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[ 日常の謎 ]
街の灯
ベッキーさんシリーズ
北村薫 出版月: 2003年01月 平均: 6.12点 書評数: 8件

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文藝春秋
2003年01月

文藝春秋
2006年05月

No.8 6点 ボナンザ 2021/08/20 19:30
北村薫らしく少女の心情がしっかり描写さればがら、しっかりミステリしているところが嬉しい短編集。

No.7 6点 ことは 2021/05/16 14:25
ミステリ部分と、当時の風俗を描く部分、キャラクター紹介部分が、同等の分量というところ。
ミステリ部分も小ぶりで、ミステリを期待すると肩すかしかもしれない。ただ、やはり北村薫はよみやすくて、するする読めてしまう。
また、桐原家の人々は、シリーズを通して登場するので、そのためキャラクター紹介部分の分量も多いのだろう。
虚栄の市:乱歩を引き合いに出したミステリ部分は、付け足し程度。第1話のため、舞台設定もふくめた主人公たちの紹介の話。
銀座八丁:暗号部分は、これもサブストーリー感がある。当時の風俗、桐原家の紹介、ベッキーさんの紹介が主。「鷺と雪」まで読むと、服部時計店の紹介もポイントだったのだなとわかる。
街の灯:ミステリ的には、これが一番しっかりしている。ある人物の気持ちが(北村薫らしく)どす黒いのが面白い。解決のしかたばどうなのかと思ったが、「鷺と雪」まで読むと、これはそういうテーマで作られているのだとわかる。また、ブッポウソウの紹介もポイントだったのだな。

No.6 6点 まさむね 2015/01/11 21:18
 作者の第3シリーズ(ベッキーさんシリーズ)の第一作品集。
 上流階級の女性が主人公という点で「覆面作家シリーズ」が想起されますが,若き女性「わたし」の一人称スタイルという面や全体の雰囲気は「円紫さんと私シリーズ」により近い印象を受けました。
 ミステリーとしては,派手な演出や奇抜なアイデアがある訳ではありませが,舞台となる昭和初期の風景や世相の描写が綺麗で,かつ,それをミステリーに巧く絡めています。イイ話だけでは終わらせない,毒の盛り方も作者らしいです。
 次々にページをめくらされましたので,次作も読むことになりそうです。

No.5 5点 2011/09/05 09:48
上流階級のお嬢様&女性運転手のコンビ・シリーズ3編。
このような時代背景、舞台設定であるせいか、時間がゆっくりと流れるような気がして、ほんわかとした気分にさせてくれる。そういうところは好ましい。こんなゆったりとした雰囲気のミステリには、それとは対極的な凄惨で強烈な事件が似合うのだが、残念ながらそういう事件はない。さらに、提示される謎も、その謎解きもパンチ力がなかった。お嬢様・花村英子のそばにいる、運転手のベッキーさんが謎めいていたところが、むしろ楽しめた。
やや期待はずれだったが、ひまつぶしにさらりと読んで、ほっこりとした気分になれたので、それでよかったのかな。

No.4 6点 itokin 2010/03/12 18:06
華族に類する上流社会の話だが、鳩山首相などは現在までこの流れを汲んでいるんでしょう。母親からの入金を知らなかったというのもなんとなく納得できるわれわれからかけ離れた世界のお話。読みやすいのだが,さらっとし過ぎて飽きてくる感じがした。

No.3 7点 vivi 2009/12/16 02:31
昭和初期の上流社会を舞台にした謎解きもの。
上流社会のお嬢様たちの日常を楽しめるというのも面白いし、
そういうかけ離れた舞台でも、
人間の考えることは同じなんだと思う興味深さもあります。

描かれるミステリはある意味単純なものですが、
表の探偵役を、す~っと真相に導いていく手腕を読み取るのが、
この作品のもう1つの楽しみだと思います♪

No.2 7点 由良小三郎 2003/05/15 17:33
新しいキャラクタは、北村さんのシリーズでは覆面作家の系列に近いかなと思いました。戦前の上流階級のお嬢さんと、超人的な女性運転手という探偵役の設定が、あんまりリアルでないところがあります。
けれども期待を込めていえば、このシリーズは1冊目なので、シリーズが進めば、戦前の上流階級というのは、歴史のなかで、滅んでいった人たちなので、歴史と人間のドラマというのを北村さんが見せてくれるつもりかもしれないと思うところがあります。(問題はそれが何年先になるかなんですが。この1冊で終わらないことを切に願ってます。)

No.1 6点 しゃん 2003/01/30 21:23
 主人公たちがいかにも上品で品があり、古風(当時はそれが普通だったのだろうけども)のは北村氏らしいと感じた。だけど、私はもっと下品な人間についてかかれたものが好きかもしれない。
 事件そのものも興味をかきたてられなかったし、また時折垣間見えるベッキーさんの超人ぶりも謙虚さも好きにはなれそうに無い。
 しかし、時折、上品さや、自分たちの常識に縛られてしか生きようとしないことや、傲慢さなどに対する毒があちこちに見られるような気がして、しかもその毒はそのまま私たち現代人に向けられているような気がして、ぞっとさせられた。


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