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[ 警察小説 ] 冬の裁き エイブ・リーバーマン刑事 |
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スチュアート・カミンスキー | 出版月: 1998年03月 | 平均: 7.00点 | 書評数: 1件 |
扶桑社 1998年03月 |
No.1 | 7点 | kanamori | 2010/04/16 18:39 |
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シカゴの老刑事エイブ・リーバーマンを主人公とする警察小説、シリーズ第3作。
著者は、①40年代のハリウッド映画界を背景にした私立探偵もの(「ロビンフッドに鉛の玉を」ほか)、②崩壊前のソ連を舞台にした警察小説(「ツンドラの殺意」ほか)も書いていますが、初期の軽妙なものやウイットに富んだ作風と比べて、リーバーマン刑事シリーズは深みのある渋い警察小説です。 親族や同僚刑事ハンラハンとの交情も重要な読みどころなのに、邦訳が発刊順になっていないため、その人間関係の肝が解り難いなど、日本での扱いが充分でないのが残念です。 この作品は、ある冬の一日の事件をモジュラー方式で描いていて、結末の意外性も設定されています。シリーズ中ミステリ志向が一番高い代表作ですが、できれば第1作の「愚者たちの街」から順に読むことをお薦めします。 |