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ミステリの祭典

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take5さんの登録情報
平均点:6.55点 書評数:309件

プロフィール| 書評

No.209 5点 本格王2022
本格ミステリ作家クラブ
(2022/12/11 17:43登録)
道尾秀介さんや浅倉秋成さんなど
6名の作品集
浅倉さんの『糸の人を探して』は、
合コンパロディで面白かったですが、
『六人の嘘つきな大学生』の方が
はるかに読みごたえがありましたので、
まあさらっと暇潰しで読むオムニバス本です。


No.208 3点 スタフ staph
道尾秀介
(2022/11/23 14:39登録)
図書館の返却日が来てしまい、
あわてて15分ほどで速読しただけなので
仮の評価です。
オフィス街でキッチンカーよく見かけますが
スタフに注意、大変なんですね。


No.207 6点 いけない
道尾秀介
(2022/11/12 12:04登録)
道尾秀介作品は、
カラスもネズミも好きですが、
この作品は技巧が文体を越えて
章の最後の写真にも隠れているというものです。
このサイトでの作品の評価が低い理由は、
文章でカタルシスを得られないか、
技巧に凝りすぎていて理解できない自分に
納得いかないかのどちらかではないでしょうか。
二章終わりのビデオ映像の背景とか、
初見で気付く人います?
友達に薦める道尾秀介作品の五指には、
入らないなあ、私見ですが。


No.206 8点 かがみの孤城
辻村深月
(2022/10/26 02:56登録)
ミステリーとして
登場人物の幾人かのWho
みんなの集まったWhy、When など、
分かりやすいものもありますが、
小説としての力が強いので
このサイトを備忘録としても使わせて頂いている私には
これ以上低い点数はつけられないです。

自戒の念を込めて記すのですが、
子をもつ者として子に関わる者として、
これを読んで伏線の回収にカタルシスを得る
だけではいけないと思うのです。
自戒の念なので声高に訴える気はないですが、
誤解を恐れずに、
中高生にお勧めの書評をよく見ますが、
むしろ大人にお勧めします。
辻村さんは子どもの心を素直に書ける
稀有な作家さんと思っております。

因みに後から調べたらマンガ(ジャンプ系)も、
今冬映画も!あるようですが、
小説として読めてよかったと
辻村深月さんの文章にふれて思うのです。


No.205 7点 invert 城塚翡翠倒叙集
相沢沙呼
(2022/10/10 18:25登録)
medium 霊媒探偵城塚翡翠を
大変興味深く読みましたので、
次作を楽しみにしていました。
中編三作
結論から言うと前の二編はいまいちですが、
それすらも仕込みと思える作り。
シャーロック・ホームズっぽさや、
ディーンフジオカのシャーロックっぽさや、
古畑任三郎っぽさが、
力抜けていて駄作間を和らげています。
最後もなあ、と思いながら読み進めると、
やはり一筋縄ではいかない反転あり。
倒叙とそこら中に書いてある理由がよく分かりました。
※反転と倒叙は違います。
表紙の城塚翡翠の意味も最終作で分かりました。
本全体のクオリティーでは前作の方が高いかな。
インヴァートIIも楽しみです。


No.204 5点 クリムゾンの迷宮
貴志祐介
(2022/10/10 11:05登録)
平均7*8というのが驚き。
子どもの頃を思い出すゲームブック!
サバイバルの臨場感もどこか作り物めいていて、
内容そのものがゲームブックっぽいのです。
娯楽としか言いようのない作品。


No.203 5点 葬儀を終えて
アガサ・クリスティー
(2022/09/23 19:29登録)
斎藤警部さん他幾人かが述べている通り、
家系図がミスリードの元としても機能しています。
私の癖でこういう作品は右手の指を
家系図と表紙裏の人物一覧の両方に突っ込んで
読み進めるのですが、
ミスリード防止に役立ったかなあと。
疑問なのは犯人の動機に対して行動の整合性がとれていないと感じます。
まあ殺人とはそういうものとも言えますが。
折原一さんはこれがベストワンだそうで、
私のクリスティランキングでは、、、
選外ですねえ。
まあ好みなので。


No.202 8点 六人の嘘つきな大学生
浅倉秋成
(2022/09/19 16:30登録)
最近、当たりの作品が多くて嬉しい限りです。
大学生の性格の反転、
ナレーションの意味の反転、
主人公の一人の境遇に関する反転、
等々、
半分も読まないうちに反転の連続で、
この先どうする?の後からまた反転。
個人的には、上記3つ目の反転が
『赤毛の男の妻』的で好きです。
叙述の巧みさで読ませるのがやはり
ミステリーだと思うので、
これはレベルが高い作品だと思います。
装丁の絵から、どれが誰と考えてみるのも一興。
就活に対するアンチテーゼも効いていて、
軽い社会派的な面も。


No.201 8点 medium 霊媒探偵城塚翡翠
相沢沙呼
(2022/09/03 19:43登録)
作者の相沢沙呼さんはまだ30代ですよ。
天才ですね。
ラノベも書かれてるという事で文体が軽く
スラスラ読めます。
最終章のみやや饒舌過ぎますが、
それがなければなあと思います。
霊媒探偵っていう設定が今時というか
きっと古典的名作のような
人物を描き出す事や
描写とロジックで読ませるような
感動は無いな、
と思いながら読み進める時点で
作者の罠にはまっている---
犯人の目星はすぐつくのですが、
いったいその先を予想した方はいるのでしょうか?
次も楽しみです。


No.200 7点 友罪
薬丸岳
(2022/08/28 09:53登録)
過去の贖罪と世間の誹謗中傷が主なテーマ。
人の振り見て我が振り直せが、
個人的に感じたテーマ。
自分を棚にあげるマスコミと
内面と向き合う主人公の対比。
薬丸岳の社会派としての力がよく発揮された、
600ページの作品でした。
読みやすかったです。


No.199 8点 五匹の子豚
アガサ・クリスティー
(2022/08/20 17:57登録)
十年ぶりに再読。クリスティー女史はやっぱり凄いや!
1942年の昔に、男女、夫婦、姉妹、友人、師弟を
(↑様式美に則って関係を五つ書きました)
人情味溢れる描き方をしながら、
その全ての人の回想にダブルミーニングを
潜ませるという離れ業。
いわゆる回想の殺人というもので、
人がいかに主観的にものを捉えるか
(5人もそして読み手の私も)。
個人的に『春にして君を離れ』と
同じ位好きな作品に昇格しました。
こちらのサイトは皆さんの書評でまた読みたくなる、
感謝します。
10人読んだら8人は、私のように途中では、
二行目に書いた●●関係が真相と思うはず。
女史さすがです。


No.198 10点 モンテ・クリスト伯
アレクサンドル・デュマ
(2022/08/09 23:28登録)
人生の数奇な運命こそミステリー。
学生時代に出会ってよかった作品。
大デュマも小デュマも偉大ですが、
この作品が古今東西名著百選等で、
漏れることは今後もないでしょう。


No.197 9点 異常【アノマリー】
エルベ・ル=テリエ
(2022/08/09 22:56登録)
フランスゴンクール賞受賞作
群像劇
読み手である私達の存在をも
疑わせるミステリー。
個々の(いやここは複数形だった)
人生がクロスして、
また分かれていく様は圧巻です。
ちりばめられる言葉遊びがまた秀一。
設定をとんでもないとは思えない
胡蝶の夢物語。
ニューヨーク・タイムズと一緒で
自分の年度一番でよいかなと、
いやまだ早いか。


No.196 6点 カナリヤは眠れない
近藤史恵
(2022/08/09 22:31登録)
スポーツをしているので、
体が整う事と心が整う事が
シンクロしているのがよくわかる事例集。
途中まで安楽椅子探偵的なのもお約束。
文庫でさらっと読める文量もお手軽。


No.195 6点 そして名探偵は生まれた
歌野晶午
(2022/08/02 19:01登録)
そして名探偵は生まれた
→バカミスに近いユーモア作品
生存者、一名
→サバイバル物、なかなかよく練られています。
館という名の楽園で
→館の絵ですぐに分かるトリックですが、
最後は悲しい。

ハードカバーはこの3つしか収録されていません。


No.194 8点 前夜祭
連城三紀彦
(2022/07/16 04:55登録)
基本、恋愛の当事者は主観的盲目に陥る訳で、
視点が変われば捉え方が変わる、
そんな反転する小説の題材に最適なことは当たり前。
その当たり前が連城氏にかかると
これ程人間を描く名作だらけになるのだと
改めて氏の筆力に感嘆。
90年代中盤の作品集


No.193 7点 茨姫はたたかう
近藤史恵
(2022/07/09 13:53登録)
女性の著名な作家の表現する、
登場人物の女性の関わりが、
大変興味深く読めました。
サクリファイスのような世界とは
また違った近藤氏の筆力を感じる作品でした。
ミステリーとしては反転弱めですが、
力先生をはじめとする人物が魅力的で、
気持ちのよい読後感です。
文庫本で300ページありません。


No.192 7点 バスカヴィル家の犬
アーサー・コナン・ドイル
(2022/07/02 12:05登録)
創元推理文庫版で再読。
子どもの頃は『バスカビル家の魔犬(or野犬)』だったと
記憶しています、懐かしい。houndなら大型犬?

シャーロッキアンだった亡き祖父に敬意を表して、
ディーンフジオカ好きとしては今こそ再読のタイミングで。

冒頭の推理合戦から依頼者の登場、
ロンドンでのニアミスや
『夕日が綺麗だよ』の再会。

コナンドイルはこれまでも多くの作品が
映像化され続けてきましたが、
バスカビルの犬はその先鋒なのも頷けます。
読んでいてすらすら画が浮かびます。
最後レストレードも登場して300ページ強、
二時間弱で読め、ちょうど映画を見終わった感じです。
ほまれシャーロックを見る前に皆さん如何でしょうか?


No.191 6点 タルト・タタンの夢
近藤史恵
(2022/06/26 14:50登録)
北森氏のかなり屋等、ビストロ安楽椅子探偵物です。
こちらフレンチですが読みごたえはもう少し軽いお味です。
かなり屋は感動しました。こちらビストロパマルはさらっとよい気持ちになれました。
近藤氏の名作サクリファイスの数年前に書かれたものです。
東京は熱波の夏の午後、扇風機と自然風で読みました。


No.190 6点 忌名の如き贄るもの
三津田信三
(2022/06/12 16:14登録)
すみません、
皆さん高評価なので、
首無以来作者のものを久しぶりに読んだのですが、
民間信仰や儀礼的行事が、
あまり得意ではないと再認識した次第です。
二転三転は見事なのですが、
最後の一行の切れが私には刺さらなかったのです。
地名人名が読みにくいのも私にはつらかったです。
目が悪かったり地名の変遷が力技に感じたりもあり、
この書評で0、5ポイントも下げてしまいました。
これを書いている今現在、
10人以上の書評を有する国内作品第4位ですが、
3位の戻り川や2位の占星術が好きな私です。
私見失礼しました。

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