海外/国内ミステリ小説の投稿型書評サイト
皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止 していません。ご注意を!

[ 日常の謎 ]
鷺と雪
ベッキーさんシリーズ
北村薫 出版月: 2009年04月 平均: 5.43点 書評数: 7件

書評を見る | 採点するジャンル投票


文藝春秋
2009年04月

文藝春秋
2011年10月

No.7 6点 ◇・・ 2023/07/19 20:23
昭和初期を舞台に、土族令嬢とそのお抱え女性運転手を主人公とするシリーズ第三作。
神隠し、深夜の少年の彷徨、不在の人物が写った写真。不気味で、しかしどこか懐かしい謎の事件が、小気味よく鮮やかに解明される。しかし、合理的な謎解きの後も、人間の心のえもいわれぬ不思議が豊かな余韻を響かせる。
妙齢のお茶目で魅力的な少女が語る現代の「半七捕物長」といった趣もあるし、その裏に戦争に向かう日本近代史の闇を凝らせる巧みさだ。

No.6 5点 ボナンザ 2021/09/24 12:54
こう終わらせたか、と唸った。まあ現実的ではないけど、容赦のない世相の中に少しでもロマンチックさを出したかったのか。

No.5 6点 ことは 2021/05/16 14:28
さらにミステリ度は下がっている気がする。謎は解決はあるが、検討がないために、そう感じるのだと思う。そのため直木賞受賞作だが、評価はあがらないなぁ。
不在の父:「馬さん」の人物造形がよい。やはり北村薫はキャラクターの作り方がいいなぁ。
獅子と地下鉄:謎自体がたわいもない。この話に直接関係なくブッポウソウが登場する。参考文献によると実際にあったこととのこと。前に出したのはこのための布石だったのだな。
鷺と雪:当時の時事の話が一段と多い。それは、やはりラストの効果のための布石なのだと思う。このラストは確かにいい。ミステリとしてはどこかで見たような手口。悪意の見せ方は、北村薫らしい。

No.4 5点 まさむね 2015/02/28 23:23
 戦争の足跡が聞こえる昭和初期の、良家の令嬢の視点で描かれる「ベッキーさんシリーズ」の完結編。
 ミステリの側面よりも、このシリーズ発案のきっかけになったという、実際にあったエピソードを活かしたラストの場面が趣深いです。確かに、あり得た話なのでしょうね。このシリーズ全体が、このラストに集約されていると言ってもいいんじゃないかな。

No.3 5点 itokin 2013/03/30 12:12
直木賞受賞と聞いて読んでみたがこの小説の良さが理解できなかった。優雅な華族の生活、文学の深い薀蓄など所詮私には備わってないので読み辛く思ったのでしょう。

No.2 5点 白い風 2009/10/23 19:37
北村さんがこの作品で直木賞を受賞したと聞いて、「空飛ぶ馬」「夜の蝉」などの後に読みました。
構成は”円紫&私”シリーズとよく似ていました。
そう考えると評価は大きく下げざるをえないですね。
私は「夜の蝉」の方が好きですね。

No.1 6点 あるびれお 2009/09/09 03:37
三部作の最後、直木賞受賞作である。
この頃の日本がどのような方向に進んでいったのか、その結果どんなことになったのか、ということを知っているだけに、最後の「間違い電話」による「奇跡」に切なさと儚さを強く感じた。作者北村薫自身もインタビューで述べていたが、主人公を含め、戦後の彼女・彼等の姿というのを、何か別の物語の中でも良いので垣間見たい気にさせられる。


キーワードから探す
北村薫
2024年02月
中野のお父さんと五つの謎
2021年11月
中野のお父さんの快刀乱麻
平均:5.00 / 書評数:1
2019年03月
中野のお父さんは謎を解くか
平均:5.50 / 書評数:2
2016年09月
遠い唇
平均:5.00 / 書評数:3
2015年09月
中野のお父さん
平均:5.50 / 書評数:2
2015年03月
太宰治の辞書
平均:4.40 / 書評数:5
2009年08月
元気でいてよ、R2-D2。
平均:5.00 / 書評数:1
2009年04月
鷺と雪
平均:5.43 / 書評数:7
2008年08月
野球の国のアリス
平均:4.00 / 書評数:2
2007年04月
玻璃の天
平均:6.60 / 書評数:5
2006年03月
紙魚家崩壊 九つの謎
平均:3.50 / 書評数:2
2005年06月
ニッポン硬貨の謎
平均:5.00 / 書評数:6
2003年01月
街の灯
平均:6.12 / 書評数:8
2001年01月
リセット
平均:4.89 / 書評数:19
1999年09月
盤上の敵
平均:6.25 / 書評数:24
1999年08月
月の砂漠をさばさばと
平均:4.00 / 書評数:1
1998年04月
朝霧
平均:6.78 / 書評数:9
1997年08月
ターン
平均:6.85 / 書評数:20
1997年02月
覆面作家の夢の家
平均:7.00 / 書評数:15
1995年09月
覆面作家の愛の歌
平均:6.20 / 書評数:10
1995年08月
スキップ
平均:6.56 / 書評数:27
1994年10月
水に眠る
平均:6.00 / 書評数:8
1993年09月
冬のオペラ
平均:6.95 / 書評数:21
1992年04月
六の宮の姫君
平均:6.00 / 書評数:18
1991年12月
覆面作家は二人いる
平均:6.44 / 書評数:27
1991年02月
秋の花
平均:7.35 / 書評数:20
1990年01月
夜の蝉
平均:7.22 / 書評数:27
1989年03月
空飛ぶ馬
平均:6.00 / 書評数:86