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[ ハードボイルド ] 追跡 名無しの探偵 |
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ビル・プロンジーニ | 出版月: 1988年10月 | 平均: 6.00点 | 書評数: 1件 |
徳間書店 1988年10月 |
No.1 | 6点 | 空 | 2019/09/01 15:38 |
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原題の "Bindlestiff" は、訳者あとがきでは「渡り鳥」としゃれた言葉を使っていますが、要するに浮浪者、ホームレスのこと。
前々作『迷路』で私立探偵ライセンスを失うことになった名無しのオプに、無事ライセンスが再交付されるところから話は始まります。そのことがマスコミにとりあげられるのですが、アメリカでは本当にそんなこともニュースになるんでしょうか。まあそれで祝福の電話をかけてきた人の中に、会ったことのある女私立探偵シャロン・マッコーンがいたというのにはにやりとさせられます。プロンジーニ夫人のマーシャ・マラーの探偵役で、本作の翌年には夫婦合作『ダブル』も発表されます。 内容的には、二つの部分に分かれています。前半は浮浪者になっている父親を捜してほしいという娘の依頼で、その問題に一応決着が付いた後、さらにそのことが元で新たな事件が起こるという展開で、この構成は『迷路』よりは気に入りました。 |