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ミステリの祭典

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世界の終わりの最後の殺人

作家 スチュアート・タートン
出版日2025年03月
平均点6.00点
書評数2人

No.2 5点 雨兎耳須
(2025/06/02 15:09登録)
タートン作品はこれで三冊目。ディストピアSF×ミステリーという組み合わせは結構好きです。SFの要素がかなり強いかなと思いました。殺人が起きた時の全員の記憶が失われている為自白や目撃証言を引き出せない中でどのように操作を進めるのかがポイント。ミステリとしてのロジックは弱め。最初は三人称視点なのかと思いましたが、途中で一人称視点なのに気付き、何か叙述の仕掛けが施されているのかと勝手に期待してしまいましたがそんなことは無く残念。SFとして読んでいたら点数はもっと高かったと思います。

No.1 7点 文生
(2025/04/17 18:39登録)
黒い霧によって人類のほとんどが死に絶え、100名あまりの人々が暮らす人類最期の砦たる島にも危機が迫るという終末SF的なシチュエーションは非常に好みではあるものの、著者ならではの複雑な設定に最初はかなり手こずりました。しかし、馴れてくるとその設定が面白く、最初は混乱の一因となった特殊な視点も新しい試みとして興味深いものがあります。そして、SFど真ん中な設定を用意しながら、一方で名探偵の苦悩を描いてみせるのも新本格ぽくていい。さらに、二転三転する展開もミステリーとしての魅力に満ちていて悪くありません。ただ、仕掛けやロジックに関してはパンチ不足でもの足りなさが残るのが惜しいところ。

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