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[ サスペンス ]
裁くのは誰か?
バリー・N・マルツバーグとの共著
ビル・プロンジーニ 出版月: 1992年07月 平均: 5.78点 書評数: 9件

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東京創元社
1992年07月

No.9 6点 人並由真 2023/07/18 08:55
(ネタバレなし)
 眠い目をこすりながら、朝まで読んで、

「♪驚けば それでいいんだ
  サプライズ それがすべてさ
  ひねくれて本を閉じた 僕なのさ」

 と、思わず「みなしごのバラード」の替え歌を唄い出したくなるような、そんなオチであった(……)。

 こーゆーのはキライではないが、格段スキ、というわけでもない。
 なかなかA級作家になれないプロンジーニ(とその弟子筋……というべきか、のマルツバーグ)だからこそ許された(……のか?)一発芸であろう。
 まあ後にも先にも、バリエーションはあちこちにありそうな気もするけどね。

No.8 5点 nukkam 2019/06/03 22:33
(ネタバレなしです) SF作家のバリー・N・マルツバーグ(1939年生まれ)との共作第2作で1977年に発表されました。何と登場人物はアメリカ大統領夫妻とその側近たちで、反対陣営に寝返っている裏切り者を殺そうとする人物(「われわれ」と称しながら単独描写です)の正体は誰かという風変わりな本格派推理小説です。大統領を取り巻く不穏な空気はそれなりに描かれていますが、政治問題や社会問題に関する会話はほとんどありません。まあ本書にリアリティーを求めるのは筋違いなのでしょう。創元推理文庫版の巻末解説で「結末の大胆さに、髪を振り乱して怒り心頭となるか、感極まって本書を神棚に供えるか、とにかくも、しばし忘れられぬ読書体験を得られることは保証しよう」と読者を選びそうな怪作であることが紹介されてますが、確かに奇抜過ぎるアイデアが用意されていてショックで反発する読者続出かも(笑)。個人的には怒り心頭にこそなりませんでしたが「読んで損はないよ」と擁護する気持にもなれません。

No.7 5点 蟷螂の斧 2016/05/08 13:52
米大統領選に因んで・・・。内容については、基本的に否定派ですが、サスペンスものなので容認(苦笑)。それらしきオチの後に更にとの二重落ちは楽しめました。本書評によれば森博嗣氏が本作(1977年、翻訳1992年)を絶賛しているとのことですが、氏が1999年に発表した作品で本モチーフを用いていたということで納得。

No.6 4点 よしお 2012/09/25 14:47
フェアかアンフェアかという、「ギリギリ」のところにある作品でした。
もう少し、伏線は欲しかったです。

No.5 7点 kanamori 2010/09/22 17:58
改選を控えた米国大統領の側近が次々と謎の死を遂げていくというポリティカル風のサスペンス、なんですが最後に明らかになる卓袱台返し的な仕掛けによって、毀誉褒貶入り乱れる怪作になっています。
この叙述方法がフェアかアン・フェアかと聞かれれば、アン・フェアと断言できますが、どんな手を使ってでも読者を驚かしてやろうという作者の意気込みは買えます。
せめて、複数の視点人物のうちジャスティス警護官とハーパー補佐官の部分を一人称記述にしていれば....などと、思わず作者を擁護したくなる。

No.4 5点 星屑の仔 2009/04/06 19:40
賛否両論ある作品かなと、そう思いました。
現代日本ミステリの代表作家のうちの一人である「森博嗣」さんがお勧め作品として挙げたものです。
帯にも「森博嗣さん絶賛。まさにギリギリ」と書かれていたので、気になって買ってみました。


主人公はアメリカ合衆国大統領。
次期大統領選に向けて躍起になっている主人公だが、自分の身内であり仲間であるはずの政治家たちが、実は裏切り工作を目論んでいるのではないかと疑心暗鬼になっていく。
そして謎の人物は、その裏入り者を突き止め、大統領の地位を守り抜くため殺人を犯していく。

簡単にまとめるとそんなストーリーです。
本格ミステリにアメリカ政治のシステムや問題点なども盛り込まれていて、自分の中では新しい作品でした。日頃そう言った毛色の作品は読まないもので。

事前に所謂「そう言った類」の作品だと知っていたので、そこまで大きな衝撃はありませんでしたが、それを差し引いても、その結末はある程度予想できちゃいました。

読みやすい作品なので、「この一冊!!」と言うよりは、小休止的な感じで読むのが良いのではないでしょうか。

No.3 8点 dei 2009/02/03 01:26
森センセ大絶賛だったのでよんでみましたが。
ぼくは否定派です。

この点数なのは試みを買って。

No.2 5点 シーマスター 2008/09/03 21:03
自分はどちらかというと否定派ですね。

確かに凄い作品です。(森博嗣さんも絶賛していた・・・ような気がします)
これのシンプルバージョンは時々見られますが、本作ほどハイパーな形は空前絶後でしょう。

ですが、決して「誰も思いつかないアイデア」ではありません。中学生でも考えつくネタです。(彼が大人に話して「君は想像力が豊かだね。将来ミステリ作家になったらいいよ、ハハハ」とあしらわれる様が目に浮かぶようです)

それを本当に小説に仕上げてしまった、というその大胆さには感服します。
率直に言うと「よくぞ、こんな酷すぎて誰もやらないことをやってのけたもんだ」というのが個人的な読後感でした。


関係ないけど、こんな大統領に比べれば御自分の限界を感じたらサッサとお辞めになる我が国の宰相の方がよっぽどマシですね。

No.1 7点 こう 2008/09/02 23:50
 名無しのオプシリーズで有名な作家ですがこの作品はバリーマルツバーグとの共作作品です。
 とにかく凄い小説です。日本の「バカミス」を凌ぐ怪作です。海外作品で同系統の作品を読んだことがないためとにかく驚きました。
 主人公はアメリカ大統領ニコラスで冒頭に書きかけの大統領あての警告文が示され、その後ストーリーに入ってゆきます。ストーリーで大統領周囲で連続殺人事件が起こるサスペンスが描かれますが、ラストでとんでもない展開を見せます。
 作品全体を肯定できるか、あるいは否定というか本を投げつけたくなるか別れる問題作なのは間違いないと思います。
 ミステリとしての出来としては評価できませんが個人的にはありかな、と思いました。
  現在も簡単に手に入るのでなるべく事前情報なしで一度読むことをお薦めする作品です。ただしこの作品を「否定」する読者の方が多いかもしれません。 


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ビル・プロンジーニ
2002年05月
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