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ミステリの祭典

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レッドキングさんの登録情報
平均点:5.28点 書評数:943件

プロフィール| 書評

No.103 5点 ホッグ連続殺人
ウィリアム・L・デアンドリア
(2018/09/17 22:47登録)
〇〇に見せかけた殺人でなく 殺人に見せかけた〇〇ってのがグッドアイデア
だがそもそも「ABC・・」以来の 「◎◎殺人」に見せかけた「△△殺人」てのの逆の 「△△殺人」に見せかけた「◎◎殺人」てのないのか


No.102 6点 五番目のコード
D・M・ディヴァイン
(2018/09/17 19:40登録)
「〇〇殺人」と見せかけた「△△殺人」(「ABC殺人事件」だな)・・と見せかけた「~~殺人」。今後さら複雑化したの出るのかな。

< 2021/9/15 再々読> ディヴァイン第六作(せっかく「五番目」タイトルなんだから第五作だと締り良かった)。犯人の「不可能性」トリック(まあ目眩ましやね)の妙を加点すべきだったと思い知り、5点から6点に変更。


No.101 6点 八つ墓村
横溝正史
(2018/09/14 20:08登録)
小説としてはとても面白い 横溝の中で一番好きかな あの数十年前の映画も印象的だったなあ 「砂の器」監督に寅さん金田一でショーケン主演 ほんで山崎努小川真由美の演技あれ怖かったなあ でも犯人いくらなんでも殺しすぎ


No.100 7点 Xの悲劇
エラリイ・クイーン
(2018/09/14 13:21登録)
見どころは三点
第一幕で 「凶器それ自体」が「密室」=「使用不可能性」を演じていること
第二幕での「法廷ミステリ」の逆転劇と犯行不可能ロジックの展開 (まあ小柄な人物が 利き腕でない片腕では巨漢は投げられない とは絶対には言えない というツッコミはおいといて)
第三幕での動機解明・・・ホームズ長編物の匂いのする「過去因縁ロマン」の展開

はるか昔 まだ十代のころ 知りもしないくせに「本格もの」は「グリーン家」がその標準を形作り「Yの悲劇」がそれを乗り越え その後はないなんて思いこんでた その後「Y」より「X」のが上だという評価聞いても シェイクスピア最高作は「リア王」でなく「テンペスト」だとか 「カラマーゾフ」と並ぶのは「罪と罰」でなく「白痴」だとか はたまた「ホワイトアルバム」こそがビートルズ最高作だとかいった類の小賢しいマウント言説の一つだろうと感じていた 
でも あらためて読み返すと こんな面白い話だったんだな「Xの悲劇」 


No.99 6点 ABC殺人事件
アガサ・クリスティー
(2018/09/10 18:14登録)
ひさーしぶりに再読。昔の古色蒼然たる翻譯だが読みやすかった。原作の力だろう、そのへんはさすがだ。でも何度も読み返してまで味わう代物でもないな。「連続=不連続もの」「操りもの」の元祖筋なんだろうか。もっと面白い物がいっぱい増殖してるしなあ。

※追記 その後、これ以前に「連続=不連続もの」の先例あると聞いた。でも「アクロイド」にも、なんと谷崎潤一郎の先行物があるって説もあるし、きりないな元祖探し。


No.98 6点 遠海事件: 佐藤誠はなぜ首を切断したのか?
詠坂雄二
(2018/09/05 21:11登録)
首切りのホワイダニットね。このネタ、中山七里の法廷物でも使えそう。でも、あんなにも客観的で冷静でまっとうな判断力を持った人間が、あれ程の殺戮を繰り返した合理的理由なんて、そんなに転がっているかなあ。

( 2022/2/16 再記 ) 佐藤誠は、なぜ首を切断した?「✕-○」を「●-●」に見せかけるため・・なぜ、そう見せる必要があった?必要はなかったが、そう見せたかった・・それはまたなぜ?・・・
佐藤誠のなぜと「✕-○」のなぜが、読者の情感に仄めかされながらボカされて終わる。


No.97 5点 虎の首
ポール・アルテ
(2018/09/04 18:31登録)
「トリックのしょぼさ」が売りのアルテらしい


No.96 6点 カーテンの陰の死
ポール・アルテ
(2018/09/04 18:26登録)
この手の不可能トリック大好きだ 「衣裳戸棚の女」とか思い出す


No.95 7点 切り裂きジャック・百年の孤独
島田荘司
(2018/09/03 10:41登録)
史上名高いあの犯罪を解決するとは驚いた。ただあの事件はもう伝説を越えて神話の領域に達しつつある事象だから、合理的解決ちとシラケるかな。
※どこかで「切り裂きジャック=ジョンワトスン博士」説ての読んで個人的に大受けした

2022年追記。コナンドイルの某短編読んでて、これ思い出した。これ、6点てことないなあ・7点に格上げしちゃう。


No.94 4点 アトポス
島田荘司
(2018/09/03 10:23登録)
大技トリックというより 大味トリックだ


No.93 6点 眩暈
島田荘司
(2018/09/03 10:17登録)
これは好きだ 清張や「火車」味の犯人に ホラー風味もなかなか ただあの建物の秘密あれバレるだろ もっと高層か複雑構造の方がよくね


No.92 5点 暗闇坂の人喰いの木
島田荘司
(2018/09/03 08:01登録)
三つの大技中技トリック・・・「北の2/3の~」の二番煎じと「獄門島」のあれの変形と建物「トリック」・・・が豪華に出てくるが「ダマ」になっていて話に溶け込めてない 犯人の動機は横溝風で あの「異国の巨人が来日して巨樹になった」って魅力的な寓話を活かしきれなかった


No.91 5点 フラッド
アンドリュー・ヴァクス
(2018/09/01 15:36登録)
あのペットの巨大な雌犬がいいんだよな


No.90 7点 獄門島
横溝正史
(2018/08/30 15:40登録)
「悪魔の手毬唄」同様の見立て連続殺人。「手毬唄」では特になかった「見立て自体」の意味が、ここでは強い意志をもって与えられている。が、「手毬唄」にあった連続殺人のやむにやまれぬ動機が、ここではあまり感じられない。「手毬唄」には、過去の顔無し殺人との連結と言う骨格の妙味があるが、こっちには、三つの殺人それぞれにアリバイトリックが付いてて豪華。犯人は〇〇という読者の先入観を逆手にとったトリック。これと「悪魔の手毬唄」どっちがベスト横溝かずっと迷ってる。


No.89 5点 危険な童話
土屋隆夫
(2018/08/28 06:52登録)
殺られちまった方がスッキリする被害者っての出すと、法による解決がスッキリしない。 「容疑者Xの献身」とかと同じだ。むろんミステリだから謎解きは必要なんだが。


No.88 4点 幻夜
東野圭吾
(2018/08/26 16:53登録)
「白夜行」や「火車」のネタバレ解説のような作品。「白夜行」はハウ・ホワイダニットを「チラ見せ」しつつ進行する「半ミステリ半サスペンス」で、その片鱗しか姿を見せない深水に潜む怪魚のような不気味なヒロインが魅力だったが、こう露骨に楽屋裏描写されるとミステリでなくなる。実に読みやすく大変に面白い小説だが、ミステリとしての評価部分は少なく、オマケしてもこの点数かなあ。残念だが「ミステリサイト」なんで。

※追記。再読してこれが「続白夜行」であることを95%確信。ただヒロインが「新しい身分」を乗っ取る経緯は分かったが、いかに「古い身分」を廃棄したかは不明。これは難しいなあ、整形で顔変えて済む話ではないし。これを描くのは「第三部」の課題だな。そこでヒロインのその後と並行して過去の謎も描ききったら素晴らしい傑作になるかも「白夜行 三部作」。


No.87 6点 九月が永遠に続けば
沼田まほかる
(2018/08/19 11:17登録)
「彼女がその名を知らない鳥たち」よりは リアリティから離れているが 「ユリゴゴロ」ほどミステリとして造りこまれてない その分中途半端に 味が薄まってしまったかな


No.86 8点 彼女がその名を知らない鳥たち
沼田まほかる
(2018/08/19 11:10登録)
現実と幻想の耐えがたい分離。幻想を維持するために現実を殺す女と、女の幻想を守るために信じがたいまでの献身を尽くす男。けれども現実から引き離された幻想は、土から引き抜かれた植物の様に儚く、新たな汚れた現実に呼び寄せられてしまう。ミステリの面白さと小説的リアリティ。相反する二つの要素の見事な融和。
※この作家への個人的思い入れから点数にはオマケ加算。


No.85 1点 六枚のとんかつ
蘇部健一
(2018/08/13 12:29登録)
やっと読めた 名作の誉れ高いこの作品ずっと読みたかったんだ


No.84 7点 黒と愛
飛鳥部勝則
(2018/08/12 15:39登録)
SFホラー(「孤島の鬼」オマージュの様な化物改造フリークネタ)と本格ミステリと学園ダークラノベのごった煮。で、本格ミステリとしては、新旧二つの密室殺人トリックと犯人叙述トリックを含み、評価はこの部分。新事件の方の密室トリックはベタベタの機械トリックでいただけないが、旧事件の密室錯視トリックは素晴らしい。

※作者はこの作品を最後に 以降まとまった長編を出していない。筆を折ってしまったのかな、今何してるんだろ。
その全作品を二読三読している作家は、この人と麻耶雄嵩くらいだ。傑作「殉教カテリナ車輪」以来どの作品にも魅力と同時に嫌悪を感じてきた。実は小説としてはあまり好きでない。が、ミステリ、特にトリックに対する真摯で愚直な研究と描写(模倣とも言えるが・)にはとても魅かれる。

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