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[ サスペンス ]
殺人症候群
リチャード・ニーリィ 出版月: 1982年02月 平均: 6.86点 書評数: 7件

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角川書店
1982年02月

角川書店
1998年09月

No.7 6点 斎藤警部 2021/09/18 14:38
最終章には心ふき飛ばされたなあ。。。(一瞬、■■かと思った。。) そして、否応なく考えさせられました。

このような真相を巡って、周りが如何に目星を付け捜査を進めて犯人捕獲に至るか、の一挙手一投足が興味の中心に来ましたね。 そこに至る前の"犯人やりっぱなし"の部分にもっと硬質のサスペンスがあればなあ。。 でも充分、詰まらなかァない代物。

本作を「妻に」捧げる作者、ちょっと怖いです。 本作一番のポイントは、実はそこかも知れません。

No.6 6点 E-BANKER 2013/12/15 11:50
原題“The Walter Syndrome”。
1970年に発表された、「心引き裂かれて」に並ぶ作者の代表作。

~生来内気で、仕事にも女性にも引っ込み思案のランバート。すべてにおいて積極的で自信に満ち溢れたチャールズ。対照的な二人の男を結びつけたのは、凄まじいまでの女性への憎悪だった。ランバートを愚弄した女性を殺害したチャールズは、やがて「死刑執行人」と名乗る残虐で大胆な連続殺人犯へと変貌していく・・・。殺人犯の歪な心理のリアルな描写と衝撃の結末。鬼才ニーリィーによるサイコ・サスペンスの傑作!~

発表当時は非常に斬新なプロットだったんだろうなぁと思わせる。
巻末解説で評論家の千街氏がサイコ・サスペンスの由来・歴史について語られているが(今回、角川文庫版で読了)、同種のミステリーが隆盛を極める以前の作品であり、もしこの頃本作に触れていれば、相当な衝撃だったと感じる。
ただし、多くの方がご指摘のとおり、サイコに叙述トリックの組み合わせというのは、正直今となっては“ありきたり”のプロットになってしまった。
ラストに判明する叙述トリックも、中盤に差し掛かる辺りで大凡の検討がついてしまったなぁ。

あと気になったのは、中盤のまだるっこしさ。
猟奇的な連続殺人が描かれ、本来ならサスペンス感が徐々に盛り上がってくるべきなんだろうけど、あまりそんな感覚にはならなかった・・・(訳のせいかもしれないが)。
この辺がうまくいっていたら、作者に対する評価ももう少し上がっていたのかもしれない。
(折原なら、しつこいくらいに読者を煽る表現を入れてくるに違いない)

サイコ・サスペンスといえば「羊たちの沈黙」の発表以降、市民権を勝ち得ることになるのだが、個人的にはやや好みから外れているジャンルと今回改めて感じた。
ニーリィーでいえば、「心引き裂かれて」の方が衝撃度で数段上という評価になってしまう。
まぁ、読む順序の問題が大きいのかもしれないが・・・

No.5 7点 あびびび 2013/08/31 14:10
叙述トリックは半分くらい読んで分かってしまったが、読むにつれてサイコミステリの醍醐味を感じた作品。「心引き裂かれて」より前に読めば、驚愕の真実だったのかも知れないが、大体の傾向が分かってしまったのでこの結果に。

しかし、全編に流れる怪しげな雰囲気は、まるで映像を見ているような気にさせられた。もっと人気になってもいい作家ではないか。早く次の作品を探さなくては…。

No.4 7点 蟷螂の斧 2013/06/02 08:22
1970年発表、どんでん返しのあるサスペンスとして先駆的な作品に該当するのかもしれません。解説には「二ーリィの作風への親近感を見せている作家は、ニーリィのファンを公言して憚らない折原一で、直木賞候補にもなった彼の最高傑作「冤罪者」では、作中人物に「殺人症候群」を読んだという台詞を言わせているほどであり・・・(略)・・・意外そのものの真相まで用意したトリッキーなものである。・・・」とあります。私のこのサイトへの書評数の一位は、折原一氏の20作品で、やはりこの手の作風が好みなのですね。二ーリィ氏の翻訳は少ない(7冊ぐらい?)らしいので、読破したいと思います。

No.3 6点 kanamori 2010/08/07 16:17
連続殺人もののサイコ・サスペンス、と思わせて、叙述の仕掛けで驚かすタイプのミステリ。
最近は類似趣向のミステリがいくつか出ているので、サプライズの程度は読書経験によって異なるでしょうが、少ない登場人物のシンプルなプロットながら、大きな驚きを与えてくれる逸品でしょう。

No.2 8点 りんちゃみ先輩 2009/05/18 20:41
前半は退屈、後半は一気に読み切ってしまう、そんな小説でした。結末が分かれば前半の退屈な”ぼやき”も納得しました。これ以上何を書いても”ねたばれ”しそうです。とても面白かった、ニーリィの作品もっと読みたくなりました。

No.1 8点 こう 2008/06/23 00:35
 海外で邦訳作品全てが叙述トリック物でどんでん返しがある貴重な作家です。
 メインの登場人物がたった2人でその内の一人が連続殺人犯として次々に殺人を起こすことがあからさまになっていますが、最後にどんでん返しがあります。
 折原一もそうですが叙述トリックがある、と構えていると結末が予想されやすく衝撃が薄く評価が下がるかもしれないのでその点損をしている作家だと思いますが前情報なしで読むと非常に面白いと思います。邦訳作品の中では本作は当てやすい方だと思います。
 作風はサイコサスペンス調なのでそれが嫌いな方は合わないかもしれません。


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リチャード・ニーリィ
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