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ミステリの祭典

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由良小三郎さんの登録情報
平均点:6.62点 書評数:199件

プロフィール| 書評

No.159 7点 狐闇
北森鴻
(2002/09/23 19:26登録)
「狐罠」の主人公は魅力的だったので、同じ主人公が闘う、これもまあ楽しくよめました。連載小説だったと思うのですが、そのせいか章ごとにちょっとギクシャクしてる所を感じます。動機の部分や歴史の蘊蓄の部分はイマイチですが、主人公が好きなので、すべてOKです。


No.158 7点 虹を操る少年
東野圭吾
(2002/09/21 10:30登録)
講談社文庫版の解説は「オルファクトグラム」を書いた井上夢人さんです。ジャンルというか、物語の処理はちがうんですが、幻視的なイメージがモチーフになっているあたり「オルファクトグラム」と比較したくなるところがあります。それで、結論は僕は井上さんのほうがよかった。
これは、作品としては、東野さんのSFという感じです。SF全盛期って1950〜60年代のような気がしているんですが、そのへんのオーソドックスな作品の感じです。


No.157 5点 予知夢
東野圭吾
(2002/09/21 10:12登録)
工学部の教授?湯川学さんが主人公の探偵ガリレオシリーズの短編集です。
物理トリックがメインのシリーズなんですが、薄味だと思いました。元エンジニアの東野さんなんで、島田さんのような無茶な飛躍ができないせいだと思います。


No.156 7点 QED ベイカー街の問題
高田崇史
(2002/09/16 20:55登録)
高田作品は始めてでしたが、読みやすかった。
ホームズに対する蘊蓄が、どれぐらいオリジナリティがあるかが、評価されるポイントの作品であるような気がしますが、その方面の知識のない僕には、おもしろかったです。探偵のキャラクタはまだよく分かりません。


No.155 8点 鬼面村の殺人
折原一
(2002/09/16 20:47登録)
折原さんはミステリの知識の蓄積がたぶんすごいので、シンプルに作品は書けなくなっているような気がします。読者のレベルによって、この作品はいろいろな感想を抱かせる作品だと思うけれど、いくつかの作品の意識的な2番煎じをしながら、作品を成立させている、「芸」を楽しませる作品だと思います。


No.154 7点 学生街の殺人
東野圭吾
(2002/09/14 15:42登録)
東野さんの文芸路線の初めの作品という感じです。読みやすいし、適度にセンチメンタルです。3人も死人を出すのはどうかと思いました。


No.153 8点 99%の誘拐
岡嶋二人
(2002/09/12 21:34登録)
犯人の側から書いた小説は、「奪取」とか「大誘拐」とか、傑作があるわけですが、これもおもしろかったです。計画どおりにうまくいきすきるのと、もうすでに、ハイテクの部分が古くなり始めているので、たとえば5年後も傑作でいられるかが分からないので、読むなら今かもしれません。


No.152 8点 北の夕鶴2/3の殺人
島田荘司
(2002/09/11 21:23登録)
すごい(というのは、いろいろケチのつけようはあるのですが、そのトリックが実行されている情景を思い浮かべると、そういうのが吹き飛んでしまうぐらいの島田さんの大胆さがすごいのですが)物理トリックと、ハードボイルド風のミスマッチが、島田さんにしかかけない小説だとおもいました。


No.151 4点 浦賀和宏殺人事件
浦賀和宏
(2002/09/10 19:01登録)
例にだす作品が、あまりポピュラではないのですが、雰囲気や構成から竹本健治の「ウロボロスの偽書」を思い出して、「ウロボロスの偽書」よりよくないと思った訳です。より短いのでものたりないのと、気分転換の部分が少なくて、陰惨な印象に終始するのが不満です。
物理トリックのきらいな作家が、密室もの書かされる不満が終始語られますが、それでも別のやり方あったような気がします。


No.150 6点 スカイ・クロラ
森博嗣
(2002/09/03 20:04登録)
印象としては、少年ジャンプの劇画原作という感じです。
メカ用語は、それなりの効果ですが、サンテクジュペリの人間の土地だとかの世界のリアリズムはないような気がしました。または松本零士の戦場マンガと比べてどうなんだろうと思いました。


No.149 7点 麦酒の家の冒険
西澤保彦
(2002/09/03 19:50登録)
安楽椅子探偵物としての試みらしいですが、謎の解明のつじつまあったのか、今一つ納得できませんでした。謎としては、情景的に魅力的だとは思いました。


No.148 7点 桜姫
近藤史恵
(2002/08/30 20:36登録)
今回も誰かに救ってほしいという願いがかなわない悲しい運命の切ない話です。背景の歌舞伎の世界が映像的で、きれいな文章でつづられています。


No.147 8点 悪意
東野圭吾
(2002/08/30 20:30登録)
東野さんにしかできないと思うみごとな構成です。前半で1つ物語があって、その上にもう一回、展開が追加してある。その上に最後にまだ余韻がのこしてあります。


No.146 2点 魔女のソナタ 伊集院大介の洞察
栗本薫
(2002/08/21 19:20登録)
伊集院大介シリーズを味見したくて、これを読んでみたんですが、よくなかった。全体的に延々と会話による説明が続くのは惰性で書いてるみたいで、あらすじを会話文でやってるだけみたいです。たぶん手抜き作品だと思います。


No.145 7点 ファンレター
折原一
(2002/08/21 18:18登録)
覆面作家「西村香」という存在をめぐっての連作短編集です。折原さんと北村さんは近い存在なので、かなり内輪受けねらいかもしれない。ヒネリはそこそこという感じです。モデルがはっきりしてるので、西村作品の作品名や、作品の内容のパロっているあたりが、おまけだと思います。やや反則で、登場人物も類型的な作品ですが楽しめました。


No.144 6点 あなたがいない島
石崎幸二
(2002/08/18 17:02登録)
前作「日曜日〜」と比べて、女子校生コンビのパワーが落ちたかどうかが見所ですが、若干ネタのレベルは下がったかなぐらいです。つじつま合わせの部分は例によって苦しいですが、楽しめました。今回は死人がでるのが欠点です。


No.143 7点 スコッチ・ゲーム
西澤保彦
(2002/08/18 16:26登録)
かなり伏線もいきていますし、意外な犯人という観点では評価高いかとも思います。キャラクタ重視の読み方としては犯人にもっと強烈な個性を期待したかった。タカチの相手役としては、役不足だったような気がしますが、これはミステリに対してかなり無理な注文です。


No.142 6点 日曜日の沈黙
石崎幸二
(2002/08/16 17:03登録)
 石崎幸二もよんでみようと思って3作ばかりに手をつけて、最初に読み終えられたのがこれでした。
手口としては、ありがちなウケねらいですが、かなり寒いギャグでも連発されると、うけてしまった自分がはずかしいのですが、まあこういうスタイルもありだと思いました。ストーリの部分は、とりあえず何かないと終わるきっかけがなくなるので・・、という程度でしょうか。


No.141 9点 オルファクトグラム
井上夢人
(2002/08/15 20:24登録)
設定がかなりとんでもなくても細部のうまさで、これだけ楽しませてくれるのはすごいと思いました。警察犬なみの嗅覚をを持つようになった男の話ですといっても、読んでみないとわかりません。


No.140 6点 地を這う虫
高村薫
(2002/08/15 00:43登録)
警察官をやめた男たちを主人公にした4つの短編です。ジャンル分けが難しい。ハードボイルドでしょうが題材は主人公たちの生き方のほうに振られていて、ミステリの線引きからはみ出しているような気もしました。小説としてはおもしろいですが、このサイトでの採点基準にはなじまない作品のような気がします。

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