皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
していません。ご注意を!
nukkamさん |
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平均点: 5.44点 | 書評数: 2865件 |
No.345 | 6点 | ケープコッドの悲劇- P・A・テイラー | 2013/02/03 14:02 |
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(ネタバレなしです) アメリカ本格派推理小説の黄金時代に活躍した女性作家のフィービ・アトウッド・テイラー(1909-1976)は20作ほどのアゼイ・メイヨシリーズを残したことで知られています(1951年以降は作品を発表しなかったのは本格派推理小説の人気凋落と重なったからでしょうか?)。デビュー作にして代表作とされる、1931年発表の本書はアガサ・クリスティーと同様、いやそれ以上に会話を重視し、捜査を含めて動きの描写の少ないプロットの本格派推理小説です。時に単調にもなりますがほとんどの登場人物の証言がどこか怪しく、容疑は転々とします。推理があまり論理的でないのが少々惜しいですが、当時のアメリカ本格派推理小説を代表するヴァン・ダインやエラリー・クイーンとは異なる個性を感じさせる作品です。 |
No.344 | 5点 | 感謝祭は邪魔だらけ- クリスタ・デイヴィス | 2012/12/25 21:47 |
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(ネタバレなしです) アメリカの女性作家クリスタ・デイヴィスが2008年に発表した、イベント・プランナーのソフィ・ウィンストンを主人公にした作品で、本国では「Domestic Diva」シリーズと呼ばれているそうです。推理で解決されていないところが少々不満ですが、コージー派のミステリ-としてはかなり謎解きに集中した作品だと思います。多彩な人物が織り成す人間関係が予想以上に複雑で、漫然と読むと結構手こずるかもしれません。デビュー作のためか詰め込み過ぎの感もありますが、プロットに起伏があってサスペンスはそこそこあります。 |
No.343 | 6点 | 修道女フィデルマの叡智- ピーター・トレメイン | 2012/12/25 21:37 |
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(ネタバレなしです) 「From Hemlock at Vespers」というタイトルで15の短編を収めて上下巻で2000年に出版されたのが本国オリジナルです。その中の5作品を選んで日本独自編集で出版したのが本書で、作者了解をちゃんと取ってはいたそうですがわずか5作品しか紹介しなかったことに当時の私は結構憤慨してました(笑)。その後「修道女フィデルマの洞察」、「修道女フィデルマの探求」で5作品ずつ小出し紹介して結局全作品が読めるようになったのでほっとしましたが。長編だと謎解き以外に時代描写や冒険小説要素などが織り込まれていますが、短編では謎解きに絞り込んでおり作風は少し違いますがアガサ・クリスティーに匹敵するほど引き締まったプロットだと思います。どんでん返しの印象度で「ホロフェルネスの幕舎」と「大王の剣」がお勧めですが、他の作品も甲乙つけがたいレベルだと思います。 |
No.342 | 6点 | 聖なる死の塔- 黒崎緑 | 2012/12/25 21:16 |
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(ネタバレなしです) 二階堂黎人の二階堂蘭子シリーズを薄味にしたような1989年発表の高梨洋子シリーズ第1作の本格派推理小説です。不可能犯罪やオカルト要素がありますが演出はあっさり目です。光文社文庫版の登場人物リストは全員女性ですが華やかさはなく全般的な雰囲気はむしろ暗い作品ですが、過度に重苦しくはありません。二階堂蘭子シリーズの演出が過剰過ぎて肌に合わないと感じる読者なら本書は受け容れやすいのでは。その代わり物足りなく感じる読者もいるかもしれません。謎解き後の結末のつけ方は賛否が分かれそうです。 |
No.341 | 5点 | 黒十字架連続殺人事件- 草野唯雄 | 2012/11/01 18:18 |
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(ネタバレなしです) 1981年発表の尾高一幸シリーズ第2作で、シリーズ前作の「支笏湖殺人事件」(1980年)は本格派推理小説でしたが本書はサスペンス小説だと思います。序盤で被害者の素性を尾高が推理しているあたりは本格派らしさもありますが、中盤以降は推理要素はほとんどありません。舞台が東京の勝鬨橋(かちどきばし)、新潟のスキー場、そして何とブラジルと移り変わります。犯人探しもさることながら動機の探求に力を入れており、そこには犯人側への同情を誘うようなところもありますが被害者の中には恨みを買うような理由のない者もいるので個人的には犯人に共感できません。そのためか終盤で尾高が犯人に肩入れするような行動を取っていますが、それが正当とは到底思えませんでした。 |
No.340 | 5点 | 少年探偵ロビンの冒険- F・W・クロフツ | 2012/11/01 17:19 |
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(ネタバレなしです) お堅いイメージのクロフツが1947年に子供向けミステリー(冒険スリラー系です)を書いていたとは驚きでした。しかも既存作品のアレンジではなくオリジナル作品です。この種の作品だと土壇場まで子供たちだけで奮闘するものが多いのですが、本書ではロビンもジャックも早い段階から大人に相談して助言を仰いでいます。大人視点だと聞き分けのいい子供で結構なんですが、もう少し羽目をはずさせてもいいのでは(笑)。シリーズ探偵のフレンチも登場しますがここでは脇役です。子供向け作品でも地味で手堅いプロットなのがこの作者らしいのですが、その代わりどきどき感もあまり味わえませんでした。大人でも難解な鉄道用語がたくさん散りばめられており、鉄道ファンを育てようとするもくろみが見え隠れしているような...。 |
No.339 | 5点 | 総理大臣秘書- 佐賀潜 | 2012/10/16 11:54 |
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(ネタバレなしです) 弁護士だった佐賀潜(1909-1970)は作家デビューしたのが1960年のため作家人生は晩年のわずか10年のみですが、社会派全盛期の時代の潮流に乗って政界、財界、産業界の影の部分を描いた作品を次々に発表し、「商法入門」(1967年)を始めとする法律入門書も好評、テレビ出演も果たすなどその10年は非常に充実したものでした。1967年発表の本書は1966年から1967年にかけて松本清張が責任編集した「新本格推理小説全集」10冊の一つですが...。確かに最終章では犯人当ての推理が披露され、謎解き伏線も紹介されています。しかし本格派推理小説らしさを感じさせたのはここだけで、他の章では政治と金、それをめぐる人間のどろどろした面と、その中で自分の主張を曲げずに奮闘する主人公の対比描写で占められており、典型的な社会派推理小説だと思います。これはこれでよくできていると思うのですが(苦味を含んだ結末が印象的です)、本格のレッテルを無理につけない方がよかったのでは。 |
No.338 | 6点 | 看護婦への墓碑銘- アン・ホッキング | 2012/10/09 18:55 |
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(ネタバレなしです) 1930年にデビューした英国の女性作家アン・ホッキング(1890-1966)は当初はサスペンス小説家として活動しましたがやがてオーステン警部シリーズ(1958年発表の本書では警視です)の本格派推理小説が創作の中心を占めるようになり、最終的に40冊近いミステリーを残したそうです。なかなか事件が起きないプロットですが脅迫者に転身する看護婦、患者やその家族などが上手に描き分けられて退屈しません。脅迫を扱いながらも陰湿さを感じさせない文章は心地よく、ぎりぎりまで犯人の正体を隠してじわじわとサスペンスを盛り上げます。本格派推理小説としては謎解きの難易度は高くないと思いますが幅広い読者に受け容れられる作品ではないでしょうか。 |
No.337 | 7点 | 生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術- 泡坂妻夫 | 2012/10/09 18:32 |
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(ネタバレなしです) 1994年に(7年ぶりに)発表されたヨギ・ガンジーシリーズ長編第2作で、非常に凝った構成の作品です。ほとんどの部分が袋とじ状態になっており、袋とじされていない部分を読むとそれは(新潮文庫版で)25ページ程度の短編です。ここではヨギ・ガンジーは登場せず、犯罪の解決は示されているもののミステリーでさえない幻想小説です。この袋とじを切り開くとこの短編小説は13の断片となって長編ミステリーの一部となるという、凄いアイデアです。この長編ミステリーの出来は微妙で、超能力による透視術という興味深いネタがあるものの犯罪がなかなか起きず、解くべき謎が何かさえいまひとつ明確でないので真相も意外というよりは唐突感の方が強かったです。しかし袋とじの仕掛けはインパクト十分で、短編の中の前提条件が長編では180度ひっくり返っていたのには驚かされますし、短編部分が長編の中でどう活かされているかを注意しながら読むのは本書でしかできない楽しみ方です。マニアや研究家は2冊買って片方は袋とじのままにしておくそうです(袋とじを開封すると短編小説は「消える」ため)。ミステリーの完成度としては個人評価5点程度ですが唯一無二の構成に技能点として2点ほど加点しました。 |
No.336 | 6点 | 殺人つきパック旅行- ジョイス・ポーター | 2012/10/09 18:11 |
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(ネタバレなしです) アマチュア探偵であるホン・コンシリーズは警官探偵のドーヴァーシリーズに比べると捜査をやりたい放題というわけにはいかず活動が地味になりがちなのはやむを得ないところですが、1975年発表のシリーズ第3作の本書はホン・コンの捜査が歓迎(?)されるという設定のためか、のびのびとしているだけでなく推理も結構しっかりしており本格派推理小説としてはこれまでのシリーズ作品でベストの出来栄えだと思います。ソ連を舞台にしたトラベル・ミステリーでもあるというのが大変珍しく、風景描写がたっぷりまでとは言えないながらもアルマ・アタ、タシケント、ブハラ、ソチと観光地を転々とします。 |
No.335 | 5点 | 七人の迷える騎士- 関田涙 | 2012/10/09 01:09 |
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(ネタバレなしです) 私がハードボイルドやサスペンス小説に関心を持たないのはそれらが残酷さ、気味悪さ、怖さ、汚らしさなどを過剰に表現しているのではないか、そういう作品はあまり読みたくないなというのが主な理由です。さて2003年発表のヴィッキーシリーズ第2作の本書は「読者への挑戦状」(正確には「ヴィッキーからの挑戦状」)が解決章の前に挿入されているし、暗号に密室、見立て風殺人など謎はたっぷり用意されていることからも王道的な本格派推理小説であることは間違いありません。犯人の計画が細かすぎて犯行の成功が好都合に感じられますが、謎解きもよく考え抜かれています。しかし23章以降の、犯人の動機に関わる部分(ネタバレ防止のために詳しく書けませんが)を長々と説明し過ぎたのは意外性よりも後味の悪さを残してしまったような気がします。犯罪の悲劇性を演出するという意味では成功したと言えなくもありませんが、個人的にはそこまで踏み込まなくてもと言いたいです。 |
No.334 | 7点 | 死のランデブー- ピエール・ボアロー | 2012/09/18 19:11 |
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(ネタバレなしです) ボアローはサスペンス小説家トーマ・ナルスジャックと親交を結び、やがてコンビ作家ボアロー&ナルスジャックとして「悪魔のような女」(1952年)を皮切りに20作以上の作品を発表することになるのですが、1950年発表の本書は単独執筆作品としてはおそらく最後と思われる、アンドレ・ブリュネルシリーズ第7作です。本書のフランス長編ミステリー傑作集版を読む場合には、まず巻末に置かれた「はしがき」を読むことを勧めます(フランスの原書では冒頭に置かれているようです)。ネタバレ防止のために詳しく書けないのですが、「謎は『誰が』でも『なぜ』でも『いかにして』でもないが、でも本格派推理小説である」という「はしがき」には嘘も誇張も感じられません。風変わりではありますが確かに本格派推理小説として楽しめる作品でした。登場人物の心理描写をたっぷり描いて不安を増長させているところはトーマ・ナルスジャックの影響を既に受けているかもしれません。 |
No.333 | 5点 | 虚空アカシャの殺人- 谷恒生 | 2012/09/18 18:51 |
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(ネタバレなしです) 1984年発表の本格派推理小説です(当初は「血文字『アカシア』の惨劇」というタイトルでした)。「船に消えた女」(後に「横浜港殺人事件」に改題」(1981年)と同じく、文章はハードボイルド風で通俗色が濃く(中盤には官能描写もあり)、好き嫌いは分かれそうです。しかし前半の船員酒場の情景などはさすが海洋冒険小説を得意とした作家ならではの描写力が光ります。爆弾による殺人、血文字のダイイング・メッセージ、密室などの派手な要素はありますが作者が最も力を入れたのは人間心理の不可思議性の追求で、ページの大半を事件の背後にある複雑な人間関係を解きほぐすことに費やしているのが意外といえば意外でした。 |
No.332 | 6点 | オシリスの眼- R・オースティン・フリーマン | 2012/09/18 18:28 |
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(ネタバレなしです) 1911年発表のソーンダイク博士シリーズ第2作です。1910年代の海外ミステリー作品はそれほど多く日本に紹介されていないので比較するのも難しいのですが、当時の水準を上回る本格派推理小説ではないでしょうか。事件性の曖昧な失踪事件を扱い、ようやく死体が登場してもそれが失踪者と同一人物なのか終盤まではっきりしないという展開が少々退屈ではあるものの、ソーンダイクの真相説明は予想以上に論理的で、一つ一つの推理は粗いのですがこれだけ丁寧に積み重ねられるとそれなりの説得力があります。随所でエジプト考古学に関する知識が披露されていますが、これは後のヴァン・ダインの「カブト虫殺人事件」(1930年)に影響を与えたかもしれません。 |
No.331 | 7点 | 壁-旅芝居殺人事件- 皆川博子 | 2012/09/12 17:32 |
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(ネタバレなしです) 1984年発表の本格派推理小説で、サブタイトルだった「旅芝居殺人事件」が後年の出版ではメインタイトルに昇格しています。幻想的作風と本格派推理小説の謎解きの融合は非常に難しいのですが、本書はもやもやした雰囲気と謎解きのすっきり感の両立に成功したと言えると思います。推理説明は決して論理的ではありませんが説得力は強く、ほとんどの謎が解き明かされてから最後はまたもやもや感が強まって終わってしまうのですが、本書の場合はそれもありかなと納得しました。 |
No.330 | 7点 | もの憂げな恋人- E・S・ガードナー | 2012/09/12 16:41 |
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(ネタバレなしです) 1947年発表のペリイ・メイスンシリーズ第30作でなかなかの会心作の本格派推理小説だと思います(私の読んだハヤカワポケットブック版では1954年と誤記されてましたけど)。前半はなかなかつかまらない関係者の追跡がスリリングに描かれ、ようやく会えたと思ったらこれがとんでもない曲者という始末。ここで見せ場を築いたのが「ころがるダイス」(1939年)でも活躍していた受付係のガーティで、第12章のユーモラスな展開は思わず笑ってしまいました。さらに後半では現場見取り図を駆使しての緻密な謎解きまで堪能できて至れり尽くせりです。 |
No.329 | 6点 | 魍魎の匣- 京極夏彦 | 2012/08/30 10:21 |
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(ネタバレなしです) 1995年発表の百鬼夜行シリーズ第2作で、講談社文庫版で1000ページを超える分量に圧倒されました。それでも前作の「姑獲鳥の夏」(1994年)より読みやすく感じたのは関口が真っ当な(?)ワトソン役になっていることに拠ると思います。前半は回りくどいストーリー展開に悩まされるし、レキュラーキャラクター以外の登場人物(つまり容疑者たち)が意外と直接描写されていないのも本格派推理小説のプロットとしてはどうかなと思わないでもありません。真相の衝撃は相当なもので、本書がシリーズ屈指の傑作と評価されるのも納得できますが、謎解きの意外性よりは事件の異様性を強調したものとなっているので好き嫌いは分かれるかと思います。 |
No.328 | 6点 | 古時計の秘密- キャロリン・キーン | 2012/08/16 13:35 |
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(ネタバレなしです) キャロリン・キーンは特定の作家ではなく、複数作家による合同ペンネームです。米国作家のエドワード・ストラッテメイヤー(1862-1930)が少年少女向けミステリーを専門に発表する出版社兼作家団体のストラッテメイヤー・シンジケートを1906年に設立し、合同作業で書かれた膨大なシリーズ作品を世に送り出しましたがその最大のヒット作が世界で1番有名な少女探偵ナンシー・ドルーのシリーズです。ストラッテメイヤー・シンジケートは他の出版社に買収されてもう存在しませんが、このシリーズは今なおキーン名義で書き続けられています。本書は記念すべきシリーズ第1作で1930年に発表されています。起伏に富む展開、勧善懲悪の徹底、わかりやすい謎解きと子供向けミステリーの王道路線を行ってます。ナンシーは探偵能力以外は等身大の少女かと勝手に思っていましたが、車を運転したりモーターボートを操船したりと結構かっこよさをアピールしていたのが意外でしたね。いくらアメリカでもこの時代に車を運転する18歳の少女は珍しかったのでは。あと単に解決するのが目的でなく、弱者への思いやりを見せているのがよかったです。 |
No.327 | 4点 | ヘア・デザイナー殺人事件- 山村美紗 | 2012/08/16 11:32 |
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(ネタバレなしです) 山村美紗が量産作家になったのは長編5冊と短編集4冊を発表した1984年頃からだと思いますが、1985年発表のキャサリン・ターナーシリーズ第5作の本書は量産作家の宿命か、それまでのシリーズ作品と比べるとお手軽に書かれたような印象を与えています。消えた凶器の謎や2つの密室などそれなりの謎を用意してあるのですが、トリックが小手先トリック中心なのは一概に弱点とは思いませんけど説明があっさり過ぎて即興感が拭えません。どうやってその解決に至ったかをもっと丁寧に書いてほしかったです。まあ手軽に読めるというのはそれはそれで作品としての魅力にはなっているのですけど。 |
No.326 | 5点 | 孔雀の羽根- カーター・ディクスン | 2012/08/16 10:43 |
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(ネタバレなしです) 1937年発表のH・M卿シリーズ第6作の本格派推理小説で、警察監視状況下での密室殺人の謎が強烈です。非常に複雑なトリックで解決前にこれを読者が見破るのは難しいと思いますが。細かいところまで考え抜かれているのはさすがですが、(警察が)あるものを見落とす(気づかない)ことを前提としてあったりと結構綱渡り的だと思います(見落とす伏線も用意してはあります)。対照的に大胆な死体隠しトリックの方がシンプルゆえに印象に残りました。H・M卿へ挑戦状が送られたり手掛かり脚注を使っての謎解き説明があったりとトリック以外にも色々と趣向のある力作です。 |