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まさむねさん
平均点: 5.86点 書評数: 1194件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.36 8点 夢幻花- 東野圭吾 2014/01/15 22:28
 犯人を含めた事件の構図について,読者が合理的に推理できるような構成ではありません。
 しかし,どんどん深まる数々の謎の行方が気になって,ページをめくる手が止まりませんでした。久方ぶりの一気読み。伏線が綺麗に収束していくラストも見事です。
 この作品は,約10年前のとある月刊誌の連載をもとに書き下ろしたもの。とはいえ,「黄色いアサガオ」というキーワードだけを残し,全面的に書き直したそうです。作者自身が「書き直したことで,十年前ではなく,今の時代に出す意味が生じたのではないか」と述べていますが,まさにその通り。ラストに深みが出ています。(こじつけ感が強いというご批判もあり得ますでしょうが…)
 作者のストーリーテラーぶりを満喫させていただきました。素直に面白かったですね。

No.35 5点 黒笑小説- 東野圭吾 2013/07/03 22:14
 「~笑小説」シリーズの第3弾。
 東野作品は長編も勿論良作揃いなのだけれども,作者の性格が如実に表れている(と,個人的には思っている)このシリーズも結構オススメ。何より,作者が楽しんで書いているなぁ…という印象を受けます。
 この短編集の中では,ミステリ作家の哀愁(?)を綴った冒頭の4編が楽しい。他の短編は,気軽に読める点では良いのですが,私の好きな「バカバカしさ」という点ではシリーズ前2作の方に軍配。

No.34 8点 ナミヤ雑貨店の奇蹟- 東野圭吾 2013/04/13 16:12
 郵便口や牛乳箱を使い,様々な悩み相談に乗っている「ナミヤ雑貨店」を舞台とした,奇蹟と感動の物語。(タイトルそのままで,あまり紹介になってないか…)
 分類するとすればファンタジーってことになるのでしょう。個人的には好んで読む分野ではないのですが,この作品については,純粋に「読んでよかった」と感じましたね。リーダビリティーの高さ,全体の構成力…って東野サンだけに,言わずもがなでしょうか。とにかく巧いし,間口の広い方だなぁ…と改めて感じ入りました。
 登場人物のそれぞれの優しさに,プラス1点です。

No.33 5点 おれは非情勤- 東野圭吾 2013/02/10 23:41
 小学校を舞台にした,物凄くシンプルな短編集。それもそのはず。学研の「5年の学習」「6年の学習」(懐かしい!)に掲載された作品に加筆修正したものだそうです。
 ジュブナイルの評価というのはいつも迷うのですよねぇ。何を求めてこの作品を手にしたかで評価は大きく分かれますでしょうねぇ。私は頭の一部で楽しみながら,一部で肩透かし感を…って意味不明ですか?
 ちなみに,作者の作品の幅広さには感服いたします。裾野が広すぎます。

No.32 3点 殺人現場は雲の上- 東野圭吾 2012/09/30 18:47
 スチュワーデスの通称エー子とビー子が遭遇する事件を扱った短編集。
 ミステリ的に中身が薄いうえに,登場人物の設定や描写に相当な「やっつけ感」を抱いたため,ちょっと読み進めるのが辛かったですねぇ。作者に期待するレベルとの落差が凄かったので,マイナス1点ですな。(既読の氏の短編集の中で,ワーストのような気がします。)

No.31 7点 放課後- 東野圭吾 2012/07/07 22:06
 東野氏の原点となる,乱歩賞受賞作。
 加賀シリーズなどと比べれば,「若さ」を感じる点は確かに多々ありました。でもプロットとトリックは,デビュー作であることも考慮すれば,かなり良質といえるのではないでしょうか。チャレンジ精神&本格愛も感じて,何と言うか,新鮮で楽しめましたよ。

 ちなみに,私は「捨てトリック」の方が,端整で好みです。動機は,正直言えば相当の違和感があり,工夫の余地はあったような気がしますが,まぁ,ソコも書きたかった一部なのであれば,否定はしますまい…って感じでしょうか。

No.30 5点 毒笑小説- 東野圭吾 2012/07/03 22:44
 相当にバカバカしいお話が揃っています。でも,バカバカしいものほど,個人的には楽しめたりしちゃうのですなぁ。「誘拐天国」「ホームアローンじいさん」「本格推理関連グッズ鑑定ショー」あたりが好み。
 ちなみに,バカバカしさの超絶度合いで前作(怪笑小説)収録の「超たぬき理論」に匹敵する作品がなかったのがちょっと残念。否,それだけ「超たぬき理論」が卓越(?)しているってことかな?

No.29 7点 マスカレード・ホテル- 東野圭吾 2011/12/05 22:50
 「4件目の連続殺人は某一流ホテルで発生する可能性が高い」との分析に基づき,刑事がホテルマンとして乗り込みます。刑事とホテルウーマンの衝突と理解,登場人物や宿泊客らの人間ドラマなどなど,事件の真相以外にも,多種多様な「読みどころ」を配置しています。サスペンス的要素もあり,一切飽きることなく読みきりました。
 読者として謎解きできるスタイルではないため,純粋に作者のストーリーテラーぶりを堪能するのがベスト。一点だけ気になる点を述べるとすれば,「手口が凝り過ぎている・・・」

No.28 6点 犯人のいない殺人の夜- 東野圭吾 2011/11/29 20:52
 ノンシリーズの短編集。駄作がなく,上質な作品が揃っています。一方で,本格色やインパクトは弱め。軽く楽しみたい方にオススメです。
 その中でも記憶に残ったのが表題作。東野氏にしては珍しい仕掛けでしたね。次点が「さよならコーチ」。こちらは,いかにも東野氏らしい作風です。

No.27 6点 怪笑小説- 東野圭吾 2011/10/29 14:41
 憎めないバカバカしさ,そして丁度いい塩梅の毒。知らず知らずのうちに,読み終えていました。面白かったですよ。特に「しかばね台分譲住宅」,「逆転同窓会」あたりですかねぇ。「超たぬき理論」のバカバカしさも嫌いではないです。
 しかし,東野氏の作品って裾野が広いよなぁ…と改めて感じ入った次第。

No.26 4点 あの頃の誰か- 東野圭吾 2011/09/17 11:50
 うーん。作者が語るとおりの「わけあり物件」揃い。東野さんだけに,何とも言えない残念感が残りました…。
 純粋に良かったのは「再生魔術の女」のみ。他の作品はちょっとなぁ…何がしたかったのか,よく分からない作品もありますしねぇ…。
 ちなみに,収録作品のうち「さよなら『お父さん』」は,「秘密」を読了してから読むべきでしょうね。まぁ「秘密」の読了後ならば無理して読む必要が無いという考えもありますが。

No.25 7点 真夏の方程式- 東野圭吾 2011/09/06 20:52
 「容疑者X~」と比較してしまうのは,内容的にも止むを得ないところでしょう。そして,プロットの精巧さにおいて,「容疑者X~」に軍配が上がってしまうのも止むを得ないところだと思います。
 とはいえ,評価したい点も多くありました。何といっても,恭平少年の存在が大きい。また,科学と経済と環境との関係も,まさにこの時期を的確に反映していて意義深いと考えます。作品ごとに確実に人間味が増している湯川氏も見所の一つでしょう。
 あくまでも個人的評価ですが,探偵役の好き嫌いで言えば,加賀>湯川。しかし,同時期の作品で評価すれば「真夏の方程式」>「麒麟の翼」ですね。

No.24 6点 麒麟の翼- 東野圭吾 2011/08/22 22:53
 「赤い指」あたりから続く,加賀恭一郎シリーズのキーワード(「家族」)が,これまた色濃く反映されてますね。加賀刑事の着目点や推理の推移を楽しもうと思えば,悪くないと思います。松宮の成長とか,金森登紀子看護婦の再登場,さらには彼女に頭が上がらない加賀刑事のシーンなど,シリーズファンにとっての見所もありますしね。
 ただ,謎解きとしては楽しめないでしょうねぇ。読者への証拠の提示もないですしね。ちなみに,私の根拠レスな真犯人予測は見事にハズレました…。

No.23 8点 パラレルワールド・ラブストーリー- 東野圭吾 2011/08/01 22:48
 久しぶりに,読後の余韻に浸れた作品。
 交互に語られていく現在と過去。混乱する記憶。一体何が真実なのか…と疑心暗鬼になりながら,次第に「なぜ,彼はそうなったのか」というホワイダニット的な面でも惹きつけられました。でもやっぱり真実との境目が(読者にとっても)危ういところがミソ。目を離せません。
 これらの謎が終盤で明らかにされたとき,切なさとともに,一種の安堵感(語弊がある?)が。個人的には,「記憶」に残るであろう作品。改編されない限りにおいて,ですけど。
 ちなみに,実は「パラレルワールド」ではなく,そして「ラブストーリー」でもないような…って読後にほくそ笑んだのは私だけ?

No.22 7点 天使の耳- 東野圭吾 2011/05/31 22:20
交通事故,というか交通マナーをテーマにした短編集。
メッセージ性を包含しつつも,サラリと読みやすいミステリに仕上げてしまうあたりに作者の技量を感じます。読みやすいけど,決して軽さは感じさせない・・ってのは高度ですよね。
これまでに読んだ東野氏の短編集の中ではベストです。

No.21 7点 仮面山荘殺人事件- 東野圭吾 2011/05/07 17:44
スピーディーな展開でサクサク読み進めた結果,まんまと騙されました。ちょっと「臭い」は感じていたんですけどねぇ。
タイトルもイイですね。確かに「仮面山荘殺人事件」ですよ。
でも,このネタ,「ある閉ざされた雪の山荘で」でも使ってませんでしたっけ?

No.20 5点 予知夢- 東野圭吾 2011/05/03 22:05
ガリレオシリーズ第2弾。
前作よりもストーリー性は増してますが,トリックとしてはやっぱり「へぇ~」としか言いようがないですね。最終話のラスト10行はかなり好みですが。
「容疑者X」に繋がる,露払い的な短編集ってことで。

No.19 5点 探偵ガリレオ- 東野圭吾 2011/04/24 20:15
 確かに,多くの方が述べられているとおり,「へぇ~」という感想に集約されてしまう短編が多いですね。文章ではピンとこないというか・・・。
 とは言え,読みやすく仕上げるあたりはさすがですねぇ。完全に映像化向きの作品ですが,当初から映像化を視野に入れていたとすれば,ある意味スゴイ。実際に当たりましたしね。
 短編集自体を評価すれば,このくらいの点数でしょうか。

No.18 7点 私が彼を殺した- 東野圭吾 2011/04/12 23:00
スピード感,終盤の捻りと緊迫感,犯人特定のロジック,全てにおいて前作「どちらかが彼女を殺した」を上回っている印象を受けました。
相当に楽しめましたねぇ。究極の読者挑戦モノ,第3作目はないのかなぁ。
【以下,ネタバレ的?】
犯人は確かにあの方しかあり得ず,その点の論理性には何ら異議はないです。ただなぁ…警察はソレの指紋調査をしているのだから,もっと早く真犯人にたどり着けたはずですよねぇ。重要視すべきは「とある指紋の存在」よりも「あるべき指紋の不存在」のはずだが…ってことで1点減点。

No.17 6点 怪しい人びと- 東野圭吾 2011/04/10 22:07
目立ちはしない短編集かもしれませんが,非常に読みやすいし,プロットはしっかりしてるし,その点はさすが東野さんと言ってよいのではないでしょうか。
短編ごとに評価の上下はありますが,個人的には「甘いはずなのに」が良かったかな?

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まさむねさん
ひとこと
ミステリとしての特別な知識なく乱読していますので、私の書評はあまりアテにしないでくださいね。
好きな作家
道尾秀介・東野圭吾・東川篤哉
採点傾向
平均点: 5.86点   採点数: 1194件
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