海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ ハードボイルド ]
ソングライターの秘密
ジョニー・フレッチャー&サム・クラッグ
フランク・グルーバー 出版月: 2024年07月 平均: 5.00点 書評数: 1件

書評を見る | 採点するジャンル投票


論創社
2024年07月

No.1 5点 nukkam 2024/08/06 18:23
(ネタバレなしです) フランク・グルーバー(1904-1969)のジョニー・フレッチャー&サム・クラッグシリーズは第1作の「フレンス鍵の秘密」(1940年」から第12作の「レザー・デュークの秘密」(1949年)までは快調なペースで書かれましたが、第13作の「一本足のガチョウの秘密」(1954年)は5年の空白後、そしてさらに10年を経ての1964年に第14作の本書がようやく出版され、これが結果的にシリーズ最終作となりました。執筆ペースがスローダウンした理由はわかりませんが、本書も他のシリーズ作品と同じく軽快なテンポで書かれたユーモア・ハードボイルドで特に衰えは感じません。シリーズ集大成のつもりで書いたのかは判断できませんけど、何度もシリーズ作品に登場した「四十五丁目ホテル」でのジョニーと支配人のやり取り、ボディービル本の行商、ジョニーの機転、サムの怪力無双などがお約束のごとく楽しめます。賭けに負けた代償に自作の楽譜をサムに譲渡したソングライターがジョニーとサムの前で毒死しますが、殺人犯捜しよりも楽譜を巡ってのコン・ゲーム的な展開を重視しているのが本書の特徴です。本格派推理小説好きの私としては第21章の最後の説明は好みの真相ではないし、第2の殺人についてはほとんど謎解き説明されていないのも不満です。とはいえ終盤のたたみかけるような勢いはこの作者ならではで、第27章でのジョニーの粋なはからいも印象的でした。


キーワードから探す
フランク・グルーバー
2024年07月
ソングライターの秘密
平均:5.00 / 書評数:1
2024年04月
一本足のガチョウの秘密
平均:6.00 / 書評数:1
2024年01月
レザー・デュークの秘密
平均:5.50 / 書評数:2
2022年06月
ケンカ鶏の秘密
平均:5.00 / 書評数:2
2021年04月
正直者ディーラーの秘密
平均:5.50 / 書評数:2
2020年09月
怪力男デクノボーの秘密
平均:5.00 / 書評数:1
2020年03月
ポンコツ競走馬の秘密
平均:5.00 / 書評数:1
2019年06月
おしゃべり時計の秘密
平均:6.00 / 書評数:2
2018年08月
はらぺこ犬の秘密
平均:6.00 / 書評数:1
2015年12月
噂のレコード原盤の秘密
平均:5.00 / 書評数:1
2005年09月
フランス鍵の秘密
平均:5.50 / 書評数:2
1977年09月
グルーバー 殺しの名曲5連弾
平均:6.00 / 書評数:2
1968年01月
愚なる裏切り
平均:6.00 / 書評数:1
1965年07月
ゴースト・タウンの謎
平均:6.50 / 書評数:2
1962年03月
笑うきつね
平均:5.50 / 書評数:2
1961年01月
バッファロー・ボックス
平均:7.00 / 書評数:1
1957年01月
コルト拳銃の謎
平均:5.67 / 書評数:3
不明
六番目の男
平均:7.00 / 書評数:1