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[ サスペンス ]
心ひき裂かれて
リチャード・ニーリィ 出版月: 1980年11月 平均: 7.50点 書評数: 8件

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角川書店
1980年11月

角川書店
1998年09月

No.8 7点 レッドキング 2018/05/29 18:05
これ面白いなあ。ただ原作タイトル安っぽいなあ「ハートのマッドネス」なんて・・。
これにこそ「さむけ」とか「サイコ」とかつけたいよなあ

No.7 8点 ボナンザ 2015/05/14 20:17
某国内有名作の元ネタではないかとも思える凄まじいラスト。
そこに至るまでも上々。

No.6 3点 mini 2014/05/08 09:56
先日2日に扶桑社ミステリーからリチャード・ニーリィ「リッジウェイ家の女」が刊行された、ニーリィが出るのも久々かもと思ったが「亡き妻へのレクイエム」などはそんな昔の刊行じゃなかった気も
解説はいかにもな折原一氏、なんかさぁバリンジャーとかニーリィの解説は折原氏にまかせとけばいい的な安易さが扶桑社だなぁ

よく日本だけで妙な人気を誇る作家は数知れずだがニーリィもそんな1人だろう、海外での受賞歴が全く無いわけじゃないんだけど、そうかと言って海外で話題になるような作家でもないしねえ
サスペンス作家だがこの程度のサスペンス小説の書き手なら海外にはざらに居るだろうし、ニーリィだけが特別ってわけじゃない
じゃあ何で日本だけでよく読まれているのか?、もちろん唯一の理由は”叙述トリック”の使い手だからに間違いない、日本の読者はよくよく”叙述トリック”が好きだねえ
私はこの”叙述もの”ばかりを漁り追い求める風潮が嫌いである、特に普段は本格派しか読まずサスペンス作家なんて見向きもしないような読者が、バリンジャーとニーリィとあとカサックのあれだけは例外的に読むといった風潮は大嫌いだ
なぜならその手の読者はサスペンス自体ではなく、”叙述”や”サプライズ”の部分にしか興味が無かったりするからだ
バリンジャーなどはあの人生の哀愁を帯びたサスペンスが持ち味なんだけど、”叙述”にばかり目が向けられがちな風潮は残念だ

バリンジャーの場合は愁いを帯びた人物描写でまだ魅力が有るのだが、ニーリィにはそういう面があまり感じられず、どちらかと言えばゴチャついてるだけみたいな印象が有る
また叙述トリックもなぁ‥、この「心ひき裂かれて」の場合、たしかに終盤の叙述トリックには驚愕することはする
相当なサプライズは有るのだが、だから感心するかと言うと正直言ってつまらないサプライズだと感じた
何て言うかさ、例えば梅の木だと思ってたら根本的に桜の木と見間違えたとかじゃなくてさ、咲く前は紅梅かと思ってたら白梅だったみたいな、根幹じゃなくて枝葉の部分に仕掛けられているような感じなんだよなぁ
私はどうも日本でのニーリィ人気は過大評価だと思う

No.5 7点 E-BANKER 2013/08/16 15:20
1976年発表。作者10作目の長編作品。原題“Madness of the Heart”
作者の中では、最も著名かつ出来のいい作品という世間的評価であるが、さて(?)・・・

~精神病院を退院したばかりの妻がレイプされた! 夫のハリーは犯人逮捕に執念を燃やすショー警部補に協力する。そんなハリーを嘲笑し、陥れようとするかのように、その身辺で続発するレイプ事件。心病める者の犯行なのか? だが、ハリーもかつて恋人との間に妻には決して知られてはならない秘密をつくろうとしていた・・・。二転三転する展開と濃密な心理描写。サイコ・スリラーの元祖・ニーリィの最高傑作~

このラストはさすがに衝撃的だ。
今回、角川文庫版で読み進めていたのだが、終盤までは、まだるっこしいというか何ともジリジリした展開が続いて嫌気がさしてきたところが、事件全体の構図がいよいよ明らかになる400ページ目以降は、がぜんスピードアップ&ヒートアップ。
ショー警部補VS主人公・ハリーの心理戦ともいえる問答を経て、いよいよ炸裂するラストの大技がにくいくらい決まっている。
これくらいメガトン級の衝撃度が来れば、中盤までの冗長さは吹き飛んでしまった、っていう感じ。
(伏線はちょっと微妙だが・・・)

でも、惜しむらくはやっぱり中盤のグロリアとのくだりだろうなぁ・・・
ハリーの“心の歪み”までの道筋、経緯を辿るという意味では必要なのかもしれないけど、それにしても長すぎ。
終盤の捻りが強烈なだけに、ここの冗長さで損をしている気がした。

まぁでも、これが恐らくニーリイの特徴なのだろう。
登場人物たちの何とも言えない距離感や微妙に歪みのある性格、会話など後のサイコサスペンスに与えた影響は大きいんだろうと推察する。
他の作品も読みたくなってきた。
(本作の映像化って難しいだろうなぁ・・・。アレをバレさせずに映像化するわけだから・・・)

No.4 9点 あびびび 2013/08/13 21:07
2日がかりで読み終えたのは通勤電車がちょうど目的地に着いた時だった。そこから家まで、ボーっとしていた。終始淡々と読んでいたが、最後の衝撃度は予想外だった。

どう表現すればいいのか?ロス・マクドナルドの「さむけ」と、我孫子武丸の「殺戮にいたる病」をたして2で割ったような、サイコ・スリラーの頂点のような気持ちを味わった。

文句なしなら10点満点だが、それでも9点にしたい…という気持ちになった。その状況を認めたくない、そんな防衛本能が働いたのかも知れない。

No.3 9点 蟷螂の斧 2013/05/22 16:48
(東西ミステリーベスト98位)裏表紙に「サイコ・スリラーの元祖、ニーリィの最高傑作!」とありますが、うなずける作品でした。著者の作品は初読なので他の作品との比較はできませんが、結末の衝撃度はかなりのものでした。

No.2 7点 kanamori 2010/08/07 20:24
小泉喜美子のエッセイで、ニーリィのミステリはフーダニットでも、ハウダニットでも、ホワイダニットでもない。謎そのものが謎だ、という趣旨の分析があったが、まさに同感。
精神不安定で暴行魔に襲われた主人公の妻を巡る心理サスペンスを、連続して発生する暴行事件を絡めて描いていますが、訳文の悪さもあり中盤まではちょっとリーダビリティに欠ける。しかしながら、隠されていた謎が判明する終盤のサプライズは相当のもので、作者の最良作だと思います。

No.1 10点 こう 2008/09/10 23:00
これもニーリィ節炸裂、サプライズエンディングのあるサイコサスペンスです。
 精神病院から退院したばかりの妻がその当日レイプされた夫ハリーが主人公で、犯人はつかまらず、周囲にレイプ事件が続発して、というストーリーです。描写が他作品以上にきつくエログロがきつい作品であることと最後のどんでん返しが前例というか類似作があるのが難点ですが面白かったです。ただラストは衝撃はありますが嫌悪感が強い方もいるかもしれません。
 本格的手がかりで犯人、真相を当てる作品ではありませんがサイコサスペンス好き、どんでん返し好きならニーリィの邦訳作品はこの作品含めた全作品がお薦めです。


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リチャード・ニーリィ
2014年05月
リッジウェイ家の女
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2008年10月
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