| レッドキングさんの登録情報 | |
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| 平均点:5.31点 | 書評数:1049件 |
| No.249 | 8点 | ポアロのクリスマス アガサ・クリスティー |
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(2019/09/15 18:36登録) 「最近のあたしが取り澄ましたお上品なミステリしか書かないと思ったら大間違いよ。えげつない血生臭いのも書けるのよ・・」ってな自慢気な前書きだが、本当は「あたしだってジョンのような『密室もの』くらい書こうと思えばいくらでもこしらえられるのよ・・」を示した傑作。十八番の「人間関係トリック」をダミーに使い捨てるところがGood。 |
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| No.248 | 4点 | 鏡は横にひび割れて アガサ・クリスティー |
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(2019/09/12 19:47登録) ほぼ一気読みできる位に読みやすいアガサ・クリスティのミステリの中にあって、珍しく「退屈さ」を感じてしまう作品。このネタは短編でまとめてほしかった。 |
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| No.247 | 5点 | 杉の柩 アガサ・クリスティー |
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(2019/09/05 11:00登録) ハヤカワ文庫の表紙画、なんで薔薇の絵?と思ったが、ちゃんと理由があった。冷静な判断力を保ちながらも、強くひたむきに異性への情念を抱き続けるのは男とは限らないってことね。クイーンはおろかカーでもこんな女は描けない。 |
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| No.246 | 8点 | 囁く影 ジョン・ディクスン・カー |
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(2019/09/03 09:22登録) オカルトとドタバタを両翼に、不可能犯罪トリック解明をエンジンにして飛翔するカーのミステリの中で、この作品はオカルトのみドタバタ抜きの片翼飛行で疾走する。そして切なく歪んだ心情とサスペンスが、ハウ・フーを超えて「いったい何が起こっているのだろう」のホワットダニットを噴き上げて行く。 ところでこの作のフェル博士にはいつもの魅力がないが、なんせ片翼のドタバタ自体がないのだからやむを得ず、ヒロインの魔力がそれを補ってあまりある。「あなたは彼女を愛してなどいないのよ・・幻想の女・・あなたの頭が創り出した夢の女よ・・ねえ、聞いて・・」「あの人が、どんな女だってかまわない。僕は、あの人のところに行く。」 嗚呼、「幻の女」「愚かなる男」 |
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| No.245 | 4点 | 地獄の奇術師 二階堂黎人 |
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(2019/09/02 09:58登録) これが江戸川乱歩の作品だったら、敬意を表して「名誉9点」位は付けちゃってたかもなあ。 それにしても、あの女子高生探偵のキャラ、もちっと何とかならんのか。 |
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| No.244 | 4点 | スタイルズ荘の怪事件 アガサ・クリスティー |
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(2019/08/29 22:42登録) アガサ・クリスティーの記念すべき処女作。1920年発表てことは1915年の「恐怖の谷」とほぼ同時代なのか。キャラ的にもプロット的にも「こいつが不幸に消えないと話が収まらない」=「ミステリ的には犯人のわけがない」て位に分かりやすいヒールを出しちゃいながら見事に一捻りして終結。十八番の「人間関係トリック」も既にきめてる。 |
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| No.243 | 6点 | 魔女の隠れ家 ジョン・ディクスン・カー |
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(2019/08/25 06:13登録) 旧家継承のオカルト風秘儀に絡めた連続殺人。キャラ的に一番怪しい人物には鉄壁のアリバイが・・・。アリバイトリックは見事だが、「密室」「不可能犯罪」ではないのが残念。自決し損ねた犯人の情けなさがよい。 ※ところでフェル博士って妻帯者だったのね。忘れてた。 |
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| No.242 | 7点 | 九人と死で十人だ カーター・ディクスン |
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(2019/08/23 14:06登録) 喉を切り裂かれた女の死体に残された指紋は、登場人物の誰とも適合しなかった・・ 航海中の船上という舞台が連続殺人の緊張感を煽る。しかも戦時中の航海ときてはなおさらに。指紋トリックの方は「へえ、そうなんだ」って感じだが、人物入れ代りトリックは読み返してみると「ああ、本当だあ」とただただ感心。 ※いまさらだけれども、フェル博士とヘンリ・メリヴェール卿のキャラの違いって「えっへん、おっほん」するかしないかだけだよね?それとも両方ともしたっけ? ※2021/5追記。メリヴェールも咳払いの「えへん」位はしてた。あと、メリヴェールの方が、爆笑度が高い。 |
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| No.241 | 7点 | 葬儀を終えて アガサ・クリスティー |
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(2019/08/20 06:21登録) 富豪一族の遺産相続をめぐる連続殺人のごとき展開にも関わらず、もっと何か「奥のありそな」ひんやりとしたホラー風味。「どいつもこいつも『怪しげ』に描かれてるなあ」「逆に、犯人この中にいないんじゃね?」「でもどうやって話まとめるんだ?」ときて「え? 犯人それえ?」となる。回り道一捻りされた「意外な真犯人」だった。 ※「・・女はあまり親切ではありません・・」女流作家が書くと変に説得力があり・・ |
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| No.240 | 4点 | 毒猿 新宿鮫II 大沢在昌 |
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(2019/08/18 14:59登録) このサイトで知り、興味を持って読んだ一冊。素直な感想は「面白かった」。「ハードボイルド」とか「クライム」なんてジャンルでの評価ならば7点8点とか遠慮なく付けちゃうと思うが、やっぱりジャンルにはこだわりたい。だからこのサイトでは「ミステリ」として評価して、おまけ付けてこの点数。 風俗店バイト店員が、自身を「ドゥ・・ユアン(毒猿)」と正体を明かす場面がカッコイイ。 ただ我が国のヤクザをゴミみたいに扱う戦闘描写は何とも・・・彼らだって人間だろうに・・・。 ※ところで空手やってる奴に「脳天かかと落とし」なんて技は無意味だと聞いた。(真相は知らん) |
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| No.239 | 6点 | 連続自殺事件 ジョン・ディクスン・カー |
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(2019/08/17 17:59登録) 鬱然たる塔つきの古城に三つの密室事件。もっとゴシックでオカルト風味な話になってもよいのに、展開は抱腹絶倒コメディ。フェル博士はじめ登場人物ことごとくが面白い。「他殺に見せかけた自殺」「自殺に見せかけた他殺」をめぐる解釈の行く末は、二つの密室「機械」トリックの解明で、そこだけ評価しても「まあまあ」といった感想になってしまうが、フェルの犯人に対するこの決着の仕方が大好きだ。 |
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| No.238 | 6点 | スイス時計の謎 有栖川有栖 |
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(2019/08/12 08:28登録) (採点とコメントは表題作に対してのみ) 最初から何か「腑に落ち」なかった。てことはこの「ロジック」のどこかに瑕疵があるにちがいないと念入りに精査したが、特に瑕疵は見つけられなかった。 (訂正及び追記) 「ロジック」に「瑕疵」は見当たらないがイチャモンは付けたい。端折って最後の3人に容疑者を絞ったところから。 「犯人はABC以外にはあり得ない」「もしAが犯人ならばAはXをしない」「もしBが犯人ならばBはXをしない」「犯人はXを行った」「ゆえにA及びBは犯人ではなく残ったCが犯人である」・・・・ だが、現実の人間とは「もしAが犯人ならばAはXをする必要はないのに、無意味にXをしてしまう可能性もある」存在である・・・。 したがって採点も6点に変更。 |
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| No.237 | 5点 | 白昼の悪魔 アガサ・クリスティー |
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(2019/08/11 17:34登録) 人物設定から「こいつが殺されるんだろなあ」と予測したのが殺されて、「犯人こいつしかいないだろう」ってのが犯人だった。また「こういうトリックなんだろうな」ってのは半分だけ当たった。 ※登場人物の一人のオカルト狂い娘の蔵書の一冊が「火刑法廷」ってネタに思わずニヤリ。 |
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| No.236 | 6点 | 一角獣殺人事件 カーター・ディクスン |
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(2019/08/09 21:49登録) 絶対に銃弾ではありえない死体の額の穴。だが状況的に刺殺もありえない不可能殺人。まるで見えないユニコーンの角に突き刺されたような・・。 人間と人間、人間と死体のすり替わりという大技手品。魔術師カー(「カーターディクスン」名義だが)の面目躍如たる一篇。 |
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| No.235 | 6点 | 五匹の子豚 アガサ・クリスティー |
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(2019/08/04 10:52登録) 16年前に完結している殺人事件の再検証。タイトル通り容疑者は5人。プロットと人物設定から犯人これしかないだろうってのはダミーで、キャラ的にこれだと一番つまらんなってのが真犯人だった。 ところで容疑者は5人だが、新本格以降の作家ならば、登場人物の3人をさらに「容疑者」に加えられるかな。自分としては依頼者=真犯人ての期待する。 |
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| No.234 | 5点 | 帽子収集狂事件 ジョン・ディクスン・カー |
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(2019/07/30 18:58登録) 原タイトルは「マッドハッターミステリー」。マッドハッター!おお あの「きちがい帽子屋」か! で、「アリス」「あわてんぼうウサギ」「セイウチ親爺(当然フィル博士)」と、いかにもあの登場人物達になぞらえたキャラが出てきて、これに「首をお刎ね!」の「ハートの女王」なんかがそろってたら、まんま「不思議の国のアリス殺人事件」だった。 自作自演犯罪や過失の隠蔽、不倫、思いつめた金銭欲求といった複数者のちっちゃな行為の偶然の重なりが「霧の倫敦の不可能殺人」を演出してしまう。 ところで乱歩、なぜこれ「世界推理小説ベスト10」だかに入れたんだろう。これに、被害者が最後に目撃された場所と死体が発見された場所の「移動不可能性」でも描かれてて、あの場所移動トリックが絡めてあったとかならばともかく、これではカーの代表作というには、ちともの足りない。 想像するに、「ポーの世界最初のミステリー原稿」ネタが、乱歩の心の琴線に触れたのではないかと・・・。 |
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| No.233 | 4点 | 中途の家 エラリイ・クイーン |
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(2019/07/26 08:43登録) 「もしAが女ならばAは口紅を持ってる」「もしAが女ならばAはパイプを吸わない」・・こんなのロジックとして「あり」か? 最初から一番くさい奴が犯人で終わったが、一歩前のダミー犯人の方が面白かった。 「・・僕らは推理小説の中の登場人物ではないし・・」には笑った。明らかに「三つの棺」の「わしらは皆、推理小説の中の登場人物なんだから・・」への返しネタ。 ところで、あの凶器の指紋だが、あんなもん残ってたら我が日本の裁判では、間違いなく有罪の「疑い得ない」証拠とされてしまうだろう。弁護士が必死に由来の「ロジック」で反証してみても。 |
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| No.232 | 5点 | ナイルに死す アガサ・クリスティー |
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(2019/07/14 10:16登録) この原作小説よりも、映画「ナイル殺人事件」の方が面白い。 「人間関係トリック」によるアリバイトリックは見事。だがこれのヴァリエーションであること明らかな「不連続殺人事件」の方がもっと面白い。 |
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| No.231 | 4点 | 闇からの声 イーデン・フィルポッツ |
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(2019/07/14 09:29登録) 探偵が「怪物像」に気付き、犯人が気付かれたことに気付いたかも知れない、ってあたり実にサスペンスしていた。 そういえば「ミステリー」と「サスペンス」の違いについて、テレビかなんかでやってたなあ。「犯罪を廻る謎があって解いて行くのがミステリー」「最初から明白に犯罪に沿って顛末を描いて行くのがサスペンス」・・。でもこれミステリでもあるよなあ。両方の要素ともに良く出来てたら、それは凄い作品なんだろな。 ※こんな殺人トリックを考案した。壁に掛かってる普通の風景画の上下をひっくり返すと恐ろしい幽霊の絵に見えるっていう騙し絵の仕掛けを作り、それを心臓病持ちのターゲットに遠隔操作で見せてショック死させ、その後、絵の上下を元に戻しておく・・・ |
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| No.230 | 5点 | 赤毛のレドメイン家 イーデン・フィルポッツ |
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(2019/07/14 09:12登録) いかにも英国通俗小説に出て来そうなヒロイン。こんなの出しちゃったらミステリでは当然に・・・。 乱歩がこれを「探偵小説NO.1」みたいに推したってのは分からんではない。彼、これのトリックとか以上に小説自体に嵌ってしまったんだろうな。当時の日本人にとって、あんな欧州風景や西洋美女への憧憬たるやさぞかし強かったことだろう。 |
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