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ミステリの祭典

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翼がなくても
御子柴礼司&犬養隼人

作家 中山七里
出版日2017年01月
平均点6.80点
書評数5人

No.5 7点 take5
(2023/11/12 14:21登録)
こちらのサイトで皆様から
中山七里を教えていただき
御子柴という極めてキャラの立つ
主人公に親しみ始めた訳ですが、

その御子柴をサブにした番外編。
私、陸上に親しむ陸上小説好きで
そのような作品をいくつか
読みましたが、青春物でもなく
しかし狂気をはらむスポーツの世界は
一定のレベルで描かれております。

ご都合主義の極致という点も幾つかあります。
殺害後の処理とか、
何と言ってもデヴィッドガーターの下りとか。
でも繰り返しになりますが
全力で走る実感がシンクロする
私には、
200mの表現だけでよい小説でした。

No.4 6点 mozart
(2023/11/04 20:52登録)
ミステリーとしてはほとんど想像通りの展開だったので安心して読めました(と言ってもこの作者のことだから最後に何かどんでん返しが待っているのかも知れないとページが残り少なくなってからちょっとハラハラしましたが)。

沙良のキャラはちょっと誇張されていますが、二十歳そこそこの若者であればあのような「凝り固まった」考えに囚われてしまうものなのか、と思わせておいて最後は…、というのもベタベタの展開だったのに感動してしまいました。

No.3 7点 HORNET
(2018/12/15 10:15登録)
 犬養隼人と御子柴礼司の競演というのが、シチリストにとってはたまらない。

 ミステリの真相としてはいたってシンプルで、ネタだけで見れば短編でも収まりそうな内容だが、障害者アスリートやそれに貢献する科学技術研究をテーマとして物語を膨らませ、読み応えのある作品となっている。全て筆者の、巧みな人間描写をはじいめとした筆力の為せる技で、さすがである。

 沙良のライヴァルの多岐川早苗の、超然としたプロ意識がかっこいいと思った。

No.2 8点 蟷螂の斧
(2018/07/16 13:45登録)
御子柴弁護士シリーズの番外編。この手の青春スポ根ものは涙腺がどうしても緩みがち。よってプラス1点。まあ、バラエティに富んだ作品を提供していただき感謝感激(笑)。

No.1 6点 人並由真
(2018/06/27 21:00登録)
(ネタバレなし)
 西端化成に勤める20歳のOL、市ノ瀬沙良は、同社実業団陸上部の精鋭アスリート選手として次期オリンピックまでを視野に入れていた。だがそんな彼女はある朝、居眠り運転事故の被害者となり、左脚切断に至る重傷を負う。しかも加害者は沙良の隣人かつ初恋の相手で、現在は引きこもりのニートの青年・相良泰輔だった。自暴自棄になりかけながらも、障害者スポーツの陸上選手として果敢に再起を図る沙良。だが事故ののち、泰輔が自宅で変死。犬飼と相棒の麻生は現場の状況から殺人事件と見て、正体不明の犯人を追うが。

 謎解きミステリとしてはソツもないが曲もない作りで、真相は大半の読者の想像の範疇であろう。
 ちなみに本作は犬飼と御子柴の初の共演(半ば対決)編。中山ファンにとっては垂涎の趣向だが、あえてそっちの興味はサブに回し、再起にかける沙良の熱い青春ドラマ、さらには彼女を支える人たちの群像劇の方をメインの軸にしたあたりはうまい。
 いかにも現実のなかでありそうな試練をたっぷり盛り込みながら、その上で克己する思いの強さを謳った、すごく清廉で良い感じに厚みのある人間ドラマであった。そっちの意味で、読み応えは十分。

 しかし御子柴先生、ツンデレのツンの部分の偽悪家にして、ちゃんと最後には沙良を応援するおいしい役どころは持って行く(探偵役はどっちかというと犬飼の領分)。この人は、まさに中山ワールド版ブラックジャックですな~(笑)。

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