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ミステリの祭典

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雨兎耳須さんの登録情報
平均点:5.54点 書評数:13件

プロフィール| 書評

No.13 5点 中野のお父さん
北村薫
(2025/06/03 12:34登録)
ミステリとしては面白かったのは「数の魔術」だけですね。他はイマイチ。
読み物としては普通に良かったです、「闇の吉原」では泡坂妻夫の短編「椛山訪雪図」が話題に取り上げられていて、最近読んだばかりだったのもあって面白かったです。


No.12 5点 世界の終わりの最後の殺人
スチュアート・タートン
(2025/06/02 15:09登録)
タートン作品はこれで三冊目。ディストピアSF×ミステリーという組み合わせは結構好きです。SFの要素がかなり強いかなと思いました。殺人が起きた時の全員の記憶が失われている為自白や目撃証言を引き出せない中でどのように操作を進めるのかがポイント。ミステリとしてのロジックは弱め。最初は三人称視点なのかと思いましたが、途中で一人称視点なのに気付き、何か叙述の仕掛けが施されているのかと勝手に期待してしまいましたがそんなことは無く残念。SFとして読んでいたら点数はもっと高かったと思います。


No.11 5点 ブラックサマーの殺人
M・W・クレイヴン
(2025/06/01 12:54登録)
うーん、前作の方がミステリとしてもサスペンスとしても面白かったような…
いずれのキャラもしっかりと立っているのは良かったですね。ただ、共犯者が軽率すぎませんかね…DNAのトリックも期待した程の面白さはなかったです。ただ捜査の過程が分かりやすい上に飽きない工夫が凝らしてあるので読んでいて苦痛には感じませんでした。
今作ではシェフが登場するのですがやはり作者は食べ物か料理が好きなのでしょうね。


No.10 6点 ストーンサークルの殺人
M・W・クレイヴン
(2025/05/31 19:49登録)
タイトルから結構本格モノかなと思ったのですが、本格要素は薄かったです。
まぁ犯人の動機や被害者の過去はよくある話で驚きは無かったですね…ただ、主人公の名前の由来とそれを犯人が把握していたということについては驚きました。あとは魅力的なキャラクターが多かったかのも良かったです。ミレニアムを思い出しましたね。ミレニアムは登場人物が性に奔放だったりちょっと現実離れしたキャラが多いのに対し、この作品ではシリアスな世界観に沿ってそういった要素が皆無だったのは素晴らしいです。継続してこのシリーズは読もうと思えました。
後は食事シーンが多くて個人的には嬉しかったです。海外の生活文化を覗けるのは翻訳ミステリの醍醐味なので。
やはり海外ではサスペンス要素をしっかり入れないと売れないのでしょうかね…本格にどっぷり浸かった翻訳ミステリをもっと読みたい…


No.9 5点 文学少女対数学少女
陸秋槎
(2025/05/29 15:40登録)
キャラ小説として読めば普通に面白いです。試みは面白いですが、ミステリとしては普通ですね。


No.8 6点 喪服の似合う少女
陸秋槎
(2025/05/29 15:30登録)
陸秋槎特有の陰鬱な雰囲気を纏った本格ハードボイルドです。
令儀のキャラクターが良いですね。しっかりと見せ場を最後に持ってきてくれるのは流石。
欲を言えばアクション要素がもう少し欲しかったですね。今ひとつ臨場感に欠けます。


No.7 9点 元年春之祭
陸秋槎
(2025/05/29 15:18登録)
デビュー作とは思えないほど構成力が高いです。ここまで余韻に浸らせてくれる作家は珍しい。
こちらの方が百合の三角関係を上手く描けていると思うのですが、ミステリーとしてはやはり次作が上かなと思いました。そのためこの点数です。


No.6 3点 盟約の少女騎士
陸秋槎
(2025/05/29 14:56登録)
シリーズ物の第一作目だとしても伏線が投げっぱなしなのともう少し世界の裏側が見えるような形でもいいんじゃないかと思いました。
点数はシリーズ物なら4点、今後続編が刊行されないのなら1点です。面白い以前の問題だと思います。


No.5 6点 緑衣の女
アーナルデュル・インドリダソン
(2025/05/27 19:39登録)
あらすじを読んでも分かる通り、本格要素は0です。
過去の家庭内暴力の恐ろしさを克明に描きながらも、暴力的な父親は単一的な存在ではない事を示していたのもよかったと思います。
ただ、現代の捜査パートが北欧ミステリあるあるというか、退屈な上に話もそこまで進まないので、現代の方は軽く読むのがいいと思いました。


No.4 3点 赤い夢の迷宮
はやみねかおる
(2025/05/27 16:28登録)
真相は特に捻りがなく、予想の範囲内だったのでこの点数。


No.3 10点 雪が白いとき、かつそのときに限り
陸秋槎
(2025/05/26 12:48登録)
ネタバレ有りです。

この作品はタイトルから、密室が作られた過程、犯人は誰か…を連想させます。ですが、それは巨大なミスディレクションであり、この作品の真価は犯人の動機です。事実、過去の事件は途中で探偵役は推理を放棄してエピローグによって全貌が詳らかにされます。
自分が特別な人間である事を示すために殺人を犯すというのは小説の世界では特別珍しいことではありませんが、そこに青春期の要素を入れ、終盤まで上手く隠しながらもところどころで犯人の思想を描写によって明らかにする書き方で、独自性と共感性に優れた動機になっていると思います。この動機は共感性の観点から数十年後に読んだら9点くらいに落ちると思いますが、今の自分にはものすごく共感できたため満点以上です。
余談ですが、雪の密室での殺人において探偵役に見せかけて犯人だったという構図は某作品とそっくりですね。動機もですが様々な作品の影響があるように思えます。


No.2 6点 幽霊列車
赤川次郎
(2025/05/26 10:15登録)
謎を生んだ意図をしっかり書いていたのがよかったです。最後の短編だけ冒険要素が強く、他の方も指摘していますが、量産体制に入ったのかなと思いました。主人公と優子のキャラが古いですが良かったです。


No.1 3点 マークスの山
高村薫
(2025/05/25 14:07登録)
水沢の内面や警察組織についてはよく書けていると思ったが、肝心の事件や他の登場人物についての魅力が無かったため、全体的に退屈だった。

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