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ミステリの祭典

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復讐の協奏曲
御子柴礼司シリーズ

作家 中山七里
出版日2020年11月
平均点4.40点
書評数5人

No.5 5点 take5
(2023/11/18 17:06登録)
御子柴シリーズ
キャラ設定が特殊な事に加えて
被害者関係者と加害者がシンクロするという
かなり作り物の世界を読みます。
まあ小説ですから作り物の世界でも
よいのです。
最後の法廷のくだり、
ページの制約か?と思うほど
あっけなく終わりました。
情報屋の能力高っとか、
突っ込みどころ満載ですが
リーダビリティも高っです。

No.4 3点 みりん
(2023/06/21 00:35登録)
ネタバレあります。
『悪徳の輪舞曲』の書評で洋子の素性について「日下部洋子=御子柴更生のきっかけとなったピアノの少女」だと予想していたので、今作で洋子が依頼人となった時に「ヤレヤレ…また当ててしまったよ」と天狗になっていたら全然違ってましたね〜 

そんなことはさておき4作目までは全部面白かったのですが、今作ちょっと微妙。残りの50ページほどでようやく裁判が始まり、まさかの第二公判で物証の瑕疵を後出しで指摘するとたちまち逆転。いつもの御子柴と検事との巧緻を極めた攻防もなし。ミステリとしてはかなりプロットが脆弱。そして見落としがなければ協奏曲という言葉が一度も出てこなかったのでそこも残念…
御子柴・倫子・洋子・宝来などキャラクターに愛着は湧いてくるのでまあ良いか

No.3 3点 レッドキング
(2023/06/11 23:17登録)
元「殺人鬼」弁護士シリーズ第五弾。二作目以降は、主役弁護士と因縁ある人物・・被害者遺族・少年院恩師・実母・・が、殺人罪被告として依頼人となる法廷物シリーズ。今回の依頼人は、シリーズの癒しキャラの事務員の女で、交際中の男が刺殺され、凶器のナイフには女の指紋のみが残されていた。如何にもな、女の幼児期の叙述で始まり・・あんな様なパターンか・もう一捻りか・いやウラ行ってその逆かぁ・・いろいろ思わせて、結局、指紋トリックのワンオペミステリ。
※作者、何か「リンリ」の類を見せたいの分るが、ハードボイルド強面キャラが、偽悪的強がりタフガイを経て、徐々にお茶目ナイスガイへ劣化して行くざまは、見たくないな。

No.2 5点 蟷螂の斧
(2021/09/18 07:46登録)
御子柴弁護士は容疑者となった事務員の洋子が自分と同じ出身地であることを知る。何故、洋子が自分に近づいてきたのか?・・・が裏テーマ。事件も背景も全体にあっさり系、軽めの展開でした。お得意のどんでん返しも不発?次作に期待。

No.1 6点 HORNET
(2021/08/22 12:30登録)
 少年時代に幼女誘拐殺人を犯し、「死体配達人」として世を震撼させた経歴を持つ弁護士・御子柴礼司のもとに、800人以上の一般人から懲戒請求書が届く。それは〈この国のジャスティス〉と名乗る者が、ブログで世間を扇動したためだった。対して御子柴は、すべてに損害賠償を請求し、徹底抗戦することに。事務員の日下部洋子は膨大な事務作業に追われることになった。そんな矢先、ある晩洋子が会食した男性が殺され、洋子が容疑者に。洋子の弁護を引き受けた御子柴は、いつものやり方で弁護業務を進めていく。すると、今まで知らなかった洋子の出自が明らかになり・・・

 御子柴シリーズ第5作。今回は、これまで陰で御子柴を支えてきた事務員・日下部洋子が物語の核になる。また、金と名誉だけを求める外道弁護士・宝来兼人が御子柴の事務所を手伝うという副次的な要素も加わり、シリーズを通して読んできた者には楽しめる要素が多い。
 ただ、ミステリとしては仕掛け方がやや甘く、殺人事件の犯人と凶器のトリックはある、「苗字」が出てきたときにピンときた。そもそも前半で不可解な消え去り方をしているのに、それが放置されているのがひっかかっていたのですぐに分かってしまった。
 本シリーズが好きなので、御子柴の「御子柴らしさ」を読み味わうこと自体私は楽しいが。

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