皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
nukkamさん |
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平均点: 5.44点 | 書評数: 2814件 |
No.1134 | 5点 | 二人のウィリング- ヘレン・マクロイ | 2016/04/13 12:58 |
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(ネタバレなしです) 1951年発表のベイジル・ウィリングシリーズ第9作の本格派推理小説で、シリーズ前作「暗い鏡の中に」(1950年)と並ぶ問題作です。「暗い鏡の中に」の方は物語の締めくくり方が不条理で好き嫌いが分かれそうですが、そこを普通の結末に置き換えることは十分可能でしょう。しかし本書の場合は謎解き真相自体がとても大胆で、これは変更は無理でしょう。抑制の効いた文章で描いているので一度読んだだけだとインパクトが伝わりにくいのですが、読めば読むほどにいかにとんでもない真相なのかがわかります。万人受けは望めそうにないとんでもなさですが。 |
No.1133 | 5点 | 笑うきつね- フランク・グルーバー | 2016/04/09 23:14 |
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(ネタバレなしです) 1940年発表のジョニー・フレッチャー&サム・クラッグシリーズ第2作のユーモアハードボイルドです。2人がまたまた死体を発見して容疑者となってしまい、真犯人探しに乗り出すという典型的パターンです。死体を発見した時に側で生きていた狐(本物です)が次に見たときには何者かに射殺されていたという風変わりな謎も魅力的で、更には20年前の少年失踪事件まで絡んできて、軽快でスピーディーなテンポと複雑なプロットの組み合わせで読ませます。しかし本書を本格派推理小説として評価しようとすると真相がそれなりに意外なだけに読者が推理で犯人当てするのに十分な謎解き伏線があったとは思えないのがとても残念。最後はハードボイルドらしく暴力的に決着させています。といってもこの作者らしく、さほど痛々しい暴力描写ではありませんけど。それから第10章のギャンブル対決描写のサスペンスが出色でした。 |
No.1132 | 5点 | 幻女殺人事件- 岡村雄輔 | 2016/04/09 08:05 |
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(ネタバレなしです) 1954年発表の長編第3作の本格派推理小説でシリーズ探偵は登場しません(但し秋水魚太郎シリーズで共演している熊座警部補は登場しています)。謎解きは凝っていて、雪の上に犯人の足跡がない雪密室、幻のような「雪女郎」の目撃談、アリバイ崩しなどの数々の謎があり、容疑者は最終的にはわずか4人に絞られるのですが推理の結果、何と4人とも犯人ではあり得ないという、ジル・マゴーンの「騙し絵の檻」(1987年)みたいな展開になったのは驚きました(無論最後は犯人が特定されます)。さらにはどの手掛かりがどの章にあったかまで説明しています。(散発的ながら)容疑者たちの心の動きを描写して物語に深みを加えようとしているのもこの作者らしいです。こうした色々な長所がありながらも複雑な謎解きの説明が上手くなくてわかりくいので損をしています。この謎解きなら現場見取り図は欲しかったですね(第二の事件の謎解きは理解しきれませんでした)。なお本書は現代仮名遣いに改訂された「岡村雄輔探偵小説選Ⅱ」(2013年)で読むことを勧めます。 |
No.1131 | 5点 | 知床岬殺人事件- 皆川博子 | 2016/04/06 19:48 |
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(ネタバレなしです) 皆川作品は凝ったタイトルが多いのですが1980年代にはシンプルに「殺人事件」を付けただけの作品をいくつか書いています(出版社の意向らしいです)。それにしても西村京太郎のトラベルミステリーブームに便乗したかのようなタイトルで1984年に本書を発表したのは当時の読者は驚いたことでしょう。とはいえ内容は西村作品とは全く異なります。前半は二重人格の恐怖におびえる女性を描いていますがサイコサスペンスにはならず、しかも中盤以降はこの人の影が薄くなってしまいます。逆に前半では存在感がいまいちだった人物が後半は探偵役として頑張っていますが、重大なトリックを見破るのはこの人ではないなどどこか違和感を覚えるプロットです。登場人物間の微妙な緊迫感や対立を巧妙に描いており、意外なところに伏線が張られた本格派推理小説として楽しめたのですが、妙なタイミングで官能描写を入れたのは余計だったような気もします。せっかくの叙情性が台無しになりかねません。 |
No.1130 | 5点 | 悩むウェイトレス- E・S・ガードナー | 2016/04/02 22:47 |
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(ネタバレなしです) 1966年発表のペリー・メイスンシリーズ第77作ですが、ミステリージャンル分類は悩みそうです。法廷場面はありますが短めなので法廷スリラーとしては物足りないし、メイスンの説明にはどうやって犯人を特定したかの推理がなく、はったりで犯人に罠を仕掛けて解決しているので本格派推理小説としては合格点をあげられません。(消去法ですが)個人的にはサスペンス小説と評価しました。メイスンが「底深い、おそらくは危険な謀略」に巻き込まれつつありそうな不幸な依頼人を助けようとあの手この手を打つのですが、今回は抜け目のない登場人物が多くて(名前のない脇役ながらタクシー運転手さえもそうでした)、最後まで予断を許さない展開が続きます。メイスンをやっつけることにご執心のハミルトン・バーガー地方検事が今回は(協力的とは言わないまでも)意外と潔い態度だったのには驚きました。 |
No.1129 | 5点 | 優しい密室- 栗本薫 | 2016/04/02 13:19 |
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(ネタバレなしです) 1981年発表の伊集院大介シリーズ第2作の本格派推理小説で、女学校時代の森カオル(17歳)との出会いが描かれています(「鬼面の研究」(1981年)では18歳と回想されていますが)。カオルの1人称形式の青春物語でもありますが、孤立しているとまでは言わないまでも親友らしい親友がおらず(「ぼくらの」三部作の栗本薫(男性)とは大きく違います)、かなり内向的で他人批判精神が強い印象で描写されます。しかし伊集院への対抗心で探偵意欲が刺激されたか後半はかなり行動的になり、これがサスペンスを生み出します。警察と協力関係にある伊集院と違ってこちらは完全にアマチュア探偵、不十分な情報をもとに推理に推理を重ねますがやはり頼りなさは否めません。しかし密室トリックを見破ることに関してはかなりいい線まで迫っており、全くの無能探偵というわけでもありません。伊集院の捜査描写が全くないので読者(カオルと同じ条件)としては謎解き手掛かりがフェアに与えられていると感じにくいのが弱点だと思います。 |
No.1128 | 5点 | 噂のレコード原盤の秘密- フランク・グルーバー | 2016/03/31 12:06 |
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(ネタバレなしです) 1947年発表のジョニー・フレッチャー&サム・クラッグシリーズ第10作で、シリーズ第1作の「フランス鍵の秘密」(1940年)と同じホテルが舞台になっています(前作ネタバレはありません)。いきなり男が女を殺す場面で始まりますが犯人の正体は終盤まで伏せられており、最後に事件関係者を一堂に集めてジョニーによって犯人が指摘されます。この集め方が凝っていて、ジョニーが会社に乗り込んで臨時の株主総会を開催させるというのがなかなかの見所です。しかしやはりこのシリーズの他の作品と同じく、犯人当て要素はあっても本格派推理小説の謎解きとしては多くを期待できません。推理は論理的でなく、証拠についても(犯人自身が指摘していますが)決定力がなく、結局(サムは気づきましたが)はったりで押し切っています。やはり軽めのハードボイルドとして、あの手この手の金策(今回は恒例のボディービル商売はできません)に奔走するジョニーとそれに振り回されるサムのでこぼこコンビぶりを楽しむのがよいと思います。 |
No.1127 | 5点 | 空洞星雲- 森村誠一 | 2016/03/29 20:13 |
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(ネタバレなしです) 新本格三部作の第2作として1980年に発表された作品で、社会派推理小説要素の強かった第1作「太陽黒点」(1980年)と比べると密室にアリバイ崩しと本格派推理小説らしさを感じることができます。「太陽黒点」の登場人物の何人かが再登場しているので、先にそちらを読むことを勧めます。密室トリックはやや肩透かしトリックですが、アリバイトリックはなかなかよく考えられています。現代ではあまり見られなくなった器具が使われているのですが、細部まで丁寧に説明してあるので古いけど古臭くは感じませんでした。犯人探しとしては不満があり、これなら「殺意の分業発信」の章で解決させた方がよかったと思います。とはいえ最終章の追跡劇のスリルは傑出した出来映えだし、「フラッシュバック」の章の推理小説家めった切りも楽しいです(ちょっとやり過ぎかも?)。 |
No.1126 | 5点 | 栗色の髪の保安官- P・M・カールソン | 2016/03/29 19:54 |
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(ネタバレなしです) マギー・ライアンシリーズを8作発表したカールソンが1993年発表の本書で新たなシリーズをスタートしました。主人公のマーティ・ホプキンズは本書ではまだ保安官助手で、女性ゆえか凶悪犯罪性の少なそうな事件(?)を押しつけられたりとなかなかの苦労人です。マギー・ライアンシリーズのような本格派推理小説としての謎解き要素はなく、地道な捜査が主体の警察小説のプロットです(本格派好きの私としてはちょっと残念)。とはいえ事件解決に重要な役割を果たすウルフ教授のエキセントリックぶりや、洞窟内でのマーティと犯人のサスペンス豊かな対決描写など随所ではきらりと光っています。 |
No.1125 | 5点 | 美人コンテストの女王- E・S・ガードナー | 2016/03/29 19:43 |
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(ネタバレなしです) 1967年発表のペリー・メイスンシリーズ第78作です。殺人事件はすぐには発生しませんが、まったく退屈させない展開はさすがにガードナーです。解決が警察初動捜査の手落ちに頼っているのと推理が相当強引なのが少々気にはなりますが。ちなみに美人コンテストの優勝者が確かに登場するのですが、それは20年前に終わっていた話でした。コンテストの結果がどうなるかをはらはらしながら読む物語かと勝手に私は期待していました。 |
No.1124 | 5点 | 修道院の第二の殺人- アランナ・ナイト | 2016/03/29 19:25 |
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(ネタバレなしです) 英国の女性作家アランナ・ナイト(1923年生まれ)は歴史小説やノンフィクション、ロマンチック・スリラーなど様々なジャンルの作品を書いていますが、1988年発表の本書を第1作とするジェレミー・ファロシリーズには特に力を入れているように思います。ヴィクトリア朝の英国を舞台にした本格派推理小説ですが延々と手掛かり捜査しているプロットがやや単調に感じられますし、いくつかの謎解き伏線はあるものの犯人が指摘されてから初めて動機がわかるという結末にも不満を覚えます。淡々とした筋運びですが締め括りは結構劇的です。 |
No.1123 | 5点 | 密林の骨- アーロン・エルキンズ | 2016/03/27 15:11 |
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(ネタバレなしです) 2007年発表のギデオン・オリヴァー教授シリーズ第14作の本格派推理小説で、南米アマゾンが舞台です。登場人物の間で多少の揉め事はありますが緊張感が高まるほどでもなく、なかなか事件が起きない展開はやや冗長さを感じます。それでもすらすら読ませる筆力はさすがですが。船上の場面が多いのが本書の特徴ですが、そのためかシリーズの特色である骨の分析シーンは無理やり織り込まれたという印象を受けました。 |
No.1122 | 5点 | ブラックスワン- 山田正紀 | 2016/03/27 15:08 |
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(ネタバレなしです) 山田正紀のミステリーはどこかもやもやした幻想性のようなものを感じさせる作品が多いのですが、1988年発表の本書もそういう印象を受けます。閑静な住宅街の中にあるテニス・クラブで女性が火だるまになって死ぬという衝撃的な事件で幕を開けますが焼死事件の方は意外と扱いが小さく、18年前に起きた失踪やブラックスワン(本物の鳥です)の死の謎の方に多くのページを割いているプロットです。事件関係者たちの手記が謎解きにからむのはアガサ・クリスティーの「五匹の子豚」(1943年)を連想させます。もっとも明確な探偵役がいないところはクリスティーと異なっており、丁寧に説明していながらもどこか動機にしっくりこないような感じが残りました。なおハルキ文庫版の巻末解説は小説より先に読まない方が吉だと思います。 |
No.1121 | 6点 | 奇妙な果実殺人事件- 藤田宜永 | 2016/03/27 14:44 |
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(ネタバレなしです) 作風が変わるのは珍しくありませんけど藤田宜永(ふじたよしなが)(1950-2020)のように1986年に作家デビューしてハードボイルド小説と冒険小説で名を売り、1990年代後半になってロマンス小説に走ったというのは相当珍しい例ではないでしょうか。その彼の唯一の本格派推理小説が1989年発表の本書です。密室で天井から吊り上げられた死体の頭に巨大な果実がかぶさられていたという奇妙な演出もさることながら、列車の時刻表ならぬ航空機のフライトスケジュール(しかも国際線)のアリバイ調査というのはちょっと記憶にありません。色々と詰め込み過ぎ気味で容疑者も無駄に多い感じがありますが、読みにくいというほどではありません。 |
No.1120 | 6点 | 卒業−雪月花殺人ゲーム- 東野圭吾 | 2016/03/27 14:38 |
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(ネタバレなしです) 1986年発表の加賀恭一郎シリーズ第1作の本格派推理小説です。後に警察官となって活躍する加賀ですが本書では大学生の設定です。青春ミステりーと宣伝されていますが会話がどこか醒めているというか他人行儀な感じがして、学生仲間同士という雰囲気ではないような気もします。とはいえリアリティーにこだわらなければ単なる謎解き小説に留まらない面白さがあります(明るく楽しいという意味ではありませんけど)。シリアスで独特の重苦しさがあるストーリーだけに、密室トリックが拍子抜けトリックだったのが何とも不思議な読後感を残しました(青春ミステリーではありませんが三好徹の「光と影」(1960年)を読んだ時の読後感に近かったです)。 |
No.1119 | 4点 | 将棋殺人事件- 竹本健治 | 2016/03/27 14:13 |
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(ネタバレなしです) 奇書として国内ミステリー史に名を残した「匣の中の失楽」(1978年)、比較的まともな本格派推理小説の「囲碁殺人事件」(1980年)を発表した作者が次にどんなミステリーを書くのか気になった読者も多かったでしょうがどうやら前衛路線を選んだようです。1981年出版の本書は、牧場智久シリーズ第2作(但し謎解き主役は前作同様須藤です)、ゲーム・ミステリ三部作の第2作、そして狂気三部作の第1作と色々な呼称が付いているようです(笑)。角川文庫版の巻末解説でも「読者を混乱の迷路に陥れようとしている」と紹介されていますが、意図的に話の筋道をねじ曲げたかのようなストーリー展開は難解極まりなく、一応最後は須藤が謎解き説明をしていますがそもそも解くべき謎が何だったのかさえ私にとってはよくわからないままに読んだので、すっきり感は得られませんでした。300ページに満たない分量だったのと、難解さのおかげで特に恐怖も感じなかったのがせめてもの救いでしたが(笑)。 |
No.1118 | 5点 | 翼をください- 田南透 | 2016/03/26 23:12 |
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(ネタバレないです) 2012年発表のデビュー作である本格派推理小説ですがミステリ・フロンティア版の「嵐の孤島の殺人を中心に据えた、直球の<犯人当て小説>」という宣伝文句とはかなり異なる印象を受けました。第一部は事件発生するまでの登場人物たちの人間関係を描いていますが一部の人間しか脚光を浴びておらず、第二部で事件が起きてからようやく人物整理されます。登場人物のそれぞれの秘密が少しずつ暴かれ、ついには狂気じみた犯人も明らかになるのですが、犯人以上に狂気がエスカレートする人物たちのとんでもない行動ととんでもない結末の方がはるかに印象に残る作品でした。狂喜乱舞ならぬ狂気乱舞ですな、これは。 |
No.1117 | 6点 | カクテルパーティー- エリザベス・フェラーズ | 2016/03/26 09:10 |
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(ネタバレなしです) 1955年発表の本格派推理小説ですが、警察も含めて第三者による捜査や推理はほとんど描かれません。事件関係者同士のやり取りの中に推理場面があるのですが思いつき程度のため、謎解きの進展を感じないまま物語が進行するところは「私が見たと蠅は言う」(1945年)といい勝負です。料理の中から味のない毒(砒素)が発見される一方でその料理には誰の仕業か強烈な味付けがされていて常人ならほとんど食べられないという仕掛けがあり、ほんの少し食べさせて気分を悪くする程度に留めようとしたのではないかという説も出て殺人か事故死かさえもなかなかはっきりしません。盛り上がらないまま最終章に至りますがこの最終章の重苦しさはインパクト大です。ここでは推理による真相説明もありますが、謎解きのすっきり感よりもあまりと言えばあまりの結末に愕然としました。 |
No.1116 | 6点 | ひげのある男たち- 結城昌治 | 2016/03/22 00:25 |
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(ネタバレなしです) 私は国内ミステリーをそれほど読まず、さらにハードボイルドは苦手ジャンルなので国内ハードボイルド小説の先駆者と評価されている結城昌治(ゆうきしょうじ)(1927-1996)についてはほとんど知らなかったのですが文献によれば国内ユーモアミステリ分野においても先駆者的な存在のようです。1959年発表のデビュー作にして郷原部長シリーズ第1作の本書はユーモア警察小説で本格派推理小説でもあります。郷原部長(どちらかといえば迷探偵の役柄)の空回りする捜査ぶりが描かれているところはユーモアを感じますが、容疑者たちの多くが裏社会系の人間ということもあって乱暴で低俗な口調の会話が多い方が気になりました。本格派推理小説としてしっかりした内容で、犯人の条件に関する推理がちょっと大胆過ぎな気もしますが謎解き伏線をさりげなく潜ませるテクニックが光ります。 |
No.1115 | 5点 | ひとり、そしてそれだけ- 佐野洋 | 2016/03/22 00:17 |
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(ネタバレなしです) 1986年発表の本格派推理小説で構成に凝った作品です。場面が次から次へと変わり、その度に登場人物も入れ替わります。ストーリーテンポの良い作家ならこの手法はサスペンスを織り上げるのに効果的だったかもしれません。しかし地味な作風の佐野の場合は成功したとは言えないように思います。曖昧な物語を細かく刻んだために更にわかりにくくしてしまったような印象を受けました。推理の切れ味もありません。複雑な背景を持つ真相なので何度か読めば味わいの出てくる作品かもしれませんが。 |