皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
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kanamoriさん |
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| 平均点: 5.89点 | 書評数: 2460件 |
| No.200 | 6点 | 祖国なき男- ジェフリー・ハウスホールド | 2010/04/23 20:47 |
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| 英国冒険小説の古典名作「追われる男」から40年以上経って書かれた続編。
前作発刊時は戦時中でヒトラーが在命中だったため、暗殺対象もドイツが舞台であることも明示されない異色の冒険スリラーでしたが、今作はヒトラー暗殺失敗後の欧州横断ものの冒険譚になっています。 主人公の手記の形で、スリリングに数々のエピソードが語られていくのは前作同様で、ブランクを感じさせない。最後が尻すぼみの感がありますが、読み応えのある一冊でした。 |
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| No.199 | 6点 | 黄昏の罠- 愛川晶 | 2010/04/23 18:21 |
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| 女子大生剣士・栗村夏樹を探偵役とするシリーズ第1作。「黄昏の獲物」改題。
誘拐もの、顔のない死体トリックに加えてプロットにもある工夫を凝らすなど色々トリックが入っていて楽しめました。 作者が通俗的な本格ミステリに転換した第1歩の作品で、まずまず成功していると思うんですが、シリーズ3作で終わったのは、某作家の女子高生剣士・武藤類子とキャラがカブってしまったからでしょうか。 |
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| No.198 | 8点 | 怪奇探偵小説名作選〈8〉日影丈吉集―かむなぎうた- 日影丈吉 | 2010/04/23 18:04 |
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| 幻想ミステリ短編選集、全16作収録されている「ちくま文庫」版。
舞台背景が、田舎、フランス、台湾のものや都会の幻想譚などバランス良く配置されていて、著者の短編全体を俯瞰できるラインナップだと思います。 表題作の「かむなぎうた」と「狐の鶏」は共に既読ですが、別格の完成度で本格ミステリ趣向と怪奇幻想趣向が融合した傑作です。特に表題作は、最後に一応の真相が明示されても、別の真相があるんじゃあないかと思わせる点が秀逸です。 ほかにも、怪奇話が現実的な殺人の罠に反転する「吉備津の釜」、大蛇を巡る軽妙話が怪奇譚になる「王とのつきあい」、武田勝頼家臣の戦国残酷譚のはずが亡きバーの女給へのオマージュに変わる「饅頭軍談」など、一筋縄ではいかない秀作揃いの短編集で堪能しました。 |
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| No.197 | 5点 | フランチャイズ事件- ジョセフィン・テイ | 2010/04/22 22:02 |
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| フランチャイズ家の母娘が少女を監禁暴行したと訴えられた事件。
グラント警部シリーズ第3作ですが、弁護士ロバートが当初の探偵役でもあります。 母娘に不利な証拠ばかり出てくる中、冤罪だとすれば少女はその間どこにいたのか・・・・サスペンスにユーモアもまぶせた著者の本領が発揮された佳作だと思いますが、「美の秘密」同様に訳文がひどく、出来を損ねているのが残念です。 |
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| No.196 | 6点 | ウォンドルズ・パーヴァの謎- グラディス・ミッチェル | 2010/04/22 20:56 |
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| 心理学者ブラッドリー夫人を探偵役とするシリーズ第2作。
肉屋の鉤にぶら下がった首なし死体、現れては消える頭蓋骨など派手な演出とは裏腹に、作者はわざと読者の興味の逆を突くようなプロットを構成しているように思われます。肝心なところで盛り上げようとしないため、すんなりと推理に入れない感じを受けました。解説を読むと、それが作者の持ち味のようですが。 しかし、今作は「踊るドルイド」や「タナスグ湖の怪物」などの後期作と比べて本格ミステリをしていて、終盤の多重解決など、なかなか読み応えがありました。 |
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| No.195 | 8点 | 俺たちの日- ジョージ・P・ペレケーノス | 2010/04/22 20:28 |
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| 男たちの熱い生き様を活写した<ワシントン・サーガ>4部作の第1作。
今作は、のちの主人公ディミトリの父親でギリシャ移民の子ピート・カラスの物語で、1940年代のワシントンと草の根の男たちの造形が鮮やかに描かれています。 かつての親友がギャングとなり、相対する道に進んだ男が選んだ手段・・・・・私立探偵が出てこなくても、男が最後まで貫く信念を硬派に描いていて、まさにハードボイルドの傑作です。 |
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| No.194 | 4点 | ギデオンの一日- J・J・マリック | 2010/04/22 18:59 |
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| モジュラー型警察小説ギデオン警視シリーズの第1作。
この作品の翌年に87分署シリーズの第1作が発表されているので、本書がこの形式の警察小説の先駆と言えます。 しかし、内容的にはいまいちです。主人公の役職が高いこともあると思いますが、事件そのものに直接タッチせず、複数の発生事件のうち解決しないものもあるなど、ミステリよりリアルな警察活動を描くことに重点が置かれているように思います。 著者は24のペンネームを持ち、本名のジョン・クリーシーでは「トフ氏」シリーズが有名です。 |
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| No.193 | 7点 | 悪夢のバカンス- シャーリー・コンラン | 2010/04/22 18:25 |
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| 冒険サバイバル小説。
鉱山会社の重役家族がリゾートで訪れた島でクーデターに巻き込まれ射殺される、生き残ったのは5人の妻だけだった。 軍隊の追撃、人喰い原住民、自然の猛威など次々と襲いかかる危難は迫力充分な上、それ以上に面白かったのは、セレブで贅沢に慣れ切っていた女性たちが密林でのサバイバルで徐々に変身していく様です。一人のヒーローものではなく5人がほぼ同等に描かれているのも珍しい、異色の冒険サスペンスだと思います。 |
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| No.192 | 6点 | 地下洞- アンドリュウ・ガーヴ | 2010/04/22 18:01 |
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| 自然界を舞台に巻き込まれ型サスペンスを量産したガーヴは、ディック・フランシスと並んで英国式冒険スリラー作家の典型と言えるかもしれません。
本書も、財宝探しのための地下洞での冒険で幕を開け、ある秘密を抱えた主人公と妻との心理的サスペンスへとつながる所まではいつものプロットなんですが、終盤とてつもない展開が待っています。 ガーヴの小説は、ある程度結末が予想できるものが多く、ミステリとして甘い点が不満でしたが、この作品はいい意味で予想を裏切っています。 |
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| No.191 | 7点 | 悪党どものお楽しみ- パーシヴァル・ワイルド | 2010/04/21 21:06 |
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| 元いかさまカード賭博の達人を主人公にしたコンゲーム風の連作ミステリ。
ほとんどの作品が、いかさま賭博のトリックを暴く本格ミステリの味わいがあり、またプロ対プロの戦いという点で賭博小説の趣もあります。なかでは、逆転の発想でラストが秀逸な「良心の問題」が気に入りましたが、逸品ぞろいの短編集だと思います。 |
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| No.190 | 7点 | スイート・ホーム殺人事件- クレイグ・ライス | 2010/04/21 20:43 |
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| 隣家で起きた殺人事件をミステリ作家のママのために解決しようとする3人の子供たち。ノンシリーズの傑作ユーモアミステリ。
マローン弁護士&ジャスタス夫婦シリーズはどちらかというとスプラスティックな味わいの面白さで読ませるのに対して、こちらはホンワカしたユーモアがあります。小さな子供たちが、捜査する警部とママを結びつけようと画策する場面など笑えます。 意外性も追求されていて本格ミステリとしても一級品だと思います。 |
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| No.189 | 6点 | シーザーの埋葬- レックス・スタウト | 2010/04/21 20:17 |
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| 蘭と美食を愛する安楽椅子探偵ネロ・ウルフ、シリーズ第6作。
前作は美食を求め珍しくウルフが外出したが、今回は蘭の品評会のため遠出する。探偵事務所に居座った状態だと、どうしてもプロットがパターン化するので、マンネリを避けたのでしょうか。 途中立ち寄った牧場で、全米チャンピオン牛シーザーの殺人容疑を晴らすべく奮闘する助手アーチーの減らず口も快調です。 二人の掛け合いを楽しむシリーズですが、今作は本格ミステリとしてもよく出来ていると思いました。 |
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| No.188 | 7点 | 西海道談綺- 松本清張 | 2010/04/21 18:32 |
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| 伝奇時代小説の巨編。
九州山中の隠し銅山の秘密を巡って延々と続く、謀略、冒険、恋愛、謎解きの壮大な物語世界を堪能できる。 清張の作家的体力には感嘆するしかありませんが、あまりにも長い。文庫500ページ超が4分冊、主人公の日田山中彷徨の場面は何度も同じシーンを読まされている気になりました。 それと、作者の作品にはよくあることながら、途中で本筋からズレてしまい、主人公が最後の方では主人公と言えるか疑問に思えてしまいました。 しかし、物語のリーダビリティが高く、かなり楽しめたのには間違いありません。 |
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| No.187 | 4点 | 古墳殺人事件- 島田一男 | 2010/04/21 18:02 |
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| 多摩古墳盗掘口での撲殺殺人を扱った古典的本格ミステリで著者の長編デビュー作。
古墳近郊に建つ「船を模した館」が出てきた段階で、ちょっと前に読んだバカミスを想起し、いやな予感に襲われましたが、案の定、力技のトリックが炸裂。これは捨てトリックでしたが、真相にはそれ以上に脱力しました。 結局、「犯人」は何もしない方が目的達成できたのではと思いますが。 併録のパスティーシュ短編「ルパン就縛」がまだ、しゃれた出来な分だけ読めます。 |
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| No.186 | 7点 | 蛇の形- ミネット・ウォルターズ | 2010/04/20 21:29 |
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| 普通の主婦が過去の黒人女性の不審死の真相を追求していくだけのお話。
被害者は周りから疎外された変人だったため、主人公の行動に対して、近隣住民のいやがらせや家族からの非難を受ける。 作者の小説の中では、比較的地味なテーマで筆致も重厚。 何故20年経過して彼女はこの事件の真相究明にこだわるのか?事件の真相もさることながら、この「探偵の動機」が肝で、最後の1ページで明かされるその真相は実に鮮やかです。 |
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| No.185 | 7点 | 大魚の一撃- カール・ハイアセン | 2010/04/20 20:39 |
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| マイアミの自然を舞台に、元フロリダ州知事スキンクなど個性的な面々が毎回珍騒動を起こす、奇才の看板シリーズ。
今作は釣り大会の不正を絡めた殺人事件が本筋かもしれませんが、事件より登場人物の奇想天外な行動や独特のユーモアが読みどころだと思います。この頃のハイアセンは本当に弾けていました。 |
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| No.184 | 7点 | これよりさき怪物領域- マーガレット・ミラー | 2010/04/20 20:15 |
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| メキシコ国境近郊の若い農場主の失踪で幕を開ける心理サスペンス。マーガレット・ミラー後期の傑作です。
まず、タイトルがすばらしい。まるでミラーのサスペンス小説全てを象徴するようなタイトルだと思います。 残された農場主の妻と母親の心理的葛藤が緩慢な筆致で語られていきますが、息子の生存を確信する母親の造形が出色です。そして、息子の部屋のドアへの貼紙・・・結末は途中である程度予測がつきますが、やはり最後の衝撃は強烈で、心理サスペンスの女王の名に恥じない出来だと思います。 |
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| No.183 | 6点 | 殺しのデュエット- エリオット・ウェスト | 2010/04/20 18:52 |
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| ある翻訳ミステリサイトでハードボイルド小説の私的ベストテンに選ばれていた作品で、興味をひかれて読みました。
たまたま街中のギャングの銃撃戦に遭遇し英雄になってしまった私立探偵の皮肉な末路を描いている。 スピーディでアクション満載のミステリでしたが、人物造形に厚みが不足していて、どちらかと言うとB級ハードボイルドに近い内容。ただ、ラストシーンは祭りの後の寂しさに似た情景で印象に残りました。 |
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| No.182 | 7点 | ゴールデン・フリース- ロバート・J・ソウヤー | 2010/04/20 18:30 |
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| 倒叙形式のSFミステリで、しかも犯人は人工知能搭載のコンピュータという異色作です。
探査宇宙船の制御を司るコンピュータ「彼」の視点で、女性乗組員の殺害が描かれる。非合理性を排するコンピュータが何故殺人を犯したのか、ミステリとしての趣向は動機の謎に尽きますが、なかなかよく出来ていると思いました。 一般的に倒叙ミステリの読み所は犯人発覚の契機だと思いますが、最新コンピュータが企てた犯罪の暴かれる糸口が、ある古い骨董品装置だったのは皮肉に満ちていました。 |
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| No.181 | 5点 | 明日に別れの接吻を- 笹沢左保 | 2010/04/19 21:02 |
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| 過去の事件で執行猶予中の主人公が、旧友からアリバイ工作を頼まれる話。
情感あふれるタイトルとは裏腹な、バカミス系のアリバイトリックが規格外でした。 A地点からB地点に移動するための予想外の移動手段・・・そのシーンを想像するだけで爆笑ものです。 |
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