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りゅうさん
平均点: 6.53点 書評数: 163件

プロフィール高評価と近い人書評おすすめ

No.19 5点 ひらいたトランプ- アガサ・クリスティー 2011/11/27 21:12
 本格ミステリではなく、ストーリー性を重視した犯罪小説といった印象で、謎解きを期待すると拍子抜けする作品です。序文で作者からも、犯人は4人の人物のうちの誰かであって意外性がないこと、犯人を推理する手法は心理的方向を取ることがあらかじめ宣言されています。
 最初の殺人は容疑者4人の誰でも可能であり、これといった物証もないので、4人の過去を調べて事件の類似性を探ったり、ポアロは容疑者に対して、事件時に部屋にあったものをどれだけ観察しているかとか、ブリッジゲームの進行状況をどれくらい覚えているかなどを聴くことで容疑者の性格分析を行い、犯人を割り出そうとします。
 ラストに至る展開は二転三転して面白いのですが、真相自体を取り出して見ると特にこれといったトリックが使われているわけではなく、感心するようなところもなく、あまり印象に残らない作品でした。
 私はブリッジのルールを知りませんが、ポアロの推理はブリッジの得点表に基づいて展開しているので、ルールを知っている方がより楽しめる作品だと思います。

No.18 8点 満潮に乗って- アガサ・クリスティー 2011/11/22 20:46
 クリスティーの作品の中ではあまり有名な作品ではありませんが、ストーリー、真相の面白さ、緻密に計算された伏線など、良く出来た作品です。遺産を巡る家庭内の愛憎を扱った作品で、登場人物間の人間模様が丁寧に描かれています。ポアロが途中で「この事件はまともな型をしていない(辻褄があっていない)」と言って、スペンス警視に禅問答のような説明をするのですが、最後はきっちりと辻褄を合わせてくれます。非常に入り組んだ真相で、ポアロが途中で調査して判明したある事柄が隠されており、手掛かりも不足気味なので、読者がこの真相にたどり着くのは困難だと思いますが、伏線があちこちに散りばめられていて、真相説明でそれらが鮮やかに回収される手際は見事と言えます。

(完全にネタバレをしています。要注意!)
 冒頭のポーター少佐の爆撃時の思い出話、ライター、汽車の煙、デスクの上にあった写真、睡眠剤など、伏線に込められた意味を真相説明で知り、その巧妙さに感心しました。動機と犯人の逆転という真相が面白い。時系列で起こった出来事の必然性や意外性も面白く、デイヴィッドがロザリーンをアーデンに会わせないままロンドンに避難させた理由にも納得しました。
 一箇所不明なところがあります。ローリイはポアロに依頼してアンダーヘイの知り合いを探してもらい、ポアロからポーター少佐を紹介されています。これはローリイの芝居で、ローリイは元々ポーター少佐を知っていて偽の証言をするように依頼済みであり、ポアロがポーター少佐の存在に気付くことを期待してやったことです。しかし、ローリイはポーター少佐のことをどうやって知り、また、ポアロがポーター少佐を知っている(あるいはこれから知る)ことがどうしてわかったのでしょうか(ポアロがポーター少佐以外の別の知り合いを探し出す危険もあります)。
 また、ポーター少佐のある一言から、ポアロはローリイの芝居を見抜いているのですが、これは読者にはわかりにくいと思います。

No.17 8点 愛国殺人- アガサ・クリスティー 2011/11/19 19:54
 この作品の謎解きにはお手上げでした。私が読んだクリスティー作品の中でも最高の複雑さです。最初の殺人が行われた歯科診療所に出入りする人物の動きも複雑ですが、真相が複雑で、ちょっと考え込まないと理解できませんでした。大胆かつ大技のトリックや、些細な違和感から展開されるポアロの推理には感心しました。殺人動機に錯誤があって中々見えてこないのですが、その意外性にも驚かされました。タイトルも秀逸。ミスディレクションになっており、真相そのものでもあります。設定には多少無理があると思いました。

(完全にネタバレをしています。注意!)
 ネット検索して、他の人の書評を読んでなるほどと思ったのですが、歯科診療の順番を犯人の計画どおりに調整するのは無理ではないでしょうか。また、犯人が医療行為を行なって、患者に気付かれないというのも難しいと思います。

No.16 7点 謎のクィン氏- アガサ・クリスティー 2011/05/24 19:49
 本格ミステリ作品ではありませんが、読後に独特な余韻を醸し出す、叙情性のあるミステリ短編集です。クイン氏が探偵役かと思っていましたが、実際に問題を解決するのはサタースウェイト氏です。謎の人物クイン氏は、どこからともなく現われ、サタースウェイト氏にヒントを与えると、いつの間にかいなくなってしまいます。サタースウェイト氏は老人で、普段は人生の傍観者なのですが、クイン氏の言葉に励まされて、人生で自分に与えられた役割をこなそうと努力するようになります。クイン氏とは何者なのか、それがこの短編集の最大の謎だと思いました(文学的な意味が込められているのでしょうか)。
「海から来た男」
 文学性の高い作品で、ミステリとは言えませんが、最も印象に残った作品です。
「ヘレンの顔」
 ミステリとしてみた場合に、最も面白かった作品です。奇抜なトリックが使われています(〇〇を経由してそんなことが本当にできるのか、実現可能性には疑問を感じますが)。

No.15 5点 ホロー荘の殺人- アガサ・クリスティー 2011/05/10 21:46
 ミステリ小説と言うよりも、人間描写に重点を置いた恋愛犯罪小説です。クリスティー作品の中では文学性の高さで評価されているようですが、個人的には文学性では「杉の棺」、「無実はさいなむ」、「忘られぬ死」の方を高く評価します。主人公のヘンリエッタのジョンに寄せる思いが理解できず、ミッジとエドワードの関係進展も安直に感じられました。そもそも、このサイトは文学性で評価するようなサイトでもありませんが。元々ミステリを志向していないこともあってか、ミステリ要素は弱く感じます。謎解きになっておらず、真相を読んでも、犯人の設定、拳銃が複数使われていた理由や隠し場所などは想定の範囲内であり、感心するようなところはありません。ポアロが殺人事件の第一発見者になっているのですが、ある人物に相談を持ちかけられるまで推理に確信が持てないままで、探偵役としても機能していません。ミステリとしての期待を持って読むと、十中八九失望すると思います。

No.14 8点 五匹の子豚- アガサ・クリスティー 2011/04/30 16:18
 個人的には好印象の作品です。ポアロが、16年前の事件を関係者との面談や手記に基づき解決する話です。特にこれといったトリックが使われているわけでもないし、物証に基づく精緻なロジックがあるわけでもありません。ポアロが、犯人の心理のみならず被害者・容疑者の心理をも考察した上で真相を推理する、「心理ミステリ」といった趣のある作品で、こんなミステリもありかなと思いました。私は、最終的な真相の1つ手前の真相までは予測出来ていたのですが、最終的にはうっちゃられてしまいました。ポアロの推理には、いささか当て推量も含まれていて、厳密な意味では必然性がないようにも思いますが。被害者と容疑者の間の会話の意味が、真相を知ることによって反転する構図を持っているのも面白いところです。
 事件の本筋からは外れますが、事件時の関係者の証言や手記の中に、当時5才だったカーラに関する記述が全くないのは何故だろうと、読みながら思っていました。

No.13 6点 杉の柩- アガサ・クリスティー 2011/04/25 21:40
 登場人物が魅力的で、2人の女性の間の心理的葛藤が丁寧に描写されており、第1部は特に引き込まれました。残念なのは謎解きになっていないことです。真相を推理するための決定的な証拠が第3部の法廷場面になって始めて明らかとなる後出しです(使われているトリックや、犯人を特定するにいたった理由などから、後出しになるのは仕方がないともいえますが)。本格推理小説と言うよりは探偵小説、謎解きよりもストーリー性を重視した作品だと思います。

(完全にネタバレをしています。要注意!)
・ 法律関係には疎いのですが、日本の法律に照らして考えると、ローラはメアリイを娘として認知していないので、メアリイが死んでも、犯人はエリノアがメアリイに譲渡した金額しか手に入らないのではないでしょうか。犯行の計画段階では、エリノアがメアリイに金銭を譲渡することすらわかっていなかったので、こんな犯罪を行う事自体意味がないように思います。英国の法律でどうなっているのかわかりませんが。
・ メアリイはホプキンズにそそのかされて遺言状を書いているのですが、いくら父親にお金を渡したくないといっても、顔も見たことのない叔母に遺産を遺すような内容の遺言状を書くというのは不自然に感じます(そもそもメアリイの若さで遺言状を書くこと自体が不自然です)。
・ モルヒネの容器のラベルが発見された件に関しては、犯人がこれほどまでの致命的ミスを犯すというのは普通考えられないことです(まるで逮捕してくださいと言わんばかりのミスです)。また、警察が、このラベルをちゃんと調べていないというのも普通はありえないことです。

No.12 7点 白昼の悪魔- アガサ・クリスティー 2011/03/26 07:42
 謎解き重視の作品で個人的には好みなのですが、この真相を見抜くには飛躍した推理が必要で、ポアロの推理にはなるほどと思う反面、必然性に欠けているようにも感じます。大技トリックはありませんが、複数トリックの組み合わせは中々のものだと思います。作中で、ポアロがこの事件の断片をジグソーパズルのピースに例えているように、複数の謎が絡まっていて、真相部分が見えにくくなっています。ピクシー湾で発見された物品、暖炉から発見された燃えかす、洞窟で発見された麻薬、風呂を使用した人物とその理由、窓から投げられた瓶など様々な謎が提示されますが、読者がこのピースをはめこんで、パズルを完成させるのは困難です。


(若干のネタバレをしています。)
 ポアロは、本当の真相を告げる前に、エセ真相ともいうべきことを語っています。ある意味、この可能性もありうるわけで、真相の必然性が感じられなくなっています。
 ポアロは、暖炉に残った燃えかすとリンダの部屋にあった本の内容から、リンダのやったあることを推理していますが、英国人の読者ならこれは推理可能なのでしょうか。日本人には到底無理ですね(作品中では、本の内容にも触れていませんし)。

No.11 7点 無実はさいなむ- アガサ・クリスティー 2011/03/22 21:15
 読者に提供された手掛かりが不足気味で、謎解きとしては不十分に感じられますが、クリスティーらしい技巧に富んだ佳作です。犯人が巧妙なトリックを仕掛けたというのではなく、物語の進行そのものがトリックになっているところが面白いと思いました。養子5人の特異な家族関係、母親殺しの罪で逮捕された容疑者が無実を主張したまま獄中死、2年後に冤罪を証明する人物が突如出現、それによって引き起こされた関係者間の疑心暗鬼、新たな殺人と殺人未遂の発生、というストーリーも読ませます。端役で登場するある人物が、謎の成立に重要な役割を持っていたことが後でわかります。また、登場人物の性格や考え方のクセといったものが、真相を示唆する伏線となっていることにも後で気付かされました。

No.10 6点 忘られぬ死- アガサ・クリスティー 2011/03/20 17:15
 主人公とも言うべきローズマリーと他の登場人物との間の心理的葛藤が丁寧に描かれていて、物語としての出来が良く、引き込みの強さは私が読んだクリスティー作品の中でも上位だと思います。しかし、ミステリとしての評価は微妙です。読者が犯人を特定するだけの十分な手掛かりが与えられていないと思います。使われているトリックや犯人の設定など、クリスティーらしい作品ではありますが。


(ネタバレをしています。要注意!)
 この作品の中心となる謎は、ジョージがなぜ殺され、青酸カリがいつの時点で盛られたのかという事でしょう。犯人にとっても予想外の偶然の出来事によって、殺人動機に錯乱が生じている事がこの作品の面白い点です。しかし、この偶然によってもたらされた結果(席の入れ替わり)に、パーティーの参加者が誰も気付かなかったという設定は、ちょっと苦しい気がします。また、青酸カリが盛られた時点については、この真相だと、隣のテーブルにいたシャノンが目撃しているはずだと思うのですが(この部分の説明がわかりにくく、私が読み間違えているのかもしれませんが)。

No.9 5点 もの言えぬ証人- アガサ・クリスティー 2011/03/19 08:37
 題名から、被害者の愛犬ボブが重要な役割を演じるものと思っていましたが、そうでもありませんでした。読者が合理的に犯人を推理できるような作品になっていないのが残念です。殺人に係るトリックには、ある分野の特殊知識が使われています。ポアロの犯人特定手法も、容疑者の性格分析などによるものであり、必然性が感じられません。犯人は、クリスティーの一般的傾向から推測される人物ではなかったのが意外でした。最後にポアロが犯人に対して取った措置は、これで良かったのでしょうか。

No.8 7点 パーカー・パイン登場- アガサ・クリスティー 2011/03/08 19:01
 私も初めて読んだクリスティー作品はこの作品でした。久しぶりに再読しました。軽い文体の短編集で、いずれもひねりのある結末になっています。パーカー・パイン氏が新聞に掲載した広告記事の文章が印象的です。パイン氏は統計的知識を活用し、前半6作の人生相談ものではスタッフを使った大芝居を打って、相談者の問題を解決します。個人的ベスト作品は「デルファイの神託」、次点が「悩める淑女の事件」です。
「悩める淑女の事件」
 パイン氏はある人物の策略を見抜き、肩透かしを食わせます。
「金持の夫人の事件」
 パイン氏の大掛かりな演出によって、夫人は本当の幸福を見出します。
「ほしいものは全部手に入れましたか?」
 相談者の夫が残した奇妙な手紙から、パイン氏は宝石盗難事件の真相を見抜きます。
「デルファイの神託」
 見事なミスディレクションで、結末ではあっと驚かされます。

No.7 5点 葬儀を終えて- アガサ・クリスティー 2011/03/07 18:44
 クリスティー・ファンクラブが第9位に選んでいる作品ですが、個人的にはあまり評価できません。私はこの真相が見抜けませんでしたが、かなりアンフェアな作品だと思います。


(完全にネタバレをしています。注意!)

 ギルクリストはコーラに成りすましてリチャードの葬式に参列した後、本来のギルクリストに戻って、スーザンやモードに会い、さらにエンダビーを再訪問して、関係者ほぼ全員と会っています。ここまでやって、「葬式に参列したコーラ」とギルクリストが同一人物であることに誰も気付かないという設定は乱暴でしょう(しかも、ギルクリストは大胆にもわざわざ希望して、エンダビーを再訪問している)。私でも、「葬儀に参列したコーラ」がギルクリストの成りすましである可能性は一応考えましたが、矛盾があるため、却下しました。犯人の動機も後出し気味だし、この動機でこんな面倒な犯罪計画を立てるとは考えられません(目的の絵画をレプリカと入れ替えて入手し、仕事を辞めるだけで良かったのでは)。鏡の左右反転からのポアロの推理もぱっとしません。ギルクリストが「あの造花とテーブル、ほんとうにぴったりですわ」と言った一言が、犯人を特定する唯一の決め手となっているのですが、読者がこの一言を見逃さないためには相当の注意力が必要でしょう。

No.6 7点 ポアロのクリスマス- アガサ・クリスティー 2010/12/25 08:44
 いかにもクリスティーらしい作品だと思いました。
 真相は、全く私の思考の枠外でした。クリスティーの作品なんだから、この可能性は考慮すべきだったなあと後で思いました。真相がわかってみると、ヒントとなる伏線があちこちにちりばめられていることがわかります。しかし、あの物的証拠からあのトリックはなかなか思いつかないですね。殺人事件は1件のみであり(殺人未遂が1件ありますが)、関係者のアリバイ捜査に終始するプロットは地味で、このあたりがクリスティー作品の中ではさほど人気のない原因なのでしょう。

No.5 6点 火曜クラブ- アガサ・クリスティー 2010/07/26 19:12
 マープルの推理はロジックによるものではなく、人間観察に基づく経験知によるもの。そのため、多少飛躍した(と私には思われる)推理が披露され、ついていけない部分もあった。「動機対機会」が魅力的な謎の提示、トリックの面白さで優れている。一方、「バンガロー事件」は真相を読み返して考えてみたが、事件の構図が理解できなかった。

(以下、「バンガロー事件」についてのネタバレあり)
 この話だけは既に起こったことではなく、話し手の計画を語ったものである。犯行内容自体もわかりにくいが、犯行の意味が全くわからない。なぜこんな回りくどいことをするのか、なぜ代役の女優がこんなことに協力するのか....など。モヤモヤ感が残った。

No.4 10点 検察側の証人- アガサ・クリスティー 2010/05/08 21:12
 これはすごい!
 ラストの衝撃度では、今まで読んだ作品中で最高だ。
 読みやすいし、短時間で読むことが出来るので、すべての人にお薦めしたい。

No.3 5点 シタフォードの秘密- アガサ・クリスティー 2010/04/20 19:07
 雪に埋もれた山荘で霊媒占いが行われ、殺人のお告げがあった。お告げどおりに、山荘から2時間離れた場所でほぼ同時刻に人が殺された...。
 まるで、ディクスン・カーのような書き出しだが、クリスティーはカーと違って、不可能犯罪であることを強調しなかった。
 本作品については、江戸川乱歩だけではなく、坂口安吾も「推理小説論」の中で「意表をつくトリックによって、軽妙、抜群の発明品であり、推理小説のトリックに新天地をひらいたもの」として絶賛している。発表当時は斬新なトリックだったのであろうが、今となっては陳腐としか言いようがないのは残念。クリスティーの作品らしく、犯行の動機には工夫がある。

No.2 5点 ヒッコリー・ロードの殺人- アガサ・クリスティー 2010/03/05 17:25
 ポアロ登場作品としてはマイナーな作品。
 確かに登場人物が多すぎると思います。巻頭の登場人物一覧表に記載されている寮生だけでも11人(それ以外にも寮生が登場する)。外人の名前は憶えにくいので、頻繁に登場人物一覧表を見返しました。
 雑多な品物の盗難事件、モルヒネの入った瓶の移動、背後にある大きな謎などプロットは結構面白いと思います。しかし、盗難事件の動機、特に電球の盗難理由はいただけません。
 ちょっとしたトリックも使われているのですが、小粒感は否めません。

No.1 4点 動く指- アガサ・クリスティー 2010/02/14 08:47
 この作品は、ミステリーの要素が希薄だ。登場人物や人間関係の描写が主であり、読んでいる時にはミステリーであることを忘れてしまう程だ。クリスティーは自作のベストテンの中に本作品を選んでいるが、これは登場人物への思い入れの強さによるものであろう。
 物的証拠がないため、最終的にはマープルと警察は犯人に罠を仕掛けて、逮捕する。謎解きの面白さがないため、採点は厳しめとなった。文章は会話が主体であり、非常に読みやすい。
 しかし、なぜ表題が「動く指」なのであろう。読み終えてもわからなかった。謎のままである。

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りゅうさん
ひとこと
 横溝正史の作品を集中して読んだ時期はありましたが、これまではミステリを文学の1ジャンルにすぎないと考え、特にミステリにこだわった読書をしてきたわけではありませんでした。このサイトの書評を見て、ミステリ...
好きな作家
あえて挙げると、ディクスン・カーと横溝正史
採点傾向
平均点: 6.53点   採点数: 163件
採点の多い作家(TOP10)
横溝正史(22)
アガサ・クリスティー(19)
鮎川哲也(10)
エラリイ・クイーン(9)
有栖川有栖(7)
ジョン・ディクスン・カー(7)
森博嗣(5)
泡坂妻夫(5)
麻耶雄嵩(4)
西澤保彦(3)