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[ サスペンス ]
悪意の糸
マーガレット・ミラー 出版月: 2014年08月 平均: 6.00点 書評数: 3件

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東京創元社
2014年08月

No.3 5点 HORNET 2022/08/05 17:01
 女医・シャーロットのもとに中絶を希望する若い女・ヴァイオレットがやってきた。シャーロットは申し出を断るが、その後、その女は死体となって発見される。やむにやまれぬ気持になったシャーロットのもとに今度は、事件を捜査する刑事・イースターがやってくる。いけすかないイースターより先に真相を探ろうと独自で動き出すシャーロット。

 まぁ…普通の出来では。手がかりなどをもとに推理が進められる展開ではないのでサスペンスに分類されてはいるが、一応フーダニットの体になっている。後半になって、二人の男が殺害されたところから一気に物語が展開する。女性心理の暗黒を描いている点では、作者らしいといえば作者らしい。

No.2 7点 蟷螂の斧 2016/02/04 18:52
解説によると、「ロマンチック・サスペンス」の構造を採用した作品とのこと。話は単純明快、登場人物も少ないので、スムースに頁がすすみます。主人公シャーロット(医師)は既婚の男性と恋仲である。事件担当の刑事はシャーロットに一目ぼれ。刑事は公私混同ではないと言いつつ、シャーロットを口説きまくります。この辺りの洒落た会話を楽しむことができました。そして・・・。やはり、ラストは一筋縄ではいかないところが著者らしい。「ミラー節」発揮といったところですね。

No.1 6点 kanamori 2014/10/16 20:22
医師シャーロットの診療所に不義の子を妊娠したという若い女ヴァイオレットがやってきた。堕胎の依頼を断ったシャーロットだったが、混乱した様子が気になって、その夜アパートを訪ねるも彼女は行方不明で、後に水死体で発見される--------。

マーガレット・ミラー久々の本邦初訳作品。
主人公の女医シャーロットは自立心が強い聡明な女性ながら、弁護士のルイスと不倫の関係にあり、その妻グウェンは心気症ぎみでシャーロットの患者という人間関係が徐々に明らかになる。
登場人物が少なめなので、なんとなく先の展開が予想がつき、事件の隠された構図も9割方読めてしまう。彼女の探偵行に絡んでくるのが陽性の刑事ということもあって、途中まではライトな心理サスペンスという感じで、「鉄の門」や「狙った獣」などの傑作群と比べると軽量級という感は否めない。
しかし、その思いは終章で一変、ミラー節が炸裂する。犯人の日常的な会話が徐々に歪んでいき、怪物領域に入った人物の隠された貌が剥き出しになる終局のシーンは圧巻のひとこと。
この真相を読むと、やはり60年代のロス・マクはミラーの影響を受けていたに違いないという思いを強くした。


マーガレット・ミラー
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