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ミステリの祭典

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蟷螂の斧さんの登録情報
平均点:6.10点 書評数:1701件

プロフィール| 書評

No.401 5点 プラチナデータ
東野圭吾
(2013/04/02 14:13登録)
ありそうで、実際は不可能?という近未来(SF)的設定。2013.3映画化されたので拝読。監視システムなど、ハリウッド映画によくあるような感じでしたね。ストーリー自体は楽しめましたが、全体にアッサリしていて深みがないのかな~。まあ、多重人格がオチでなく、ホッとしたというところです。


No.400 5点 花の下にて春死なむ
北森鴻
(2013/03/30 15:19登録)
日常の謎は、どうも苦手で何冊かトライしているのですが、やはり肌に合わないですね。緊迫感がないことと、安楽椅子ものは、推理が想像でしかないような気がして駄目なのでしょう。本作の雰囲気は良いと思いました。


No.399 6点 悪魔のような女
ボアロー&ナルスジャック
(2013/03/30 09:50登録)
(タイトル・女⑳)古典のサスペンスものとして読むのがよいと思いました。現在では、ネタはわかり易いものですね。ラストの一言が余韻を残します。


No.398 8点 鬼面村の殺人
折原一
(2013/03/29 11:19登録)
著者の初期(1989年)の作品で、合掌造りの家消失を扱ったものでした。ドタバタ調で、得意の「叙述」はなかったですが、このような作品を書いていたことを発見でき収穫でしたね。横溝正史氏のパロディー化や、エラリー・クイーンの「神の灯火」(未読)のネタばれ(いいのかな?)もあり楽しめました。大どんでん返しのあとの一捻りもあり、満足です。


No.397 7点 隻眼の少女
麻耶雄嵩
(2013/03/28 09:12登録)
よく考えられた構成だと思います。連続殺人の動機や、犯人逮捕までの過程がイマイチ弱いと感じられたのは、本当の真相のためということが理解できました。ただ18年後の事件の動機は、あまり誉められたものではありませんね。


No.396 7点 水中眼鏡の女
逢坂剛
(2013/03/25 14:57登録)
(タイトル・女⑲)表題作は1987年とのことです。著者はエッセイで「読者を誤導するための間合いを計るのに苦労した。中には仕掛けがよく分からないという人も・・・」と談。解説者によれば”現在では「仕掛けがよく分からない」という読者は、それほど多くないのではないかと思われる。類似したタイプの仕掛けのヴァリエーションを専門的に案出する作家も、昨今は随分増えてきたのだから。これはある意味、時代に先駆けすぎた小説だったかも知れない。”とあります。その「仕掛け」を理解するまでに、かなりの時間を費やしてしまいました(笑)。残り2作品もブラックユーモア、サイコサスペンスで楽しめました。


No.395 6点 死神に愛された男
カトリーヌ・アルレー
(2013/03/24 09:47登録)
(タイトル・男⑨)フィアンセの浮気がもとで、人生が狂っていく若いデザイナーの物語です。著者の作品は、サスペンスものが多いような気がしますが、今回はちょっとした謎が2つばかりありました。後半に、若いデザイナーは、社長夫人との結婚又は出世という野望を持つのですが、そこへ対抗馬が現れ嫉妬します。この対抗馬の謎はあっさり判明してしまうのですが、最後まで謎のままの方が衝撃があったような気がします。惜しい感じですね。


No.394 6点 オランダ靴の秘密
エラリイ・クイーン
(2013/03/22 15:03登録)
東西ミステリーベスト100での「国名シリーズ」の評価(○位)と本サイト<○点>との比較。「ギリシア棺」(23位)<7.67点>「エジプト」(42位)<7.05点>「オランダ」(圏外)<8.15点>。本作はベスト100では圏外ですが、本サイトでは、かなりの高評価がついていますね。自分としては、非常に珍しいこと(笑)なのですが、3つのヒントで犯人がわかってしまいました。今のところ、「ギリシア」>「オランダ」、次は「エジプト」に挑戦です。


No.393 8点 ギリシャ棺の秘密
エラリイ・クイーン
(2013/03/20 21:34登録)
長編で読みごたえがありましたね。誤った推理があっても、論理的であり好感が持てました。(タダの推理としか、思えない小説がある中で・・・)裏のテーマが、ダビンチの絵画の真贋に関するものであり、非常に楽しめました。


No.392 7点 死の接吻
アイラ・レヴィン
(2013/03/18 17:10登録)
(東西ミステリーベスト13位)サスペンス感があふれており楽しめました。倒叙形式で物語は展開されますが、犯人が「彼」としか表記されていないところがミソでしたね。それが第2部での「驚き」に繋がります。当時としてはインパクトがあったと思います。(現在では、折原一氏の「叙述」に慣れ親しんでしまっているので不感症気味?(笑))第3部での長女との婚約までは良かったのですが、証拠、自白に至る過程はいただけなかったですね。


No.391 6点 法月綸太郎の新冒険
法月綸太郎
(2013/03/17 12:29登録)
「背信の交点」は松本清張の「点と線」を思い出させてくれました。「身投げ女のブルース」は偶然をうまく利用したトリックで感心しました。


No.390 5点 だれも知らない女
トマス・H・クック
(2013/03/13 16:59登録)
(タイトル・女⑱)裏表紙より「死体となっても、彼女はなおかつ美しかった。南部の都市アトランタ、空地の夏草のかげで発見された若い女性はだれなのか?なぜ殺されたのか?市警殺人課のフランク・クレモンズの心に、その女のことがこびりついて離れない。不思議なのは、これほど人目をひく美女なのに、だれも知らないことだ。」刑事フランク・クレモンズシリーズ(3部)の第1作目。刑事は娘を亡くし、妻とも離婚、アル中気味とペーソスを感じさせる人物です。地道な捜査物語で、サスペンス感・ミステリー度はそれほどありませんが、文学的な香りが漂う小説でした。


No.389 5点 顔のない男
北森鴻
(2013/03/11 20:10登録)
(タイトル・男⑧)連作の短編形式をとっている長編です。一遍一遍の事件はそれほど謎はありませんが、それが最後にひとつに纏まってきます。オチ自体は、よくあるパターンですが、探偵の調査書(ノート)は、実は○○であったというのがミソだと思います。


No.388 7点 オイディプスの刃
赤江瀑
(2013/03/09 20:24登録)
「東西ミステリーベスト100」の92位。本サイトに登録されていないのが驚きです。読後の印象は、なんともすさまじい小説だなあ、ということでした。刀研ぎ師が自殺?又は殺害され、その後に主人公の母親が自害、その後父親までが割腹自殺というものです。両親は、三兄弟のうち誰かが刀研ぎ師を殺害したものと思い自害した。三兄弟の言い分はそれぞれ違っており、まるで「藪の中」(芥川龍之介)の世界です。謎は①刀研ぎ師が残した言葉「少し苦しい。でも好きだ。」②誰が刀研ぎ師を殺したのか?ですが、ミステリー的解決を前面に出していない描き方で、刑事も出てきません。三兄弟の名刀「次吉」に翻弄される姿、並びに「香水」にまつわる兄弟の葛藤を中心に耽美的に描かれています。①の謎の真相はお気に入りですが、ミステリーの分類は難しいので「その他」としました。著者は、昨年6月に79歳で逝去されました。ご冥福を。


No.387 7点 第三の時効
横山秀夫
(2013/03/08 17:00登録)
連作短編集。F県警捜査一課の3人の班長(笑わない男「朽木」、冷酷無情「楠見」、直感の鬼「村瀬」)が、それぞれ個性的に描かれていて楽しめました。お気に入りは、やはり表題作ですね。内容的には、かなり重たい話なのですが、冷酷無情の楠見が見事に解決してくれます。よって重さより、スッキリ感の方が勝っていて後味はよいです。


No.386 8点
麻耶雄嵩
(2013/03/07 20:03登録)
(ネタばれあり)地図にない村の雰囲気が良く描かれています。閉ざされた村での、鬼子の存在(見えない物が見える)がうまく、大胆なトリックへの効果となっていると思います。また主人公の人形への愛着(やや崩れている感じ)が結末に繋がっているところも効果的でした。


No.385 7点 夜よ鼠たちのために
連城三紀彦
(2013/03/06 16:20登録)
新潮文庫版(6作品)。男目線でのトリッキーな作品が並んでいます。お気に入りは「過去からの声」です。誘拐物で、アイデアは秀逸であると思います。短編なのでアッサリしているのが残念ですが・・・。長編であれば、かなりの衝撃度(どんでん返し)を味わえると思います。


No.384 4点 煙か土か食い物
舞城王太郎
(2013/03/05 12:46登録)
文体は特異なもので、スピード感はありました。しかし、一体何を書きたかったのだろうというのが、最初の印象です。推理は二の次で、家族愛?暴力?復讐?よくわからない小説です。


No.383 7点 見えないグリーン
ジョン・スラデック
(2013/03/01 11:39登録)
東西ベスト100の50位(前回79位よりランクアップ)①密室②犯人の消失?③全員にアリバイと本格の要素を詰め込んだ作品でした。表題のグリーンと虹の7色をミスディレクションに使うなど楽しめました。秀逸と感じたのは②犯人の消失?に係るロジックでした。倉知淳氏の「過ぎ行く風はみどり色」・・・みどりとグリーンか・・・本作のオマージュと思えてきました。


No.382 5点 ロウフィールド館の惨劇
ルース・レンデル
(2013/02/26 10:27登録)
東西ベスト100に入っていたので拝読。しかし、あまりピンときませんでした。無知~感情の欠如~善悪の判断の欠如、それは文盲が原因であったということなのでしょう。原因(動機)自体に、関心が持てなかったので、サスペンス感を味わうことがきませんでした。残念です。

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