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[ クライム/倒叙 ]
告白
湊かなえ 出版月: 2008年08月 平均: 6.96点 書評数: 48件

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双葉社
2008年08月

双葉社
2010年04月

No.28 7点 touko 2011/04/04 22:32
昨年の現役中学生の心に残った作品ベスト1だそうです。

バトロワを思い出す、大人も子供も入り乱れてのやるかやられるかの世界観がウケたのかな。。
確かに、中学教師の経験がある作者だけに、その年頃の子供の残酷で幼稚で純粋でもある主観的世界の描写はうまいと感じました。

主人公をはじめとする大人気ない大人の心情や子供観の方も、いかにも今風。

誰もがミーイズムしかないという殺伐とした世界観を貫き通した勇気は、一本筋が通っていて、これはこれでいいんじゃないかと……。

No.27 7点 HORNET 2011/01/10 19:09
 ホームルームで,担任が自分の子どもを殺した犯人の生徒を名指しするという,その前代未聞の設定からして読む気がそそられました。その担任が,決して感情的にならず淡々と語る様子が,異常さを引き立たせます。もともと第一章だけで「聖職者」という話で,その後はあとから加筆されたらしく,確かに章が進むにつれてちょっと強引な展開が目立ったようにも感じましたが,最初の勢いで読めてしまいました。

No.26 5点 ムラ 2010/12/16 03:37
突っ込みどころも多々あるし、ラストも無難な感じでしたけど、それぞれの人物にわけて感情を書き連ねるのがよかった。
登場人物の視線で書かれているようなので、どれが真実でどれが嘘かを考えながら読むのも楽しいかと思います。
ただ教師にしてはやることが汚い気が。犯人はまだよしとしてもクラスの空気を悪くする必要性がよくわからん。
オチのとりあえずぶん投げておこう感、映像だったら爆発と相まって栄えそうだ。

No.25 9点 itokin 2010/12/14 10:22
このような構成(告白文)の小説は初めてだが、強烈な内容でで一気読みしてしまった。最期まで文句なしです。すごい新人が現れたと思います。

No.24 6点 ZAto 2010/10/17 22:05
ある種の爽快感がある。
それは対象をとことん痛めつけ、完膚なきまで叩き潰すことによって、読者の内に秘められたサディズムが解放される快感とでもいおうか、スキャンダルを眼前にして隠された自己の暗部が引き出される愉悦とでもいおうか、湊かなえがそこまで狙ってこの物語を綴ったのだとしたら、相当なタマではないか。

No.23 6点 測量ボ-イ 2010/08/27 20:53
妻と娘の推奨作品を読みました。
小説としては確かに良かったです。何が正義で、何が悪なの
か、考えさせられますね。
でも推理小説としては?なので、このサイトでは採点を辛め
にせざるを得ません。

No.22 4点 okutetsu 2010/08/15 10:20
ミステリなんですかね?
そもそも謎が提示されてないのでそこは疑問。
衝撃的なラストって言うほどでもないし
とりあえず読んでて気分が悪くなる作品でした。
1章の展開は好きなので
オチさえよければそれも許せたのになと思う。

No.21 6点 ぴあん 2010/06/28 07:38
これがミステリかと言われると正直悩むが、小説としては良かった。細かい点をつつくといろいろツッコミどころはあるものの、テンポの良さと先を読ませる構成はさすがと思う。まるでアリジゴクのような負のスパイラルに、いつのまにかズルズルと引きずり込まれて、救いようのない底なしの終着。
一番のポイントはタイトルの妙だと思っている。全章、全文がある意味どれも告白で成り立っているのだから。

No.20 6点 まさむね 2010/06/21 22:02
第1章のスピード感には,皆様と同じく,圧倒されました。第2章以降は,圧倒感という意味では第1章に及ばないものの,登場人物ごとの「視点」により,作品の深みが断然に増していると思うので,否定的な評価には繋がりませんでした。
江守さん同様,私も,八坂准教授の独白をぜひ読みたかったですね。
この点数としたのは,「ミステリ」として考えてどうかな?と思ったからであって,小説としては秀逸であると思います。
登場人物(例えば森口)に対する読後の評価(印象)は,人によってまったく異なると思うのですね。それこそが,まさにこの作品の「小説」としての良さであると考えます。

No.19 7点 江守森江 2010/06/17 10:56
単行本発売直後からジワジワと話題になり、遅まきながら気付いた時には図書館予約件数(長期間1000件オーバー)の多さに読めるのは数年先と達観していたが、文庫化(図書館予約は単行本と別扱い)&映画化(話題再燃で蔵書数激増)のお陰で思いの外早く読めた。
歪んだ倫理観から生じる悪意と行動により派生する事件、更にそこからすれ違って行く様と人間のエゴに不快感や嫌悪感が頂点に達する「厭ミス」なんて書評をする奴は偽善者だ!
独白人物を章毎に変え、反復させながら先へ進む展開で、歪みを増幅させ嫌悪感を煽る手法を考えると、第一章単独な短編よりも一冊の連作短編集として読ませる作品だと思う。
出来れば、結末前に八坂准教授の独白も書き入れてほしかった。
ここまで針を振り切れば「厭ミス」も、痛快エンターテインメントに昇華するのだと思いながら楽しく読めた。
ベストセラーになったのも売り方(宣伝)の上手さだけでなく、この作品を読む事が疲弊した実生活の良いガス抜きになるからだろう。
それでも、現実社会で同様な心の闇から発生する事件が後を絶たない事に一人の父親として心痛がある。
※別視点からの感想
教育者として目覚めていた桜宮が父親として死ぬまで偏見と闘い、娘を守り抜く決心と選択をしなかった事、森口もそれを指摘して共に闘う選択をしなかった事に疑問を感じる。
その意味で愛美が殺された根元原因は森口自身にある。
それに気付かず復讐を遂げる森口も〈他人に責任をなすりつける復讐された他者達同様で〉非常にイタい!

No.18 6点 シーマスター 2010/06/12 23:11
世評高すぎないですか?
宣伝うますぎ?

衝撃的との呼び声高い第一章の仕掛けは、短編やショートショートの名手といわれる先人達が幾度となく使っている手だよね。
もちろん本章の評価はトリックだけではなく、事件の異様性とグイグイ引き込まれる主人公の語り口によるところが大きいことは十分認めますけど。

(しかし無垢な幼児が犠牲になる話はやっぱり辛いなぁ)

第二章以後も各章が事件の重要人物達の、それぞれの人生・立場からの経緯の独白という形式で語られ非常にリーダビリティは高いが、リアリティを感じさせる語り手が一人もいないので、どうしても作り物っぽさが拭えないのは物語の構造上やむを得ないところか。

そしてラスト、そんなに驚愕?
最早いろいろ悟ってしまったソイツに対する裁きになりますか?

上映中の映画も気にはなるが、多分テレビ放映されるまで見ることはないだろう。

No.17 5点 yoneppi 2010/06/03 22:45
話題作だし評価も高いようなので楽しみにしていたのだが…。第一章を読み終えたときの期待感がやはりピーク。オチも個人的にはちょっと。でも、のめり込んで一気に読んだのは確か。あとは、映画の配役を知る前に読むべきだった。

No.16 7点 メルカトル 2010/05/24 23:35
この作品は果たしてミステリなのだろうか。
第一章と最終章だけなら満点をあげてもよいと思う。
その他の章は、付け足しのような感覚を最後まで拭えないまま読了してしまった。
しかし、読み応えは十分だし、様々な問題提起は評価できるのではないかと。

それにしても、これはミステリの新しいカタチなのか?
新社会派の誕生と言ってもよいのだろうか。

No.15 7点 あびびび 2010/05/20 13:38
一度本を手にしたら読み切らなければいけない、そんな流れの物語。今どこかでこんな事件が起こっていそうな気がする。

前半のスピード感が話題になっているけど、後半もやや失速した程度で、全体的にノンストップの印象。

No.14 9点 E-BANKER 2010/05/09 17:03
第6回本屋大賞受賞の作者デビュー作。
「冠」に違わぬ文章力とプロットが光ります。
他の書評者の方は第1章を絶賛されているようですが・・・個人的には、第2章から展開される事件関係者視点のストーリーが本作品の”深さ”を醸し出しているような気がします。
本作品では「父親」という存在が徹底的に無視されていますねぇ・・・
「母子」の歪んだ愛情の中から起こってしまった殺人事件。確かに、子供にとって母親というのは唯一無二の存在なのでしょうけど、じゃ父親って何?と(父親でもある)私は思ってしまいました。
ラストは救いがないですねぇ。迫力はありますけど・・・

No.13 10点 kowai 2010/04/18 19:41
文庫化にて一読。久々に一気に読んでしまった一冊。後追いの連作のようですが、視点を変えているせいか、うまくまとまっている感じがします。でも、どんな映画になるんでしょうね。。

No.12 8点 2010/04/01 12:01
「イニシエーションラブ」でさえ再読はしませんでしたが、本書は筆力に圧倒され、読み急ぎ、読み飛ばす勢いで最後まで駆け抜けてしまったので、すぐに読み返しました。感想は、こうさんとほとんど同じです。が、さらに、作者の欲張りすぎが感じられました。

(以下ネタバレ)
本書は母と子の絆がテーマの1つとなっていて、2組の母と子の絆によって断ち切られた1組の母と子の絆が、復讐のため2つの絆を切り裂いてゆく、という怖い話です。この復讐劇は私の好みからして大歓迎なのですが、中途の展開で、復讐のターゲットとなる二人の少年を「罪と罰」のラスコーリニコフの化身のごとく取り扱うのは、どうみても作者が手を広げすぎた感がします。そしてそんな展開の最後に、あの救いのない美しすぎるオチをもってくるのは、凄すぎますね(褒めてるのか、貶してるのかわかりませんね)。

(ネタバレ解除)
第一章だけが応募作らしいですが、それに続けてこんな内容を連作するとは、この新人は怪物かもしれません(すこしムリもありましたけどね)。世知辛い世の中にこんな暗い小説が何十万部も売れることに驚きましたが、多くの人たちが強烈なミステリを求めているんだなと納得もしました。とにかく、伏線もうまく、本当に面白く読ませてもらいました。一次ブームはすぎたようですが、映画でかならず再燃するでしょう。楽しみです。

No.11 8点 北浦透 2009/12/05 17:34
第一章の鮮烈さを思い出すと、
「ミステリー」の与えてくれる興奮に気づき、まだまだミステリーの読者をやめられないなあと思います。ただ、暗い話ではあります。

No.10 7点 白い風 2009/12/02 21:59
図書館で半年待ちでやっと読めました。
先に”贖罪”を読んだので新鮮味は薄れたけど、十二分に楽しめました。
少年犯罪とその被害者の心情・復讐などを含めラストへの移行もそれなりに面白かったです。
ただ、流石に報復の仕方はやり過ぎの気がしないでもないけどね。

No.9 7点 ある 2009/11/15 23:27
教師による生徒への復讐という内容がテーマだけに,救われない内容も多い。
…が,個人的には,我が子を思う母親の愛情が一番怖かった。
実際,ここまで近視眼的な愛情になってしまうものなんだろうな…。


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