皆さんから寄せられた5万件以上の書評をランキング形式で表示しています。ネタバレは禁止
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[ 日常の謎 ] ビブリア古書堂の事件手帖7 栞子さんと果てない舞台 |
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三上延 | 出版月: 2017年02月 | 平均: 5.57点 | 書評数: 7件 |
KADOKAWA 2017年02月 |
No.7 | 6点 | zuso | 2023/05/05 23:08 |
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古書をめぐるシリーズの完結編で、今回は初の洋書、それもシェークスピア。当時の演劇や出版状況など詳細に語りながら、同時に栞子の家族の秘密(母親との冷めた関係。母と祖父の確執。祖父がはありめぐらした罠。)も解き明かしていく。
人生と古書の縁を繊細にリリカルに捉えた連作。スピンオフでもいいから続けてほしいものだ。 |
No.6 | 5点 | まさむね | 2017/11/23 21:52 |
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シリーズの一応の完結編だそうで、私としては正直「ここまで読んできたのだから、最後も読まねば」という、ある種の義務感(?)で手にした次第であります。
今回のテーマは「シェイクスピア」。私は全然詳しくないので、結構勉強になりましたねぇ。そして、またまた悪人が登場するのですねぇ。個人的には、このシリーズ、古書好きイコール悪人or変人っていう印象を与えているような気がするのですが、スミマセン、私の思い込みだけかもしれませんね、すみません。 まぁ、楽しめはしたのですが、一方で、栞子さんと智恵子さんって、何で仲違いしてたんだっけ?というか、智恵子さんって母親としてダメダメ過ぎない?最後が良ければ全て良しなの?的な疑問も残ったかな。 |
No.5 | 6点 | 虫暮部 | 2017/09/04 09:35 |
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単なる思惑の擦れ違いではなく悪意が絡んでいるせいで、一連の出来事が作為的な“大金をかけたゲーム”のようになっている。色々因縁はあるにせよ、なんでそんなのを相手にするの? という感じである。単独で読めば面白いが、シリーズの終幕としてこういうカラーの話を持ってきたのは少々残念。
歯磨きしながら読書は私もするなぁ。 |
No.4 | 6点 | HORNET | 2017/05/21 18:50 |
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シリーズが始まった当初は、次々に刊行されて結構次を楽しみにしていたのだが、間が空いているうちにだんだんとその熱は冷め・・・正直「読んできたから読んどかないとな」というのが本当のところだった。
最後らしくガッツリ一冊一話の長編で、これまたオーラスらしく題材はこれまでで最高価値の稀覯本「シェイクスピアの未公表ファーストフォリオ」。とはいえ当然その辺の知識は全くないので、薀蓄を楽しみながらもあまりピンと来ずに読み進めていた。 <ややネタバレ> 栞子と五浦、そして肝心の栞子と母・智恵子、それぞれの結末は・・・まぁとりあえずよい終わり方(五浦との関係は当たり前だけど予想通り)でホッとした。あれだけ忌み嫌っていた(はず)の母・智恵子との確執はいったい何だったのかというような自然解決(?)だったが、悪い読後感ではないのでとりあえずOK。 物語の胆であるファースト・フォリオの真贋に関するトリックは、陳腐ではあったが、吉原の鼻を明かしたくだりは小気味よかった。 ひとつ言うなら、最後だけに、これまでの登場人物をもう少し出してほしかったな。 |
No.3 | 5点 | E-BANKER | 2017/04/01 09:23 |
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大人気ビブリオ・ミステリーシリーズの第七弾。
本作が一応の(?)完結編ということらしいのですが・・・ いつもの連作仕立てではなく、腰の据わった長編作品で「完」。 ~ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取引に訪れた老獪な道具屋の男。彼はある一冊の古書を残していく・・・。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。青年店員と美しき女店主は、彼女の祖父によって張り巡らされていた巧妙な罠へと嵌っていくのだった・・・。人から人へと受け継がれる古書と脈々と続く家族の縁。その物語に幕引きの時が訪れる~ 作者も読者も「よくここまで続いたなぁー」というのが実感ではないか? (いや、いい意味でですよ・・・) 古書というものが、こんなにも深く広がりを見せるものだとは、読み始める前には知らなかった。 どこの世界にも「マニア」や「稀覯家」という存在はいるけど、絵画など芸術品に負けず劣らず、ファン心をくすぐるものなのだろう。 ということで、今回のテーマは紹介文のとおり“シェイクスピア”。 太宰治や江戸川乱歩など、今まで取り上げられてきたのは馴染みのある作家ばかりだったけど、完結編となる本作は世界に名立たるレジェンドを題材にしたわけだ。 正直、“ファーストフォリオ”をめぐる栞子親娘や老獪な男“吉原”との争い云々は、他の方も書かれているとおり、薄っぺらい印象は残った。こんな稀覯本が出たら、もっともっとドロドロした、虚々実々の争いがあって然るべきだろうし、きれいにまとめすぎだろ!っていう感想は免れない。 まぁでもよい。シリーズものは、いかに作品世界を楽しめるかにかかっているのだし、その意味では合格点と言える。 とにかく、栞子さんの“萌える”キャラ設定が、何より本作の白眉に違いない。 スピンオフ作品も予定されているとのことなので、引き続き楽しめそうなのは幸い。 |
No.2 | 5点 | ボンボン | 2017/03/15 23:13 |
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前作から随分待たされたが、綺麗に出来上がっており、作者が勉強をして懸命に書き上げたのがわかる。大変読み易く、ただ、その分軽い。
本編最終巻である今回のテーマは、シェイクスピアだ。それを意識してか、またまた悪者が舞台の登場人物のように大袈裟に悪そうにしている。そこが薄さの原因なのではないかと思う。 それでも、古書交換会(古書業者の競りのようなもの)は盛り上がるし、秘密の解答も古書の薀蓄が良く活かされていて納得だった。 アニメと実写で映画化とのことだが、まあやっぱりそうなりますよねえ、という感想。素材がやけに高尚なのに、人物が妙に子どもっぽいというアンバランスさが腑に落ちず、良いのか悪いのか、なんだかもうよく分からない。 |
No.1 | 6点 | makomako | 2017/03/06 18:34 |
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このシリーズは6冊までは順調に発表されていたのに、この第7作が出るのにやたら手間取って作者が病気かスランプになったか心配したほどでした。
あまり待ったのでお話の詳細も大分忘れてしまっていたのですが、作者は読者が忘れているだろうことを想定してか、ちゃんと思い出せるように色々と説明を入れてくれています。 古書ことに今回はシェイクスピアという外国の古典であるため、それなりの薀蓄が楽しめたのですが、根底となるお話としては当たり前の展開で、まあこんなものかといったところでした。 読みやすいが、内容も薄いといった感じは否めませんでした。 まあこのシリーズそのものがそういった感じではあるのですが。 とにかくようやく完結の運びとなりました。めでたしめでたし。 作者は番外編みたいのものを書こうとしているようですが、もう読まないかも。 |