皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
|
kanamoriさん |
|
|---|---|
| 平均点: 5.88点 | 書評数: 2475件 |
| No.1015 | 5点 | ダイヤル7をまわす時- 泡坂妻夫 | 2010/08/16 18:13 |
|---|---|---|---|
| ノン・シリーズのミステリ短編集。
ヴァラエティに富む内容ですが、寄せ集めという感が無きにしも非ず。 本格的な犯人当てにヒネリを加えた「ダイヤル7をまわす時」と、女性心理の日常の謎「広重好み」の2編はテイストが全然異なりますが、ともに印象に残りました。 |
|||
| No.1014 | 6点 | 奇跡の男- 泡坂妻夫 | 2010/08/16 17:56 |
|---|---|---|---|
| ノン・シリーズのミステリ短編集。
すべて出来がいい作品が揃っているわけではありませんが、独特のロジックは相変わらず楽しめた。 奇蹟的な幸運に恵まれる男の秘密「奇跡の男」や、特異な設定の不可能犯罪もの「妖異蛸男」は、ともに強引ながら亜シリーズに通じるテイストがあります。 |
|||
| No.1013 | 5点 | 生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術- 泡坂妻夫 | 2010/08/16 17:30 |
|---|---|---|---|
| 再び、本自体にユニークな仕掛けが施されていますが、肝心の物語が平凡で、前作「しあわせの書」と違って、本の仕掛けと小説の内容が有機的に関連していないので、大きなカタルシスは得られなかった。 | |||
| No.1012 | 6点 | しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術- 泡坂妻夫 | 2010/08/16 17:30 |
|---|---|---|---|
| ヨギ・ガンジーシリーズの長編ミステリ。
新興宗教団体の後継問題に絡んだ事件に関わります。宗教団体の教典「しあわせの書」の秘密はまずまずですが、物語自体はいたって平凡。なんといっても本書の非常にユニークなところは、教典の秘密を読者に実物で提供してくれる仕掛けで、作者の稚気溢れるアイデアは素晴らしい。 |
|||
| No.1011 | 6点 | ヨギ ガンジーの妖術- 泡坂妻夫 | 2010/08/16 17:30 |
|---|---|---|---|
| 超常現象のトリックを暴く連作ミステリ。
ヨギ・ガンジーら三人組の特異なキャラが、とぼけた感じで面白いのですが、過度にドタバタ的なユーモアに寄りかかることなく、真っ当なハウダニットを追及している点が好印象。 なかでは、「ヨギ ガンジーの予言」が奇術テクニックを使った作者らしい作品で個人的ベストです。 |
|||
| No.1010 | 6点 | 妖盗S79号- 泡坂妻夫 | 2010/08/15 21:20 |
|---|---|---|---|
| 正体不明の怪盗を主人公にした連作短編集。
最初の数編はハウダニット趣向の魅力もあって、ニック・ヴェルベットを思わせる好みの内容でしたが、徐々にミステリ的にゆるめの内容になってしまったのはちょっと残念。 収録作のなかでは、「生きていた化石」が好みの一編です。 |
|||
| No.1009 | 6点 | 花嫁は二度眠る- 泡坂妻夫 | 2010/08/15 21:10 |
|---|---|---|---|
| フーダニットものの端正な本格ミステリで、従来の泡坂作品のテイストがほとんど感じられないという点で、逆説的に異色作です。
伏線が丁寧に張られているところは好印象ですが、アリバイ・トリックは大した出来ではないですね。 |
|||
| No.1008 | 6点 | 妖女のねむり- 泡坂妻夫 | 2010/08/15 20:45 |
|---|---|---|---|
| 「湖底のまつり」のテイストをさらに推し進めた感のある幻想風ミステリで、テーマは輪廻転生です。
主人公格の男女ふたりとも前世の記憶を持っているという前提が魅力的で、ミステリである以上、合理的に解決できるのかという興味で物語に引き込まれました。 解決は、多少強引ではありますが、いくつかの伏線がきれいに回収される様は圧巻で、結末も余韻が残る騙し絵ミステリでした。 |
|||
| No.1007 | 4点 | 喜劇悲奇劇- 泡坂妻夫 | 2010/08/15 20:22 |
|---|---|---|---|
| 奇術師を主人公にショーボート上での芸人連続殺人を描いていますが、ミッシングリンクやフーダニットの興味は、殺人の背景が早めに明らかになることもあって主体とはいえません。
回文づくしの趣向や船上のドタバタ劇が中心で、ちょっと嗜好から外れた作品でした。 |
|||
| No.1006 | 6点 | 迷蝶の島- 泡坂妻夫 | 2010/08/15 20:09 |
|---|---|---|---|
| 叙述に趣向を凝らしたフランス・ミステリ風のテイストがある作品で、名前でのミスリードの手法は数年前に話題になった叙述トリックものの恋愛ミステリを連想させます。
登場人物が少ないため、仕掛けが分かり易いところが難点ですが、手堅くまとめたまずまずの良作という感じです。 |
|||
| No.1005 | 7点 | 煙の殺意- 泡坂妻夫 | 2010/08/15 18:11 |
|---|---|---|---|
| やはり、著者の神髄は短編にあることが実感できたヴァラエティに富むノンシリーズのミステリ作品集。
好みでいえば、「椛山訪雪図」が個人的ベスト。水墨画に隠された仕掛けと殺人事件の絡みが巧妙。 ほかに、「煙の殺意」「紳士の園」「狐の面」「開橋式次第」などが氏のテイストがよく出た佳作だと思います。無茶なロジックが入った作品もありますが、亜シリーズに準じる奇想が楽しめます。 |
|||
| No.1004 | 6点 | 花嫁のさけび- 泡坂妻夫 | 2010/08/15 17:34 |
|---|---|---|---|
| 泡坂氏のミステリということを前提に読むと、物語の隠された構図はなんとなく分かってしまいますが、客観的な評価だと、よく出来たミステリという印象です。
主要人物の内面描写がほとんどありませんが、「レベッカ」の本歌取りのプロットだとか、周りの人物の行為によって、読者をミスディレクションする手法が採られています。 基本となるアイデアはオリジナリティに欠けますが、小技の技巧がたくさん凝らされた佳作だと思います。 |
|||
| No.1003 | 6点 | 湖底のまつり- 泡坂妻夫 | 2010/08/15 15:42 |
|---|---|---|---|
| 探偵小説誌・幻影城の連載で読みましたが、連載第2回を読み始めて戸惑った覚えがあります。編集部の印刷手配ミスかと思いました、前号と同じ内容の物語が綴られていたので。
大胆なトリックが使われていて、幻想的雰囲気の物語が不可思議性を助長していますが、ちょっと無理があるトリックだと思いました。余韻のあるエンディング・シーンはなかなかよかったですが。 |
|||
| No.1002 | 5点 | 赤と白の賭け- 仁木悦子 | 2010/08/15 15:07 |
|---|---|---|---|
| ミステリ短編集(講談社文庫版)。
主婦探偵・悦子が雛人形から出てきたメモをもとに推理を展開する「ひなの首」とか、こどもを主役に殺人事件を描いた2編「石段の家」と「悪漢追跡せよ」が好みのテイストでした。 やはり、こども視点の物語になると描写が生き生きしているように思います。 |
|||
| No.1001 | 6点 | 暗殺教程- 都筑道夫 | 2010/08/15 14:47 |
|---|---|---|---|
| ジェームス・ボンドの世界をそのまま持ってきたような娯楽スパイ・アクション小説。
日本の秘密警察員・吹雪俊介が、謎の国際陰謀組織と対峙するチープ感ただようB級アクションものですが、使われる小道具のアイデアやしゃれた会話が満載で楽しめた。 |
|||
| No.1000 | 5点 | ベンスン殺人事件- S・S・ヴァン・ダイン | 2010/08/15 14:10 |
|---|---|---|---|
| 匿名の素人探偵ファイロ・ヴァンス初登場作品。
事件自体は、「グリーン家」や「僧正」と比べると小粒で地味な内容で、探偵の芸術関係のペダントリー連発もうっとうしい限りです。 再読したのは、ある評論で叙述の特異性に触れていたからです。当シリーズはワトソン役である「私」ヴァン・ダインの一人称視点で語られていますが、彼は現場に居るにも関わらず、いっさい口出しせず、存在感がまったくありません。 これは、一人称視点なのに神視点だと錯覚させる”視点誤認の叙述トリック”の先駆ではないでしょうか(笑)。 |
|||
| No.999 | 6点 | 大いなる眠り- レイモンド・チャンドラー | 2010/08/15 12:35 |
|---|---|---|---|
| 私立探偵もののハードボイルド小説を確立させたといわれる著者の長編第1作。
冒頭の、マーロウが依頼人である富豪の屋敷を訪れるシーンから印象に残る場面の連続で、巧みな比喩表現とマーロウの洒落た軽口も併せて読ませます。 一方、不満点もいくつかあり、プロットが整理されていない点と、影の主役である失踪した長女の夫の造形が不足すること。後者は将軍の口からもっと明らかにしたほうがよかったと思う。 また、訳文も不満。感覚が古いのはやむを得ないとしても、特にマーロウの会話文で、自身を「僕」といってみたり、”off course” もしくは”yes”の意味で「もち」を連発させているのは相当違和感がありました。 |
|||
| No.998 | 6点 | 名探偵の世紀- 事典・ガイド | 2010/08/14 16:17 |
|---|---|---|---|
| エラリー・クイーンを中心に、米国の黄金時代の探偵小説作家を多方面から紹介する読書案内。エッセイ&評論&座談会に未訳短編の収録など内容はけっこう充実していると思います。
とくに、法月綸太郎氏のクイーン作品の分析は、独特の切り口で、「災厄の町」が「Yの悲劇」の改良ヴァージョンでプロットに共通点が多いという分析は、眼から鱗という感じでした。 |
|||
| No.997 | 7点 | 彼女はたぶん魔法を使う- 樋口有介 | 2010/08/14 16:04 |
|---|---|---|---|
| せつない探偵・袖木草平シリーズの第1作。
元警視庁の刑事でルポライターの主人公が、元上司の女性警部から仕事を回してもらい私立探偵もどきの活動をするうちに、というのが大筋のストーリー。 主人公の造形にはハードボイルドっぽいところがない。別居中で有名社会評論家の妻には頭があがらず、小学生の娘には同情され、事件で出会う女性(なぜかみんな美女)には、好意を得ること止まり。 大人になりきれない中年探偵の絶妙の軽口と苦笑を誘う内面描写が面白く、読み始めると癖になるシリーズです。 |
|||
| No.996 | 7点 | 影丸極道帖- 角田喜久雄 | 2010/08/14 15:38 |
|---|---|---|---|
| 作者の初期の伝奇時代小説はミステリ趣向が施されているものが多いですが、本書は逆に、伝奇時代小説を装った本格ミステリといってもいいほどトリックが秀でています。
物語は、元与力の白亭と町方同心・志賀三平が、極悪怪盗・影丸と白亭の娘の誘拐事件を追う構成で、中盤はフレンチ警部ものを彷彿させる捜査小説の趣で、終盤には探偵役・白亭の推理が延々と語られた上、圧巻のどんでん返しを設定しています。 時代小説を読みなれてないと長大な物語がキツイ部分もありますが、拾いものの逸品ではあります。 |
|||