皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
[ ハードボイルド ] フランス鍵の秘密 ジョニー・フレッチャー&サム・クラッグ |
|||
---|---|---|---|
フランク・グルーバー | 出版月: 2005年09月 | 平均: 5.50点 | 書評数: 2件 |
早川書房 2005年09月 |
No.2 | 5点 | nukkam | 2016/05/16 14:36 |
---|---|---|---|
(ネタバレなしです) 米国のフランク・グルーバー(1904-1969)は1930年代にパルプ・マガジン作家として膨大な量の短編小説を書いて成功、1940年代からは長編小説にも力を注ぐようになり、晩年の自伝(1967年発表)によると長中短編の小説、脚本、伝記本など合わせて1000作近い作品を書いた多作家です。長編ミステリーで特に人気の高かったのが、ジョニー・フレッチャー(頭脳派)とサム・クラッグ(肉体派)のセールスマンコンピのシリーズ(全部で14作)ですが、執筆にあたって作者がベンチマークにしたのがE・S・ガードナー(ペリイ・メイスンシリーズ)とジョナサン・ラティマーということもあって速いストーリーテンポ、ユーモア、そして本格派の謎解きがミックスされたハードボイルドになっています。本書は1940年発表のシリーズ第1作で映画化もされた代表作です。ハードボイルドならではのアクションシーンもありますがフーダニットとしての興味も最終章まで保たれていて、最後はジョニーによって事件の真相がかなり詳細に説明されます。もっとも推理が十分に語られているわけではなく、はったり気味に犯人を追い詰めるので本格派として評価すると採点が辛くならざるを得ませんが。 |
No.1 | 6点 | mini | 2012/09/27 09:52 |
---|---|---|---|
* これは書評済だったけど一旦削除して再登録(苦笑)
戦後に流行した通俗B級ハードボイルドだが、戦前戦中にかけてこの分野の先駆者となった2人の作家を忘れるわけにはいかない 1人目は言うまでもなくジョナサン・ラティマーだが、もう1人がフランク・グルーバーである どちらも通俗臭の強い作風で、ハードボイルドとしては謎解きパズラー色も強いという面でも共通している 1つ大きな違いはラティマー作品にはビル・クレインという私立探偵が登場するが、グルーバーの有名な探偵役はフレッチャーとサムの名コンビが私立探偵という職業では無い事だ テキ屋っぽいアマチュア探偵であるこの2人が事件に巻き込まれ、否応無く事件の真相を探らざるを得ない状況に追い込まれるのだ グルーバーはラティマーほど文章がお下品ではないが、ドタバタ度ではむしろ優りテンポが良い、私は両者共に好きな作家だが ハードボイルドミステリーというのは文学性、精神性みたいな面で捉えるような分野ではないのではないかとずっと思っいて、英国作家に対抗してアメリカ作家が個性を出そうとして生み出した成果という気がするんだよなぁ グルーバーなどはそれが良い方向に出た一例だろう |