼毘のシーンは迫力がありましたねえ。また、殺人ではないかと気付くきっかけもよくできていると思います。ただ、ヒロインの心理(恋心)の変遷は微妙かも?。まあ、総合的に見て大変良くできた力作であると思います。

No.1415 6点 雲の中の証人- 天藤真 2021/04/24 16:14
①雲の中の証人 8点 弁護士からあり得ないアリバイ証人を捜すよう仰せつかった。絶対無理!しかし、奇跡は望むところに起きる???。途中の推論が絶品で、これが真相だったら大どんでん返し(笑)
②逢う時は死人 5点 横領の発覚を恐れ自殺?。日記にはNなる女性の影が・・・初期の作品で、ユーモア系ではない。偶然がご都合主義かなとの印象
③赤い鴉 6点 一過性精神障害で無罪の判決。その真似をしようと試みるが・・・シリアス系
④公平について 6点 最初の裁判で、窃盗犯は証拠がなく無罪に。さて、2回目は?ユーモア系
⑤悪徳の果て 6点 悪徳産婦人科の話。解説の「秘められた愛を見詰める作者の優しさが伝わってくる」より嫌悪感の方がつよく後味は悪い。フォローできるような人物ではない(苦笑)
⑥或る殺人 7点 題材は社会派風ですが、著者らしい雰囲気の作品でした。こんなとんでもない裁判官が昔はいたのかなあ・・・

No.1414 7点 さあ、気ちがいになりなさい- フレドリック・ブラウン 2021/04/23 17:29
異色作家短篇集の一冊
①みどりの星へ 8点 地球への帰還欲求が高じて・・・ラストの狂気は哀れ
②ぶっそうなやつら 7点 脱獄犯の報に駅にいる二人はお互い疑心暗鬼に・・・笑える
③おそるべき坊や 6点 何も知らないいたずら坊やが世界を救う???発想が面白い
④電獣ヴァヴェリ 7点 電波を喰う侵略者が地球にやってきた・・・ノスタルジック
⑤ノック 7点 地球上にたった一人残された男の部屋にノックの音が・・・・・誰??ニヤリ
⑥ユーディの原理 5点 暗示をすると実現する装置。小説を書きたい。すると・・・
⑦シリウス・ゼロ 6点 異星人は地球人の思いや考えから絶世の美人を作り出したが・・・ほっこり
⑧町を求む 4点 ヤクザが町を支配したい。その町とは・・・皮肉
⑨帽子の手品 7点 帽子からねずみを取り出した青年は宇宙人? ユーモアorSF?
⑩不死鳥への手紙 5点 18万年も生きてきた男のメッセージ。まとも過ぎるかも
⑪沈黙と叫び 5点 駅長はベンチに座る男に対し人殺しと叫ぶが、男は耳が聞こえない振り?。不条理
⑫さあ、気ちがいになりなさい 8点 記憶喪失の男。実は記憶はあるのだ。自分がナポレオンであるという・・・SF的解釈をしないと混乱必須

No.1413 7点 激突!- リチャード・マシスン 2021/04/22 18:33
①激突! 8点 スピルバーグ監督の「激突!」(1971年)の原作。映画は、ほぼ原作どおりで2、3のエピソードが追加されていたように思います。あおり運転をするタンクローリーのドライバーが不気味です。このプロットを考え付いた者勝ちといった感じ
②狂った部屋 5点 怒り易い男が妻や家具などに当たり散らす。その結果・・・ホラー系
③屠殺者の家 6点 ゴースト・ストーリー。若い女性(肖像画)の性的な誘いがあるところがユニーク
④蒸発 7点 妻が消え・・と言っても普通の蒸発ではない。ラストはなんとも言えない余韻。SF系ホラー
⑤不吉な結婚式 7点 彼は木曜日の結婚式は悪魔のせいでダメという。悪魔の迷信を信じる彼は花嫁の「抱き上げて敷居を超えて」に対し・・・笑えるショート・ショート

No.1412 6点 殺人鬼(角川文庫版)- 横溝正史 2021/04/21 17:31
①殺人鬼 6点 おおよその筋は予想できる。金田一の推理もほぼ推論で終始
②黒蘭姫 4点 黒蘭姫と呼ばれる万引き常習犯が殺人?
③香水心中 6点 善人がはずみで二度も殺人を犯してはいけません(苦笑)
④百日紅の下にて 8点 前半は乱歩+谷崎潤一郎風でいい雰囲気、後半は毒入り事件を解くという展開となり、ややチグハグな感じを受けましたが真相で挽回

No.1411 6点 笑え、シャイロック- 中山七里 2021/04/20 18:01
裏表紙より~『入社3年目の結城が配属されたのは日陰部署の渉外部。しかも上司は伝説の不良債権回収屋・山賀。憂鬱な結城だったが、山賀と働くうち彼の美学に触れ憧れを抱くように。そんな中、山賀が何者かに殺され――。』

~半沢直樹に対抗?と思ったら、出版社よりの依頼(金融もの)だったそうです。当然、殺人も入れてとのことですが、ミステリーとしての殺人はオマケ程度でした(苦笑)。やはり、メインは金融機関の裏方業務である債権回収の物語にあります。回収のアイデアは現実にあるかも?と思わせるようなレベルで結構楽しめました。

No.1410 5点 マツリカ・マトリョシカ- 相沢沙呼 2021/04/19 17:26
前作のシリーズを読んでいないので背景(謎の女性マツリカや主人公の姉の存在)が分からない。概要は説明して欲しいところ。好みの問題なので仕方ないのだが、多重解決ものにほとんど興味が湧かない。一つでも面白い推理あればと思うのだが、それがないと高評価は中々つけがたい。「なぜ胸ポケットに自転車の鍵が入っていたのか?」が最大の「カギ」になるのだが、これに必然性を感じられないのが弱い点。まあ、これがないと物語自体が成立しないのだが・・・。密室ものはよほどのトリックでないと・・・・とも思う次第です。

No.1409 7点 一角獣・多角獣- シオドア・スタージョン 2021/04/18 06:24
いかにも異色作家の作品集と言えます。小難しい表現が多いので、一読や流し読みでは意味不明の恐れあり
①一角獣の泉 7点 青年デルは地主の娘リタに翻弄させられ盲目に・・・幻想的な大人の童話
②熊人形 6点 熊人形が怪物だった?・・・予知夢
③ビアンカの手 5点 知的障害のある娘。彼女の美しい手に魅せられた青年の行く末は・・・フェチ系のホラー
④孤独の円盤 9点 円盤を目撃した女性が自殺未遂。その理由は?・・・題名の意味が分かる愛の物語
⑤めぐりあい 7点 青年は理想の恋人に出会う。人間の創造力には、心霊的な世界に触れ、具象化させる力があるらしい・・・摩訶不思議な「シジジイ」の世界
⑥ふわふわちゃん 6点 男は猫が嫌い。猫も男を嫌っている。その結果・・・しゃべる猫が登場
⑦反対側のセックス 7点 シャム双生児が殺された?・・・⑤の「シジジイ」の具体的な説明がなされるSF
⑧死ね、名演奏家、死ね 8点 俺は幸運をつかむバンドリーダーが憎い・・・題名にもこめられている怨念
⑨監房ともだち 5点 同房の男の胸が異常に大きい。脱走するというが・・・洗脳?
⑩考え方 6点 逆の発想をする男。その弟が殺された・・・その行動(考え方)は一瞬面白いと思うが結局同じ結果じゃないの?

No.1408 5点 夫以外- 新津きよみ 2021/04/17 19:19
「夫」がキーワードとなっている短篇集。イヤミスかと思いきや
①夢の中 6点 夫を亡くした聖子は何事にも夢中になれない。イケメンの亡父の甥が現れると…プチどんでん返し
②元凶 7点 口も利かない夫。妻は事故で記憶喪失に・・・ユーモア系
③寿命 4点 未婚の母であった私も還暦。娘が妻子ある男性と。私は父から目の黒いうちは許さないと言われたが・・・
④ベターハーフ 6点 夫婦間でないと臓器提供はできないと言われ・・・
⑤セカンドパートナー 4点 結婚してから害のない男友達といっても、夫は理解せず・・・
⑥紙上の真実 5点 女性にとって、姓、家とは?

キーワードから探す
蟷螂の斧さん
ひとこと
ミステリーは、作家中心では読んでおらず、話題作や、ネットでのお勧め作品を読んでいます。(2013.6追加~本サイトを非常に参考とさせてもらっています。現在は、読後、類似なトリック・モチーフの作品を探した...
好きな作家
ミステリー以外で「石川達三」、短編で「阿刀田高」、思想家で「荘子」
採点傾向
平均点: 6.09点   採点数: 1667件
採点の多い作家(TOP10)
アガサ・クリスティー(53)
折原一(48)
中山七里(34)
松本清張(28)
アンソロジー(国内編集者)(22)
歌野晶午(20)
東野圭吾(20)
西村京太郎(20)
島田荘司(20)
阿刀田高(18)