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ミステリの祭典

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ミステリ初心者さんの登録情報
平均点:6.17点 書評数:412件

プロフィール| 書評

No.92 6点 能面殺人事件
高木彬光
(2014/08/26 07:21登録)
 この作品には、アガサ・クリスティーやヴァン・ダインの作品のネタバレがあります。全作品を読んでから、この作品を見たほうがいいかも。自分のように、読む前にネタが割れてしまい、後悔します。



 ここから、能面殺人事件のネタバレをしつつ感想を書きます。

 よかった点

 雰囲気が最高で読みやすい。最近、ヴァンダインのある作品を読みましたが、明らかにそれに似せて書かれているような気がします。
 過去の有名作品をだしつつ、『探偵小説史上、先例のない構成』と書かれていて、叙述トリックでないかように、だまされた。微妙に、先例がない・・・
 柳の手記で、柳自身が速記を読むことで、自然と、柳が速記ができることを明記している点。非常にうまいロジックだと思いました。
 高木が発見した、速記が書かれている紙。最後らへんに、『柳の指紋しかない』点。おもしろい!ヒント。確かにおかしい。違和感があったけどスルーしてしまったことを後悔します。
 高木の存在。絶妙なアホにみせかけ、探偵と助手役がわかりづらくなってます。


 いまいち気に入らなかった点
 
 若干の、胸糞展開。鬱気味になる・・・
 犯人に協力者がいる点。
 犯人に都合がよい偶然がある点。
 犯人が別にいても理屈が通る点。
 結果的に、犯人が2人いる点。これは別にあれか。
 レベルの高い叙述トリックだと思いますが、本質は、あの作品、と同じだと思います。前例から脱却しきれていない気がします。


No.91 6点 グリーン家殺人事件
S・S・ヴァン・ダイン
(2014/07/20 14:00登録)
ネタバレがあります

 
 グリーン家内の雰囲気が、よくある旧家もののようでおもしろく読みやすかったです。元祖なのかな?。横溝物のような。
 第3の殺人で機械仕掛けの殺人があったり、最後らへんで医者の判断が誤っていたり、その辺が不満です。


No.90 8点 りら荘事件
鮎川哲也
(2014/05/30 19:47登録)
ネタバレを含みます。


 本格好き垂涎の要素があります。 登場人物が一ヶ所に集まっての連続殺人。 死体のそばに必ずカード。 とても多い複線と回収。 
 かなり早い段階から人が死に、間をおかず連続殺人に入るため、物語がだれなく一気に読めます。
 叙述トリックや、奇想天外大トリックの類はないけれど、本角度の高い本物の推理小説でした。


 あえて気に入らない点を書くと・・・
 犯人に有利な偶然がある。
 あらかじめ砒素に耐性をつけるトリックは、有名?だけども知識がいるとおもう。色白云々然り。
 最後の殺人は、また別の犯人になる。すべて1人の犯人ができる犯罪のほうが好み。


No.89 4点 月の扉
石持浅海
(2014/05/18 01:43登録)
ネタバレをしています。

 座間味君の怒涛の推理?が面白かったです。

 以下、好みではない点。
 殺人するつもりではなくて、偶然が絡んで殺しになった。
 ピタゴラスイッチ系密室(機械仕掛け?)だった。
 クローズドサークルのドキドキ感があんまり感じられなかった。設定は変わっていたけど、生かされているような気が、あんまりしなかった。
 犯人当てが、やや予想しやすかった。
 後味が、すこし、悪かった。

 裏表紙に、かなり評判がいい感じの紹介文が書いてありました。そのせいで、ハードルが上がってしまった感があります。

 


No.88 9点 11枚のとらんぷ
泡坂妻夫
(2014/05/02 23:50登録)
ネタバレがあります


 論理によって犯人を当てられる、本格度の強い推理小説でした。 読みやすかったし、作中作も短編として面白かったし、作中作がしっかり犯人当てに組み込まれているし。 いうことなし。 
 ヒント・ミスリードもたくさんあり、読み返しても面白い!

 不満点は、
 殺人とは別に事件が未遂に終わる(被害者が犯人を殺そうとする)。 
 被害者の写真は解釈に難しいと(自分は)思いました。 ただ、これらは結局犯人当てを邪魔するものではないと思います。
 
 晴江?さんの、被害者に対する発言・・・たしか、きゃっきゃきゃっきゃ言ってた とか。 あれはかなり際どいと思いますが。 


No.87 7点 しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術
泡坂妻夫
(2014/04/05 18:37登録)
若干のネタバレがあります

 TVドラマの"トリック"のような雰囲気だと思いました。 ドラマのトリックのファンなので、楽しめました。 
 ヨギガンジーは、表紙の絵より真面目で知的?でした。表紙の絵が気に入って買ったんですが。

 読心術のカラクリは気づきませんでした。 これって、大変だったんじゃないのかな!
 読了後、もしかして食べれる本なんじゃ・・・?とか一瞬思いました。


No.86 6点 ニコラス・クインの静かな世界
コリン・デクスター
(2014/03/27 18:44登録)
ネタバレがあります


 とても凝った?作品だと思いました。モース警部の推理とキャラが面白かったです。意外な犯人というか、どんでん返しが楽しめました。

 個人的には、どんでん返しの結末より、その前のモース警部の推理のほうが好みでした。バートレットの部屋の前のランプの使い方が好きです。

 あと、読者が真相を当てられないような気がします。自分がアホなだけかもしれませんが。犯人以外の嘘、犯人の幸運と不運、犯人の協力者があります。 この辺は、アガサとか、横溝さんとか、三津田さんに近いような。


 余談ですが、タイトルから、ニコラス・クインが探偵だと思っていました。このシリーズを読むのが初めてなものでして。いきなり殺されてびっくりしました。


No.85 7点 黒いトランク
鮎川哲也
(2014/03/20 21:51登録)
 光文社の新装版のやつを読みました。
 
 読んでいる最中の印象は、細かいなぁ~とか、時間と場所の把握が面倒だな~とか、どうせ解けないもの(超複雑)なんだろうな~ という感じでした。 そのため、メモを取っていませんでした。 途中、トランクの動き と 登場人物のアリバイが図示されていたので、何とか話についていけるレベルでした。

 解決編を見て、面白いな!と思えることがたくさんあり、もっと真剣にアリバイ崩しに望んだらよかったなぁと後悔。 メイントリックはもちろん、最後の最後で明かされる謎も好きです(こっちがメインか?)。風見鶏の話も面白かった。


No.84 6点 刺青殺人事件
高木彬光
(2014/03/08 17:13登録)
ネタバレを含みます


 刺青と密室にすごくセンスを感じました。
 この刺青殺人事件、かなりミスリードが凝っているような気がします。
死体の発見の順序、密室とその死体がなくなっている点、刺青と蛞蝓、どうしても第一の殺人と第二の殺人の本当の順序を勘違いしてしまうし、密室のほうを重視してしまいます。そもそもタイトルが刺青殺人事件だし・・・刺青を持ち去ることに意味があると考えてしまいますよね。それが罠なんですね たぶん。


 以下不満点。
主には、挑戦状がある以上、論理によって犯人を当てることを難しくするものが不満です。

 犯人に協力者が多すぎる。犯人のアリバイを作っていた女性の証言ですが、犯人以外の嘘を混ぜると犯人当てが困難な気がします。神津にしても、カマをかけてうそを見破りましたが、久が犯人と決めたこと元にした推理に思えました。唯一、利害が一致している証言だ、とかは、どうとでもいえます。

 犯人の協力者が、犯人の予想してない行動をとっている。犯人の、すべて狙い通りでほしいです。絹枝の行動がさらに犯人当てを難しくしてます。

 犯人当てとは関係がない、好みの問題なのですが、
絹枝と珠江?がそっくりなことを利用した、殺人時間のずらし、それによるアリバイ工作。密室によって本当の殺人現場の隠蔽。写真の工作?による綱手姫の存在。 これらには、ぐっと来ませんでした。ちょっと、似たような密室ものを、過去に読んでしまったせいかもしれません。


No.83 5点 ついてくるもの
三津田信三
(2014/03/01 11:01登録)
ネタバレがあります。


 そこそこ面白かったです
 推理小説が、最後にひとつついています。ゲンヤさんシリーズです。これ、自分は結構好きなんですが、誰もが想像する展開かもしれませんね。どちらかっていうと、クロさんと偲さんと、言耶さんのトリオ漫才のような雰囲気を楽しむものかも。


No.82 8点 人形はなぜ殺される
高木彬光
(2014/03/01 10:29登録)
ネタバレがあります

 
 これがはじめての高木作品、探偵神津作品です。

 ミスリード・ヒント・暗示の嵐。メイントリックが抜群で、大満足でした。特に、詩人による詩的なヒントの「首をどこかに飾ったら?」は、犯人がわかった状態で読むと衝撃。
 古い?作品にもかかわらず、かなり読みやすかったです。

 以下不満点。
 ・協力者が多い。やっぱりいないほうが好み(ヒントはあるものの)。
 ・第二幕最初に、筆者から登場人物紹介がありますが、ミスリード過剰な気がします、いらない。これがやりたいために、最初に登場人物紹介をつけられなかったのかな?
 ・第二幕・第六場の"犯人はここにいる"という題名はきわどいと思うんですがどうでしょう? 綾辻さんのある作品を思い出した。良い点にもなりえますが。
 ・神津は、自分で消去法で犯人をはずしたくせに、アホな推理をした挙句、アリバイを大して調べない。初めての神津だったため、自分にとって神津=アホというイメージが付いてしまった。払拭するために、他の作品を読みます。

追記 払拭できました


No.81 6点 宛先不明
鮎川哲也
(2014/02/23 01:54登録)
ネタバレがあります

 2時間ドラマのような雰囲気でした。サスペンスっぽいというか。 犯人当てより、アリバイ崩しの作品です。 
 メイントリックは頭の体操のような面白さがあったと思います。 自分は読んでいる最中に、正解に近いものが浮かび上がりましたが、郵便局のシステムをよくわかっていなかったようです。


No.80 6点 エジプト十字架の秘密
エラリイ・クイーン
(2014/02/16 23:11登録)
ネタバレがあります

 犯人が論理で当てられる、犯人当ての楽しい小説でした。 それに加えて殺し方が変わっていたり、沢山殺されたり、衝撃の展開だったり、話がダレません。

 残念なのは、ロジックの緻密さというか厚みが無い気がします。ちょっと無駄な部分が多いというか、犯人を断定させる部分が少ない気がしました。ロジックだけで見たら、短編でもいい気がしました。

 評価と関係ありませんが、訳が古く、めちゃくちゃ読みづらかったです。サンマーハウスの意味について、ちょっと悩みました


No.79 5点 神のロジック 人間のマジック
西澤保彦
(2014/02/08 17:10登録)
ネタバレがあります


 マモルの母親が神について話をしていましたが、とても面白い伏線ですね。 他にも、読み返すと面白い伏線がたくさん。

 不満なところは、真相がちょっと無理があると思う。作中作・夢落ち系のひとつだと思いますが。
 あと、わりと早い段階で、真相のめぼしがついてしまいました。


No.78 5点 探偵ガリレオ
東野圭吾
(2014/02/05 15:49登録)
 特命リサーチ200Xが大好きだった自分としては、楽しめました。


No.77 6点 水車館の殺人
綾辻行人
(2014/02/05 15:37登録)
 ネタバレを含みます


 この本を採点するのを忘れていました。たぶん。
 プロローグの使い方がうまいなぁと思いました。ただ、シリーズの中では地味な印象。
大トリックより、消えた死体の話が面白かったです。大トリックがわかっていることが前提のロジックかも?

 ユリエの見た目は、いかにも推理小説にいそうな清純少女っぽくて、それがミスリードだったかも。

 犯人に協力者がいたことがマイナスポイントです


No.76 7点 ロートレック荘事件
筒井康隆
(2014/02/05 14:54登録)
 ネタバレがあります


 伏線がとても多く、最後に作者が回収してくれる。他の叙述ミステリ系も、最後に回収ページを作ってくれるといいなぁ。
 ロートレック荘面図のギリギリのヒントが、最も好きな点です。

 あえて欠点を探すと、メイントリックがポピュラー(?)すぎる。登場人物紹介がない点と1章の文から、叙述トリックを予感する人が多いと思う。(自分は荘図面で確信しました)。ヒント過剰な気がします。
 最後はちょっとだけ後味が悪いです。

 そういえば、裏表紙にメタミステリーと書いてあったんですが、これは書いては いけないのでは??


No.75 6点 46番目の密室
有栖川有栖
(2014/02/05 07:55登録)
 ネタバレを含みます

 「どうやって殺したか?」が楽しめる作品でした。かつ、足跡の問題は、ロジックも楽しめると思います。
 密室がつくタイトル、被害者が密室ものの巨匠。ハードルがあがりまくりました。改めて考えると、ミスリードだったか

 以下、不満点。
 密室が犯人の意図したものでない(地下室)。密室ものでなかった(すごいの期待してた・・・)。
 犯人に偶然の不幸が起きる(推測はできる)。
 トリックもそんなにびっくりするものじゃなかった(自分はわかりませんでした)。
 星火荘の地図をつけてほしい。トリックに関係あってもなくても、地図をつてもらうと、格段に読みやすくなります。
 火村とアリスのキャラが好きになれない。


No.74 6点 ここに死体を捨てないでください!
東川篤哉
(2013/05/27 12:57登録)
 大好きなシリーズです。読みやすさがすごい。一瞬で結末まで行きました。カバーのデザインも好みです。
 それに対して、トリック部分は、あまり好みではなかったです。


No.73 9点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2013/05/27 12:22登録)
ネタバレをしています


 前作、前々作と同じく、犯人当てが楽しめる作品でした。安心して犯人当てを楽しめる=犯人が1人に断定できる作品です。
 前作や前々作よりも、さらに読みやすくなっています。この作品の犯人の犯行方法は、ちょっと大胆で面白く、だれません。さらに、おそらく訳者の腕があがった??読みやすい日本語になっていました。
 読みやすかった為か、難易度が低いのか、自分でもそこそこ謎が解けました。第2の殺人はヒントが大きくてキワキワですね。殆ど当たらない自分がそこそこ分かったので、難易度のたかいものを求めている人には向かないかも。
 嫌いな部分をあげるとすれば、犯人に共犯者がいること。ただ、犯人当ての邪魔にはなっていません。

 完成度の高い、本物の本格推理小説でした。
 ※ちょっと印象が変わり再評価

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